使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第352回
「New3DS/LL」本体保護カバー各種を試したが……
カバーはいずれも厳しい状況。製品選びは慎重に
(2014/10/15 10:50)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
「New ニンテンドー3DS」&「New ニンテンドー3DS LL」の本体を守るカバーグッズを今回は揃えられる限り集めて、一挙に試してみた。ただ、結論を先に書いてしまうと、両機種用ともにどのメーカーの製品もフィット感が悪く、厳しい状態と言わざるを得ない。製品選びはかなり難しい状況だ。そのあたりを踏まえて、よくチェックしてもらいたい。
また、後半にはNew3DSの「きせかえプレート」と保護カバーグッズの併用が可能なのかを詳しく調べてみた。こちらも、意外な結果も出ているので、New3DSを購入した、または購入予定の人は、ぜひチェックして頂きたい。
【今週のおしながき】
- 3DS サイバーガジェット「CYBER・プロテクトカバー(New3DS LL用)」
- 3DS サイバーガジェット「CYBER・TPUカバー(New3DS LL用)」
- 3DS ゲームテック「new クリスタルシェル3DLL」
- 3DS HORI「PCバリカタカバー for Newニンテンドー3DS」
- 3DS HORI「TPUやわカタカバー for Newニンテンドー3DS」
- 3DS ゲームテック「new クリスタルシェル3D」
- 3DS サイバーガジェット「CYBER・TPUカバー(New3DS用)」
「New3DS LL用カバー」
硬質なポリカーボネートを使った透明なカバーだ。上下のカバーがヒンジで繋がっているのが特徴的。カバーの厚みは約1.4mmで、重量は約48gとなっている。
カバーを装着した状態でも、開口部からタッチペンホルダーや3DSゲームカードスロットなど、全ての箇所が触れる。
本体をカバーの側面ではさみ、小さなツメでひっかけて固定される作りになっているので装着時は上からグッとはめこむようにするだけと手軽に行なえた。取り外しも楽。
本体とのフィット感だが、下画面側カバーはサイズが微妙に合っていないのか、背面辺りがわずかに浮いていて、指で押すとギシギシとカバーがしなっていた。また、横方向にもわずかに(感覚的には0.5mmほど)カバーが本体からずれる。背面がギシつくということは、本体とカバーがこすれてしまっているわけで、長く使っていると塗装はげなどが起きるかもしれない。そうした意味では、わずかなものではあるものの、気になるところだ。
その他の点では、カバー側面にある切り離し跡にわずかにトゲトゲしさがあったのも少し気になるところで、ヤスリなどをお持ちの方は自分で削るとより扱いやすくなる。なお、カバー同士がヒンジで繋がってはいるが、その動きはスムーズで、開閉の妨げになるようなこともなかった。
外観を見ると、カバー表面に光が反射したときにカバー成形時の油膜跡があって、虹色に広がって見えるところがあった。
もはやお馴染みのカバーグッズと言っていいポリカーボネートカバーなのだが、下画面側カバーのサイズやフィット感が気になるところ。背面あたりのギシつく箇所は、カバーと本体が擦れてしまっていることを考えると、保護性能的にも少々不安を感じてしまう。例えば柔らかなテープを貼って擦れを軽減するなどの工夫をするのがいいかもしれない。
TPU(熱可塑性ポリウレタン)を使った、ぐにっと硬めの本体保護カバーだ。上下用が分割されていて、厚みは約1.5mm。重量は上下を合わせて約58g。カラーはクリアという表記ではあるものの、乳白色の半透明な色合いになっている。
上下ともに、本体の内側(画面側)にひっかけて固定する部分が多く、ヒンジ側からカバー内へと本体を滑り込ませるような被せ方になってくる。そのため、装着する時にはグッとカバーの手前先まで押し込むのがポイントで、それをやらないとしっかりとフィットしてくれなかった。
カバーを装着した状態でも、タッチペンホルダーや3DSゲームカードのスロットなど、全ての箇所が触れるように開口されている。上画面側の左右にあるサウンドボリュームと3Dボリュームの箇所は、開口部の形状がギリギリで、スライダーが端にある時にちょっと触りづらいところがあった(形状的にこれ以上は口を広げられそうにないので、難しいところだ)。
フィット感は基本的には良く、ぴったりと密着している。ただ、下画面側は高さがわずかに足りないのか、背面側を押さえる部分が曲がってしまっていた。前述のように手前側にグッと本体を押し込むといくぶん軽減されるのだが、それでもわずかに浮いてしまう。
