【連載第20回】オンラインゲームの楽しさを再認識しよう!


てっちゃんのぐだぐだオンゲーコラム


開発と運営が力を合わせて成し遂げた「グラナド・エスパダ ルネッサンス」
対人戦、集団戦、キャラ集め……遊び方の多彩さで勝負するMMORPG


 MMORPGの楽しさを様々な視点から取り上げていく「てっちゃんのぐだぐだオンゲーコラム」。今回はオンラインゲームの運営にフォーカスを当てて、ハンビットユビキタスエンターテインメント(HUE)の「グラナド・エスパダ ルネッサンス(「GE」)」を取り上げていきたい。

 「GE」は7月21日に5周年を迎え、特設サイトやオンラインイベント等で盛り上がっており、8月7日にはオフラインイベントも企画されている。通常、MMORPGの運営インタビューというのはアップデートに関する物が大半で、運営自身がコンテンツに対してどんな想いを持っているか、開発者とユーザーにどんなポリシーで向き合っているかといったことを深く聞けない。ユーザーとして気になる部分である「運営の人達は本当に自分のタイトルが好きなのか、遊んでいるのか、開発にどんな姿勢で僕たちの想いを伝えているのか」という部分にフォーカスができない部分があった。

 今回は「GE」の運営プロデューサーであるHUEオンライン事業本部オンライン事業1部部長中尾圭吾氏に、「GE」のゲームとしての本質はどこなのか、運営側がどのような想いで開発、ユーザーに向き合ってきたかを聞いた。


■ 誇りを持ってコンテンツを生み出す開発に、ユーザーの声を届けるのに必要なのは「プレイ体験」

運営プロデューサーであるHUEオンライン事業本部オンライン事業1部部長中尾圭吾氏

―― 最初にプロデューサーになった経緯などを。中尾さんはアルバイトから入ってどんどん中に入っていって、プロデューサーに就任したと聞きましたが。

中尾氏: メール対応スタッフとして、2006年の途中からですね。この仕事を長くやるつもりは全然無くて、オンラインゲームには何となく興味があったのでアルバイトに応募しました。抜擢されていったのは、スタッフの大半がいなくなっちゃったからですね(笑)。分からないなりに必死にやり続けている間に社員になってリーダーとなって2007年の頭に運営責任者になって、2008年頃に運営プロデューサーになりました。

 未経験者の私を救うために運営責任者を何回か採用してくれたのですが、途中で心が折れて辞めていく人が大半でしたね。本当に単純に折れずに仕事を沢山していたという事で抜擢されたという感じす。全く輝かしい感じじゃないですね(笑)。ふり返ると本当に激動でした。知らない仕事が次々と発生して、膨大な資料作りとか、韓国の開発との折衝もふと気がついたら、全部メインでやるようになっていたという感じです。

 「グラナド・エスパダ(「GE」)」に触れたのはアルバイトをはじめてからです。タイトルを通常通りに回すだけでも体力的に難しいだろうからという事で、上からはそんなにやらなくても良いと言われていましたけど、やっぱり知らないと難しいんじゃないかなと思い結構プレイしましたね。もちろん現在も続けています。仕事が突然膨大になったのは一言で言えば「悲惨な状況」でしたが、こうして思えば、やっぱりゲームをプレイする時間を割いて良かったなと思っています。

―― 続けていく上での「GE」の面白さというのは、どこだったでしょうか。

中尾氏: やっぱり気軽にプレイできるのが大きいと思います。「GE」はログインして上手く配置すれば勝手に戦い続けてキャラクターのレベルを上げる事が可能です。このためレベルアップに対して労力をかけずに済み、手動で遊ぶ時は仲間と一緒にレイドボスを倒したり、難しいミッションに挑んだり、PVPを楽しんだり様々なコンテンツを遊べます。

 おそらく、これが「GE」の楽しさだと思っています。私も他のゲームも色々とやってみたんですけど、残業の多い仕事をやりながらだとレベル上げだけで1日が終わってしまって(汗)、かといって休日はゆっくり寝たり、たまには外に遊びにいったりしたいという欲求もあるので、とにかく周りに付いていく事ができず辛かったですね。僕は家でキャラクターを置いてそのまま出社して家に帰るとレベルが上がっているという感じでキャラクターのレベルを上げました。「ルネッサンス」で、離れた場所からキャラクターを操作できる「ジモコン」が入ったので、より楽に育成できるようになりましたね(笑)。

