ゼロから始める「League of Legends」
ゼロから始める「League of Legends」
第1回:「LoL」ってどんなゲーム?
(2016/4/22 12:00)
「League of Lengends(以下「LoL」)」は、米国Riot Gamesが開発・運営しているRTS(リアルタイムストラテジー)だ。いわゆるMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)と呼ばれるジャンルに属する。サービス開始は2009年と比較的古いゲームであるが、現在でも頻繁にアップデートを重ね、ゲーム全体のビジュアルやUI、キャラクター性能の調整をはじめ、様々な面を常に進化させている。
また本作は、最近日本でも盛り上がりを見せている「eスポーツ」の競技として筆頭に挙がるタイトルでもある。「LoL」のゲーム性については追い追い説明していくが、コンマ数秒の操作の違いで先の試合展開に大きく違いが出る点は、競技性の高いタイトルの特徴でもあり、「LoL」もそのご多分に漏れず、世界では、億を超える金額の賞金が動く一大エンターテイメントに成長している。
本連載「ゼロから始める『League of Legends』」ではそうした競技シーンの話はひとまず置いて、「LoL」をプレイしたことのない読者向けに、「LoL」の楽しみ方を紹介していく。初回となる今回は、「LoL」というゲームの基本的なルールと試合展開をベースとして、最低限押さえておきたい要素について紹介する。
「League of Legends」とは?
Riot Gamesの発表によれば、「LoL」は全世界合わせて7,000万を超えるアカウント、同時接続数は300万を超えるというモンスター級のタイトルである。
「課金によってキャラクターが強くなるPay to Winにはしない」というポリシーのもと運営されており、基本無料だがゲームプレイ上制限される要素はない。プラットフォームはPCのみだが要求されるPCスペックは低めで、プレイまでの障壁が低いことも人気の要因だろう。
サービス開始以来、日本から接続するプレーヤーは長らく北米など海外のサーバーに繋いでプレイしていたが、今年2月4日からは日本サーバーもオープンし、プロリーグも本格的に動き出している。
基本的なゲームの流れ
ゲームプレイの各論を解説する前に、基本的なゲームのルールや流れを説明しておきたい。ゲームを始める前の段階ではなんのこっちゃ、と思うだろうが、まずはこういうものだと頭の片隅にでも置いていただければ大丈夫だ。
「LoL」で遊べるモードはいくつかあるが、ここでは「クラシック」モードの「ノーマル」を例に話を進める。マップは「サモナーズリフト」。「LoL」における主戦場であり、プロの試合もほとんどはこのマップで行なわれる。世界中で最も遊ばれているマップである。
ゲームの参加者は赤と青の陣営にそれぞれ5人ずつ割り振られる。最終的なオブジェクト(目標)は相手の陣地の奥深くにある「ネクサス」を破壊すること。両チームの陣地の間には「タワー」および「インヒビター」と呼ばれる中間のオブジェクトが存在しており、これを順番に破壊していかないとネクサスを攻撃することはできない。
マップには大きく分けて3つの大きなレーン(道)が設定されており、それぞれトップ、ミッド、ボットと呼ばれる。各レーンに沿って、両チームの陣地から「ミニオン」と呼ばれるモンスターが敵陣を目指して進んでいく。敵のミニオンを倒すと、通貨にあたる「ゴールド」がもらえる。ミニオンのマネジメントはゲームの進行上、非常に重要な要素であるが、ここではその説明はひとまず省略する。
また、陣地の外でこのルートを外れた部分は「ジャングル」と呼ばれる。ジャングルには「バロン」や「ドラゴン」といった中立モンスターがおり、それぞれチーム全体にかかるバフ(強化エフェクト)が得られるため、中立モンスターもオブジェクトとみなされる。
ゲーム開始時、5人のメンバーは3つの各レーン(+ジャングル)に分かれ、まずは中間目標となるタワーの破壊を目指す。ゲームの流れは試合毎に異なるが、序盤から中盤にかけて、基本的にはより多くのオブジェクトを取った方が有利に動けるようになるので、まずはその流れだけ覚えておけば問題ない。1ゲームの所要時間は20分~1時間程度だ。
各レーンの具体的な立ち回りについては、次回以降詳しく解説する予定だ。
チャンピオンとサモナー
先の説明にも出てきた通り、「LoL」には独特の用語があるので、その点にも触れておこう。
自分が操作するキャラクターは「チャンピオン」(チャンプ)と呼ばれ、それぞれ固有のスキル(アビリティ)を持っている。バトル中に最大でLV18まで成長し、1レベル上がる毎にスキルを1段階成長させることができる。また、各チャンピオンは一般的に、使用間隔が長く、強力な効果が得られるスキル「ウルティメイト・アビリティ」(ウルト)を持っている(持っていないチャンピオンも存在する)。
