Windows 10 ゲームマラソン

「信長の野望・創造 with パワーアップキット」 シリーズ30年間の集大成!

史実に忠実な「戦国伝」や迫力満点の会戦など戦国時代を満喫

「信長の野望・創造 with パワーアップキット」

2014年12月11日発売

価格:
パッケージ版:10,800円(税別)
ダウンロード版:9,239円(税別)

 戦国武将となって全国統一を目指すコーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」シリーズは、1983年に発売されて以来シリーズを重ね、2013年で30周年を迎えた。その記念として発売されたのが30周年記念作品「信長の野望・創造」だ。時代背景を選んでスタートできるシナリオや、史実に沿ったイベントが発生する「戦国伝」、1,800人以上の登場武将といったボリューム感のある内容に加え、2014年12月に発売されたパワーアップキットでは内政、外交、調略など様々な新要素が追加されている。本日の「Windows 10ゲームマラソン」では、歴史シミュレーションの真打「信長の野望・創造 with パワーアップキット」を紹介しよう。

Windows 10への対応状況(8月27日現在)
動作状況★★★★★(正式対応)
メーカー対応動作確認済み
Windows 10独自機能Xbox App、Game Bar、GameDVR(ウィンドウモードのみ)
不具合報告特になし
サポート情報Windows 10での動作確認の結果について

3種類の「信長の野望」が遊べるお得なオールインワンパッケージ

史実の時代設定に合わせた全国の武将から1勢力を選んでスタートする
同じ勢力でも、時代によって武将の構成や名前が違っている
領国経営は1カ月単位で、開発、建築などをまとめて指示する

 「信長の野望・創造」は織田信長や武田信玄、上杉謙信ら戦国武将になって、天下統一を目指して内政や外交、合戦を行なう歴史シミュレーション。現在Windows版以外にPS3版、PS4版、PS Vita版が発売されている。個人の好みはあるだろうが、たくさんのデータを一覧しつつ細かい指示を出す必要がある「信長の野望」シリーズは、やはりPCでのプレイが最も適しているのではないかと思う。

 Windows版にはパッケージ版とダウンロード版があり、ダウンロード版はSteam経由となる。この時、オールインワンの「信長の野望・創造 with パワーアップキット」ならSteamのIDのみで遊べるが、「信長の野望・創造」と「パワーアップキット」を別々に購入するなら、コーエーテクモゲームスが運営しているポータルサイト「GAMECITY」の市民IDが必要になる。Steamのストアでは、ゲーム本体以外に描き下ろしCGや追加シナリオなどのダウンロードコンテンツが、かなりの数リリースされている。

 Steamからゲームを起動するとランチャーが起動する。このランチャーからは、本編のほかに特別復刻版として1983年に発売されたシリーズ第1作の「信長の野望」と、会戦などのシステムが異なる無印の「信長の野望・創造」も遊ぶことができる。またWindowsのみの機能として、手持ちの画像データをオリジナル武将の顔画像データとして使用できる「顔画像追加ツール」もランチャーから使うことができる。

 そしてパワーアップキットは「戦国時代のハイライト関ヶ原の戦いを最高の形で表現する」というコンセプトのもとに作られている。そのための新システムとして、ゲームが中盤に差し掛かると全国の大名と共に戦う「連合」や、配下の武将を束ねる「軍団制」などが追加されている。またもともとあった「会戦」システムが見直されて、リアルタイムストラテジー(RTS)のように、味方部隊を操作して戦う新しい戦闘システムとして生まれ変わった。

 プレイの必須環境はPentium4 1.6GHz以上、ビデオカードはDirectX 9.0c以降に対応したものと、それほど高くはないので新しいPCであればオンボードでも十分遊ぶことができる。Windows 10ではの動作確認について、必要環境には記載がないものの、公式ホームページに7月31日現在の情報として、動作確認について問題なしという報告があげられている。Windows 10の独自機能については、ウィンドウモードならばすべて問題なく動作したが、フルスクリーン時には「G」キーのショートカットが優先されてしまい、Game Barが起動しなかった。プレイ自体は、ウィンドウモードでもフルスクリーンでも快適に行なうことができた。