ゲームプレイ時には、カバーの切り離し跡の手触りが気になった。本体内側の角付近に、切り離し跡がぐるりとあるのだが、だいぶ毛羽立っていて手に嫌な刺激を与えてくる。この点においては、ヤスリなどがあれば、削り落とすとだいぶ感触が良くなる。
背面を除けばフィット感は基本的に良いのだが、やはりもう一歩という感想になってしまう。背面の膨らみについては、ひとつ前に試しているポリカーボネートのカバーよりもカバーが浮いているのが目立つものの、素材が柔らかなTPUなので、擦れてキズが付くという点ではこちらの方がまだ安心感があるかもしれない。
ゲームテックからはポリカーボネート素材を使ったクリアカバーが発売されている。公式サイトをみると、本来は10月17日発売予定の製品なようだが、発売が間に合って前倒しに出荷されたのか、本体発売と同日に購入できた。
カバーは上下が分割されているセパレートタイプで、カバーの厚みは約1.8mm、重量は上下あわせて約49gとなっている。色は透明だが、光に反射した時のみ、表面に油膜の虹色がうっすらと見えてくる。カバーを着けたままで、カードスロットなど全ての箇所にアクセス可能だ。
装着後のフィット感をみると、全体的にちょっときつめにフィットするカバーで、ズレなどもなくぴっちりと覆ってくれる。ただ、サイバーガジェットの製品と同じように、やはり背面側はサイズが足らず、カバーが浮き、指で触るとギシギシとしなる。やはり硬質なポリカーボネートカバーが擦れると、キズがつく恐れもあるので気にかかるところだ。心配な方は不格好にはなるが、テープなどで擦れを軽減させた方がいいかもしれない。
カバーの外観をみると、上下カバーともに左右に成形の都合なのか、四角いラインが入っている。これは多少好みがわかれるところかもしれない。また、カバーは上下ともに本体側面の7~8割ほどまでになっていて、厚みこそサイバーガジェットのものよりあるが、外観的には比較的スマートな形状になっていた。
カバー側面の切り離し跡については、ほとんど気にならないぐらいに処理されているものの、わずかに刺激はあるので、ヤスリなどで整えればより扱いやすくなる。
本体にきつめにフィットするカバーで、基本的には装着後のズレなどもなく良好なのだが、やはり、背面付近の膨らみとギシつきは気になるところだ。
「New3DS用カバー」
硬質なポリカーボネート素材を使った“バリ硬”なカバーだ。カバーは上下が分割されているタイプで、カバーの厚みは約1.3mm、重量は約38g。
カバーを着けたままでも、ゲームカードスロットなど全ての箇所にアクセス可能。サウンドボリュームと3Dボリュームの開口部を斜めに処理して触りやすくする工夫がなされていて、これはNew3DS LL用も含め、他のカバーになかったポイントだ。
フィット感は、上下ともに緩く、上画面側のカバーが特に緩くてカタカタと動いてしまう。下画面も上ほどではないものの、カタッとわずかに動く。固定用のフックがあるのでプレイ中にカバーが外れてしまうほどではないが、気になるところだ。
外観では、他のカバーにあった油膜反射がなく、光が当たってもストレートな透明度となっている。
開口部の処理など、魅力あるHORIのカバーなのだが、サイズが大きくフィット感が緩いのは残念。どこか目立たない箇所に、テープなどを貼るなどして厚みを付けるのがいいかもしれない。
HORIでは、TPUやシリコンのカバーは10月下旬に発売予定が変更されている……のだが、なぜかこの「TPUやわカタカバー for Newニンテンドー3DS」だけ確保できたので、先行してお伝えしよう。
カバーの色は完全な透明ではなく、うっすらと白め。また、厚みのある部分は少し黄色がかって見える。カバーそのものは上下が分割されているタイプで、カバーの厚みは約1.5mm、重量は約46g。
装着してみると、上で試しているHORIのポリカーボネート素材カバーと同様に、やはり上画面側が緩い。また、素材としてTPUの方が柔らかいこともあり、上画面のヒンジあたりや、下画面側の背面あたりがカパカパと浮き、時には外れてしまう。フィット感の緩さがバリカタよりも目立ってしまっていたのが残念。
開口の工夫や電源ランプ周りの開け方など、HORIのカバーは細部の作りも丁寧なのだが、どうにもフィット感が緩いのが弱点。特にTPUでは柔らかいがゆえに、ポリカーボネートより気になってしまった。
ゲームテックのNew3DS用ポリカーボネートカバー。厚みは約1mm、重量は29gと、薄く軽量なカバーになっている。カバーを着けたままで、ゲームカードスロットなど全ての箇所にアクセス可能だ。
