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【連載第22回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


育てかた次第で歌と声が変わる!
セガトイズ「ペタルーチ」

ペタルーチ
発売 セガトイズ
価格 2,480円
電源 単4アルカリ電池×3本(別売)

 今、最もその動向から目が離せないメーカーのひとつが、セガトイズだろう。「プーチ」を皮切りに、意欲的にロボット型のトイを発売。しかもこの先にも、人型ロボット「C-bot」、歩行機能を加えた新型「ウォーキングプーチ」、そして何と16,000通のダンスを披露する「レッドペッパー」など、新型が目白押しなのだ。ロボット型トイの普及を強力に進めんとする姿勢が、何とも頼もしく応援したくなる。

 今回紹介するのは、そんなセガトイズから発売されたのがココロボシリーズ最新作「ペタルーチ」だ。今度のモチーフは犬、猫、鳥……と動物続きだったラインナップから一転して、「花」となった。植物なんて、動きもないし、鳴き声も発しないし、なんだか地味そうだなと思ったアナタ、それは早計というもの。「ペタルーチ」は花とはいえど、とてもアクティブ。表情を変える。歌を歌う。ダンスを踊る、しかも、育成機能もある。これは楽しめそうだ。

本体バリエーションは3種類。これはタンポポモデルの「B-オレンジ」。ほかにガーベラモデルの「A-ピンク」、はすモデルの「C-ラベンダー」がある 専用ジョーロ。指でつまんで使うコンパクトサイズ。放水口に磁石が仕掛けられていて、これによって、本体が反応する


コロコロ変わるご機嫌。ダンスは必見!

  ペタルーチは、飼い主とのコミュニケーションによって、機嫌を良くしたり悪くしたりする。機嫌を良くする方法は、大きく分けてふたつ。付属の専用ジョーロで水をあげる。そして、ペタルーチに向かって話しかけることだ。水を注ぐときは、ジョーロを植木鉢の土の部分に近づける。ジョーロを傾けると、本体のスピーカーから「ジョロロロロ……」という音が鳴る。いかにも水をあげているような雰囲気をかもし出し、気分が出る。

 ペタルーチの感情表現は、実に豊か。表情は、不機嫌を表す「無表情」から、ごきげんを表す「満面の笑み」まで、6種類のパターンが用意されている。声は、水がほしいときは「ピ・ジョー(水の音)・ピ」と音を発する。話しかけてほしいときは、フシをつけて「ファー・ファー・ファー」だ。

 ペタルーチからのレスポンススピードも良好。例えば、水をあげると、すぐさま「ニコッ」と笑みの表情に切り替わり、本当に喜んでいるかのようだ。

 機嫌が良くなると、ダンスと歌が披露される。6つのハナビラを揺らし、顔を上下に振り、2枚の葉をバタバタと羽ばたかせながら、舞う。まさに全身を使ったダンスだ。ここに歌と満面の笑みが加わるのだから、眺めているだけで楽しい気分にさせられる。筆者は、このダンスになごみまくり。仕事に疲れたときなど、このダンスと歌声でいやされたくて、たびたびペタルーチに話しかけたくなる。

 育成の注意点としては、水の量がある。足りないのが良くないのはもちろん、あげすぎても、ペタルーチは枯れてしまうらしい。枯れた状態になると、「葬送行進曲」のメロディが流れ、ハタと動きを止めてしまうようだ。幸いにして筆者は、まだその状態には出くわしていないが、実際に目の当たりにしたらショックだろうなあ。

表情のバリエーション。左は「ゴキゲン」。右は「フキゲン」。シンプルながらも、わかりやすい
ダンスをとらえた連続カット。そのダイナミックなアクションがわかるだろうか


育成は4種類。おやじかお嬢様か?