 私に限らず、ウチのスタッフはゲームをやっている方だと思います。「GE」は沢山の国でサービスを行なわれていますが、開発に対して提案する数は日本が世界で1番多いです。まずスタッフ全員がゲームをプレイすること、それがなければユーザーさんが何を求めているか、何をやっているかわからなくなってしまう。私達はたまにユーザーさんに混じってひっそりとプレイしています。

 まぁ、やった上でもユーザーさんからは、全然ゲームわかってないって沢山指摘を受けておりますが……。何を求めているかは人それぞれに物差しが違いますし、ユーザーさんと比べるとプレイの総時間数が圧倒的に負けているのも事実なので、中々この部分は難しいですね。

―― そのプレイの経験から開発の提案に繋げていくというところですね。

中尾氏: 僕らの提案というのは他の「GE」をサービスしている国と比べても段違いに多いというのは先ほど述べましたが。だけど同時に気をつけているのは、「開発の心を折らない」というところです。ユーザーさんの求めていることを理解する事も当然重要ですが、愛情と信念を持っている開発の心を理解するのも、大切だと思っています。そうしないと何も通せなくなってしまう。厳しく言い過ぎた後に、次の打ち合わせに「辞めてしまった」という開発者も少なくありません。

 大半のコンテンツに足りない所があるのも事実ですが、基本的にゲームの中に入っているコンテンツは全て、クリエイターとしては自信を持って出しているんですよね。でも、良い部分を褒めてあげる事よりも悪い部分を改善して欲しいと話す割合が99%ぐらいです。「このコンテンツはつまらない、いいから直せ」とか強引に言うと、ショックで完全に沈黙する人だったり激情する人だったり、まぁ、クリエイターですので、やっぱりピュアな存在ですよね。激しい言い方はできる限り使わないようにしています。

 今ある物が完全に駄目だという感じじゃなくて、今ある物をより良くする+αとして提案すると通り易いですね。難しいバランスなんですけどね。

――韓国の開発者の多くは「何でも言ってくれれば実現する」というような発言が多いですが、やはり根底にはクリエイターとして自分の創造性、開発の方向性にこだわりを持っているんですね。

中尾氏: 確実にあると思います。もし「言われたら何でも作るよ」と心の底から思っているとすれば、逆にそういう人は元々あまり考えて作ってなさそうで怖い(笑)。「何でも言ってくれれば実現する」という発言は、どちらかと言うと、「俺は何でも作れるんだ技術が低いとか思うなよ」という意味だと思います。実際に蓋を開けると、彼等はピュアなクリエイターですので、そうじゃないんですよ。特に「GE」を開発するIMC Gamesはクリエイター出身のキム・ハッキュ氏が作った会社ですから物作りに対しての想いは特に強いので、間違えると恐ろしい目にあいますね。

 後、難しいのは、ユーザーさんの提案をそのまま伝えるのは不可能なので、プライオリティ付けや、開発技術や工数を考慮した上で折り合いがつく折衝案も作らないといけない事ですね。我々運営はクリエイターとユーザーさんを結ぶ架け橋的な存在ですし。

―― そういった開発のやりとりの中で、最も大きいものが昨年実施された「グラナド・エスパダ ルネッサンス」になるんでしょうか。

2008年9月に行なわれたタイトルリニューアル「グラナド・エスパダ プラス」。不正対策が大きなテーマだったという

中尾氏: その前に「グラナド・エスパダ プラス」を2008年9月にしていますが、あのリニューアルは私自身がまだ慣れてなく、アピールの仕方など、素直に本当に下手でしたね。あの頃をふり返ると、製品管理・サービス管理・宣伝管理、あらゆる部分で「うわぁ、なんて下手なんだ」と思うことが多いです。プラスを命名した当時の自分を思い出すと胸が熱くなってきますね。

 おまけに新しいロゴを発表した後に、それがメチャクチャ不評だったので差し替えましたし、もうズタボロでしたねぇ……「プラス」は運営体制をリニューアルし、きちんとしたサービスを行なうというのが最大の注力点で、コンテンツそのものを変えた「グラナド・エスパダ ルネッサンス」とは方向性が違います。

 ズタボロと述べましたが「プラス」という土台で大きく盛り返した事も事実なんです。あれがなければ「ルネッサンス」は成し遂げられなかったと思います。最も大きい点が「BOTとRMT業者への対策」です。運営側で1番力を入れて業者対策に力を入れBOT対策ができ、ユーザーさんに安心してプレイしてもらえる状況を作れました。

