Windows 10 ゲームマラソン

「ファンタジーアース ゼロ」 50対50のファンタジック大規模アクションRPG

両軍の駆け引きが試されるアクションと、領域を奪い合う戦略性が融合

【ファンタジーアース ゼロ】

2006年12月21日 正式サービス開始

価格:無料(アイテム課金制)

 「ファンタジーアース ゼロ」(以下「FEZ」)は、ゲームポット(現GMOゲームポット)が2006年12月に正式サービスを開始したオンライン対戦アクションRPG。50人対50人の大規模な対戦となる戦争システムで、5つの国家間による領土争いに参加する。5つの職業と多数のスキルによるアクションに加え、異質な能力で戦況を変える発揮する召喚獣、さらには建築物で支配領域を奪い合う戦略性も備える。個人とチームの両面で力と頭脳が試される作品になっている。本日の「Windows 10ゲームマラソン」は「FEZ」を紹介しよう。

Windows 10への対応状況(7月29日現在)
動作状況★★★(普通に動く)
メーカー対応対応済み(ゲームの起動はIEもしくはChrome 32bitのみ)
Windows 10独自機能特になし
不具合報告Microsoft Edgeではゲームが起動できない
サポート情報「Windows 10 (64bit)」でのゲーム起動について

格闘やSLGなど様々なエッセンスが含まれた国産オンラインアクションRPG

最大50対50の多人数で戦うファンタジー対戦アクションRPG
5つの国が1つの大陸の覇権を巡って争う。マップ上の1つ1つのポイントが戦争のフィールドだ

 本作の最大の魅力は、50対50で争うバトルコンテンツ、戦争だ。戦場となるフィールドに総勢100人のプレーヤーが参加し、剣や魔法を使って戦う。三人称視点の3Dアクションで、攻撃はTPSのように射角を合わせて撃たなければ敵に当たらない。ファンタジーな世界観や可愛らしいキャラクターのイメージとは違う、本格的な多人数対戦アクションになっている。

 アクションはTPS的でありながらも、全ての攻撃スキルには硬直時間があり、被ダメージ時にはのけぞりによる硬直が発生するのが特徴だ。先にスキルを出して攻撃を当てたいが、外せば硬直が発生し、手痛い反撃を受けかねない。相手の攻撃を避けて、こちらの攻撃を当てるという駆け引きは、日本の伝統的な格闘ゲームに通じる。TPS的なエイミングのうまさも重要だが、格闘ゲーム的なセンスも同時に求められる。

 また本作は多人数対戦なので、正面の敵と争っているうちに、横にいる他の敵からの攻撃を受けることもある。もし1人で最前線に突撃しようものなら、攻撃の硬直を多数の敵から狙われ、あっという間に倒されてしまう。どんなスーパープレーヤーも1人で戦況を変えることは難しい。敵の僅かな隙を見つけて、みんなで力を合わせて撃破していく。1人の腕前よりも、味方との連携が取れることが重要だ。

 プレーヤーの1人1人も、5つの職業、さらに複数の武器スキルを使い分けにより、役割は大きく異なる。近接戦で大ダメージを与える大剣、広範囲の敵を足止めする氷魔法、姿を消して敵の中に紛れ込む短剣、盾のバッシュで敵をスタンさせる片手剣など、それぞれの個性がはっきりしている。リアルタイムに移り変わる戦況の中で、それぞれの能力が最も活かせる状況を考える。

 本作はただ戦うだけのゲームではない。戦争に勝利するには上記の歩兵戦のほかに、戦争中のフィールドにおいて支配領域を獲得する必要がある。オベリスクという建築物をフィールドに設置することで、その周囲の一定範囲を自軍の領域とすることができる。ただしオベリスクは敵の攻撃によって破壊される。互いにオベリスクを建築・破壊し合うのが、戦争の基本的な流れとなる。

 また自らに異界の力を下ろす召喚獣も使用できる。歩兵の時とは全く異なる能力を得ることができ、適切に運用すれば歩兵戦での劣勢を挽回できる力を持っている。召喚獣にも対歩兵戦、対建築物、対召喚獣など複数の種類があり、状況に応じて使い分けていく。

 建築物や召喚獣を運用するには、クリスタルが必要。クリスタルはフィールド上にある巨大クリスタルの前に座るだけで採掘できる。歩兵戦に自信がない初心者でも、それ以外の部分で貢献できる方法が用意されている。

【スクリーンショット】
見た目や操作はTPS的だが、近接攻撃主体や範囲攻撃もあり、剣と魔法のファンタジックなバトルが展開される
味方との連携で敵を倒していく。敵に隙を見せず、敵の隙を突く、多人数戦の中での駆け引きが熱い
オベリスクを建築して、自軍の領域を広げていく。他にも色々な建築物が用意されている
召喚獣は戦況を大きく変える力を持つ。歩兵より巨大で見た目の存在感も強い

装備は見た目で選んでOK。オリジナルのコーディネートで戦場を駆けろ!

装備品は強さよりもアバター要素として楽しまれている

 本作のキャラクターは、戦争やモンスターの狩りによる経験値によって成長する。レベルが上がるとスキルポイントを得て新たなスキルを覚えられるのと、レベル制限のかかった装備品を身につけられるようになる。装備品はゲーム内通貨で最高の能力のものが手に入るので、課金したプレーヤーの装備が強いということはない。

 本作における装備品は、どちらかと言えば装備の外見的な部分に価値がある。5部位に分かれた防具をどう組み合わせて、格好いい・可愛いオリジナルのキャラクターを作るか。元のキャラクターが可愛らしい外見だけに、アバターとして楽しむ傾向が強い。また有料ながらキャラクターボイスも変更が可能。自分のキャラクターボイスを人気声優の音声に変えてゲームを遊べる。

 戦争で一時的な能力上昇が得られるエンチャントアイテムのうち高級品は基本的に有料なので、歩兵戦においては若干の差が出る。しかし召喚獣や建築物に関しては、エンチャントのみならずプレーヤーのレベルすら無関係なので、初心者も役に立てる部分は必ずある。少しずつ戦争に貢献しながら、いずれは最前線で活躍できるよう、他のプレーヤーを参考に、あるいはアドバイスを求めながら遊んでみていただきたい。

 サービス開始から既に8年が経過し、3Dゲームながら軽く動作するのも魅力だ。TPS的だが格闘ゲームの駆け引きがあり、建築物によるストラテジー要素があり、召喚獣という別軸の要素もある。筆者はサービス開始当初から本作のオリジナリティに取りつかれ、今も遊び続けている。まさにオンリーワンの魅力を持つ逸品だ。

 Windows 10での動作については、7月29日時点での公式発表として、64bit版で起動することが確認済み。ゲーム中の動作、また32bit版については未検証としている。筆者の環境(64bit版)では、ゲームプレイにも特に問題は見られなかった。動作対応とまではいかないものの、ある程度安心できる状態と言えるだろう。

【スクリーンショット】
クリスタルの採掘など、初心者にもできることはある。対戦格闘、TPS、シミュレーションのいずれか1つでも自信がある人はぜひ挑戦してみて欲しい

(石田賀津男)