【連載第9回】あなたとわたしのPCゲーミングライフ!!


佐藤カフジの「PCゲーミングデバイス道場」


5万円でハイパフォーマンスなゲーミングPCを作る!!
最新ゲーム機移植タイトルから「Crysis」まで、どこまで遊べるのか?!


色々な意味で業界の「最先端」を走る、PCゲーミングの世界。当連載では、「PCゲームをもっと楽しく!」をコンセプトに、古今東西のPC用ゲーミングデバイスに注目して、単なる新製品の紹介にとどまらず、競合製品との性能比較や、新たな活用法の提案、果ては改造まで、様々なアプローチで有益な情報をご提供していきたい。



 ■ 「最近のゲーム、ウチのPCでは無理かも……」。そんなアナタへ贈るPCレシピ

今回はゲーミングデバイスとしての基盤、PCそのものに注目

 当連載では、これまでPCゲーミングデバイスとしてマウス、ゲームコントローラといったユーザーインターフェイスデバイスを主に紹介してきたが、今回は敢えて「PCそのもの」に注目する。

 というのも、筆者のまわりに、「最新ゲームはハイスペックPCじゃないと動かないんでしょ?」とか、「最近のPCスペックってよくわからないし」とか、「まあうちのPCじゃ無理そうだし、最近はオンラインゲームばかりプレイしてる」といった意見が未だに大勢を占めている。「わからないから」という理由でPCゲームを断念するのは非常に勿体ないことだ。今回はそういった人たちに対して具体的な回答を提示したい。

 PCでゲームをプレイするためには、そのゲームを動かすために充分な性能を持つ機材が必要となるのは当然の話だ。そして、PCのスペックというのは時代と共に高まっていくものなので、ゲーム開発者もそれを前提に、「最新最強のPCでも重い」というタイトルを作ることがある。そのため、最新ゲームで遊ぶためにはハイスペックPCが必要となるケースがある。筆者の知る限り、1990年代末から2000年代前半までは、それがまさしく主流だった。

 ところが、2006年以降、具体的にはXbox 360やプレイステーション 3といった「ハイデフ世代」のゲーム機が発売されてからは、明らかに流れが変わった。最新ゲームタイトルにゲーム機とPCのマルチプラットフォームタイトルが増え、ゲームタイトルのスペック追求路線にブレーキが掛かったのである。


 

最近のPCゲームはXbox 360やプレイステーション 3水準のものが主流になった。「ロスト プラネット」はその基準を示す好例のひとつ

 その背景としては、高解像度・高詳細グラフィックスの独壇場であったPCプラットフォームに代わり、新世代のゲーム機もハイデフのグラフィックスを実現できるようになり、それにともなって、それまでPC向けにタイトルを供給してきた様々なデベロッパーが、主戦場をゲーム機に移したという事情が考えられる。

 その結果、PCゲームも、ゲーム専用機への移植、あるいはその逆を前提に開発されるようになり、一定のスペックのPCがあれば、快適なPCゲーミングライフを送ることが可能になっているのだ。

 良い例が、カプコンの「ロスト プラネット」だろう。2007年7月に発売された初代「ロスト プラネット エクストリームコンディション」のPC版と、ほぼ1年後の2008年6月に発売された続編「ロスト プラネット コロニーズ」のPC版では、必要スペックが変わらないどころか、最適化が進んだことによって、初代作の初期バージョンよりも動作が軽くなっているほどだ。

 そこで具体的に、どれくらいのPCスペックが必要になるかを推測するわけだが、ゲーム機とPCは根本的にアーキテクチャが異なるため、単純比較は難しい。グラフィクスの心臓であるGPUに限って見てみるならば、Xbox 360に搭載されたGPUは、乱暴に言えばRadeon X2000シリーズ(R600)の低クロック版のような感じで、PlayStation 3に搭載されたGPUは、Geforce 7800水準ぐらいだといわれる。現在のPC水準でいえば、3~4世代くらい前の構成だ。

 そして現在では、各最新世代のゲーム機が発売された3~2年前に比べて、CPUやグラフィックスカードの価格性能比は格段に良くなり、安価に高性能なパーツが手に入るようになっているので、ゲーム機水準のPCを構成するのに、そんなに凄い予算は必要ないはずだ。それこそ「お手軽価格」に実現できるはずである。

 といった前提を踏まえて、今回は実際にPCを1台組み立てることにした。組み立てやパーツ単位のアップグレードの経験がないライトユーザーの方でも手を出しやすい範囲を考え、「総計5万円以下」という縛りで全パーツを調達する。そして筆者自身驚いたのだが、この予算で非常に満足行くスペックのPCが構成できたのだ。そのプロセスと結果をご紹介しよう。

今回、快適に動かすことをターゲットにしたゲームタイトルの例。左から「Left 4 Dead」、「RACE DRIVER GRID」、「Prince of Persia」。いずれも最新世代ゲーム機とPCのマルチプラットフォームタイトル化が成されたタイトルだ


