【連載第54回】韓国最新オンラインゲームレポート

Gravity、「ラグナロクオンライン」過去最大規模の“リニューアルアップデート”を実施
3次職業! レベルキャップ150! バトルバランス激変! その意図を「RO」企画ディレクター ヤン・フンテク氏に聞く!!

6月17日アップデート実施




 韓国Gravityは6月17日、「ラグナロクオンライン」(以下、RO)において、「リニューアルアップデート」を実装した。

 「リニューアルアップデート」では3-1次職、いわゆる“3次職”の実装を筆頭に、レベルキャップが99から150へ、ステータスキャップが99から120へそれぞれ拡張され、キャラクターの更なる成長が可能になっている。また、経験値テーブルにも調整が行なわれ、レベル99を基準にベースレベルの経験値テーブルが1/20、ジョブレベルの経験値テーブルが1/15に大幅に改訂された一方で、モンスターの経験値が1/5に縮小されている。つまり、以前に比べて3~4倍のスピードでレベルが上げられるようになった。

 また、攻撃力、防御力、攻撃速度といった戦闘システムの計算法が一変し、キャラクターの性能の面では大きな変化が現われた。これにより“高STR、もしくはDEXだとカードスロットが多い武器が強い”という従来の武器のセオリーが根本的に覆された。また、攻撃速度についても、攻撃速度の上限こそ190から193に拡張されたが、同ステータスのキャラクターだと、アップデート以前より遅い攻撃速度になった。韓国のユーザーの多くは、こうした一連の改変について、「キャラクターが弱体化された」と不満を唱える意見が多い。

 筆者は今回の「リニューアルアップデート」に合わせて、Gravity「RO1」スタジオ 企画チーム長のヤン・フンテク氏に話を伺った。ヤン氏には、今回のリニューアルアップデートに関して一通り話を聞くことができたが、中でも戦闘システムの計算式の修正に関しては、「今後のアイテムの拡張のためには、必然的なもので、攻撃速度もモンスターの能力値の変化により、狩りの効率を考えた結果のものだ」と、韓国ユーザーの反発に対して真っ向から反論していたのが印象的だった。

 本稿では「リニューアルアップデート」の内容とヤン氏のインタビュー、「リニューアルアップデート」後の「RO」のプレイレポートをお伝えする。なお、本稿で紹介している内容は、あくまでGravityが運営している韓国サービスのもので、日本サービスでの実装時期や実装内容については、別途ガンホーからの正式発表をお待ちいただきたい。



■ 「リニューアルアップデート」とは何か!? 最大の魅力である3-1次職の詳細をご紹介

実際のゲームでの3次職キャラクター

 まず、「リニューアルアップデート」の内容を簡単にまとめておこう。

    ・3-1次職の実装
    ・レベルキャップが99から150へ拡張
    ・ステータスが99から120へ拡張
    ・攻撃速度の上限が190から193へ拡張
    ・攻撃力、防御力、攻撃速度といった戦闘システムの計算式の変更
    ・アイテムの防御力の修正
    ・経験値テーブルの縮小
    ・+11から+20までの“オーバー精錬”が可能
    ・1、2次職の一部スキルの強化
    ・マップのモンスター情報、追加ショットキーなど、新規UIの追加

 3次職について補足しておくと、3-1次職とは「ナイト」、「アサシン」といった「2-1次職」に対する3次職のことで、「クルセイダー」、「ローグ」といった2-2次職向けの3-2次職は今回の実装では見送られている。Gravityの話によると2009年内に実装される予定だという。今回実装された3次職は以下の通り。

    ・「ナイト」、「ロードナイト」 → 「ルーンナイト」
    ・「アサシン」、「アサシンクロス」 → 「ギロチンクロス」
    ・「プリースト」、「ハイプリースト」 → 「アークビショップ」
    ・「ウィザード」、「ハイウィザード」 → 「ウォーロック」
    ・「ブラックスミス」、「ホワイトスミス」 → 「メカニック」
    ・「ハンター」、「スナイパー」 → 「レンジャー」

