「電遊道」~Way of the Gamer~ ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ

ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ【第31幕】

 電遊。辞書に載っていない造語である。電気的な遊び。いわゆる、テレビゲーム。道。その道を、自分の価値観だけを信じて最後まで歩むのが、侍精神である。電遊道は、妥協を許さないサムライゲーマーが歩むべき道。他人に影響されることなく、自分のゲーマーとしての信念を貫き通せばいい。たとえ、ゲームが別の道に進んでも、自分の好きな道をずっと信じ続けるのみ。たとえ、“これこそがゲームの未来形だ!”と言われても、自分の好きなゲームライフを思う存分楽しむのみ。

 「電遊道」は、RPGのようにレベルアップする。これまでの「一刀両断」や「イタヲタのレトロなゲームライフ」などの人気コーナーを提供しつつ、新しいコーナーをスタート!「みんなのGAME SHOP」では毎月、イタリアのゲームショップの1日を体験していく。期待作が発売された日のお客さんの反応とは?イタリア人の買い物を覗いたり、店長のコメントを訊きながら、ゲームショップの1日を密着取材!

 そして、「BORN TO BE GAMER」(和訳:ゲーマーになるために生まれた)では、日本のゲームを愛するイタリア人ゲーマーを紹介していきたいと思う。ゲームとのファーストコンタクトは?日本のゲームを愛する理由とは?その人物像を掘り下げたいと思う!これからも「電遊道」はレベルアップしていく。サプライズたっぷりの連載を目指しているので、末永くこのページの中で付き合って欲しい!

ジョン・カミナリ(芸名)
国籍:
イタリア
年齢:
38才
職業:
俳優、声優、タレント、テレビゲーム評論家
趣味:
テレビゲーム、映画鑑賞、読書(山田悠介)、カラオケ
主な出演作品:
銀幕版スシ王子!(ペぺロンチーノ役、デビュー作)、大好き!五つ子(アンソニー・ジャクソン役)、侍戦隊シンケンジャー(リチャード・ブラウン役)
ブログ:
ジョン・カミナリの、秘密の撮影日記
Twitter:
https://twitter.com/John_Kaminari
Facebook:
http://www.facebook.com/johnkaminari

 イタリアで6年間テレビゲーム雑誌の編集部員として働いたあと、新しい刺激を求めて2005年に大好きな日本へ。子供の頃から夢見ていた役者の仕事を本格的に始める。堤幸彦監督の「銀幕版スシ王子!」で個性的なマフィアのボス、ぺぺロンチーノを熱演。現在もTVドラマやTVゲームなどで、俳優・声優として活躍中。日本語を勉強し始めたのは23歳のとき。理由は「ファイナルファンタジーVII」や「ゼノギアス」などのRPGの文章を理解するため。好きなジャンルはRPGと音楽ゲーム。「リモココロン」のような個性的なゲームも大歓迎。お気に入りのゲームは「ゲームセンターCX」と「ワンダと巨像」。芸名はイタリア人の友達に、本人が雷のように予想不可能なタイミングで現われるからという理由で付けられた。将来の夢は、「侍戦隊シンケンジャー」に出演した時から大好きになった戦隊モノにまた出演すること。


一刀両断~話題のゲームニュースについて鋭くコメントしちゃうぞ!~

話題のゲームニュースや注目のゲームイベントをピックアップして、僕の正直な感想を述べたいと思う。また、現在のゲームが抱えている問題を解決するアイディアや提案も、このコーナーを通じて考えてみたいと思う。ゲーマーの皆が納得できる未来のために!

これからも拡大していくファンタジールの7つの魅力とは?