フィット感をみてみると、上下ともにきつめで、着脱時に固定用のツメで本体にキズをつけてしまわないよう注意が必要なぐらいになっている。また、下画面側が少々サイズが小さいのか、同社のNew3DS LL用カバーと同様に、背面側がハマらずに浮いてギチギチとしなってしまう。
外観では、同社のNew3DS LL用カバーと同じく、四角い成形ラインのようなものが上下ともにある。このあたりはそのまま、New3DS LL用のミニ版といった印象だ。また、光に反射したときにはカバー表面に油膜にじみが見えていた。
固定力の強いカバーで、全体的なフィット感は悪くないものの、下画面背面がハマらず浮くところはやはり残念。カバーの薄さや軽さについては良好だったので、惜しいカバーだ。
サイバーガジェットのTPU素材(熱可塑性ポリウレタン)を使った、ぐにっと硬めの本体保護カバー。こちらはNew3DS用だ。カバーの色はクリアという表記なものの、だいぶ白みがかった半透明になっている。カバーの厚みは約1.5mm、重量は約44gとなっている。
基本的な作りはNew3DS LL用に近く、カバーを装着したままでもゲームカードスロットなど全ての箇所にアクセスが可能。
フィット感の方はというと、こちらも同社のNew3DS LLと似ていて、背面のあたりがハマらずカバーが曲がってしまう。底面奥のゴム足に合わせる凹みがカバーにあるのだが、その位置が合っていないところもあり、縦のサイズが足りないという状態だ。柔らかなTPU素材なので擦れてもキズがつく心配は少ないものの、やはり気になるところ。
カバーの切り離し跡については、同社のNew3DS LL用のものほどは気にならなかったのだが、多少、とげとげしい箇所も見られたので、やはり自分で整えられる方は、削るのをオススメしたい。
同社のNew3DS LL用カバーと特徴が似ていて、下画面側カバーの背面あたりがちゃんとフィットせず、カバーが浮いて曲がってしまっていた。使う上で実害はないと言っても、やはりもう一歩、ぴったりのフィット感が欲しくなるところだ。
特殊素材系の「きせかえプレート」と本体カバーの組み合わせを試す
「New3DS」だけの嬉しい魅力「きせかえプレート」。天面と底面のプレートを差し替える事で、様々なデザインでカスタマイズできるというものだ。本体と同時に38種類が発売されている。
「きせかえプレート」の価格は、基本は1,000円~1,500円。フェルトや木目のみ3,000円となっている。
その中でも当研究所としては、特殊な素材のプレートと、今回試しているような本体保護カバー系のグッズの組み合わせなどが気になるところ。さっそく試してみた。
ご覧の通り、通常プレートとフェルト、木目では、厚みが結構違ってくる。その結果、その上に保護カバーを着けても、フィットしないというわけだ。例えばサイバーガジェットでは「フェルト、木目のプレートを付けた状態で本製品を装着する事はできません」と、製品ページに記述していたりもする。
そこで、木目やフェルトのきせかえプレートと、今回試している保護カバーとの組み合わせを一通り試してみた。
まず木目カバー。こちらは標準プレートより約0.19mmと、ごくわずかに厚みが増しているのだが、カバーを被せてみると、ほぼ標準プレートと変わらない装着感となった。装着できないとしているサイバーガジェットのTPUカバーや、フィット感がきつめだったゲームテックのカバーでも、一応は装着できる。一方、フィット感の緩いHORIのカバーは、木目プレートでもちょっとカバーが動くような緩さがあった。
では続いて、最も厚みのあるフェルトプレートとの組み合わせ。標準プレートより0.26mm厚みが増す。こちらは、さすがにほとんどのカバーがちゃんとハマらなくなってしまった。だが、HORIのフィット感が緩かった「PCバリカタカバー for Newニンテンドー3DS」は、フェルトプレートの上だとほぼピッタリとフィットした。
フェルトプレートはふわふわとして手触りが良いものの、手汗などを吸ってしまいすぐに汚れてしまうかも、というのも気になるところで、いっそ「PCバリカタカバー for Newニンテンドー3DS」を被せておくのもありかな? と思った次第。思いがけない結果となった。
なんとも不思議な結果も出てしまったが、基本的には特殊素材のきせかえプレートとカバーの組み合わせはモノによってはギリギリ、または厳しいというところだ。だが、せっかく追加購入したきせかえプレートだからこそ、保護したいという気持ちもあるはず。厚みに注意しつつ組み合わせて頂きたい。
【追記】
初出時、きせかえプレートの写真が入れ替わっておりましたので、修正しました。