 3次転職の条件はベースレベル99、ジョブレベル50。このレベルを満たしていれば、転生しているかどうかは問われない。ただし、3次職へ転職後は転生できないため、転生することで貰えるステータス100ポイント、HP&SP増加、上位2次職のスキルなどは得られなくなる。3次職になるとレベルキャップが150まで拡張され、ステータスも120まで上げることができる。ちなみにジョブレベルは50から変更はない。

 また、レベルキャップの拡張とともにレベルアップの必要経験値も減額された。レベル99を基準にベース経験値が1/20、ジョブ経験値が1/15に縮小され、モンスターたちの経験値は1/5に縮小されている。簡単に解釈するとベースは前より4倍、ジョブは前より3倍早く上げることができる。インタビューの内容にも登場するが、総必要経験値から1/20、1/15と縮小されただけで、各レベルごと細かい調整が行なわれている。


3次職のイラスト。「ルーンナイト」(右上)、「ギロチンクロス」(上中央)、「アークビショップ」(左上)、「ウォーロック」(右下)、「メカニック」(下中央)、「レンジャー」(左下)


■ Gravity「RO1」スタジオ 企画チーム長のヤン・フンテク氏とインタビュー
「RO」の攻撃力、防御力、攻撃速度など、戦闘システムが一変!その意図とは?

Gravity「RO1」スタジオ 企画チーム長のヤン・フンテク氏。2007年から「RO」の企画チーム長を担当している
戦闘システムの計算法の修正とともにモンスターとアイテムの能力値も修正された

――今回の“リニューアルアップデート”の実装意図について教えてください。

ヤン・フンテク氏: まず、「RO」には幾つかの限界点がありました。その限界点を超えて、新しいコンテンツを実装できる環境を構成すること。今後のコンテンツ追加のために土台を作ることが最大の目標です。その新しいコンテンツの1つには3次職も含まれてます。また、UIにも不便なところが多くありました。もっと便利に使えるようにUIの改善も行ないました。

――「RO」が持つ限界点というのは具体的にどういうものですか?

ヤン氏: 「RO」はある数字に縛られる要素が多くありました。レベル、ステータスは99までで、装備の防御力の100、攻撃速度(ASPD)の190といったものです。それらを超えることです。レベルキャップは99から150に、ステータスは99から120に、攻撃速度ASPDの上限は190から193に設定されました。防御力は計算法を変えて100を超える数字を作れるようにしました。

 また、前の「RO」ではカードの重要度が非常に高かったのです。たとえば武器は、武器本来の基本的な能力値より、カードスロットの多さが武器の強さを決めてました。システム上、カードスロットの多い低レベルの武器が最強の武器と扱われるのが現状でした。そのため、新しい武器を追加してもユーザーたちには、魅力的な武器とは映らないという問題がありました。今後、多様な武器や防御具を追加するためには必然的なものだったのです。他にもクリティカルなど戦闘の計算法が全面的に変更されました。

――攻撃力に関して詳しく教えてください。

ヤン氏: 従来の「RO」での攻撃力は、武器の攻撃力に、キャラクターのSTRとカードの攻撃力増加率のそれぞれの係数をかけて決定していました。その結果、カードスロットが多い低レベルの武器が主に使われてました。これを解決するために、カードの攻撃力増加率やキャラクターのSTRより、武器の攻撃力の方を武器の性能に反映させる公式を作りました。新しい計算式では武器本来の攻撃力にもっと比重が置かれてます。詳しい計算法は公開できませんが、攻撃力が高い武器を選んだ方が有利になります。今後、登場するアイテムではもっとその差を実感できるでしょう。

――クリティカルのシステムはどういう変化がありますか?

