ゼロから始める「League of Legends」
ゼロから始める「League of Legends」
第8回:練習はもう終わり。いよいよ“負けるわけにはいかない戦い”をしよう!
2016年7月5日 00:00
前回の記事からひと月の間が開いたが、定期的にプレイしてくれた方はそろそろサモナーレベルもカンストしたのではないだろうか?
これまでの連載では、「League of Legends」(以下「LoL」)のゲームプレイに関して基礎的な内容を一通り説明してきた。今回はゲームプレイに関して、「LoL」のひとつの目標となるサモナーレベル30以降の要素、すなわち「ランク戦」の概要と遊び方、そしてその魅力を中心に説明したい。
「LoL」はよく「LV30までがチュートリアル」と言われるが、それはサモナーレベルがLV30になると、ランク戦が解禁になるからである。サモナーレベルは30が上限であり、ルーンやマスタリーがフルに割り振れるようになる。つまり、LV30になった時点でゲームシステム上のサモナーとしての性能差はなくなるので、あとは純粋にプレーヤーの腕のみが勝敗を決める要因となるわけだ。
ここで言う“プレーヤーの腕”とは、チャンピオンを動かす技術はもちろん、チャンピオンやロールに合わせたルーンやメタの設定と、チーム構成に合わせてそれなり以上に扱えるチャンピオンをピックできるチャンピオンプールを持っていること、そしてそれらを判断する総合的な力のことだ。「LoL」は5人で試合を動かすゲームだが、勝利を掴む可能性を高めるための、個人としての努力も必要だ。
ランク戦はこうした対人戦の腕を競う舞台であり、戦績が公式に記録され、誰にでも参照できるようになる。当然、お互いにとって絶対に負けられない戦いになるので、試合に参加するプレーヤーも自ずと真剣になるというものだ。
ランク戦の楽しさ
ランク戦の熱いところは、味方も、相手も、「本気のプレイ」ができるところだ。
ゲームのルールはノーマルと同じサモナーズリフトだが、戦績が記録され、実力以外で覆しようのない順位がついてしまう。こう言うと語弊があるかもしれないが、ノーマルでは比較的気楽に、1人で練習したチャンピオンの動きを実戦でチェックするという遊び方も全然ありなのだが、ランク戦では皆、それなり以上に使い慣れたチャンピオンを投入してくるので、ランク戦でそれをやってしまうと、チームを巻き込んで負けてしまう可能性が高い。
勝てばランクが上がるメリットがある一方、負ければどんどん順位が落ちていく。プレーヤーのゲームに対する姿勢そのものが試されるゲームモードであり、試合展開もランクが上がるほどに質の高いプレイが求められていく。時には敵味方問わず、思わず関心するほどに見事なプレイが飛び出すこともある。
個々の持つ技術やチームワーク、コミュニケーション能力を駆使して、チーム一丸となって勝利を掴んだ時の嬉しさは、なかなか文章だけでは表現しがたいものだ。
ランク戦は「自分の力がどこまで通用するのか」を試す側面が強いので、LV30になったらすぐにランク戦へ参加するのではなく、チャンピオン研究と実践的な操作の練習を積み重ね、十分な研鑽を積んでから臨みたい。少なくとも、知識だけでも構わないので、動きやスキル効果のわからないチャンピオンがいない程度までは勉強する必要はあるだろう。少なくとも自分のプレイしたいチャンピオンをやるだけでは勝ち続けることが難しい。
そうした最新情報は、「LoL」のオフィシャルサイトで公開されているパッチノートや有志のWiki、ビルドサイト、個人ブログなどで手に入れることができる。
元が同じ情報でも、他人は自分とは違った見方をするので、調べれば必ず勉強になる。積極的に検索していこう。
特に注意しておきたいのは、アップデートが頻繁に行なわれる「LoL」の特性ゆえに、同じチャンピオンでも現在とひと月前で全く別の性能になっている可能性があることだ。具体例としては今年に入ってからは、かつてADCロールだった「グレイブス」が、ジャングル向きの性能に大きく変更されたことが挙げられる。アップデート情報をまとめているサイトもあるので、ランク戦を視野に入れるなら、最新情報を常に仕入れる態勢を整えておきたい。
ランクの昇格と降格
サモナーのランクはブロンズから始まり、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンド、マスター、チャレンジャーというティア(Tier、階層)で構成されている。それぞれのティアは1~5までのディビジョン(Division)に分けられており、勝利することで増え、負けると減る「League Points」(以下LP)を100まで貯めると、ディビジョンの昇格戦に挑戦できる。
ディビジョンの昇格戦はBO3(Best Of 3、2勝先取)。またディビジョン1で臨む昇格戦は上位ティアへの昇格戦も兼ねており、ティアの昇格をかけた戦いはBO5(Best Of 5、3勝先取)となる。
LPは負けると減るので、ティアやディビジョンの降格もありうる。普通はLPが0になったからといって即座に降格するわけではないが、連敗を続けていると降格しやすい。
ランク戦開始時のサモナーランクは、最初の10戦(振り分け戦、Placement Match)で確定される。勝数が多いほど高いティア、ディビジョンに配置されるはずだが、このあたりはノーマル戦の戦績を含む内部レートが影響すると言われている。
上記のようにランクを上げるには、連勝することが特に重要だ。昇格戦では3戦もしくは5戦で勝ち越さなければいけないので、精神的にきつい。そうそう何度もやりたいものではないのだが、条件は皆同じで、全勝できるプレーヤーなどいないので、あまり重く考えずに余裕を持って挑みたい。
マッチングとバンピック