 RMTって本当にトラブルが多くて、ゲームの中の業者の宣伝を見て、他のウェブサイトからゲーム内通貨を購入したらお金が振り込まれてきません。助けてください。みたいなエグイ内容のお問い合わメールが運営に来る事もありまして……。

 まぁ、一般的なお店の概念で考えれば、サーバーは我々が管理している店舗で、コンテンツは遊具の貸し出しみたいになる訳ですよね。普通に考えて、管理している店舗の許可を取っていない状態で外の企業が勝手に商売しているとは、初心者の方で理解できる人は少ないでしょうね。

 こういったこともあって「プラス」はゲーム性部分より運営体制の改善の方にウエイトが大きかったんです。その頃やったオフラインイベントでも不正者対策の質問ばかりだったのも非常に印象が強く残っていますね。まぁ、上を動かす良い材料になりました。あの当時聞いた時は非常に辛かったですけど。こうして思えば本当に助かった感じですね。

―― そこからコンテンツに手を入れる「ルネッサンス」に向かうわけですか。

中尾氏: ひたすら打ち合わせを重ねましたね。お酒を入れてぶっちゃけトークもしました。キム・ハッキュ氏は酒は飲まないので彼との話し合いは静かなものでしたが。「ルネッサンス」はキム・ハッキュ氏が大いに盛り上がって実現したリニューアルです。

 私達自身「グラナド・エスパダ プラス」の後、次こそコンテンツリニューアルだという意識があって「グラナド・エスパダ ゼロ」というタイトルを勝手に考えていたんです。そしたら急に「グラナド・エスパダ ルネッサンス」だと言われて、それだと。運営的にも開発と呼応する意識はありました。キム・ハッキュ社長が推進されたら、当然それに乗っかります(笑)。

 「ルネッサンス」で大きかったのは“コンテンツの再評価”と“必須課金から選択課金へ”というところでしたね。新フィールド「カスティア大陸」の追加やサーバーを越えた対戦「ワールドクロスPvP」など様々な新規の大型コンテンツも追加されたのですが、注目するのはやはり、序盤のゲームバランスの修正や選択課金への移行の部分じゃないでしょうか。

 必須課金から選択課金の役割をメインで担うのが「輝く水晶」の存在です。輝く水晶はモンスターから得られるドロップアイテムを集めることで初心者装備が得られたり、これまで有料でしかできなかった「ベテラン」、「エキスパート」、「マスター」クラスへの昇級が可能になりました。

 特に反響が大きかったのはこれまで有料でなくてはできなかった仲間キャラクターの参入です。彼等を無料で仲間にできるようになった。「ルネッサンス」導入後多くのプレーヤーが仲間にしたのが……


イラスト:阿佐ヶ谷帝国

「これで仲間に!」、「フッ、いいよ」

  このイラストの「カリュケ」です。カリュケはクールな傭兵でこれまでは有料でしか仲間にならなかった。まさにお金で雇われる傭兵でした。本作で石弓を使うキャラクターは彼女1人で、カッコイイ外見も相まって人気が高かった。「ルネッサンス」では彼女が輝く水晶で仲間になってくれるようになりました。それなりに水晶を集める必要がありますが、1番人気で「ルネッサンス」の無料を代表するキャラクターとも言えるでしょう。輝く水晶で既存のユーザーさんも戻ってきましたし、新規プレーヤーの定着率も上がりましたね。

――「ルネッサンス」では日本の提案もかなり実現したのかなという感じがあるのですが具体的にどんなコンテンツが日本提案だったのでしょうか。

中尾氏: ぶっちゃけてしまうと、もう提案が多すぎて、どれがどれだかわからないですね。会議で拒否されても意外と後で入ってくる事もあるので、我々はとにかくコンテンツ企画書を沢山送る事を優先しています。まず、キム・ハッキュ氏が「とにかくルネッサンスだ!」と目標をかかげて、後は開発の現場も我々運営も、「おし、とにかくルネッサンスだ!」とその言葉の示す何となくの意味に沿った物を色々と提案していきました。

 日本の展開もキム・ハッキュ社長の理想に沿っているか正直心配でしたけど、昨年のオフラインイベントでキム氏の「良かった」という一言を聞くことでキム氏の構想にちゃんと近づけたんだと思いましたからね。一言発するだけで、各自がしっかりとキム氏の意思を想像して動いていく訳ですから、やっぱりそういった所がカリスマなんでしょうね。