ヤン氏: 前のクリティカルは防御力を無視してダメージを与えることができましたが、今は防御力の影響を受けるものの、1.4倍のダメージを与えることができるようになりました。

 前は防御力を無視するだけで、攻撃力に変化がないため、HPが少なくて防御力が高いモンスターが多いところしか活躍できませんでした。最終的なダメージの差で、防御力の低いモンスターを相手すると、高い攻撃力を持つキャラクターに比べて狩りの効率が悪かったのです。クリティカルシステムの変更によって、クリティカル重視のキャラクターは防御力の弱いモンスターにも強いダメージを出せるので、もっと色んな狩り場で活躍できるでしょう。

――アップデート後、攻撃速度が落ちた気がしますが。

ヤン氏: 攻撃速度の場合、上限を193に上げましたが、シールドも影響されるようになりました。シールドを装備すると攻撃速度が落ちます。また、全体的なモンスターの再配置を行ないました。それに合わせてアップデート前と狩りが同じ効率になるように攻撃速度も少し落としました。数字的には弱くなったように見えますが、モンスターの能力値や経験値を含めて考えると全体的なバランスは合ってる思います。

――攻撃速度が落ちましたが、最高攻撃速度193はどうやって到達できますか?

ヤン氏: 極めて高いAGIとDEXは基本として、装備アイテム、料理、ポーション、「ブレス」といった様々な支援魔法で到達できます。あるクラスでは自力で到達することもできますが、基本的にはクラス同士の連携で到達できるように設定しました。

――モンスターの再配置というのは?

ヤン氏: モンスターのレベル、能力値、経験値、位置を全部調整しました。マップUIを通じて、レベルに応じた狩り場を探すことができる機能も追加しましたのでそちらで確認できます。

――防御力の場合、100を超えるようになりましたが、実際の性能の面ではどうですか?

ヤン氏: 強いて言えば数字が増えただけで性能的には落ちたかも知れません。ただ、前は100以上は有り得なかったので、今回のアップデートを通じてもっと色んな装備アイテムが追加できるようになりました。

 他に装備アイテムの組み合わせにも変化があります。アップデート前だと物理防御力と魔法防御力のどちらかを選ぶしかできない組み合わせでしたが、今はアイテムの能力値の変化で、両方ともバランスがとれた組み合わせができます。


■ 職業間の相性を重視した3次職。経験値テーブルはこう変わった!

――3次職のコンセプトを教えてください。

ヤン氏: 3次職のそれぞれが違いますが、持ってないものを持たせる方向、各職業が持つ特徴をもっと強化する方向でデザインしました。

 まず、例として、「ナイト」と「ロードナイト」の3次職「ルーンナイト」の場合、「ナイト」、「ロードナイト」が持つ攻撃力という特徴が強化されてます。また、「ルーン」というアイテムを使用する多様なスキルもあります。「プリースト」と「ハイプリースト」の3次職「アークビショップ」の場合、「ウィザード」のようにターゲットの攻撃魔法もありますし、自分の一般攻撃に自動的に魔法が発動されるようにする強化魔法も追加されました。「ウィザード」と「ハイウィザード」の3次職「ウォーロック」は、ただ、ターゲットにダメージを与える魔法だけでなく、異常状態も一緒に付与する魔法が追加されてます。

 サクライR(テスト)サーバーでは、「ローグ」と「チェイサー」の3次職「シャドウチェイサー」もテストされています。ローグやチェイサーはソロプレイに特化していましたが、シャドウチェイサーはパーティプレイでも活躍できるスキルや今までは弱かったスキル攻撃を追加しました。

――非転生の3次職と転生後の3次職の差は何でしょうか?

ヤン氏: 非転生の3次職はステータスポイント100、HP&SPの増加、上位2次職のスキルなど、転生で得られるモノはすべて獲得できません。3次職になったあとに転生することもできません。転生キャラクターに対するベネフィットです。転生を通らないと弱キャラクターになるかもしれませんが、ライトユーザーのことも考慮に入れて、転生を通らなくても3次職になれる道を用意しました。非転生の3次職と転生の3次職のレベルアップに対する必要経験値は同じです。

――3-2次職はいつ登場しますか?