■ 「安くて高性能なパーツを手に入れろ!」と、5万円握りしめて選定、購入、組み立て

今回購入したパーツ群(ケースは写真の外)。PC一台分全部入りでお値段5万円

 「最新ゲーム機相当のPCゲームを快適に遊べるPCを、5万円以下で」という目標を達成するため、今回はパーツの選定にたっぷりと時間をかけた。筆者自身、最近のPCパーツ事情にそれほど詳しいわけではないため、色々な価格比較サイトを巡っては、ああでもないこうでもないと、基本的な情報集めから入った次第だ。

 今回、5万円という予算で調達するのは、1台のPCを物理的に構成するための全てだ。つまり、OSは含まず、電源、ケース、マザーボード、CPU、メモリ、ビデオカード、ハードディスクドライブ、光学ドライブが必要になる。現在流通している既製品のデスクトップPCもこういったパーツ類で構成されている。

 限られた予算ではあるが、ゲーム用途を考える上では、CPUやビデオカードあたりにはしっかりとしたものを使いたいところ。それに、せっかくPCを組むなら長く使いたいので、今後のアップグレードを考えて、マザーボードもしっかりとしたものにしたい。しかし、いろいろしっかりしたパーツを選ぶと予算的に別の部分にしわ寄せが発生するので、トータルバランスで考えることも必要だ。

 というわけで、今回の「5万円ゲーミングPC」パーツ構成は次の表のようになった。

パーツ製品名購入価格
電源ケース付属品 520W
ケースAQTIS AC520-07W (ATX/ホワイト)8,280円
マザーボードASUS P5Q (LGA775/P45+ICH10R)11,970円
CPUIntel Pentium Dual-Core E5200 (2.5GHz)7,270円
ビデオカードPALIT NE39800TFHD52(Geforce 9800GT 512MB)9,980円
メモリDDR2 PC2-8500 1GB ×2(バルク、Team製)5,540円
HDDSeagate ST3320613AS (320GB 7200rpm)4,270円
光学ドライブLITEON iHAS120-272,799円
50,109円

CPUはPentium Dual-Core E5200。キャッシュ容量の少ないCore 2 Duoという感じ。7,200円くらいで購入
ビデオカードは力を入れてGeforce 9800GT搭載モデル。PALIT製を9,980円で購入
マザーボードはASUSのP5Q。今回の中で最も高いパーツとなったが、拡張性を考慮してのことだ

 思わず「5万円超えてるんですけど……?」というツッコミを入れてしまった賢明な読者のために、購入価格の総計が5万円をちょっぴり超過したことについて申し開きをしておきたい。筆者は全パーツを秋葉原の各店舗で直接購入したのだが、その際の店頭価格が、ネット上で調べた通販価格よりも若干高くなっているものが多く、本来はもっと余裕があるはずが、ギリギリどころか、若干超過してしまった。最後に買った光学ドライブが、予定より100円強高かったために、109円の超過を招いてしまった。通販で買えば、あと1,000円か2,000円ほど圧縮できたはずだ。

 さて、このパーツ構成で重視したのは、充分に拡張性を残しつつ、ゲームがきちんと快適に遊べること。拡張性を確保するために、ケースには520Wの電源と、巨大なハイエンドビデオカードも収まる内部スペースを持つミドルタワーケースを選択した(予算がギリギリだったため、店頭処分品をさらに値切って購入した。このあたりは店頭で直接買う醍醐味と言える)。

 また、マザーボードには「ASUS P5Q」という、Intel製CPUに対応した、拡張性に優れたミドルクラスのものを選択した。BIOS設定でFSBを自由に変更でき、オーバークロック耐性もそこそこなマザーボードなので、色々遊べるし、交換することなく長く使えるはずだ。

 そして、CPUとビデオカードの選定については、筆者の経験にもとづく、以下の法則を採用した。それは、「ゲームが重いとき、大抵ビデオカードが一杯一杯になっている」である。映像処理が軽いゲームは、大抵、他の処理も軽く、CPUが貧弱でもそこそこのフレームレートで動作するものだ。しかし、映像処理が重いゲームは、豪勢なシェーディングを多用することが多く、CPUをいくら回そうが、ビデオカードがボトルネックになりがちだ。

 ビデオカードは、各種のベンチマーク情報を漁った結果、「NVIDIA Geforce 9800GT」を選び、メーカーは搭載タイプで最も安価なPALIT製を選択した。ビデオカードにお金を掛けた結果、CPUはかなり予算が圧迫されたが、最低でもデュアルコアは堅守したかったので、「Pentium Dual-Core E5200」という、現行のデュアルコアCPUで最も安い水準のものを選択した。

