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【連載第5回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


第5回:テレビで卓球!? 体感スポーツゲーム
「卓球やろうぜ! エキサイトピンポン」

発売 エポック
価格 5,980円 (税別)
電源 単3電池4本使用(本体用)、単4電池2本×2 (ラケット用)

体を動かすe-toyで遊びたい!

画面を見ただけでは、ただの卓球ゲーム。ところが入力デバイスが違う
 肥満ぎみである。日ごろの不摂生がたたってか、体が重い。そんな運動不足を解消するオモチャはないのか? ということで今回は、テレビにつないでプレイする卓球ゲームをレポートする。卓球? と思われる人もいらっしゃるかもしれない。ただの卓球テレビゲームではない。ラケット型のコントローラを振り、画面の中の球を打つという、体感スポーツゲームなのだ。この「エキサイトピンポン」を開発したのは、エポック社。あの『野球盤』を生み出したことで知られているオモチャメーカーだ。同社では昨年、体感スポーツゲームシリーズの第1弾として「エキサイトスタジアム」を発売。ゲーム機のようなコントローラではなく、バット型のコントローラを実際に「振って」球を打ち返すというシステムが注目を集めた。今回の「エキサイトピンポン」もシステムは同じ。果たして体感卓球ゲームはなまった体に効果があるのか?

赤外線使用! ケーブルレスの卓球ゲーム

 にぎやかなデザインのパッケージを開けると、ラケットが2本とクリアグリーンの小さな本体が入っている。ラケットは、まごうことなき卓球のラケットだ。大きさも重さも実物とほぼ変わらない。そのまま本物の卓球の球を打ち返せるのではと思うほど。よく見るとラケット型コントローラには、ケーブルらしきものが見当たらない。説明書によると、ラケットのスイングを赤外線センサーでキャッチして画面の中の球を打ち返すらしい。実用的な赤外線の使い道と言えば、テレビやエアコンのリモコン、せいぜいPDA同士のデータのやりとりぐらいが関の山のハズ。特に反応スピードを要求される卓球で、問題なく使えるのだろうか?

ラケットは標準で2本を同梱。すぐに対戦プレイを楽しめる 本体には音声、映像出力のケーブルを接続する。電源には単3型電池4本を使用


反応よし! あなどれない赤外線パワー

 セッティングは簡単。同梱されているAVケーブルで本体とテレビを接続するだけだ。電源は、アダプターではなく、本体に単3型電池4本を、ラケットに単4型電池2本をセットする。テレビにつなげて、さっそく電源を入れると、ゲーム画面が表示された。まずは、ラケットの反応を試すため、「1P VS COM」を選択、コンピュータとの対戦に挑んでみる。コンピュータのキャラクタが球を打つ。それに対し、タイミングをあわせてラケットをスイングする。「クォッカン」。球が当たった! さらに球を打ち返す。「コゥッキン」。ちゃんとラリーが続くではないか。ラケットのスイングに対しての反応がよく、まるで本当に卓球をしているようだ。あなどりがたし赤外線パワー。数回ラリーを続けると、「カシュッ」という音とともに、相手がスマッシュを打ってきた。「ズルイぞ、そんな球!」とテレビの画面に向かって思わず叫んでしまった。それほどに、卓球らしさを楽しめるのだ。

選べるキャラクタは7種類。コンピュータと自分の能力は、選択したキャラクタによって異なる 男子プロのパワーはスゴイ。慣れるまでは、相手のキャラクタに男子アマか女子アマを選んだほうがいい

打倒コンピュータ! スマッシュ猛特訓

 遊び方がわかったところで、ゲームモードを再度チェックしてみる

エキサイトピンポン コンピュータや人間相手に対戦を行なうモード。対戦相手と自分のキャラクタを用意されている7人の中から選ぶことができる
ラリーチャレンジ 制限時間内に、何回までラリーを続けることができるかを競うモード
スマッシュエース ピンポンロボから打ち出される球を、30球中何球スマッシュで返せるかを競うモード

スマッシュは強烈! 使いこなせるようになると、対戦が白熱したものになる
 コンピュータにスマッシュを決められて悔しかった筆者は、迷わず「スマッシュエース」を選択。スマッシュの習得にはげむことにした。通常の打ち返しは、タイミングさえあっていれば問題ない。しかし、スマッシュは違う。成功するためには、タイミングとともに、打ち返す球の高さ、スイングのスピード(強さ)が重要になるのだ。

 コンピュータが打つ球が、一度着地し、上に浮いた一番高いところでラケットをいきおいよく振る! しかし打ち返した球は、むざんにもアウトに。なかなかタイミングが難しい。再度チャレンジ。浮いた球を……勢いよく……振りぬく! 「ガンッ!」勢い余って、ラケットがテレビにぶつかってしまった。スマッシュのコツは、ラケットを大きく振るより、手首のスナップを使って振るといいらしい。

いざ対人プレイ! ラリーが熱い

上下2分割の対人プレイ。画面のチェックも大事だが、ラケットが相手プレーヤーに当たらないように注意するのも大切
 今度は友人を家に呼び、対人プレイにチャレンジしてみることにした。ふたりで対戦する場合は、上下2分割の画面で対戦を行なう。はじめはゆっくりとラリーを楽しんでいたが、友人が打ったあまい打球を、不意にスマッシュ! 練習の成果が出ている。「ズルイぞ、そんな球!」と対戦相手が言う。こっちは練習でスマッシュを会得していたので、そう簡単に負けるわけがない。余裕でいると、いきなり相手もスマッシュを使いだした。こちらのあまいボールを、スマッシュで返すタイミングを覚えたらしい。ニヤリと笑う対戦相手。お互いにあまい打球に気をつけながらラリーが続く。「カッンポッ」「カンッポッ」「カンシュッ」。無言で打ち続けるふたり。こうなれば意地と意地とのぶつかりあいだ。お互いに一歩も譲らず、球を返していく。結局21対16で筆者の勝利。勝敗の結果はともかく、動き回ったおかげで、冬場なのにしっかりと汗をかいた。これはまさしくスポーツでかいた汗なのだ。

「エキサイトピンポン」は買い!

 テレビゲームでスポーツを体感する、というのはなかなか難しい。例えばバスケットボールを体感ゲームにすると言っても、せいぜい「シュートする」動作の再現までになってしまうだろう。一方卓球の場合は、ルールがシンプルなだけに、体感ゲームとしても成立しやすい。「エキサイトピンポン」では、実際の卓球のように、卓の左右に素早く移動する必要はない。それでも、「球を打ち返して点を取る」といった卓球の一番大事なエッセンスは、そのまま楽しむことができる。ラケット型コントローラがふたつが入って、セッティングも楽チン。それでいて5,980円という価格は、ゲームソフト1本の値段とほぼ同じ。そう思うと安いくらいだ。
 エポック社では、今後もサッカーやテニス、ゴルフ、ボクシングなど、体感スポーツゲームシリーズの企画を続けていくとのこと。このシステムを使えば、剣型コントローラを使った体感RPGなんていうのも、夢じゃない。
 ちなみに、筆者の体重はプレイ前と比べて500グラムほど減った……1日や2日でそう簡単には痩せられるもんじゃない。

□エポックのホームページ
http://www.epoch.gr.jp/
□「エキサイトピンポン」のページ
http://www.taikan-game.com/ekipin/index.htm

(2001年2月8日)

[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]


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