ヤン氏: 正式サーバーには2009年内に実装する予定です。現在、サクライRサーバーでは3-2次職2つがテスト実装されてます。「ローグ」、「チェイサー」の3次職「シャドウチェイサー」と「バード」&「ダンサー」、「クラウン」&「ジプシー」の3次職「ミンストレル」&「ワンダラー」です。

――3次職の実装に伴い、レベルキャップが解放され、レベルも上げやすくなりましたが、経験値テーブルが変更されたのはどういう意図からなんでしょうか?

ヤン氏:以前は、ユーザーたちが1番苦労するレベルが96から99までです。必要経験値が異常に上がってしまい、前レベルとのギャップが大きかった。レベル96から99までの必要経験値の形を維持すると、レベル100以降が尋常じゃないものになってしまいます。ベース経験値1/20、ジョブ経験値1/15というのはレベル99までの必要経験値から比例したもので、各レベルごと細かい必要経験値は少しずつ上昇する斜線グラフを描くように調整しました。必要経験値がいきなり激しくなるような部分はもうないです。

 また、3次職はレベル99以降のコンテンツであるため、まだレベル99に達してないユーザーとレベル99を達してるユーザーとのコミュニティーが分かれてしまう恐れがあります。それを防ぐためにも、まだレベル99に達してないユーザーたちが3次職に早く追い着くようにする必要がありました。

――ジョブレベルがもっと上げ難くなった意図はなんでしょうか?

ヤン氏: 今までだと、2次転職した後、ジョブレベルは1にリセットされるため、ものすごいスピードでレベルアップをします。ジョブレベル20までは早く達成して、後半になるとベースよりジョブの方がレベルアップが遅くなるため、ユーザーたちの新しいスキルを覚える意欲が無くなる傾向がありました。また、ある程度のジョブレベルを早く達成するので、レベル80とレベル85の性能のギャップが微妙でした。装備のほうが重視されましたね。それを調整するため、ベースレベルとジョブレベルが同時にレベルアップするように調整しました。

――レベル150に到達するにはどれぐらいの時間がかかりますか?

ヤン氏: ユーザーのプレイ時間によって違いますが、ハードコアなユーザーなら1カ月~1カ月半ぐらいを予想しています。結構頑張ってるユーザーなら3カ月ぐらいでしょうか。ただし、ユーザたちはいつも予想を遥かに超えてしまいますよね(笑)。アップデート後、レベル1から150まで到達する時間はアップデート前のレベル1から99まで到達する時間に比べて、もうちょっと掛かるぐらいに調整されています。

「ハンター」、「スナイパー」の3次職「レンジャー」は「ウォグ」というペットを操り、スキル攻撃が行なえるだけでなく、騎乗することも可能だ。騎乗すると弓での攻撃こそできないが、「ナイト」の「ペコペコ」と同様な移動速度を持つ

実際に、筆者はゲームの序盤部をプレイしてみた。僅か数匹を狩っただけで1次転職を達成。時間は10分以内だった。その後はアップデート前より少し早くなった感じだった。1時間プレイしてみて、ベースレベルは15ぐらい。レベル11からは楽園団クエストが可能となり、レベルアップがよりしやすくなる


■ アップデートで同時接続者数が倍に! 日本展開は不透明

――新たなクエストとして「楽園団クエスト」が追加されましたね。

ヤン氏: レベル11から85までの狩りを指導する方向で追加しました。今は報酬の面で経験値のみとなってますが、今後は装備アイテムも貰えるようにするつもりです。

――PvPでは何か変わったところはありますか?

ヤン氏:特にありません。ただ、攻城戦での「エンペリウム」の設定を変更して、早く終わってしまう攻城戦をもうちょっと長持ちできるようにしました。

――+10以降の「オーバー精錬」というのは?

ヤン氏: 既存の1から10までの精錬は全く同じですが、11から20までの「オーバー精錬」というのができるようになりました。成功すると10から1つずつ上がり、失敗すると壊れるか、3つ数字が下がるかです。11からの精錬成功確率は9から10に到達する確率とほぼ同じです。

――UIはどういったものが追加されましたか?