 ちなみにこの「E5200」は12.5倍のベースクロック倍率を持ち、標準ではベースクロック200MHz(FSB 800MHz)にて2.5GHzで動作する。倍率が非常に高いため、FSBを上げることでオーバークロック(OC)がしやすいCPUであり、実際のOC耐性も高いことで知られる。OCしての常用を考え、メモリにはDDR2 1,066MHz対応のPC2-8500モデルを選択した。これで、FSBを上げることによるCPUのオーバークロックが簡単確実にできるはずだし、後々、上位のCPUに換装したくなっても、メモリを変えずに対応できるはずだ。

 残るパーツであるHDDと光学ドライブついては、予算の都合で安さ重視となる。HDDは1台のみ、光学ドライブは「動けばいい」というレベルで、安いものを選んだ。本来はHDDは2台~3台構成が理想なのだが、まあ、OSとゲームを入れるだけなら、320GBあれば充分だろう。足りなくなれば、後々追加して、RAIDを組んで高速化してもいい。

 というわけで必要パーツが揃い、あとは組み立て。組み立てといっても、PCは標準規格が定まっており、決められた場所に決められたパーツをザクザク付けていくだけなので、一度やって覚えれば簡単だ。写真でそのプロセスをご紹介するので、これからPCのアップグレードや組み立てを考えている方は、参考にして欲しい。

まずはマザーボードの箱を開けて付属品を確認マザーボードのレイアウト。CPUやメモリのソケットが見えるデュアルチャンネルで使うために、まず2枚のメモリをこのような配置で刺す

次にCPUの取り付け。ソケットカバーを開いて、正しい方向でCPUを上に置くその上に、CPUに付属のリテールファンを装着ファンを取り付けたら、マザーボード上のCPUファン電源ソケットに接続。忘れると致命傷になるので確実に

続いてケースを開け、マザーボードを取り付ける準備付属のマザーボード取り付け用ネジをとりつけるマザーボードを取り付け、しっかりネジで固定した後、ATX電源ケーブルを接続

光学ドライブ、HDDを接続。SATAケーブルと電源ケーブルをとりつけ、ネジで固定PC-Expressスロットにビデオカードを取り付け。補助電源ケーブルの接続も忘れずにほか、ケースからの細かい配線を取り付けて中身は完成。あとは電源を投入するだけだ

組み立て後、初めて電源を投入。ここでウンともスンとも言わなかったら、各パーツがきちんと刺さっているか、電源は間違いなく接続されているか、隅々まで確認しようBIOS画面が正常に出てきた。初の組み立てではいたく感動するシーンだが、筆者は慣れっこなので「よしっ」と小さく喜ぶのみOSをインストール。今回は手持ちのWindows Vista Home Premium x64 Editionを入れてみた。


■ 5万円PCでもここまで高性能! 各種ゲームのベンチマークは驚くべき結果

OSが入り、使用準備が完了。モニタには最近主流になりつつある16:9のフルHDタイプを使用した

 というわけで「5万円ゲーミングPC」の組み立て、OS導入が完了。あとは実際のゲームでどれほどの能力を発揮するか、ベンチマークで確認だ。

 「最新ゲーム機相当のPCゲームを快適に遊べる」というのが今回の目的なので、モニタとしては16:9のフルHDタイプの家電TVを使用。最大解像度は1,920×1,080ドット。だが、ゲーム機では1,280×720ドットくらいのHD解像度を使用するゲームタイトルが多いので、ベンチマークでも1,280×720ドット解像度を基本とした。この解像度で、綺麗なレンダリングで、少なくとも常時30fps以上のフレームレートが出るなら、幸せにゲームをプレイできる。

 ベンチマークに用いるソフトは、定番の「3DMark 06」をはじめ、実際のゲームを想定して、オンラインゲーム代表として「Vana'diel Bench(FFBENCH) 3」、ハイエンドPCゲーム代表として「Crysis」、ゲーム機のマルチプラットフォームタイトルとしては「ロスト プラネット」、「Left 4 Dead」、「RACE DRIVER GRID」、「Prince of Persia」と、TPS、FPS、レース、アクションアドベンチャーの各ジャンルを取りそろえた。

 また、ベンチマークの設定として、今回購入したパーツを組んでそのまま使用するという、いわゆる「定格動作」の設定と、マザーボードのFSBを標準の800Mhzから1,066MHzまで上げ、DRAM設定も多少タイトにしたオーバークロック設定の2種類の設定を使用した。それぞれの設定について、CPUの動作状況を下図に示しておこう。オーバークロック設定では、標準のおよそ1.3倍となる3.3GHzになっている。

 電圧を上げればまだまだ高いクロックも達成できそうではあったが、今回は「簡単・確実な範囲」ということで、この2設定のみとした。尚、オーバークロックは当然ながらメーカーがサポートしない範囲での使用となるため、自己責任の覚悟で臨んでいただきたい。

「定格」設定。FSB 800MHz、CPU 2.5GHzで動作。電圧は1.1V弱「OC」設定。FSB 1066MHz、CPU 3.3GHzで動作。電圧を0.1Vだけ上げてある。動作は安定そのものだ