スキルの性能はチャンピオン毎に千差万別であり、得意とするレーンも異なるので、基本的なデータは有志のWikiなどでしっかり予習してから触るように心掛けたい。
プレーヤー自身のことは、ゲーム内では「サモナー」と呼ぶ。サモナーはLV30まで成長可能で、設定できる項目は多岐にわたるが、このうちキャラクター性能に直接関わるものは「ルーン」、「マスタリー」、「スペル」である。
ルーンは、チャンピオンの性能を底上げする要素。「印」、「章」、「紋」、「神髄」の4つからなり、ルーンをはめ込むことで、チャンピオンの素のステータスにルーンの数値が加算される。ルーンは、試合を重ねることで貯まっていく「IP」(Influence Points)と交換することで購入できる。
マスタリーにもチャンピオンのステータスを底上げするものはあるが、「中立モンスターのバフ時間が15%延長」や「周囲にいる敵チャンピオン1人につき物理防御と魔法防御が+3」といったように、パッシブスキル的な性質を持つものも選べる。こちらはサモナーレベルを上げるだけで使えるようになる。
スペルは、チャンピオンのスキルとは別にサモナーが使うスキルである。短い距離を瞬間移動する「フラッシュ」や、自分と周囲の味方のHPを回復する「ヒール」などがある。各レーンで必要とされる立ち回りに合わせて設定するのが一般的だが、チャンピオンの性能を補うような使い方もできる。
このうちルーンとマスタリーは、サモナーのレベルが1つ上がるごとに1つずつ割り当てられるようになる。LV30になることで全ての項目を設定可能となり、またランクマッチに参加できるようになることから、「LV30まではチュートリアル」とみなされることもよくある。
オブジェクトと中立モンスター
ゲームのオブジェクト(中間目標)であるタワーは、近寄ると強力な攻撃を放ってくるので、タワーを攻撃するときは、味方のミニオンを盾にするのが基本となる。
インヒビターは、各チームの陣地に存在するミニオン生産施設のようなもの。トップ、ミッド、ボットに対応する3つがあり、敵の陣地に攻め込んでインヒビターを破壊すると、しばらくの間、そのレーンに敵のミニオンが現われなくなるほか、味方のミニオンに強力な「スーパーミニオン」が加わるようになる。インヒビターは一定時間経過すると復活する。
マップ中央を分けるように流れている川を「リバー」と呼び、リバーの脇には撃破するとチーム全体にバフのかかる中立モンスターとして「ドラゴン」と「バロン」が配置されている。特にドラゴンは永続的にバフがかかるため、序盤から中盤にかけて奪い合う展開になることが多い。このほか、ジャングル内にそれぞれ効果の異なる「青バフ」(ブルーセンチネル)と「赤バフ」(レッドブランブルバック)が存在する。
LoLは基本無料のゲームであるが、課金をすることで、主に視覚的に楽しみが増える。サモナーが購入できる課金要素は、試合をこなすことでのみ得られるIP(Influence Points)と、現金を支払うことで手に入る「RP」(Riot Points)で購入できるものに分けられる。
IPで購入できるのはチャンピオンとルーン、そしてサモナーネームの変更アイテム。
RPで購入できるのは、チャンピオンの見た目が変わるスキン、視界を取るアイテムである「ワード」のスキン、経験値などが一時的に増加する「ブースト」、バンドルセット、サモナーアイコンといった、ゲーム内におけるチャンピオンの強さに直接関係の無い要素に限られる。
ちなみにチャンピオンに関しては、IPとRPの両方で購入可能だ。手っ取り早くチャンピオンを手に入れたいならRPで購入してもいいが、普段からIPを貯めておいて、新しいチャンピオンが追加されたときに、IPを使っていち早くチャンピオンを手に入れるという手もある。必要なルーンが揃うと、主なIPの使い道は自然とチャンピオンの購入になる。
課金要素の目玉とも言えるチャンピオンスキンに関しては、ある程度使って気に入ったチャンピオンのスキンを使う楽しみもある。高価なスキンになると追加の音声やモーションが用意されることもある。中にはかなり凝ったギミックのスキンもあるが、それなりに高価だ。
以上、「LoL」には押さえるべきポイントがたくさんあるように見えるのだが、実際に触ってみると難しいことは何もない。まずはAI戦やカスタムマッチなどで操作感やゲームの流れに慣れてみることを勧めたい。
次回以降は、各レーンの役割や立ち回りについて解説していく。
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