12のライフを通じて、魅力溢れる世界を縦横無尽に探検できる「ファンタジーライフ」。パッケージイラストには本作の“心”が宿っていると思う

 過去から存在する人気シリーズは、知名度に甘えゲーム性や深さを追求しないものもある。有名なスタッフを雇い、デザインや楽曲は優れているが、全体的な統一感に欠け、結局失敗するRPGもある。

 僕は最近、新作発表会で有名な業界人が大きく掲げられると、「本当に面白いのかな?」と疑問を抱くほうだ。しかし、すべての要素を違和感無く1つのゲームにまとめ上げることのできる優れたディレクターやメインスタッフがいれば、そのゲームは伝説になる。その部類に入るのが、レベルファイブのニンテンドー3DS用オープンワールドRPG「ファンタジーライフ」だ。

 オープンワールドRPGと言ったら、欧米出身のリアルなグラフィックスを持つゲームが真っ先に思い浮かぶ。だが「ファンタジーライフ」は、日本人による独自の解釈で、オープンワールドRPGというジャンルに、これまでになかった魅力を付け加えた作品だと思う。

 複数の顔を見せる広大な世界、ファンタジールを舞台にし、目標やアクションの異なる12の異なるライフが体験できる本作。働くことの大切さについて考えさせられると共に、RPGファンの心を鷲掴みにする魅力を併せ持つ。自由度の高いゲームシステムで、自分の好きなライフが堪能できる。絶妙なバランスとバラエティ豊かな本作の価値について考えてみようと思う。

1つの世界、無数の可能性。広大な世界を探検する魅力

 複数のライフを体験し、複数の視点からファンタジールという世界の秘密に満ちた広大さを堪能できる。オープンワールドRPGに不慣れな自分でもあっと驚くほど、ステップバイステップで、ファンタジールが提供する可能性を吸収していった。ゲームシステムに親しむため、王国兵士でゲームをスタートすることにした。

 まず、プレーヤーに少しずつコマンドを説明してくれるチュートリアルの丁寧さを評価したい。そのおかげで、RPGに不慣れなプレーヤーもゲームのルールや各コマンドの役割を学ぶことができる。

 またオープンワールドというと、「最初から自由度100%でどこに行けばいいか迷ってしまう」というようなイメージを抱くかもしれないが、「ファンタジーライフ」は最初からすべてが解除されているわけではない。職業に関係なくメインストーリーをクリアする度に、世界の規模が少しずつ拡大し、新しいエリアに行けるようになる。メインストーリーをある程度進めたら、別のライフに転職し、同じ世界を別の視点から楽しんでもいい。

 ファンタジールは広大なだけではない。王国兵士で探索しきったと思えた大平原や洞窟を、釣り人や採掘師などの別のライフで訪ねてみると、目標も違うし、前のプレイで気にしていなかった湖や岩の存在にも初めて注目する。同じ世界が複数の顔を持っている。そのおかげで、同じ場所でもやることが毎回大きく変化するため、ライフが変わるとほかのゲームを遊んでいるかのような気持ちになる。ファンタジールは無限大の可能性を秘めているのだ。

ファーストステップはプレーヤーの分身になるキャラクター作成だ。豊富なパーツで自分の好みに合うキャラクターがあっという間に誕生!
「ファンタジーライフ」での生活は、エリック王の治める「クルブルク」から始まる
ゲームの冒頭では古ぼけた部屋が拠点となるが、所持金が貯まるとリッチな部屋に引っ越せるようになる

12のライフ、12のプレイスタイル。仕事と仕事の繋がりを発見する魅力

 王国兵士で第2話まで進んだところで一旦ストーリーを中断し、ライフギルドで別のライフを選ぶ。次のライフは採掘師だ。その時、初めてわかった。最初の街、クルブルクにあるすべての住人や建物は単なる“エキストラ”や“背景物”ではなく、そのすべてがちゃんと特定の意味や大切な役割を持っているのだ。

 街のはずれでピッケルを振り下ろしていた単なる住人だと思っていた人が、実は採掘師のマスターで、ストーリー進行に深く関わるキャラクターだったのだ。また、桟橋に立っていた爺さんが実は釣り人のマスターで、釣り人としての生き方やクエストを与えてくれる。

 そう。王国兵士のストーリーであまり気に留めていなかった部分が思い浮かび、格別の驚きと共にクルブルクという街の住人1人1人の役割を実感していく。温かみのあるテキストによる、生活感に満ちた住人との会話ややり取りが本作の見所の1つになっている。