・「3DMark 06」。DirectX 9世代のゲームタイトルは余裕で動作

「3DMark 06 Build 110」でのベンチマークスコア

 

「3DMark06」は、DirectX 9世代のゲームがどれくらい動くかを示す、標準的なベンチマークソフトだ

 パフォーマンスチェックについては、まずはDirectX 9世代のベンチーマークソフト代表格である「3DMark06」の結果をご紹介しよう。「3DMark06」では、複数のゲーム風グラフィックステストを通じて、シェーダーモデル2.0、シェーダーモデル 3.0、そしてCPUのスコアを算出してくれる。2006年にこのベンチーマークソフトが出たころは、合計スコアが10,000を越えるシステムは夢のようなハイエンドPCとされていた。

 そして実際に、この5万円PCで計測した結果としては、1,024×768ドットの低負荷設定で楽々10,000を越え、常用を想定する1,280×720ドット、4xAA、16xAnisotropicという高画質設定でも、大抵のゲームが快適に遊べる好スコアをマークした。このスコアは、筆者が各種ゲームのレビューで使ってきた、Core 2 Duo 6420/Geforce 8800GTXという構成に匹敵するものだ。

 さらに各解像度の結果をよく見ていくと、高解像度設定にて、CPUのオーバークロックによるスコアの伸びがあまりないことがわかる。CPUスコアは低解像度設定と同じくOC時に3割ほど伸びているものの、SM2.0とSM3.0のスコアはOC時でもほとんど変わっていない。これは、この段階で「ビデオカードがボトルネックになった」ことを示している。つまり、これ以上のスコアを出すためには、さらに強力なビデオカードが必要ということだ。

 したがって、今回の構成で、多少無理をしてでもGeforce 9800GTを選択したのは正解だったといえる。もし、これより性能が低いGeforce 9600GTあたりを選択していたら、3,000円ほどの差額を使ってCPUはもっと高いグレードにできたかもしれないが、総合スコアはぐっと低くなっていた可能性がある。さらにアップグレードするなら、まずGPUの強化を考えてもいいだろう。


・「FFBENCH3」では「計り知れない」レベルのスコアを楽々達成

「Vana'diel Bench 3」でのベンチマークスコア。設定は「HIGH」を使用

「Vana'diel Bench 3」。オンラインゲームの代表格として今回使用した

 次に、オンラインゲームの有名タイトルである「ファイナルファンタジー XI」のベンチマークソフト「Vana'diel Bench 3」の結果をご紹介しよう。このベンチマークソフトは、「ファイナルファンタジー XI」がかなり古い時代の技術に基づいたゲームであることを反映して、ビデオカードへの負荷がかなり低いのが特徴だ。そのため、CPUの能力がスコアに反映されやすい。

 とはいえ、今回の5万円PCに使った7,000円くらいの安いCPUでも、非常に高い水準のスコアを記録することができた。定格動作時のスコアでも7,244を記録している。これは、公式サイトのスコア格付けによれば、最大ランクの「計り知れない」になるスコアだ。さらに、OC時のスコアは8,855と、CPUのクロックの伸びにほぼ比例するスコアの伸びを示し、このベンチマークソフトがCPU性能に強く依存していることを裏付けている。

 単純にこれだけを見れば「CPUを強化すればさらに高いスコアが得られる」と考えてしまいそうだが、スコアの水準そのものを見れば、もはや「ファイナルファンタジー XI」をプレイする上ではこれ以上高速化しても無意味なレベルに達しているため、アップグレードの指針としては、他のベンチマーク結果を前提に考えた方がよさそうだ。


・「Crysis」を“オールHigh”設定で、なんとか普通に遊べるだけでも凄い

「Crysis」でのベンチマークスコア。ゲームに付属のベンチマークコマンドを使用した

モンスタースペックを要求する「Crysis」。PC専用タイトルの最先端を行く映像だ

 さて、次にPC専用ハイエンドタイトルの代表である「Crysis」での動作っぷりを見てみよう。今回は、やはり「綺麗な映像で遊びたい」という要求を満たしたいので、ベンチマーク時の設定としては、DirectX 10を使用し、グラフィックスオプションをすべて「High」とした。この状態では、本作の美しいレンダリング機能が存分に発揮される。さらに、アンチエイリアスも4xとしている。

 以前、筆者が「Crysis」のレビューを弊誌でお届けした際に、当時の筆者のPC構成で同様のベンチマークをしている。筆者としては当時「プチハイエンド」くらいに考えていた、マザーボード、CPU、ビデオカード、メモリだけで10万円強を投じたPC構成だったが、今回、5万円のPCで記録したフレームレートは、それに匹敵するものだ。実際のプレイ中でも20~40fpsは普通に出ており、一部の複雑なシーンでガクガクになることを除けば、普通に遊べる。これは凄いことだ。