「LoL」のランク戦のルールは5体5のサモナーズリフトであり、ゲーム自体はノーマルと同じだが、UIが異なる。ランク戦をプレイする際は最初に担当したいロールを第2候補まで選び、マッチングに参加する。チームメンバーと対戦相手が見つかった時点でロールが決定し、チャンピオンのピック(Pick)とバン(Ban)が始まる。
バンは相手に使われたくないチャンピオンをその試合で排除するために行なう。チームメンバーの5人中3人が1人ずつバンを担当し、試合ごとに毎回6人のチャンピオンが使用できなくなる。なお、自分のチームメンバーが特定のチャンピオンを使いたい旨の申告をしてきた場合は、そのチャンピオンをバン対象から外す判断も可能だが、相手チームにバンされてしまう可能性もある。
なお、チャンピオンのピックはバンの前に選ぶこともできるが、バンが終了してから相手の構成を見つつ進めてもよい。味方チームと相手チームのピックは順番に明らかになるので、相手の構成を見ながら、カウンターになるチャンピオンをピックする手もある。
記事の趣旨から少々ずれるが、ランク戦のピックについて昔話をすると、かつてのランク戦ではロールを先に決めてからマッチングするシステムではなく、マッチングしてから個々の参加者が希望するロールを申告(Call)して、ロールに合致するチャンピオンをピックする方式を採用していた。ピックより先にバンをするのは同じだが、ロールはプレーヤー同士で話し合って決める点で相違がある。
全員が違うロールを希望していれば何も問題はないのだが、急に心変わりしたり、ほかの人がロールを申告しているにもかからわず、絶対に自分が行きたいレーンにしか行かないピックをするプレーヤーもおり、時には互いに譲らず、ミッドレーン向きのチャンピオンが同じチームに3人いたり、デュオレーンがミッドになったりといったことが起こることもあった。ひどい時は、チームメンバーが使いたいと申告したチャンピオンをわざとバンするという暴挙に出るプレーヤーもいた。日本サーバーがオープンするはるか以前の出来事だが、ランク戦の話である。
ランク戦において先にロールを決めるよう仕様を変更した経緯はわからないが、人間同士、わかりあうのは難しいものなのだなと思ったものだ。
なお、この方式は現在でもカスタムゲームのゲームタイプ「ドラフトモード」として選択することができる。また、ランク戦には5対5で参加するチーム戦もあり、ランクもソロで臨む場合とは区別されている。
シーズンとランク
「LoL」には「シーズン」と呼ばれる区切りの概念があり、大体1年ごとに新要素の実装やゲームシステムの大規模な変更が行なわれる。ランクの戦績もシーズンの移り変わりとともにリセットされ、全プレーヤーが最初の10戦をプレイし直すことになる。ただし、プレーヤーのスタートラインは同じではなく、前シーズンの戦績が考慮される。振り分け戦の勝数などにより配置先は異なるが、多くは前シーズンよりもやや下のランクに配置される傾向がある。
また各ティアの人数分布は固定ではなく、記事執筆時点ではブロンズとシルバーで全体の約半分を占める。この分布は時期により変動するが、これについては統計サイトの「OP.GG」が詳しいので、興味があれば調べてみても面白いだろう。
ネット上ではプラチナ以上のティアのプレーヤーを見かけることも多いと思うが、そうしたプレーヤーはメタやチャンピオンの研究と練習に余念がなく、それなりの努力をしており、一般的な基準からすれば“かなりすごい”部類に入るので、これからランク戦を始めようという人は、簡単に真似できるものではないことをあらかじめ申し上げておきたい。自分のランクを他人と比べて変に気に病んでも何も良いことはないし、第一楽しくないので、あくまでもマイペースに遊ぶのがおすすめだ。
長時間の連続プレイは健康を損なうことがあります
ランク戦のルールはノーマルと何も変わらないのだが、ランク戦の場合は参加者の気合いが違う。いや中にはノーマルと同じ感覚で参加するプレーヤーもいるのかもしれないが、とにかくランク戦に参加する以上、勝敗数がはっきり残り、順位付けされてしまうことからは逃れられない。
前回の記事でも触れた通り、ランク戦に臨む心がけは「本気でプレイする」ことであるが、連戦するのはあまりおすすめできない。
何しろ「LoL」は神経を使うゲームだし、疲れてくるとプレイにも精細を欠いてしまう。試合に負けてしまうとつい“次こそは”となりがちなのだが、こうした疲れには自分で気づきにくいので、もし続けてプレイしたいのであれば、1戦ごとに少しでもいいので小休止を入れて、心身の調子を整えるよう努めたいところだ。
ランク戦では明確に序列が付いてしまうので、敗北した際のストレスはノーマルの比ではない。もしランクを落としたくないのであれば、睡眠不足や寝起き、空腹時もしくは満腹時、あるいは疲れている時にはプレイを避けるなど、考えうる限りベストなコンディションで臨むべきである。何を大げさな、と思うかも知れないが、試合を重ねていると意外とこのあたりは実感できるものなので、ぜひ試していただきたい。
ランクアップの特典
ランク戦への参加は任意なのだが、ティアを上げておくと、良いこともある。
近年ではシーズンの最後に限定スキンやサモナーアイコンなどの特典(リワード)が、一定ティア以上のプレーヤーを対象に配布されることが通例化しつつあるし、次のシーズンでプレイする際、ゴールド以上だとロード画面のプレーヤー枠に装飾がつく。
言ってみればほぼそれだけなのだが、こういう細かい部分がモチベーションに繋がることもあるので、これからランク戦に臨むサモナーは、まずはゴールドティアを目標にしてみてはいかがだろうか。
以上、今回までで「LoL」のゲームプレイ部分に関する記事は一区切りとなる。次回以降は、実際にゲームをプレイしている人々が、どのように「LoL」を楽しんでいるか、eスポーツ周りのイベントレポートなどをお送りしたいと思う。
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