ヤン氏:「RO」は今では古いゲームなので、新作ゲームが当然のように持つUIが無かったりします。そういうものを中心に追加しましたね。チュートリアルの絵説明やショットキーの拡張、ワールドマップのモンスター情報、倉庫のUI改善などがあります。

――アイテムの追加は何かありますか?

ヤン氏: 現在、正式サーバーには実装されてませんね。サクライRサーバーでは幾つか実装されてます。毎週、少しずつ増やしていくつもりです。3次職専用だけでなく、全ての職業が使用できるアイテムも追加するつもりです。

――今回のアップデートに対して、韓国のユーザーたちの反応はどうですか?

ヤン氏: 正式サーバーへ実装する直前までは「まだ早い」というのがユーザーたちの反応でした。アンケート結果で30%のユーザーたちからそういう意見を頂きましたね。しかし、今回のアップデートを終わらせて、今後の準備をする必要がありましたので、サクライRサーバーだけ、これ以上のコンテンツを入れるのは難しいと判断しました。いつかは実装しなければならないので、大胆に行なうことになりましたね。結構、心配をしましたが、ユーザーたちからの反応もいいですし、同時接続者も2倍ほど増えました。ただ、不具合でメンテナンスがあったことについては申し訳ないと思ってます。

――新しいワールドはいつ登場しますか?

ヤン氏: エピソードのアップデートは別段に準備してます。どういうものかはまだ公開できません。

――今回のリニューアルアップデートは日本でいつ実装されますか?

ヤン氏:ガンホーとの調整が必要です。まだ、詳しいスケジュールは言えません。まだ確定ではありませんが、日本にもサクライRサーバーのように、テストサーバーを設ける方向で検討中です。

――レベル150以降の成長要素としては今後何が登場するのでしょうか?

ヤン氏: 色んな方向で考えています。4次職業が登場するかもしれませんし、レベルキャップが拡張されるかも知れません。以前、ユーザー懇談会でも同じ質問が出ましたね(笑)。多分、レベルキャップの拡張の方が先になると思います。ただのレベルキャップの拡張というより何か新しいコンテンツも入れたいところですね。

――今回のリニューアルアップデートでユーザたちに見てもらいたいところは?

ヤン氏: 3次職も注目ですが、まず、戦闘公式、モンスターなど、基本的なところをリニューアルした点を見て頂きたいですね。それがあるからこそ、3次職が可能になったのです。3次職の場合、職業間の相性関係を重要視してます。そこを見て頂きたいのですが、やはり、3-2次職がまだ登場してないので、現時点だとバランス的にちょっと物足りない感はありますね。

――最後に日本のユーザーの皆さんに一言お願いします。

ヤン氏: 毎週、ガンホーの担当者たちと打ち合わせをしています。最近、韓国での「RO」の急激な変化に不安を感じる日本のユーザーの皆さんが多くいらっしゃる事を聞きました。私たちは、韓国や日本だけでなく、「RO」がサービスされている世界各国を考えなければならないので、100%満足させることができるとは言い切れません。しかし、少なくとも日本のユーザーの皆さんが失望しないように、より楽しい「RO」が提供し続けられるように努力しています。

 「RO」はユーザーの皆さんと私たち開発者ども全員が愛するゲームです。私たちが間違った方向に行くようでしたら、いつでもご意見をお聞かせください。また、私たち開発者どもをもう少し信じてください。これからも「RO」を応援してください!

――ありがとうございました。


マップUIではモンスターとレベル情報が表記できる。他にも多様なキーをショットキーとして使える機能や倉庫の検索機能が追加された。チュートリアルはコミックでゲームの説明を行なう


■ 戦闘システムの計算法の変化を試してみた! 装備の組み合わせに大きな波がやってくる!