 「Crysis」自体、当時からバージョンアップを重ねて、現在ではDirectX 10環境でのフレームレートが向上している。それを踏まえても、1年と半年ほど前は10万円以上ほど掛かったPC構成によるフレームレートが、現在は5万円のPC構成で出せるというのは驚きだ。「トランジスタの集積密度は18~24カ月毎に2倍になる」という、“ムーアの法則”と呼ばれる経験則が存在するが、それが実際にコスト面で働いていることを実感する結果であった。

 グラフを更に詳細に見てみるならば、OC時におけるフレームレートの伸びが、あまり見られないことに注目したい。CPU負荷が最も高い「CPUTEST2」でも2割ほどの向上で、GPU依存度の高い「GPUTEST」では1割ほどの伸びである。この傾向を見る限り、さらなるパフォーマンスアップを目指す上では、ビデオカードの比重が6割、CPUの比重が4割くらいになるだろう。


・「ロスト プラネット」ではゲーム機版のほぼ2倍となる平均FPSをマーク。
 さらにCPUとGPUの性能比を実感

「ロスト プラネット」でのベンチマークスコア。ゲームに備え付けのパフォーマンステストを使用

「ロスト プラネット」は、国産の「最新ゲーム機水準タイトル」の代表といえる

 「ロスト プラネット」は、Xbox 360とPCのマルチプラットフォームタイトルだ。カプコンの独自ゲームエンジン/開発フレームワークである「MT Framework」を使用したタイトルであり、後発の「デビル メイ クライ 4」や、PC版の予定は不明だが「バイオハザード 5」でも同様のエンジンが使われている。

 ベンチマークにあたってのグラフィックス設定は2種類試してみた。まず高い方の設定は、解像度1,280×720ドットで、アンチエイリアスを4×に、異方性フィルタを16×に設定し、全てのグラフィックスオプションを「高」に設定。最高画質というわけだ。低い方の設定は、アンチエイリアスと異方性フィルタを外し、全てのグラフィックスオプションを「低」に設定。だいぶのっぺりした残念な画質となるので、あくまで比較用だ。

 結果としてはご覧の通り。高負荷設定においても、ビデオカードへの依存度が高い「SNOW」シーンで定格設定56.6fpsと、ゲーム機版の30fps固定に比べて倍くらいのフレームレートが出ている。また、CPU依存性が高い「CAVE」シーンでは、定格設定42.7fps、OC設定58.9fpsと、CPUのオーバークロックによって大きく伸びているのが面白い。

 とはいえ、実際のプレイをより反映するのは「SNOW」のほうだ。「CAVE」は、実際のゲームシーンでは非現実的な数のモデルを出しているためである。「SNOW」だけを見ると、高負荷設定時は、OCによる効果がほとんどないのに比べ、低負荷設定にしたとたん、2倍以上のFPSを叩きだしているというのは、明らかに、高負荷設定時にビデオカードの処理能力がボトルネックになっていることを表しているといえよう。このことから推測する限り、ビデオカードをもう少しグレードの高い物にできれば、さらに快適な環境を実現できそうだ。


・「Left 4 Dead」はフルHD 1,920×1,080ドット表示でも快適にプレイ可能

「Left 4 Dead」でのベンチマークスコア。計測には“timedemo”コマンドを使用した

いま一番「PCゲームらしさ」を持つ、ValveのSourceエンジンを活用した代表的なタイトル

 弊誌で全3回の短期集中連載「対戦『Left 4 Dead』! ゾンビとゆかいな仲間たち」をお届けした「Left 4 Dead」は、ValveのSourceエンジンを用いた最新タイトルだ。同じエンジンを使っているゲームとしては、「Half-Life 2」にはじまり、「Counter-Strike: Source」、「Team Fortress 2」や「Portal」など、大人気のFPSタイトルが数多くある。

 つまり、「Left 4 Dead」が快適に動くということは、Valveのゲームは全部幸せなパフォーマンスで遊べるということだ。というわけで今回は、「Left 4 Dead」の最初のステージである「マンション」を、途中警報機を鳴らしてゾンビラッシュを引き起こしながらクリアした模様を“record”コマンドで記録し、それを“timedemo”コマンドでベンチマーク再生したものをまとめた。

 今回基準の解像度としている1,280×720ドットでは楽々と60fpsを越えるスコアを記録したため、このテストでは1,920×1,080ドットという、フルHD解像度も試してみた。グラフィックスオプションは、いずれの解像度でも最高に設定している。結果としては、フルHD解像度でも平均60fps以上と、完璧な快適さで遊べることがわかった。

 「Left 4 Dead」は、Xbox 360版ではおよそ30fpsの固定フレームレートで動いているため、この5万円PCでは、その倍以上のフレームレートで遊べるということになる。この快適さは数字以上のものがあり、やはりモニターの周波数である60Hz以上で動くのを見ると、ゲーム機版とは受ける印象がまるで違ってくる。OCによる効果もそれなりに見られ、高解像度でも70fpsを越えていることを考えると、このタイトルを遊ぶ上では、もはや充分な性能を実現したと言えるだろう。


