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【連載第4回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


第4回:戦車ならではの動きを完全再現!
大人のためのラジコン戦車
「RC BATTLE TANK 陸上自衛隊90式戦車」

発売 東京マルイ
価格 14,800円 (税別)
電源 単3アルカリ電池8本使用(本体用) 006Pアルカリ電池1本使用(コントローラー用)
付属品 専用コントローラ、デコレーションパーツ、6mmBB弾

隊長! 弾が撃てるラジコン戦車であります!

本体付属のプロポ。移動用のボタンと砲塔回転ボタン、砲身上下ボタン、射撃用のボタンがある
 今回は、世界で初めて電動式エアーガンを搭載した、ラジコン戦車だ。このラジコン戦車『RC BATTLE TANK 陸上自衛隊90式戦車』を開発したメーカーは、東京マルイ。モデルガンに興味を持ったことがある人ならば、一度は社名を耳にしたことがあるハズ。数々のエアーガンやガスガンを生み出してきたことで知られるメーカーだ。ただし同社は、エアーガンだけのメーカーではない。実は、日本を代表する怪獣・ゴジラやモスラのラジコンを開発・販売しているメーカーでもある(自動車のラジコンも手がけている)。『RC BATTLE TANK 陸上自衛隊90式戦車』は、東京マルイが誇るエアーガンとラジコンの2大テクノロジーを結集して開発された。どちらも、男子のココロをくすぐる2大アイテム。いやがおうにも期待は膨らむ!

隊長! 90式戦車の到着であります!

 「ビィリィッ! ガサガサ」。とにかく早く操作してみたくて、到着したダンボールを無造作に開ける。中から出てきたパッケージを開けると、90式戦車がしおらしく箱に詰められていた。同梱されているのは、本体とプロポ(コントローラ)、装飾品(12.7ミリ重機関銃、フィギュアなど)、そして6mmBB弾。戦車本体のディテールも細かく、ただのオモチャではない。本体を取り出すと、ズッシリと重量感がある。砲身には安全のためにゴムの保護キャップが装着されており、弾の発射ギミックが内蔵されていることを、改めて実感させられた。

防衛庁に何度も取材を行ったというだけあって、外見はとてもリアルな仕上がり。迷彩パターンは塗装済みだ 付属のデコレーションパーツ。本体同様にあらかじめ塗装済み


隊長! 走行テストであります!

 さっそく動かすため、電池を装着する。本体に使用する電池は単3型アルカリ電池をなんと8本! さらに、プロポ側に9Vのボックス型電池が必要だ。電池をセットし終わったら、戦車本体とプロポのふたつの電源を入れ、「前進」のボタンを押す。いざ発進! 「ウゥィィィィィーン」という軽快なモーター音とともに、前に進みはじめた。移動についてプロポで操作できるのは、「前進」「後退」「右旋回」「左旋回」「後右旋回」「後左旋回」の6つ(「後退」「後右旋回」「後左旋回」はひとつのボタンにまとまっている)。前進時は、グリップ部分の「ブースト」ボタンを同時に押すことで、高速走行もできる。さらに、戦車ならではの動き「超信地旋回」も可能だ。これは、左右のキャタピラを逆回転させることで、その場で高速に車体の方向を変える動作だ。この動きは見事。まさに、戦車らしさをバッチリと再現している。

本体ウラの電池ボックス。単3型アルカリ電池を2段に分けて装着する ひとつひとつのホイールには、サスペンションがついている。多少の凸凹でもヘッチャラ

隊長! 主砲の試射であります!

 ひと通りの操作をおぼえたところで、一番の特徴である、主砲を撃ってみることにした。BB弾をセットし、心の中で「発射!」と叫びながら、緊張する指で「ファイア」ボタンを押す。ところが、一向に弾が発射される気配がない。マニュアルを読んでみると、誤射を防ぐために、プロポ上面とグリップのふたつの「ファイア」ボタンを同時に押さなければならないらしい。エアーガンとはいえ、安全性を考えての配慮だ。そして再度チャレンジ。ふたつのボタンを押すと、「ヴィーーン」と低い動作音がなり始めた。次の瞬間「シュッパッ」という軽い空気音とともに、BB弾を発射! テレビゲームの戦車を操作するのとはワケが違う。目の前のラジコン戦車から、ホンモノ(といってもBB弾)の弾が発射されるのだ。これは想像以上の感激だ。

BB弾は、砲塔上部のハッチからセット。最大約40発の弾が入る ふたつの「ファイア」ボタンを押すと、砲塔前面の警告ランプが光る

隊長! 射撃訓練であります!

 ただ撃つだけでは面白くないので、標的を狙ってみることにする。約10メートル離れた距離から標的を狙って撃ってみる。しかし、なかなか当たらない。プロポで砲塔を左右に、砲身を上下に微調整してみるが、やはり命中しない。エアーガンの場合、真後ろからのぞきこむことで、照準を絞ることができる。ただしラジコン戦車の場合は、車高が地上10センチ程度と低いため、思った以上に照準を定めにくい。何度も試行錯誤しているうちに、何とか当たりはじめた。どうやら弾が上方向にそれていたらしい。コツがつかめてきたので、命中精度を試してみた。結果は20発撃って7発命中。思っていた以上に着弾点をコントロールするのが難しいのがわかった。しかしその微調整でさえ、とても楽しく感じる。

本来ならば写真のように視線を落とさないと、標的を狙いにくい 射撃訓練の結果。なんとか7発は命中。なお弾の最大飛距離は、約25メートル

隊長! 燃料切れであります!

 走行しながら砲塔を回転させる。旋回しながら弾を発射する。ボタンの組みあわせで、戦車ならではの動作を、すべて再現することができる。コンマ数秒のスピードを競うレース用のラジコンとは、また違った面白さだ。すっかり夢中になって、1時間ほど操作していると、突然プロポの命令に反応しなくなった。マニュアルによると、電池の寿命らしい。複雑な動きをモーターで制御しているので、やはり電池の消耗は激しいようだ。これだけ楽しいと、夢中になって動かしてしまうので、1時間という電池の寿命はとても短く感じられた。

隊長! 終了報告であります!

戦車らしい力強い動きと、主砲発射ギミックの素晴らしさ。ぜひシリーズ化を希望!
 考えていた以上に本格的で、十分すぎるほどに楽しめる。しかも、箱を開けてから動かすまで、わずか3分もかからない手軽さがウレシイ。ただし、電池寿命の短さは気になるところ。単3アルカリ電池8本といえば、価格にして1,000円以上。毎週末に楽しむとしたら、1ヶ月で4,000円~5,000円もかかってしまう。なんとか充電方式のバッテリーパックに対応させてほしい。それでも、縦横無尽に動き回る戦車らしい動作と主砲発射のギミックは、他では味わえない面白さだ。もしも触れる機会があれば、一度は体験してみてほしい。筆者としては、砲塔部分にCCDカメラやレーザーポインターを取り付けて、より射撃を楽しめるような改造をしてみたい!

□東京マルイのホームページ
http://www.tokyo-marui.co.jp/
□「RC BATTLE TANK 陸上自衛隊90式戦車」のページ
http://www.tokyo-marui.co.jp/tank/tanknew.html

(2001年2月1日)

[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]


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