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発売 | タカラ |
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価格 | 9,800円 |
電源 | 単2電池×2本 |
■ 復刻! 愛しの「ロボットマン」!
凛々しい立ち姿のロボットマン! まさか21世紀に復刻されるとは思わなかった |
当時のオモチャの中にも、モーターを搭載したものはもちろんあった。ただし、せいぜいモーターの回転を動力にして「走る」という程度のもの。ところが「ロボットマン」はちがう。本体に内蔵された、たったひとつのモーターで、キャタピラ走行、首や肩の付け根の回転、さらに、ヒザの前後運動による歩行もできるのだ(ロボットのいわゆる「歩く」とは多少ニュアンスがちがうが)。
もちろん今のオモチャのように、センサーやコンピュータチップを使って、複雑な動作をするわけではない。「スイッチを入れると動く」という単純なものだ。しかし、ただ動くのではなく、本体のあらゆる箇所がモーターに連動して動くというギミックは、当時としてはとても斬新で刺激的だった。
キャタピラの付け根には、モーターの動力を伝える小さなギアがついている | 歩行時は、分割した脚部パーツを取り付ける。すると、スリ足をするように歩行する |
では、その仕組みはどうなっているのだろうか? 「ギアやシャフトを使ってモーターの回転を伝える」というのは、想像できるが、やはりその仕組みを見てみたい! ということで、「ロボットマン」を分解してみることにした(編集部注※分解は、筆者が自費で購入したものを自己責任のもとに行なっております)。
ボディを止める4本のビスを外すと、本体の中央にはひとつのモーターがガッチリと組み込まれていた。そして、モーターを囲むようにギアボックスが設置されている。パッと見た目は単純な構造なのだが、実はかなり複雑だ。ひとつのモーターの回転を首、腰、左右の肩、そして背中のキャタピラへと伝えるためのシャフトが縦横に伸びている。もちろんモーターの回転方向は決まっている。それを上下左右の回転に変換し、あるいは角度を変えて伝えているのだ。
「ロボットマン」のギミックを調べていて思い出したのは、江戸時代に生み出され、今なお精巧な作りが賞賛される「茶運び人形」だ。動力装置や機構の複雑さにちがいはあれ、体の各部に動力を伝える優れた構造は、どこか似通ったものを感じる。どちらも、コンピュータが発達する前に生み出された、紛れもないロボットなのだ。
ボディの分解写真。モーターが据え付けられた中央から、シャフトが伸びているく | 腕の付け根のアップ。白く見えるジョイント部分が、モーターと連動して回転する |
「ロボットマン」が、なぜここまでモーターの回転を使ったギミックにこだわっていたのか。それは、「ミクロマン」シリーズならではの遊びかたに、起因している。
「ミクロマン」は、商品開発当時から「有形ブロック」というコンセプトがあったという。たとえばレゴブロックは、四角いブロックを組みあわせていくことで、モノの形を作っていく。その組みあわせの自由さが面白い。一方の「ミクロマン」シリーズは、ブロック玩具とはちがい、それぞれの商品が乗り物や基地といった形を持っている。ただしどの商品にも、「5mmジョイント」という同一規格の接続ポイントが設けられていて、別の商品同士のパーツを組みあわせ、自由に楽しむことができるのだ。
そのコンセプトは、「ロボットマン」にも活かされている。モーターによって回転する肩や首の付け根に、ほかの商品からドリルやウィングのパーツを持ってきて組みあわせれば、戦車や飛行機として楽しめる。「ロボットマン」の動力をブロックのワンピースとして、ユーザー自身が自由な発想で組み込める。これこそが、モーターを使ったギミックを充実させることとなった理由なのだ。
ロボットマン単体でも、パーツの組みあわせで戦車のような形態に変形する | 例えば首の付け根のジョイントに、手首を差し込むこともできる。スイッチを入れれば回転する |
ロボットマンのパーツをバラバラにしてみたところ。これらを自由に組み立てて遊べるのがなんとも楽しい |
そんな、エラそうなことを言いながらも、続々発売される「オモチャのロボット」を見ると、サイフのヒモをゆるめてしまう筆者。う~ん、オモチャ道楽はやめられないねえ。
■■ 注意 ■■
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□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
(2001年4月13日)
[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]
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