 僕は、ある程度王国兵士でストーリーを進めたところで自然にライフを変える必要性を感じたが、王国兵士をマスターまで成長させてから、ほかのライフに移ってもかまわない。プレーヤーはそれぞれプレイスタイルを任意に決められるが、交互にライフを体感し、レベルアップさせたほうが、本作の仕組みや良さがより一層理解できると思う。

 なぜなら、ライフとライフは繋がっているからだ。採掘師の働きがなければ、鍛冶屋の仕事が成り立たないし、木こりの活躍がなければ、大工は家具を作るための素材が揃えられない。

 ライフ同士で助け合う、協力し合うからこそ、ファンタジールという世界が成立する。それは理想的な社会の鑑だと、僕は解釈した。同じ作業の繰り返しで成り立つ仕事の尊さや、人々が協力し合うことの大切さが、本作の送る素敵なメッセージの1つだと思っている。

 選んだプレイスタイルはプレーヤーそれぞれの人間性を反映させると思う。例えば、大工に必要な角材は店でお金を払って購入できる。錬金術師に必要な素材も店で売っている。料理人が求める食材も市場に行けば、有料で手に入れられる。

 しかし、お金ではすべてが買えるとは思わない。CMっぽい台詞になるが、お金で買えないもの、それは自分で素材を探すという楽しさ、そして店という便利さに甘えることなく、自分の力で素材を手に入れた時の達成感だ。

 苦労して釣ったレアな魚、あるいはバーチャルな汗を流して採掘した素材は、料理人や鍛冶屋が商品に仕上げていく。すべてのライフに確実な接点があり、みんなが目標達成のために頑張るというファンタジールは、現実社会の比喩だと思う。

ポップだが、現実味に溢れた世界の中でライフとライフが助け合うところが、「ファンタジーライフ」という体験の神髄だと確信している

スター、リッチ、ハッピー。自分だけのサクセスストーリーを織り成す魅力

 「ファンタジーライフ」は若い世代だけでなく、毎日現実世界で働く大人のためにもサクセスの意味と、そしてサクセスの持つ多くの形を伝えていると思う。ファンタジールという架空世界の中で、プレーヤーは自分の分身を作り、多種多様な仕事をこなしていくことでそのキャラクターの名声を上げ、サクセスに導いていく。

 サクセス、つまり成功には、1つではなく様々な形がある。まず、お金持ちになるというサクセスがある。ファンタジールでは金銭的な成功はリッチ(ゲーム内の通貨)という。リッチは住人たちのクエストなどを遂行することでもらえる。

 リッチというサクセスに満足を感じるユーザーもいれば、スター、つまり名声や実績というサクセスに魅力を感じるプレーヤーもいるだろう。もっと抽象的なサクセスもある。それはハッピー、つまり幸せだ。住人の願いを受け入れることで、ハッピーをもらい、その素敵なエネルギーでゲームの新しい機能を取得していく。「自分にとって人生では何が1番大切か」と、自分の心に問いたくなるような深いゲームなのだ。

 プレイして強く感じたことだが、ファンタジールで送る架空のライフが、プレーヤーを、いや人間を「頑張るぞ!」という気持ちにさせてくれると思う。現実世界のように細かい作業を律儀にこなしていくプレーヤーは、格別な充実感を得られると思う。ある時は錬金術師として、またある時は裁縫師として「今日も働いてよかったな」と思わせてくれるゲームなのだ。

 よく考えれば、ゲームが生まれた時代、ゲームはスコアを稼ぐもの、自分の技術を上達させるもの、そして自分をプレーヤーとして成長させるものだった。「ファンタジーライフ」ではもちろんストーリー要素も濃い。

 しかし、プレーヤーはストーリーよりも、自分の成長過程を意識し、目標達成のために苦労することに専念すると思う。スター、リッチ、ハッピーという多くの褒美が存在する要素も、プレーヤーのモチベーションを高く維持させる一因だと思う。