【スクリーンショット】

史実に忠実な「戦国伝」プレイと大迫力のRTSバトル「会戦」で戦国を満喫

北条家の「戦国伝」は鶴岡八幡宮の再建からスタートする
すべての操作が自分次第の会戦は迫力満点で気が抜けない
鉄砲は伝来する時代に達するまでは使えない

 本作には、年代別にいくつかのシナリオがある。桶狭間の戦い、清須会議、関ヶ原の戦いなど史実の時間軸に沿ったものはその時代の勢力図に合わせて武将が配置されている。1615年8月という設定の「天下三十将」は時代に関係なく有名な大名30人が勢ぞろいした仮想シナリオになっている。また、最も早い1551年のシナリオはチュートリアルになっている。若武者の木下秀吉(豊臣秀吉がかつて名乗っていた名前)と平手政秀、金平糖を欲しがる子供の竹中半兵衛らが掛け合いをしながら進行するパロディ色の強い内容だ。「創造」が初の「信長の野望」というプレーヤーでも、このチュートリアルをプレイしておけばその後も支障なく進められる。

 史実のシナリオには「戦国伝」という史実の出来事に沿ったクエストのようなものがある。例えば北条家でスタートすると、「鶴岡八幡宮再建」や富士吉田場を攻める「山中の戦い」、その後に続く「第一次河東一乱」など史実の北条家が今川家と袂を分かち、関東に勢力を広げて戦国大名としてのし上がっていくストーリーを辿っていくことができる。戦国伝をすべてクリアすると、北条早雲などその大名にゆかりのある武将を入手でき、次のプレイからはゲーム内に登場させることができるようになる。もし史実通りに上手く進めることができなくても、ゲーム自体はそのまま進行する。

 序盤は国力を付けつつ、周りの国を少しずつ攻略していく。ある程度所有している城の数が増えてくると、「軍団」コマンドが使えるようになる。これは、配下武将の誰かを軍団長にして拠点の城を中心にある程度の勢力範囲をまとめて委任してしまうというもの。委任した後は、内政も外交も軍団長が独自の判断で行なう。プレーヤーは軍団長に何をして欲しいか、して欲しくないかを方針として示すことで、ある程度動きをコントロールすることができる。

 さらにプレイを進めていくと、だんだんと巨大な勢力を持つ有力大名が頭角を現わしてくる。筆者の場合、北条家でプレイ開始から8年目に、伊達家が最上家、今川家、佐竹家らと連合を組んで北条家の包囲作戦を開始してきた。そこで、婚姻によって同盟していた山内上杉家、千葉家と連合を結んで対抗した。だが、山内上杉家と敵対していた長尾家が侵攻してきて、北と東からの二面作戦に備えなければならなくなった。

 合戦は基本的には侵攻先だけを指定して後はAI任せだが、青いアイコンで表示される自軍武将が戦っている時には、全武将を自分で操作するRTS風の戦闘モード「会戦」に切り替えることもできる。会戦モードに入ると、援軍を含めたすべての自軍武将を操作することができる。マップ上の部隊配置がそのまま会戦の初期位置となり、拠点が近い場合は攻城戦が発生する。

 連合、同盟、従属などの外交戦略を駆使して戦っていると、戦場にくる援軍の数が敵味方とも増えてくるのだが、この状態で会戦をスタートすると、大会戦という大戦が発生することがある。大会戦では最大9対9の部隊が入り混じり、連携しながら戦う。馬に乗った武将が、槍兵や弓兵を引き連れて入り乱れて戦う様子は、筆者が使っているWQHDのモニターでのフルスクリーンプレイでは映画のように迫力満点の画面が楽しめた。

 戦国時代をテーマにしたゲームは多々あるが、それらすべての元祖といえる「信長の野望」シリーズ。30年も続いているシリーズだけに、今更遊ぶのは敷居が高いと感じるかもしれない。だが遊んでみると、状況に応じてヘルプが表示されたり、配下の武将が様々な提案やアドバイスで補佐してくれるので決して複雑でも難しくもなく、戦国時代を満喫できた。鉄砲伝来など、史実にそった出来事が発生すると、それが新しい要素としてゲーム内に影響を与えていったりと、歴史のダイナミズムを肌で感じることができる。歴史が好きでまだプレイしたことがないなら、ぜひ遊んでみてほしい。

【スクリーンショット】

(石井聡)