Windows 10 ゲームマラソン
「Ori and the Blind Forest」 光と影の表現がとにかく美しいファンタジーアクション
光を奪われた森を救う「オリ」の過酷な冒険を描く
(2015/9/16 12:00)
「Ori and the Blind Forest」(邦題:「オリとくらやみの森」、以下「Ori」)は、インディペンデントデベロッパーのMoon Studiosが開発し、Microsoft Studiosが3月11日に発売した2Dスタイルのアクションアドベンチャー。光を失った森を救うため、親なき少年「オリ」が困難な冒険の旅に出る。本日の「Windows 10ゲームマラソン」は「Ori」を紹介しよう。
Windows 10への対応状況(8月24日現在) | |
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動作状況 | ★★★★(快適に動作) |
メーカー対応 | 未対応 |
Windows 10独自機能 | Xbox App、Game Bar、GameDVR |
不具合報告 | 特になし |
サポート情報 | Steam公式ページ |
少しずつ世界が広がるオーソドックスなアクションアドベンチャー
本作はサイドビューのアクションゲームで、グラフィックスは3Dだがプレイ感は2D的なものになっている。操作はキーボードでも可能だが、ゲームパッドの使用が推奨されている。
主人公の「オリ」は妖精のようにも見える小さな生き物。プレーヤーは「オリ」を操作し、フィールドにある様々な仕掛けを乗り越えながら奥へと進んでいく。「オリ」は最初、左右の移動とジャンプしかできないが、ある程度進むと新たなスキルを身につけられる。攻撃が可能になったり、壁をよじ登れるようになったりして、それによって行ける場所が広がっていく。
「オリ」はスキルの他に、敵を倒すなどして入手できる「精霊の光」を集めることで、自身の能力を開放できる。攻撃力が上がったり、マップ上に未取得のアイテムを表示したりと様々なものがあり、冒険の手助けになる。道中にいる敵は何度でも復活するので、繰り返し倒して「精霊の光」を集めれば、攻略が難しい場所も突破しやすくなる。
障害物を動かしたり、敵の攻撃を使って物を壊したりと、頭を使うギミックがあちこちにある。アクションも素早い動きが求められるものが多く、一筋縄ではいかない。「オリ」の可愛らしい外見に反して、アクションはなかなかシビアで本格的なものになっている。
敵や罠に触れてライフが0になるとゲームオーバーになり、最後のセーブ地点から再開される。ただし「ソウルリンク」という能力を使うことで、任意の場所でセーブが可能になる。少し進んだらセーブして挑戦するというのがこのゲームの基本で、難所を何度もリトライして超えていくタイプのゲームになっている。
光と闇の対比による美しいビジュアルと、劇的に展開するストーリーが魅力
アクションゲームとしての魅力も十分な本作だが、プレイした人が最初に印象付けられるのは、アーティスティックなビジュアルだろう。ゲーム開始直後、うっそうとした森の中で眠る「オリ」に月明かりが差し込むシーンは、実に印象的で美しい。そして森の暗さと輝いて見える「オリ」の対比からは、彼が背負う過酷な運命すらも感じ取れる。
ゲーム中のフィールドも、とにかく光の表現が美しい。洞窟の中にまばらに入り込む優しい日の光、攻撃の瞬間に輝くエフェクト、そしてほのかに光る「オリ」自身の体。光と闇の対比が常に美しく、「オリ」や周囲のオブジェクトを繊細に映し出す。背景のモデルも元々が非常に細かく描かれており、あらゆるものが強い実体感を放っている。
本作においてはもう1つ、ストーリーも注目の要素だ。孤児の「オリ」は最初、森で出会った「ナル」に拾われ、素朴ながら楽しい生活を送っていた。しかし森はある出来事をきっかけに光を失ってしまう。「オリ」は森を見守ってきた精霊樹に選ばれ、森を救う唯一の希望として、森に何が起こったのかを調べる旅に出る。
あまり詳しいことは書かないでおくが、物語は序盤から劇的に流れ、遊び始めてすぐに目が離せなくなる。ストーリーはビジュアル面での演出をうまく用いて、最小限のテキストで語られていく。キャラクターは人間ではないが、表情もしっかりと描かれており、作品世界にどんどん引き込まれていく。
アクションゲームファンはもちろん、美しいビジュアルのゲームを探している人や、ファンタジックなストーリーを楽しみたい人にも、それぞれに楽しめる。とにかくあらゆる面で印象的な作品だし、毎日少しずつでも遊べる設計になっているので、ぜひ気軽に遊んでみていただきたい。ちなみに本作はXbox Oneでも配信中で、Xbox 360でも配信予定。さらに今年のホリデーシーズンには、完全版となる「Ori and the Blind Forest Definitive Edition」も発売予定となっている。
今のところWindows 10には正式対応はしていないが、インストールからゲームプレイまで特に問題はなかった。推奨環境は、CPUがCore i5-2300以上、メインメモリは4GB以上、GPUはGeForce GTX 550 TiまたはRadeon HD 6770以上となっている。筆者はGPUにRadeon HD 7870を使用しているが、常に60fpsでプレイできている。最近のゲーミングPCであれば、性能的に支障が出ることはないだろう。
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