 オープンワールドというネーミングに相応しい自由度はあるものの、その自由度の中でルールや、優先するべき目標がある。日常的に採掘、伐採、料理、釣りなどの作業を繰り返すことで、それぞれのライフを少しずつ成功へと導いていく。昨今のゲームでは仕事の大切さが失われてきているが、本作では成長という過程が緻密に描かれ、それはプレーヤーの現実世界での人生にとても良い刺激を与えていると思う。

ライフマスターから与えられたクエストをクリアすると、いくらかのスターが貰える。実績を積み重ねることで、少しずつライフの“ランク”が上がる
料理人や錬金術師など製作系のライフでは、ミニゲームのような形で物作りに挑戦する。持続的な作業の繰り返しで成果が実るものだ

「やめ時がわからない」という中毒性。時間の経過を忘れさせてくれる魅力がある。

鍛冶屋で作った高度な剣や鎧を王国兵士や傭兵に装備させると、戦闘パートがよりスムーズに進められる。ライフとライフの連鎖が独特な快感を生み出す

 「やめ時がわからない」、「時間が進むのを忘れさせてくれる」。ファンタジールでの冒険に没入しすぎて、いつやめればいいのか判断できなくなる。もちろん、いつでもセーブして冒険を中断できるようになっているが、クエストや、ほかのライフとの繋がりが気になり、つい「もう少し遊ぼうか」と思ってしまう作品なのだ。

 例えば、木こりや採掘師で新しい素材を手に入れたら、大工や鍛冶屋で「どんな新しいものが作れるのだろう」と興味津々になり、ライフを変えについライフギルドに向かってしまう。

 また、鍛冶屋で上質な武器を作ったらすぐ王国兵士や傭兵に装備したくなり、またライフギルドへ向かい、別のライフを進めたくなる。その循環、連鎖こそが、快感に繋がり、中毒性を生み出し、そして「やめ時がわからない」という気持ちにさせてくれるのだ。

ファンタジールは危険を伴う発見の連続。たまにリスクを味わう魅力

 「ファンタジーライフ」の世界は、手に持っているゲーム機を疑わせるほど広大だ。僕もまさか3DSで、無限大の可能性を秘めた広大な世界が実現するなんて、プレイする前には思ってもみなかった。

 ストーリーに沿って指定された目標を順番に達成していけば、ファンタジールは1本道のRPGとしても遊べる。つまり、オープンワールドならではの自由度の高さが合わないプレーヤーはストーリーに導かれればいい。

 しかし、このゲームは正真正銘のオープンワールドだ。大平原や山岳、砂漠を探索していると、誰にも教えてもらっていないところに洞窟や遺跡を発見することがある。入ってみると、見たことのないモンスターが徘徊していることに気付く。武器を取り出し戦ってみると、ダメージをほぼ与えられないことがわかる。

 「やばい、逃げなきゃ!」、「レベルアップしたらまた来てやる!」と思う場面が沢山ある。そういったピンチを味わえるところは、オープンワールドRPGというジャンルにおいて、最も大切な要素だと断言できる。

 でも、モンスターの攻撃を回避しつつ洞窟の奥まで進めば、すごい武器を加工できる素材が手に入る可能性もある。つまり、危険を含めどんなライフを送るかは、プレーヤー1人1人の判断に委ねられているのだ。

ファンタジールは危険たっぷりの世界でもある。レベルが低い場合、強そうなモンスターとの戦闘は避けたほうがいいだろう

豪華なスタッフが実現させた世界。名作へのオマージュを見つける魅力

 どこまで開発陣が意識していたかわからないが、「ファンタジーライフ」は過去の名作RPGからインスピレーションを受けた部分が多くあると思う。いや、インスピレーションという言葉は不適切かもしれない。なぜなら、本作の制作に加わったのは、ファミコン時代からRPGの分野において定評のあるスタッフばかりだ。

