「ガールズ&パンツァー」好きなら「World of Tanks」に来い!
第6回:カモっぽくても重戦車です!「B1bis」を「WoT」で動かす
今回扱う車両:Tier4重戦車「B1bis」
2016年8月24日 12:18
アニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)とオンライン戦車アクションゲーム「World of Tanks」(以下、WoT)のコラボ連載。今回は大洗女子学園の戦車から、カモさんチームが操る「B1bis」をご紹介する。
「ガルパン」に登場する「B1bis」は、アンツィオ高校戦の前に発見されたが修理が間に合わず、プラウダ高校戦から実戦に参加した。操縦するのは風紀委員チームこと、カモさんチーム。西住みほが、「B1bis」の見た目がカモっぽいと発言したことからカモさんチームと呼ばれ、「そど子」こと園みどり子は不満気だったものの、そのまま決まった。
風紀委員は学園船の風紀を正すことを使命とし、遅刻の常習者である冷泉麻子を目の敵にしている。しかし「B1bis」の操縦を麻子から教わり、その後も戦車道を通じて友情が育まれ、お互いを理解していくのが「ガルパン」で描かれる人間ドラマの1つだ。平たく言うと、そど子がいつデレるのかが本作の大きな見どころである。あとカモさんチームの3人を見分けて名前を言えるようになったら立派な「ガルパン」マニアだ(髪の長さで見分けられる)。
「ガルパン」のアニメ版ではフランスをモチーフにした学校が登場しないが、「WoT」ではフランス戦車ツリーがあり、多数のフランス製戦車が登場する。「ガルパン」ファンの「WoT」プレーヤーにとっては、「B1bis」は唯一注目すべき貴重なフランス戦車となる。「B1」はどんな重戦車なのか見ていこう。
「B1bis」を「WoT」で入手
「B1bis」は、「WoT」ではTier4の重戦車「B1」として登場する。「bis」はフランス語で2を意味し、「B1bis」は日本語にすると「B1戦車2型」といった感じになる。ちなみにPS4版では6月30日のアップデートでフランス車輌が実装されたばかりで、カモさんチームファン待望のアップデートとなった。
「B1」の入手ルートは1つのみ。Tier2までは軽戦車、Tier3は中戦車、Tier4で重戦車と4台で3カテゴリーを扱うことになる。
【ルート】
[Tier1軽戦車]FT → [Tier2軽戦車]D1 → [Tier3中戦車]D2 → [Tier4重戦車]B1
「B1」はTier4なので獲得はそう難しくはないが、それまでに乗る戦車はそう簡単には乗りこなせない。性能はいずれも似た傾向があり、装甲は堅いが動きが遅い。戦車のカテゴリーを忘れて、全部重戦車だと思っておくくらいでいい。
装甲に関しては、前後左右どこもかなり厚めになっている。そのため、低Tierの戦車に搭載されていることが多い機関砲を片っ端から弾いて無効にできることもある。不意に後ろから撃たれても何とかなる(こともある)堅さは安心感がある。車体を斜めに構えて避弾経始を意識すると、より装甲を活かして戦える。
しかし動きの遅さはカバーが難しい。軽戦車や中戦車だと思って動かしてみると、びっくりするほど遅い。Tierが低いうちは初心者のプレーヤーも多く、足の速い戦車はさっさと前線で撃ち合い始めることが多いので、自分が前線にたどり着く前に味方が全滅していることすらありえる。あまり遠くの戦線に向かわないなど、味方の様子を見ながら位置取りを意識していきたい。
堅い、遅い、砲は弱い? 変わり種の重戦車「B1」
「B1」も獲得までの戦車と同様、遅くて堅い戦車と言える。ただこちらはカテゴリーが重戦車なので、その通りの印象ではある。装甲は前面と左右が60mm、背面も55mmあり、全周に渡ってかなり分厚い。Tier4の重戦車はTier5までしかマッチングしない設定になっているため、大きな火力差のある対戦にはなりにくい。それもあって装甲の厚さは安心感が強い。
重戦車は概ね大柄で、装甲は厚く強力な砲が積める反面、機動性には劣る傾向がある。「B1」は先述のとおり遅くて堅いのだが、強力な砲は積んでいない。より正確に言えば、強力な砲を積んでいるが使えない。
「WoT」で「B1」が使う砲は、車体部に設けられた75mm砲ではなく、砲塔に取り付けられた47mm砲となる。「WoT」では2つの砲を使い分けるシステムがないため、どの砲を使うかは車輌ごとに予め決められている。強力な75mm砲が使えない代わりに、47mm砲は旋回砲塔になるので、使いやすくはある。
