佐藤カフジのVR GAMING TODAY!
連載第13回
「Playstation VR」、TGS 2015出展タイトルを試した!
貴重な機会。ゲームファンが一般日にプレイするべきタイトルは?!
(2015/9/18 10:44)
東京ゲームショウ2015(TGS2015)の開幕に先立ち、ついに正式名称が発表されたプレイステーション 4用のVRシステム「Playstation VR(以下『PSVR』)」。
これまでProject Morpheusというコードネームで呼ばれてきたこのVRシステムは、来年上半期の発売に向け、TGS 2015会場で過去最大規模の試遊コーナーを展開。国産VRコンテンツを中心に、全11タイトルが試遊できるという貴重な機会がやってきた。
17日、18日のビジネスデイについては、基本的にメディア関係者向けのみの開放となったが、19、20日の一般日には今回、特別に用意された予約システムを通じ、好きなタイトルの試遊が可能だ。
PSVRの試遊予約を行なうためには、Sony Entertainment Networkアカウント(SENアカウント)が必要。SCEの「TOKYO GAME SHOW 2015 プレイステーションブース オフィシャルサイトで「チェックイン」の手続きをして、取得したQRコードをプレイステーションブースの各受付端末にかざすと登録完了だ。PSVRの試遊予約は、チェックイン後に同端末上で行なえる。
一般日にはかなりの混雑が想定されるので、好きなタイトルを確実にプレイするためには、開場すぐにプレイステーションブースでチェックインを済ませることをおすすめしておく。
本稿では、この貴重な機会、どのタイトルをプレイするべきかお悩みの皆さんに、先行して各タイトルを体験した筆者視点からオススメのものをご紹介していこう。是非自分ごのみのタイトルに狙いを定め、ピンポイントで最高のVR体験をしてほしい。
「RIGS」─ガチゲーマーなら絶対プレイすべき
GAME Watch読者の皆さん的に多く居られると思われるガチゲーマーの皆さんは、ぜひVR初のe-Sportsタイトルとなる「RIGS」をプレイしてほしい。本作は「KILLZONE」シリーズなどで知られるGuerilla Gamesが手掛ける、チームベースのマルチプレイ対戦ゲームで、人型のマシンを操縦してフィールド上のエナジーボールを集め、フィールド中央のゴールへ突っ込むという競技。
HMDをかぶると人型マシンのパイロット視点となり、かなり激しく動きまわりながら、まさにスポーツライクなハイスピードバトルが展開。動きの多いゲームだがコックピット視点であるおかげで悪性の酔い等は少なく、むしろ「心地良いVR酔い」というものが存在するということを、教えてくれるタイトルでもある。ゲームとしての完成度は、いまのところこれがピカイチと言っていい。
「サマーレッスン」─ 2014年版&2015年版を選べるぞ!
Morpheus時代からPSVRを追いかけている皆さんならもうご存知であろう「サマーレッスン」。VRならではの衝撃的な体験という意味では、洋の東西を問わず最も大きなインパクトを持つタイトルのひとつだ。
今回、TGS2015での出展にあたっては、2014年版(女子高生キャラクター)、2015年版(海外キャラクター)の両方が試遊可能。どちらか好きな方を指定して体験できるので、皆さんの好みに合わせて選ぼう。
個人的なところをいえば、2014年版のほうが破壊力は大きい物があった。やはり筆者も日本人ということで、日本の女子高生という身近なキャラクターは、存在の生々しさが違う……。この破壊力をどう表現すべきかいつも困るのだが、今回は皆さんにこそぜひ直接体験していただきたい。
「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project - VR Tech Demo」─ミクファン悶絶必至
全国数百万人のボーカロイドファンの皆さんは、セガ謹製のVRデモで悶絶しよう。E3 2015で初出となったバージョンからさらに演出強化がされているようで、ステージ上で歌い踊るミクさんを観客席から眺めるだけでなく、サイリウムを振りながら応援。後半になるとプレーヤー自身がステージに上り、ミクさんが目の前にいるという特等席体験もできる。
これが破壊力抜群。ミクさんはこちらに視線を投げかけたり、様々なジェスチャーでプレーヤーの心をドキドキさせてくれるほか、歌詞の書き文字がミクさんとプレーヤーの周囲に浮かんでは消えていくといった、VRならではの演出が素晴らしい。これはまさにバーチャル・アイドル、バーチャルコンサートの新境地だ。
「KITCHEN」─ カプコンが贈る世界最恐VRコンテンツ
E3 2015で初出となり、世界各国のゲーム業界関係者を恐怖のどん底に陥れた最恐VRデモ、それがこの「KITCHEN」。目の前で展開される惨劇、飛び散り滴り落ちる血液。最後にはプレーヤー自身の肉体に凶刃が向けられ……。
試遊している人が本気で怖がる姿を見られるのも本作ならではの凄さ。もし本作の試遊を希望しても叶えられなかった場合は、PSVR試遊コーナーの外側から試遊の様子を見ることができるので、ぜひ体験中のプレーヤーの様子を見てみよう。VRのホラーってこんなに怖いんだ……ということを、直接体験しなくても理解できるはずだ。
「真・三國無双7 VR DEMO」
コーエーテクモゲームスもVRデモを初出展。本デモでは「真・三國無双7」の戦場に、一兵士として参戦するという体験ができる。開幕早々、プレーヤーは雑兵が立ち並ぶ列の中にいて、前方の演台で士気高揚の演説をぶっているのは将軍・呂布奉先。さあいよいよ戦がはじまるのか、と思っていると、超イケメンの趙雲子龍がプレーヤーの目の前にやってきて、武術指南をしてくれる。
イケメンすぎる武将の手取り足取りのVR武術指導には、男性ゲーマーよりも、むしろ女性ゲーマーのほうに痛烈なインパクトがありそうだ。いわば「趙雲レッスン」。コーエーテクモゲームスのキャラクター資産を活かしたVRコンテンツの展開先が、ありありと想像できるコンテンツの方向性に、おもわずニンマリだ。
「体感合体『アクエリオン・EVOL』」─ アニメ&VRの融合、巨大ロボのコックピット体験!