―― プレーヤーとして実感できた景色はありますか。

本作を開発するIMC Games代表のキム・ハッキュ氏。昨年HUEのイベントで「ルネッサンス」アップデートの完成度に対しての自信を語った。

中尾氏: 私はメインクエストも終わっていますし、カンストのキャラも多数いるので、どちらかというと高レベルユーザーの視点に少々近いのですが、最近の「GE」は多様化するニーズに少しずつ応えられるようになってきているのかな?という感じです。「ソロ用のミッション」、「少人数用のレイドボス」、「大人数用のレイドボス」、「個人PVP」、「集団PVP」と、幅広く揃ってきているので、今後の課題は調整力なのかなと思っています。

 元々「グラナド・エスパダ」はキム・ハッキュ氏の願望を叶える形で進化した「キム・ハッキュ オンライン」ともいえるゲームです。そもそものコンセプトが「今あるゲームと全く別の存在を作りたい」とか「ヨーロッパの美しい街並みを自分のものにしたい」とか「仕事が忙しいからレベルアップを簡単にしたい」など、キム・ハッキュ氏のユーザー視点での願望が、強く根幹に反映されています。プレイすることでそれに気付き、より本質が見えました。

―― それではそのように進化していった「グラナド・エスパダ」ですが、次の進化はどのようになっていくのでしょうか。

中尾氏: 今後の計画は8月7日に行なうオフラインパーティーで発表します(笑)。ただ言えるのは「ルネッサンス」が終わっても第4の都市ヴァイロンだったり、「GE」史上最大の対人コンテンツとなる覇権戦争だったり、色々と新しい取り組みを行なっているのですが、それで終わりではなく開発はまだまだチャレンジしていきます!ということですね。

 我々運営の方向性は、常に開発の方向性と真逆に行くというのが裏のテーマとしてひっそりとありますので、既存のコンテンツの調整関連の提案を優先していく事になりそうですね。開発が新しい物を!というと既存のコンテンツへの意識が弱くなり、逆に開発が既存の物を強化するときは目新しさが全然無くなってしまう。だから逆の方向に張っていくという事です(笑)。ヴァイロンはともかくとして、覇権戦争は新しいチャレンジをかなりやっているんですが、まぁ何といいますか当分調整が必要だなぁ……って感じです。

 私達、運営は開発とユーザーさんと会社組織の常に中間に位置する存在です。開発の状況も見ますし、ユーザーさんのプレイも見ますし、会社の収益的な部分も見ますし。開発がゲーム作りにどこまで集中できるかも僕たちにかかっています。

 私達スタッフは日々ゲームをプレイしていますが、それでもまだ「ゲームを知らない」とユーザーさんに言われてしまう。遊んでいるプレーヤー並みの知識を持ち、開発に繋げるというのは大変だと日々実感していますが、それでも運営全体でやっていきたいですね。

―― ゲーム1つに対する知識としては、こだわりを持ってのめり込んでいるプレーヤーさんにかなわない部分はありますよね。僕も新コンテンツが入ったときなどはまずゲーム内の友達に聞いてしまったりするし、知識の深さに驚かされます。

中尾氏: しかも、AさんBさんCさん、それぞれの知識も、求める物もまたそれぞれに違う(笑)。それら全てをトレースできないけど、理解することはプレイしていればできます。結局の所、自分の中の足りない知識を物差しにするしかないので、知識が無かったら確実にユーザーさんが何を求めてるかわからなくなる。ゲームをプレイするだけじゃなくて、直接聞いてみる為に3カ月に1度座談会をやりますし、ニコニコ生放送などでユーザーさんをできるだけイメージできるようにしています。

 顔が見える運営というテーマは業界的に良く聞きますけど、顔の見える運営というのは綺麗な表面上のやり取りじゃなくて、どんどんディープになっていくんじゃないかなと思っています。運営に話を聞いてくれ!と熱意の強い方達の意見はいつも参考になりますね。大事な機会だと思っています。

 開発が求める物と会社が求める物は本当に厳しいですが、両方を満たした上でユーザーさんに最大限楽しんでいただけるように今後も努力していきます。それこそが5年、10年続くコンテンツだと思っています。そのためのバランスを取る仕事はまさに地獄の苦しみですが、やりがいはあります。これからもユーザーさんと開発を上手に繋げていきたいですね。