 「MOTHER 3」や「聖剣伝説」シリーズを手がけたブラウニーブラウン(現1-UPスタジオ、ブラウニーズ)、「ファイナルファンタジー」の作曲家として知られる植松伸夫氏、また「ファイナルファンタジー」のイラストを描いてきた世界の天野喜孝氏。そして、それぞれの個性がぶつからないよう全体にハーモニーを与え、1つの作品に見事にまとめあげたレベルファイブのディレクター、菅野敦氏とメインスタッフたち。豪華なメンバーから生まれたものは、過去から現在に至るまでのRPGの最も良い部分が凝縮されたゲームだと思う。

 本作には有名なRPGシリーズへのオマージュがたっぷり入っていると思う。それも、プレーヤーの親近感を高める要因の1つだ。例えば、もしかして降りられるのではないかと思いつつある井戸でボタンを押すとやっぱり降りることができ、その中には採掘師に役立つ装備品を売っているモグラがいた。そのような発見をした時、RPGの歴史を知る人の誰もがきっと感動するのだろう。

 また街の中を歩いている時、カメラを左右45度しか回転できないところも、「ドラゴンクエストVII」へのオマージュだと思う。45度回転させて、ぎりぎりで建物の後ろに貴重な宝箱が隠されていることに気がつく瞬間、格別な喜びを感じる。

 360度回転できるようにすれば確かにもっと自由度を感じるかもしれないが、45度だからこそ秘密を発見する時の驚きが倍増する。細かいことかもしれないが、この回転機能にも秀逸なゲーム性に繋がる役割があるのだ。

 本作は過去に製作された多くのRPGゲームシリーズに多大な影響を受けていると思う。錬金術師ライフは「アトリエ」シリーズへのオマージュとして考えられるし、釣り師のスローライフは「どうぶつの森」や「海のぬし釣り」を連想させるところがある。

 走る時に両腕を上げるキャラクターのアニメーションが有名な某国民的アニメを思わせる部分があれば、ファンタジールで出会えるキュートな生き物はあの名作のマスコットに共通点がある。

 映画のように、同じ名前や似たような特徴を持ったキャラクターを登場させるのと同じく、ゲームでも共通点を持った人物を登場させるというのは、過去の作品に対して敬意を払う、大切な表現方法の1つだと確信している。

これからの大型DLCで拡大していく世界。長期的に遊べる魅力

大型DLCは大歓迎だが僕が今、最も願っているのは、「ファンタジーライフ」のシリーズ化だ。現在欧米向けバージョンがローカライズ中だそうだが、欧米でも大成功を収めることを祈っている

 ファンタジールでの冒険は始まったばかりだ。現在、シングルプレイ、あるいは3人によるローカルマルチプレイが可能だが、2013年に予定されている大型DLCの配信によって、ファンタジールの世界が進化し、そして新しい可能性を提供することになる。

 なぜなら、インターネットによるマルチプレイが可能になるからだ。しかも、新規エリアやモンスター、クエストの大幅追加が予定されている。本作のファンにとって嬉しい新要素ばかりだ。マルチプレイ機能を強化することで、ファンタジールでの冒険がどのように進化するのかとても楽しみだ。

 「ファンタジーライフ」。2DグラフィックスのゲームとしてDSで開発がスタートし、日野晃博氏の決断によって、グラフィックスをポリゴンにした3DS用のゲームとなった。最初から注目されていたが、まさかこんなに奥深く、そして充実した作品になるとは、想像もしていなかった。

 「ファンタジーライフ」はおそらく今、RPGという分野で過去から定評のあるライバルメーカーを焦らせていると思う。困らせていると思う。何故なら、本作は「ファイナルファンタジー」と「ドラゴンクエスト」に続く、日本の“国民的RPG”という名に最も相応しいゲームだと言えるからだ。

 こういった素晴らしい作品が生まれたら、ライバルメーカーの競争心が燃焼し、「僕らもすごいゲームを作ろう」という励ましにもなるだろう。「ファンタジーライフ」が昨今衰えてきたRPGに潤滑油を与えたことで、これから全体的にRPGが活性化していくと確信している。