|
発売 | インテル |
---|---|
価格 | 6,900円 |
電源 | 単4電池×3本 |
動作環境 | Windows 95 OSR/98/Me Pentium 233MHz以上を推奨 メモリー 32MB ハードディスク インストール時 140MB、ソフト起動時 90MB 4倍速CD-ROM 解像度 800×600ドット 16ビットWindows対応サウンドデバイス DirectX 6 |
■ 怪しい! でも面白そう!
「一体何に使うの?」これが最初の感想だ。もちろん、けなしているのではない。ほめ言葉だ。筆者は、こういう怪しげなアイテムを見ると、好奇心がフツフツとわいてくるのだ!
「コンピュータ サウンドモーファ」は、インテルのデジタル玩具「Intel play」シリーズのアイテム。デジタルレコーダーと、ウィンドウズパソコン上で音声を編集するソフトのセットだ。音声には、様々なエフェクトをかけることができ、さらに作成した音声データを電子ポストカードとして送れるという。デジタルグッズ&トイ好きの筆者にはツボにハマりまくりのアイテム。果たしてその面白さはいかに? さっそく遊び倒してみた!
集音マイクが特徴的な「サウンドモーファ」。電源には、単4電池が3本必要 | 同梱されている、サウンド編集用ソフト。ターゲットがキッズ層のためか、とても使いやすい |
「ナニ? このBSアンテナみたいなヘンなの?」「サウンドモーファ」本体を見た同僚が開口一番こう言った。しかし筆者自身は、手に取った瞬間にさらに確信した。このアイテムは面白いにちがいない! スケルトンのボディに、メタリックに塗装された入力ボタン。そして何よりも、怪光線を発しそうな集音マイク。まるでB級SF映画に出てくる光線銃のようなデザインだ。しかも、手に持って使うのに、集音マイクが2段階に折れ曲げることができる。このなんともいえないユニークなデザインが、遊んでみる前から気に入ってしまった。ちなみに本体の大きさは、一般的な携帯電話よりひとまわりほど大きいほど。持ち運ぶにはもってこいの大きさだ。
2段階に折れ曲がるマイク部分のアップ。手を音のする方に向ければ済むと思うのだが…… | 携帯電話とのサイズ比較。持ち運びには、気にならない程度のサイズ |
「サウンドモーファ」本体は、単体で持ち運び、いろいろな音を集めるためのレコーダーとして使用する。パソコンと接続すれば、音声入力用のマイクとして使うこともできる。単体で使用した場合、録音できる時間は最長で4分。一見短く思えるが、いざ音声を録音するとなると、意外なほど長く録れる。しかし、この奇抜なデザインのアイテムをポケットから取り出し、街中で録音をするのには結構な度胸がいる。実際に地下鉄のホームで録音していたら、周囲から白い目で見られてしまった。
マイクの集音性能は良く、通常の会話の音声ならば、しっかりと拾うことができる。さて、街中で音を集めてきたところで、編集作業にチャレンジ!
本体の液晶画面。録音することができる残り時間が、画面上にカウントされていく | 本体のボタン類。なんと電源スイッチはなく、20分間放っておくと、スリープモードになる |
「サウンドモーファ」本体とパソコンを専用のケーブルで接続し、編集ソフトを起動する。さっそく録音しておいた音声を取り込んでみる。「ザッ……九段下~九段下~……」駅の構内放送の声だ。「…ジッ……テスト、テスト……」これは筆者の声。しっかりと録音されている。取り込んだ音声は、ボタンひとつでノイズをカットすることができる。実行すると、思いのほかクリアな音声になった。
さて面白いのはここからだ。音声には、40種類以上のエフェクトを加えることができる。ヘリウムガスを吸って話しているかのような声の「エイリアン」。エコーがかかっているような声の「洞窟」。中には「輪ゴム」なんていう変わった効果まである。複雑な作業を必要とせず、ボタンひとつでいろいろな声色に変えられるのが楽しいのだ。
しかも取りこんだ音声は、ブロック単位で自由に順番を並べ変えることができる。例えば、「ラーメン よりも カレー を食べたい」という音声を入力。それを画面上で、ブロック単位に並び変えれば、「カレー よりも ラーメン を食べたい」のように加工することができる。もちろん、他に録音した音声ファイルを切り貼りすることもできる。
パソコンと接続したところ。パソコン側は、USBではなく、マイク端子に接続する | 編集中の画面。縦に区切られた音声の波形ブロックごとに、マウスで移動させることができる |
音声の編集に加えて、その声を発する顔のイラストも作成できる。顔は、モンタージュのように、目や鼻、口、耳などを用意されているパーツから選んで組み立てる。しかも、組み立てた顔のイラストは、音声にあわせてアニメーションする。なんとも妙な感じだ。
音声と顔のイラストを編集したら、専用のメールソフトで、電子ポストカードとして送信できる。例えば、「お誕生日おめでとう!」という自分の声を取りこみ、彼女あての電子ポストカードを送ることもできる。ただし、せっかくならば、いろいろと編集した音声や顔のイラストを送信した方が断然面白い。モンスター風の音声で「アゾビニ イゴウヨ (遊びに行こうよ) 」なんていうメッセージが届いたら、きっと相手も笑ってくれるだろう。さらに悪ノリして、宇宙人風の声色で「オマエ ヲ サラッテヤル!」なんてメッセージだったら、相手はぶったまげるハズだ! いや、やりすぎかなあ。
顔の作成中の画面。男、女のほかに、エイリアンの顔用のパーツまで用意されている | ポストカード送信画面。作成した音声と顔イラストの画像を、メールで送ることができる |
最近はデジカメ用のカンタンな画像編集ツールが数多く登場している。それに対して、音声の編集というと、どうしても「難しい」というイメージがあった。ところが「サウンドモーファ」の編集ツールは、その難解さをまったく感じさせない。音声編集の専門的な知識は一切必要なく、マウスでポチポチとボタンを押すだけで、アッという間に音声を加工できるのだ。しかも、これだけ遊び甲斐があって6,900円! パソコンを持っているならば、絶対に損な買い物ではない!
Intelのデジタル玩具シリーズは、この「コンピュータサウンドモーファ」で2作目。1作目はデジタル顕微鏡だった。筆者としては、デジタル望遠鏡やデジタル双眼鏡がほしい! しかもデザインが、B級SF映画チックだったら、いうことナシ! もし発売されたら、即買いなんだけどなあ。
いろいろな音を取りこんで、編集するのがとても楽しい! | 「Intel play」シリーズのアイテムは、今のところ2作。気になる次回作は? |
(2001年5月24日)
[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]
GAME Watchホームページ |