 インタビューで中尾氏は謙遜しているが、中尾氏自身はかなり対戦にこだわりを持つコアプレーヤーである。運営会社それぞれに方針はあると思うが、自ら率先してコンテンツを楽しみ、スタッフにもそれを求めるという姿勢は大変だなあと思いつつも好感が持てる。「GE」が好きだ、という強い想いが伝わってくるのは楽しかった。

 ユーザーと運営を繋ぐ難しさというのも改めて認識した。オンラインゲームは変化しながら“続いていく”独得のスパンを持ったゲームである。ユーザーは自分の目の前にあるものにこだわりより快適な環境を求める。開発者は自分の作品を認めてもらいたいと思う。運営はどちらからも厳しい意見を言われがちだ。バランスを取りつつ安定したサービスをというのは難しいということを改めて実感させられた。

 ユーザーが不信感を持つのは「ひょっとしたらこのゲームを運営の人自身がやっていないのじゃないか、知らないのじゃないか」というところだ。しかし実際には運営スタッフが身分を明かさずユーザーと一緒に遊んでいるというタイトルは多い。僕は取材で運営スタッフに話を聞くことが多いが、彼等はとても楽しそうに、そして誇らしげに自分の体験を語ってくれる。

 それでも、中尾氏のようにリーダーが他のスタッフ以上にゲームにハマっているというのは少ないのではないだろうか。もちろん正体を明かせない窮屈なプレイが唯一の正解だと思えないが、僕はユーザーと一緒に一喜一憂いる運営リーダーがいるのは心強いと思う。他のタイトルの運営リーダーももっと自分がプレイしている姿勢を出せれば、ユーザーとの間も変わり、好意的な評価が大きくなるのではないか。


■  てっちゃんの割とどうでもいい話 「見えないところまでこだわることで生まれる風景」

夕闇のコインブラの港

 僕が「GE」で気に入ってるところに「グラフィックスの美しさ」がある。グラフィックス技術は日進月歩だが、「GE」のデザイナーが命を削って描いてるのではないか、と思わせる“描き込み”は5年立っても色あせない。「GE」のグラフィックスは絵画的な美しさだ。特に「風景」がいい。夕闇に沈む「コインブラ」などはずっと観ていたくなってしまう。

 今回は特別に中尾氏がGMツールでしか見れないこだわりポイントを紹介してもらった。これらはプレーヤーのクライアントでは見れない、描き込まなくても良い部分なのである。しかしそういったところも情熱を持って描き込んでいる。このデザイナーの“執念”が「GE」のフィールドを魅力的にしているのだと思う。


運営ツールでなくては見れない特別なポイント。左からコインブラの路地、港の船の裏側、ゲヘナ大橋の溶岩の上から覗き見る灼熱の炎
エスパダ像の全身、地下迷宮の天井、氷魔塔のアップ


~今回ぐだってしまったオンラインゲーム~

「グラナド・エスパダ ルネッサンス」

8月7日に行なわれるオフラインイベント。多彩なゲストも登場するという

 「グラナド・エスパダ」は2006年7月にサービスを開始した。当初は月額課金制だったが、2006年12月に基本プレイ無料のアイテム課金に移行した。「グラナド・エスパダ プラス」、「グラナド・エスパダ ルネッサンス」とこれまで2度のタイトルリニューアルを行なっている。

 3人のキャラクターを同時に動かすというゲーム性、細かく描き込まれた西洋絵画のような質感を持ったグラフィックス、対戦やレイドなどたくさんのコンテンツで人気を博している。「ルネッサンス」ではゲームバランスにも大きく手が入れられ、キャラクターが育てやすくなった。昨今ではプレーヤー達が2つの勢力に分かれぶつかりあう大規模PVP「全面派閥戦」もテスト実装されている。今後「全面派閥戦」は「GE」の世界に大きく影響を及ぼしていくという。

 現在「GE」では5周年を記念する特設ページが作られ、「開拓史に名を刻んだプレイヤー」として“カリスマプレーヤー”や、“最強プレーヤー”などいくつもの項目でユーザーによる投票が行なわれている。オフラインでの公式イベントも予定されており、大きく盛り上がっている。


【全面派閥戦】
現在はテストで毎週日曜に行なわれている「全面派閥戦」。2段目からはテスト後の各サーバーの記念写真。左上よりアゲート、スピネル、セレスタイト、ダイヤモンド、ラピスラズリ、レグランド

(c)2003-2011 IMC Games Co., Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

(2011年 7月 21日)

[Reported by 勝田哲也]