・最新マルチプラットフォームタイトル「GRID」や「Prince of Persia」も楽々と快適に遊べる

「RACE DRIVER GRID」でのベンチマーク。風景が複雑な「ミラノ」をコースでレースし、3ラップを走りきってリプレイを最後まで見るまでの間、外部アプリケーション「FRAPS」にてフレームレートを計測した

「Prince of Persia」でのベンチマーク。ゲーム開始直後のカットシーンから、エリカを追って「神殿」内部に到着するまでの、およそ5分間のプレイにおけるフレームレートを「FRAPS」で計測した

レースの面白さを凝縮した傑作「RACE DRIVER GRID」
個性的なグラフィックスと優れたゲーム性でUBIの看板タイトルとなった「Prince of Persia」

 昨年末から今年にかけて発売されたマルチプラットフォームタイトルから、レースゲーム代表として「RACE DRIVER GRID」、アクションアドベンチャーゲーム代表として「Prince of Persia」を取り上げてみよう。いずれも「最新ゲーム機水準」のタイトルとして、個性的で美しいグラフィックスを実現した作品である。

 いずれのタイトルも、ゲーム本体にベンチマーク用の機能を備えていなかったため、今回は外部ソフトの「FRAPS」を使い、「定格」、「OC」の条件毎に、だいたい同じようなプレイを繰り返してフレームレートを計測した。さらに、グラフィックスオプションはいずれのタイトルでも望みうる最高の設定とし、解像度はゲーム機と同じ水準の1,280×720ドットとしている。

 結果を見ると、2つのゲームは、どちらも快適に遊べるフレームレートを出している。また、CPUのOCによる効果が割と大きいことにも注目したい。これは、ビデオカードの処理に多少の余裕が残っており、CPUをさらに高速化すれば、さらに高いフレームレートが出るであろうことを予測させる材料だ。

 また、2つのゲームがびっくりするほど同じようなグラフになっていることにも注目したい。それぞれ平均、最小、最大のフレームレートをグラフ化しているところ、「GRID」が若干重いことを除けば、最小フレームレートはほとんど同じで、OCによるフレームレートの伸びも、ほぼ同じ割合だ。

 これは、最近のマルチプラットフォームにおける標準的な傾向だと思われる。ゲーム機上ではだいたい30fps固定で動作できるようにゲームが作られており、そのために各種の処理が調整されているため、異なるタイトルで似たような結果が出るのだろう。

 これはつまり、マルチプラットフォームで展開するゲームは、いつ、どのタイトルでも、同じくらいのPC性能を要求するであろう、ということだ。したがって、これから1年後に出てくるタイトルも、この5万円PCで快適に遊べるはずである。ゲーム機がさらに「次世代化」すればその限りではないが……おそらく、今後1、2年はこのままいけそうだ。


■ 秋葉原界隈のPC専門ショップに、5万円以下のオススメ構成を聞いてみた

 以上、筆者が構成した「5万円ゲーミングPC」の一例を使ってのベンチマーク結果をお届けした。ケースからマザーボードから全部込みで5万円という安価なPCで、最新タイトルも充分に快適に遊べることがおわかりいただけたと思う。

 とはいえ筆者の考えた構成だけが「正解」というわけでもないのが、PCの世界というものだ。同じ価格帯で選択できるパーツはいくらでもバリエーションがあって、組み合わせは自由。筆者が考えたよりも、優れた構成だって存在するだろう。というわけで、今回の議論をさらに深めるため、秋葉原界隈のPC専門ショップ各店に「5万円ゲーミングPC」のオススメ構成を聞いてみた。

 取材時、ちょうど3連休に向けてセールの準備を忙しく進めている店舗が多かったので、思うように回答を頂けなかったが、幸運にも「DOS/Vパラダイス 秋葉原本店」、「フェイス PC館」、「パソコンSHOP アーク」の3店舗から、興味深い構成を教えてもらえた。いずれも、各店舗独自の哲学や品揃えに基づいたパーツ構成を提示してくれたので、新規PCの購入や、既存PCのアップグレードの参考にしていただきたい。