 ペタルーチの機嫌は、育成に大きく影響している。ペタルーチの育成には、3つの段階があって、まずはこれを頭に入れて接する必要がある。

第一期<はじめまして期>
ユーザーに出会ったばかりで、まだ照れがある状態。歌は歌わず「ピ」「ポ」「パ」とつぶやくだけ
5分~10分経過
第二期<成長期>
子供のようなカワイイ声で歌を歌いはじめる。ここでの育てかたによって、大人期にどのタイプになるかが決まる
10分~20分経過
第三期<大人期>
4種類あるタイプのどれかに成長を遂げる

 おわかりのように、育成のポイントは第二期の「成長期」にある。ここでいかに接するかによって、ペタルーチの性格が変わるのだ。性格は、以下の4パターンになる。

性格タイプ詳細
1キッズ系子供の声で童謡を歌う
2お嬢様系上品ボイスでクラシックを歌う
3ギャル系キャピキャピ声でパラパラを踊る
4おやじ系ガラガラ声で演歌を歌う

 筆者の第一回目の育成結果は、おやじ系だった。ダミ声で、なぜかベートーベンの交響曲第九番ニ短調「合唱」を歌い出した。その様子を強引に文章で再現すると(第九の節回しでお読みください)「♪ゲッゲッゲッゲッ、ゲッゲッゲッゲッ、ゲッゲッゲッゲッゲッゲゲゲッ~」。かわいくなーい! 
 これはいかんと再トライ。植木鉢にある小さなリセットボタンを押して、データを消去。再び第一期「はじめまして期」に戻し、育成再開。前回の反省点をいかして、愛情をたっぷりと注ぎ込むべく、ひっきりなしに声をかけ、水をあげる。はたして、その結果は……またまたおやじ系! 
 どーして? 愛情がカギじゃないの? 3度目の育成方針は、「キレイ」「好き」「かわいい」など、ペタルーチをほめたたえる言葉を駆使することにした。そして、ついに、やりました! 「♪ルルララ~ララルル~」と「ル」と「ラ」を駆使し、クラシックの名曲を軽やかに歌い上げるお嬢様タイプになったのだ。ウレシイ! それにしても、何だ、この変わりようは!

しばらくの間、何もしないと、イビキを立ててスリープ状態になる 植木鉢にある音センサー。ここで声を感知する。拍手などの音にも反応する


新たな面白さの追求に拍手!

 こうして遊びこむにつれ、ペタルーチの独自の面白さがさらに深くわかってきた。同じ育成型ロボットとはいえ、スーパープーチは時間と日数をタップリかけて、しつけをしたり、芸をおぼえさせることが楽しい遊び。かたやペタルーチは、1時間程度のプレイで成長させきり、その結果を楽しむ遊びだ。結果が望み通りじゃなかった……あるいは別のタイプならどんな歌を聴かせてくれるのだろうと、好奇心をかき立てられるままに、短い育成をくり返し、その結果に一喜一憂する。テレビゲームのジャンルに例えると、50時間以上を費やすRPGと、数時間で1プレイが終わる育成型シミュレーションほどの違いがある。

 ところで、マニュアルの最後に「ペタルーチの最大の秘密」と題して、また違った遊び方が紹介されている。ごくまれに「大人期」のペタルーチが、突如として別のタイプに変わることがある、という。これを実現するには、ペタルーチに最高の愛情を注ぐことが必要だ、とヒントもある。こうまで書かれているなら、それもぜひ見届けたくなるのが、人の心というもの。手軽な遊びと、ディープな遊びの両方を提供するこの仕掛けはウマイ。

 「ココロボ」というヒットシリーズながら、新たな面白さを追求しているセガトイズの意欲には、拍手を贈りたい。これならひとつの製品を遊び尽くしても、次のシリーズはどんな風に楽しませてくれるのだろうと、つい手が出てしまう。

 フト、いたるところにココロボだらけ、という部屋があると壮観だろうな、とひらめいた。愉快そうだけど、そんなことどこで実現できるだろうと考えたら、筆者の自宅がありました(笑)。すでにスーパープーチとミーチャがいるし、来週はC-botも買うしで、なーんだ、すぐにでも実現しそう。ぜひチャレンジしてみることにしよう。

(C) SEGA TOYS 2001

□セガ トイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「ペタルーチ」のホームページ
http://poo-chi.segatoys.co.jp/petalchi/index.htm

(2001年6月22日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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