ちなみに、ウサギさんチームが乗る「M3中戦車リー」も車体部の75mm砲と砲塔の37mm砲を搭載しているが、「WoT」ではより強力な75mm砲を使用する。そのため飾りになった砲塔は弱点でしかなく、弾はほぼ正面にしか撃てないため使いにくい。どちらにしても痛し痒しである。
「ガルパン」の「B1bis」に相当する装備パッケージは、ずばり「Char B1 bis」として用意されており、砲は47mm SA35となる。実はこの砲は、Tier3の「D2」でも同じものが使用できる程度で、火力としてはかなり心もとない。発射速度は良好なのでバンバン撃てるものの、精度が悪くて当たらないし、当たっても貫通しないし、貫通できてもダメージが出ない、と完全に力不足だ。正面での撃ち合いは同格の相手にすら弾かれることが多いので、積極的に格下相手を狙っていく方がいい。
「B1bis」の戦いぶりといえば、劇場版で「T34/76」を橋の上からの撃ち下ろしで撃破するシーンがある。この時は47mm砲と75mm砲の同時撃ちだったが、「WoT」でもTier5の「T34」相手に撃ち下ろすのであれば、この47mm砲でも貫通できる可能性はある。ただし真正面から撃てば弾かれる可能性が高いので過信は禁物だ。あと「超重戦車マウス」には何を撃っても無駄だが、「WoT」では相手がTier10なのでマッチングしないのが幸いだ。
動きに関しては、重戦車なりに遅くはあるが、加速はそれなりにある。障害物に隠れたところから前進・後退して出入りする動きがやりやすいので、市街地戦では戦いやすい。貫通力が低い分、接近して戦えればまだマシだ。
「WoT」では「Char B1 bis」に続く「Char B1 ter」パッケージもあり、こちらが「B1」における最終パッケージとなる。47mm砲が強化されて貫通力と精度が向上し、エンジンの強化で足回りもさらに良好に。また砲塔の装甲も僅かに強化される。砲の口径が変わるほどの劇的な違いはなく、性能の底上げという印象だ。
砲の強化は嬉しい話なのだが、実はこれもTier3の「D2」で使用できたものと同じで、やはり威力は格下レベルに留まる。それでも精度が上がり、敵の弱点を狙う射撃はやりやすくなる。貫通力も以前の45mmから66mmまで上がるので、敵の装甲を貫通できる可能性はぐっと高まる。
それでも敵重戦車には力不足で、弾かれる可能性が高い。細い通路で敵の重戦車とばったり出会ったりすると、真正面で撃ち合っても一方的にやられることが多い。相手が「B1」の特性を知っていると、こちらの攻撃を食らうのを承知で攻めてくるので、味方の支援を受けられる場所にいることを心掛ける必要がある。
防御力を活かした戦い方を考えれば活躍できる
「ガルパン」では「B1bis」の発見時、生徒会長の角谷杏が「八九式(アヒルさんチーム)よりはいっか」と発言している。あまり強くないのかと思われそうだが、大洗女子学園の戦車の中では、装甲の厚さはレオポンさんチームの「ポルシェティーガー」に次ぐ。それがゆえに、プラウダ高校戦でフラッグ車の盾になれたりもするわけだ。敵の砲弾を弾ければよりよかったのだが、「IS-2」の122mm砲を防ぐのはさすがに無理だったようだ。
「WoT」では最前線で敵をなぎ倒して進む重戦車というイメージではないし、貧弱な砲で後方に引きこもっていても何かができるわけでもない。しかし敵の視線を受けても堂々と動き、味方と力を合わせて攻め上がっていければ、数字に見えない活躍ができる面白い戦車だ。47mm砲しか使えないという点は厳しいが、総合的に見れば装甲も厚く、扱いやすい砲もあり、初心者にも扱いやすいバランスになっている。
このようなバランスなので、パーツ選びは悩ましい。定番の「迷彩ネット」は、重戦車はそもそも敵に発見されやすいため活かしにくいし、砲の強化を考えるのも相性がよくない。修理速度を上げる「工具箱」や、全搭乗員スキルを上げる「改良型換気装置」などで、扱いやすくする方向がよさそうだ。
アイテムはやはり「修理キット」は必須。また搭乗員がやられても動きが大幅に悪くなってしまうので、「救急キット」があると安心だ。攻撃力が期待できない以上、装甲に物を言わせて敵の視線を集めるのが何よりの仕事になる。この戦車に限ったことではないが、とにかく長生きできるようにしたい。
次回はそろそろ他校の戦車も見てみることにしたい。「ガルパン」では大洗女子学園の最初の対戦相手となる聖グロリアーナ女学院から、「チャーチル歩兵戦車 Mk.VII」を紹介する。車内で優雅に紅茶を楽しめるほどの安定感を誇るイギリス製重戦車はいかほどのものか。きゅうりのサンドイッチを食べながら次回をお待ちいただきたい。