 また、「パーツの選定ポイント」、「組み立て後のアップグレード、拡張の方針」、「お店の紹介」の3点を、各店舗に伺ったので、そちらも併せて見ていただければ幸いだ。



・DOS/Vパラダイス秋葉原本店:ビデオカードとCPUに全力投球しつつ安定性も確保

パーツ製品名価格
電源EVERGREEN Power Glitter 500W(EG-500PG)5,480円
ケースAQTIS ACMC-22B(ATX/電源無し/ブラック)3,980円
マザーボードFOXCONN G31MX-K 2.0 (LGA775/G31+ICH7)4,980円
CPUIntel Core 2 Duo E7500 BOX(2.93GHz)14,660円
ビデオカードPALIT NE39800TFHD52(9800GT 512MB)9,980円
メモリA-DATA DDR2 2GB×2 (PC2-6400)3,680円
HDDHITACHI HDP725025GLA380 (250GB 7200rpm)3,980円
光学ドライブソニー オプティアーク AD-7203S2,980円
49,720円
選定ポイント「ゲームをするために一番必要なパーツ「ビデオカード」に予算を集中させ、それでもCPUはCore2Duo、メモリは4GB搭載し、その環境を安定して動作させるために500Wの電源を搭載したゲーミングPCとなっています。
 HDDが250GBと、現在の市場から考えると少なめになっていますが、OSのインストールとゲームのインストール程度でしたら十分な容量になっていますし、今後HDDの増設が容易にできるケースと電源となっております」
拡張の方針「HDDの増設や、HDCPに対応したディスプレイをご用意いただければ、地上波デジタルのキャプチャーカードの搭載も可能となっておりますし、電源容量に余裕がありますので、CPUをクアッドコアのCore 2 Quadなどにアップグレードしていただくのもオススメです」
店舗紹介「ドスパラは、北は北海道、南は九州まで全国 約30店舗お客様のご来店をお待ちしております。サポート体勢に関しましても全国どちらのドスパラでもサポートさせていただいております。
 また、年会費入会費無料のドスパラのメンバーズカード「DJ CLUB MEMBERS CARD」をお作り頂きまして無料のメール会員様にもご入会いただきますと、初期不良交換期間が1カ月間に自動延長になるほか、メインメモリお買い上げの際には 1カ月間のメモリの相性交換保証を標準でお付けできます。
 また、中古の買取・販売も行なっておりまして、パーツだけに限らずパソコン本体の買取販売も可能です。是非、新品・中古とワンストップでご利用頂けますドスパラをよろしくお願い致します」

筆者コメント:

 グラフィックカードにPALIT製のGeforce 9800GT、CPUにはCore 2 DuoのE7500と、この2つだけで予算の半分を使ってしまうという男気溢れる構成だ。その分マザーボードは安価なものが選択されているが、電源はしっかり500Wで、CPUやビデオカードを多少アップグレードするならこのままいけそう。

 HDDは250GB、DVDドライブも最安レベルと、筆者構成と同じく、このあたりには寄せが来ているようだ。しかしながらメモリはしっかり4GBの大容量を確保しており、Windows Vistaでも快適に使えるのは間違いない。


・フェイスPC館:電源に余裕の600Wを選択しつつ、GF9800GTをしっかり搭載

パーツ製品名価格
電源AQTIS AP-600GTX (600W)5,964円
ケースAOpen G5286,980円
マザーボードBIOSTAR P35D2-A7 (LGA775/P35+ICH9)5,967円
CPUIntel Pentium Dual-Core E5200 (2.5GHz)7,270円
ビデオカードGALAXY GF P98GT/512D3/GY (9800GT/512MB)11,970円
メモリノーブランド DDR2 PC6400 2GB ×2 (JEDEC準拠)3,738円
HDD日立 HDP725025GLA380 (250GB 7200rpm)3,899円
光学ドライブLG電子 GH22NS40BL (バルク)3,880円
49,657円
選定ポイント「費用対効果の面で、CPUに対する投資よりVGAに重点をおいて、マザーボード・電源・ケースは価格優先で選びました。また、メモリ容量も4GB搭載し現行のスペックに劣らぬよう配慮いたしました。
 HDDは、価格の下落が激しいので、今後買い増すことを前提に現時点の搭載は250GBと必要最低限にとどめました。デュアルコアを搭載しておりますので、ほとんどのゲームで遊べると思います」
拡張の方針「順番としては、ビデオカード自体はしばらく使えると思いますので、アプリケーション側の対応を見ながら、まずはクアッドコアCPUへのの交換がお勧めです。
 すでにIntel i7のプラットフォームが登場していますので、LGA775のCPUは、購入する時期を誤ると、新品が買えなくなる恐れもあるので要注意です。」
店舗紹介「今回はパーツ単位で紹介させていただきましたが、当店では、おもに完成したPCを販売しております。組込専用の特価商材などを使うことにより、納得のプライスで相性などの心配をせずに、まるごと1台のPCを提供いたします。
 また、お好みの部品で組み立てる、BTOパソコンも承っております。一般的な、ショップ側で用意する変更メニューのみを選ぶのではなく、メニューには無い部品でも取寄せ可能で、組合せ動作に支障が無ければご注文をお受けいたしますので、まさに世界で1台のオリジナルPCを作る事が可能です」

筆者コメント:

 フェイスからは3種類の構成を教えていただいたが、その中から最もバランスの良いものをご紹介しよう。CPUにはPentium Dual-Core E5200、ビデオカードにはGeforce 9800GTモデルを使っているあたりは、筆者の構成に似ている。特徴的な点として、「価格優先で選びました」というわりには電源に余裕のある600Wモデルを搭載しており、今後Geforce GTX 280といったハイエンドビデオカードへの換装も選択できそうだ。