今回のβテストでは、ダンジョンをクリアすると経験値を一定量獲得できるシステムになっていた

 最後に、インタビューの内容を踏まえて、戦闘システムの計算法の変更がどういう風に変わったか実際にプレイしてみた。

 筆者がプレイしたのはレベル130の3次職「レンジャー」、DEX148のキャラクターだ。武器は「4」コンポジットボウ(攻撃力29)、「2」角弓(攻撃力100)、「1」バリスタ(攻撃力145)、「1」エルヴンボウ(攻撃力160、3次職専用武器)で「風の矢」を使用し、それぞれ“水属性モンスターに20%追加ダメージ”の能力を持つ「ドレインリアーカード」でスロットを埋めて、「氷の洞窟」の「シロマ」相手に試してみたのが下の通りだ。

    ・コンポジットボウ(攻撃力29):約420~440ダメージ
    ・角弓(攻撃力100):約630~680ダメージ
    ・バリスタ(攻撃力145):約740~850ダメージ
    ・エルヴンボウ(攻撃力160):約780~870ダメージ

 新しい計算式は、公式的に発表されたものがないが、これらの実験からすると明らかに攻撃力の高い武器が強くなっている。今まではDEXよる攻撃力とカードの追加ダメージによる増加率で、4枚のカードを入れることができるコンボジットボウが有利だった。具体的には800以上のダメージは期待できたが、アップデート後はその半分のダメージとなっている。アップデート後は基本攻撃力の高いエルヴンボウの方が2倍強い結果となっている。

 防御力にも大きな変化がある。以前の計算法だと、アイテムの防御力は5なら5%のダメージがカットされる相対値によるもので、防具を精錬することで100に近い防御力に到達し、殆どダメージを受けない状況にすることも可能だった。

 しかし、アップデート後は防御力の計算法がもっと細かい計算法になっており、精錬による性能増大は殆ど期待できないものになっている。防御具の基本的な防御の性能は若干落ちたぐらいだが、精錬による性能アップは極端に落ちていた。100に近い防御力で、無数のモンスターを同時に相手するプレイは不可能になっていた。

 その代わりというには物足りないかも知れないが、一定のレベル、VIT、AGI、INT、DEXごとステータス物理防御力とステータス魔法防御力が増加されるようになっている。レベル、VITは両方とも影響があり、AGIは物理防御力、INT、DEXは魔法防御力に影響する。しかし、これだけでは精錬の意味が無く、せっかくのオーバー精錬に微力を感じられないというユーザーたちの不満を唱える意見が多く、防御具の精錬システムに対策が強いられるところだった。

 一方、攻撃速度の場合、AGI102、DEX114の素手の状態だと、以前は180だったが、アップデート後は178になっている。弓を装備すると以前は171だったものが、168になっている。またAGI101、DEX50の「ナイト」で片手剣だけ装備すると攻撃速度は169だが、シルドを一緒に装備すると164になってしまう。アップデート前後の攻撃速度は若干落ちるぐらいで済んだが、シルド装備の有無でかなりの大きい差が確認できた。

 これらの戦闘システムの計算法の修正は今後のコンテンツを拡張するために必要不可欠な手段ということは間違いないと思う。低レベルアイテム使用に定着してしまった武器、既に100という限界値が存在する防御力というシステムでは、より幅広いアイテムの追加が困難であるからだ。「RO」が今後もサービスを続けていくためには何時かは行なわれなければならない修正といえる。

 韓国では去年の7月からサクライRサーバーが実装され、戦闘システム周りのテストが行なわれた。約1年が経ってから正式サーバーへ実装されたためか、ユーザーたちの反応は一応は納得している様子だった。日本ではどういう展開になるか、ガンホーからの情報に期待したいところだ。

「4」コンポジットボウ(左上)、「2」角弓(右上)、「1」バリスタ(左下)、「1」エルヴンボウ(右下)のダメージ比較。ダメージ差は明らかで、カード市場にも影響がありそうだ。エルヴンボウは現在、サクライRサーバーのみ実装されている

シールド装備前(左)とシールド装備後(右)。シールドを装備すると攻撃速度がマイナス補正される。シールドを使用する職業にはかなりマイナス要素である

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(2009年 7月 6日)

[Reported by DongSoo“Luie”Han]