サテライトによる本デモでは、アニメ「アクエリオン・EVOL」の主人公パイロット「アマタ・ソラ」の視点となって、アクエリオン特有の「合体」をVRで堪能できる。プレーヤーの視点は完全にコックピットビューで、発進シーンの雰囲気的には、これぞ日本版「EVE Valkyrie」という感じだ。
ビジュアルの品質も高く、特に面白いと思ったのは、コックピットの左右に適宜オープンする各キャラクターのカットインスクリーン。アニメ世界そのままの絵面で、同僚パイロットのミコノとゼシカが左右から声をかけてきてくれるのだ。そして合体演出からバトルシーンまで、コックピットビューの完全主観で体験。日本独自の巨大ロボコンテンツをVRで体験する、膨大な可能性を感じさせてくれる。
「ファイナルファンタジーXIV: VRタイタン討伐戦」─FFXIVプレーヤーなら感動しきり
スクウェア・エニックスによる本デモは、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のシステム、世界観をそのままに、ボス級モンスターとのパーティバトルをVR視点で楽しめるというコンテンツだ。2つのデモルームが連動していて、それぞれのルームでPSVRを装着した人、通常スクリーンでプレイする人の2人が共同プレイ。2ルームで4人が1パーティとなり、MMORPGならでのパーティバトルにVR参加できるというわけだ。
UIや操作システムなどがVR向けにあまり調整されておらず、VRデモとしては荒削りなところが散見されるこのデモだが、「ファイナルファンタジーXIV」のプレーヤーである担当編集者の反応はすこぶるよかった。なにしろ、いつもはフラットスクリーンで見てきたあのキャラクター、あの体験が、本当の意味での自分視点で見られるのだ。そこに大きな感動があり、既存コンテンツのVR化にも大きな可能性が開けていることがわかるコンテンツとなっている。
「THE PLAYROOM VR」─リビングルームでワイワイ遊びたい人たちのために
SCEWWSジャパンスタジオが開発するPS4標準搭載ソフト「PLAYROOM」のVR対応版。E3 2015で披露された巨大モンスター対AR BOTたちの5人対戦「モンスターエスケープ」に加えて、今回はネコとAR BOTによる“だるまさんがころんだ”的なバトル「キャット&マウス」を追加。ひとりがPSVRをかぶり、他の4人がフラットスクリーン側でという、非対称のパーティプレイを確かめることができる。
VRゲームというのはパーソナルな体験に終始するというイメージがあるが、それを真っ向から否定し、みんなで楽しめるVRというスタイルを提案するのが本作の1番の特徴だ。リビングルームにPS4を設置し、家族や友達と一緒にPSVRを楽しみたいと考えている皆さんは、ぜひ1度体験しておいてほしい。
「サイバーダンガンロンパVR 学級裁判」─言弾バトルの渦中に「居る」感覚
スパイク・チュンソフトの人気シリーズ「ダンガンロンパ」もついにVRデモの登場だ。キャラクターが集まって展開する法廷バトルの中に、プレーヤーは自分視点で参加できる。目の前にいるキャラクターたちが議論を深めていく中、プレーヤーはDUALSHOCK 4から発射される光ポインターを使い、怪しい発言に「言弾」を当てることができる。そのたびにキャラクター達が新たな反応を示し、プレーヤーが「そこにいる感」も深まっていく。
個性的なキャラクター複数に取り囲まれ、そこに参加していく感覚は、「サマーレッスン」のような1対1コミュニケーションにはない、にぎやかな臨場感があり、とても贅沢な体験だ。「ダンガンロンパ」ファンのみならず、バーチャルキャラクターとのコミュニケーションがVRどのように感じられるか、さらなる知見を得たい人たちにもオススメだ。
「JOYSOUND VR」 ─ ノンゲームVRコンテンツの一番槍
エクシングが製作した本デモは、様々なゲームプラットフォームで展開しているインタラクティブカラオケシステム「JOYSOUND」の、直球そのものなVR版。CGで描かれたSF的なメニュー画面から、シームレスに各曲のVRシーンへ突入。各曲のVRシーンは実写のもので、ゲーム等のようなインタラクティビティはないが、カラオケソフトなのでそれもよし。
コンテンツのひとつ「アイドルとオンステージ」では、名古屋の大須を拠点に活動するアイドル「OS☆U」と一緒にステージに立ってパフォーマンスを披露しながら一緒に歌うという、嬉し恥ずかしなVR体験も可能。ノンゲームVRの楽しさ、面白さ、その可能性を垣間見てみたい人は1度体験しておいて損はない。