 また、メモリを4GB搭載するというのが各店舗のオススメ構成で共通しており、このあたりは明確にWindows Vistaでの快適な使用を視野に入れたものだろう。マザーボードやHDD、光学ドライブは安価なものが選択されているものの、電源容量に大きな余裕があるため、HDDを数台増設したり、マザーボードをハイエンド品にしたりと、ケースと電源を変えずに色々と楽しめそうである。


・パソコンSHOP アーク:CPUにCore 2 Duoを選択し、高品質なメモリを搭載

パーツ製品名価格
電源ZUMAX ZU-400WX (400W)4,480円
ケースGIGABYTE GZ-X1BPD-1005,980円
マザーボードASUS P5GC-MX/1333 (LGA775/945GC+ICH7)5,980円
CPUIntel Core 2 Duo E7400 (2.8GHz)11,980円
ビデオカードGALAXY GF P96GT/512D3/ZL (9600GT/512MB)9,580円
メモリSANMAX SMD-4G88HP-8E-D (PC6400/hynix)4,980円
HDDSeagate ST3160815AS (160GB/7200rpm)3,780円
光学ドライブLG電子 GH22NS30B-B3,880円
49,740円
選定ポイント「5万円でのお手軽PC構成ということで、まずは価格の安いものでの構成になります。CPUはゲームに最適なものはデュアルコアということもあり、Core 2 Duoの最安のものを選択しました。また、マザーボードやビデオカードについては、この価格帯でコストパフォーマンスの高いものを選択しました。メモリに高品質のSANMAXを使用している点は、当店ならではの部分だと思います」
拡張の方針「ゲーミングPCは、やはりCPUとGPUが肝です。ですので、2万円とちょっとくらいの予算が足せるのであれば、そのどちらもをパワーアップしたいところです。」
店舗紹介 「パソコンSHOP アークは、PCパーツ全般や、オリジナルBTOパソコンを販売している秋葉原のお店です。更に、PCハードだけではなく、海外PCゲームやゲーミングマウス、マウスパッド、ジョイスティック、ハンドル等、PCゲーマー向けに面白、レア物アイテムを各種取り揃えております。
 秋葉原店舗では最強スペックのPCにて最新ゲームやゲーミングデバイスを多数デモしておりますので、マウスの挙動やフィーリングなど購入前に確認したい方や、他の用事で秋葉原にお立ち寄りの場合でも是非お気軽にお立ち寄りください。オンラインショップでも秋葉原価格で販売中です!」

筆者コメント:

 知る人ぞ知るFPSゲーマー“fumio”を擁するパソコンSHOPアークのオススメ構成は、CPUにCore 2 Duoの最安モデル、ビデオカードにGeforce 9600GTモデルを選択した、ややCPUに重点が置かれた構成だ。電源が400Wということで、やや電源容量が少ない点が心配だが、ハイパワー・ハイエンドのパーツを追加しない限りはおそらく大丈夫だろう。

 マザーボードはちょっと古めのチップセットを持つ製品ではあるが、世の中のハイエンドは新しいソケット仕様のIntel Core i7にシフト済みなので、「いずれにしてもCPUをi7にするならマザーボードを変えないといけない」という思い切りとして合理的な選択である。しかし、どのお店も、「5万円以下で」とお願いしたら、本当にギリギリ5万円以下の構成を提示してくるあたり、さすが店員さんはプロだなあ、と思うことしきりであった。


■ ゲーミングデバイスとしてのPCそのものを遊ぼう!!

 最後に筆者からのメッセージをお伝えしたい。本稿で伝えしたとおり、現在では1万円以下のCPUやビデオカードで、最新のゲームタイトルの多くを快適にプレイできるPC環境が構築可能だ。まるまる一台でも5万円で済むのだから、パーツ単位の交換で済むなら、負担はもっと少ない。

 なので、PCのスペックが低いことを理由に、沢山のゲームを遊べないでいるPCユーザー、ゲーマーの皆さんも、是非この機会に色々なPCパーツを眺めてみて、アップグレードや、新しいPCの構築に挑戦してみてほしい。そうすれば、意外と手頃に最新ゲームを楽しめるようになるだろうし、PCゲーマーならでは味わえる、奥深い面白さを見つけることができるはずだ。

 というのも、いったん、PCパーツ選びや、実際に購入しての組み込み、ゲームでの使用というプロセスを味わってしまうと、それ自体が楽しい遊びになってくるのだ。そうして楽しく構成したPCには、「愛機」としてのさらなる愛着が沸くものだし、そういうPCで遊ぶゲームは、なんとなく、もっと面白く感じられる。確かに少々敷居は高いし、色々とお勉強も必要になることもあるが、「PCそのもので遊ぶ」というのも、オススメなのである。


(2009年 3月 23日)

[Reported by 佐藤カフジ]