使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第338回
アナログスティックもある本格iOS用コントローラー「Stratus」登場!
メガドラコントローラーカバーもついに発売!!
(2014/3/28 11:26)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
iOS用の注目グッズがタイミングよく2製品発売されたので、まとめて試してみた。ひとつは、SteelSeriesのiOS用ゲームコントローラー「SteelSeries Stratus Wireless Gaming Controller」だ。iOS7のゲームコントローラーAPIに対応した公式対応のもので、アナログスティックも搭載したエクステンデッドタイプの初めての製品だ。より本格的なゲームプレイを求める人にぜひチェックしてみてもらいたい。
もうひとつは、メガドライバー必携のiPhone 5/5sカバー第2弾!! メガドライブコントローラーのシリコンカバーだ。発売延期を繰り返していたようだが、いよいよ発売となった。第1弾のメガドライブ本体版と合わせつつ、作りをチェックしてみた。
【今週のおしながき】
アナログスティック、L2/R2ボタンを備えたiOS用“エクステンデッド”ゲームコントローラーついに発売!!
PC用ゲーミングデバイスの雄・SteelSeriesから、iOS用のゲームパッド「SteelSeries Stratus Wireless Gaming Controller(以下、「Stratus」)」が発売された。カラーはBlackとWhiteの2色あり、日本ではBlackはApple Store銀座店、渋谷店、名古屋栄店で3月26日より先行販売されているほか、Apple Online Storeでは4月上旬から発売予定。Whiteは4月下旬よりApple Online Storeでのみ発売される予定となっている。対応機種はiPhone 5/iPhone 5c/iPhone 5s/iPad mini/iPad Air/iPad(第4世代)/iPod touch(第5世代)。
こちらのゲームパッドは「iOS7ゲームコントローラーAPI」に正式対応した、いわゆる公式準拠の製品。同じ公式対応のものだと、昨年12月に発売され当研究所でも試したロジクールの「G550」があるが、両者には大きな違いがある。それは、“スタンダード”と“エクステンデッド”の違いだ。
iOS7のゲームコントローラーAPIには「Standard iOS Controller(スタンダード)」と「Extended iOS Controller(エクステンデッド)」の2種類があり、簡単に言うと「スタンダード」はアナログスティック無し、L/Rボタンはそれぞれ1個ずつというもので、持ち運びを重視した携帯ゲーム機ライクなボタン数になっている。それに対して「エクステンデッド」は、デュアルアナログスティック、L/Rボタンも2個ずつ搭載した、据え置きゲーム機ライクなボタン数となっている。「G550」はスタンダード、「Stratus」はエクステンデッドというわけだ。より詳しくはこちらのiOS Developer Libraryをご覧頂きたい。
さて、「Stratus」はデュアルアナログスティック、方向キー、A/B/X/Yボタン、L1/L2/R1/R2ボタンを備え、A/B/X/Y/L1/L2/R1/R2ボタンにはプレッシャーセンシティブシステムを採用している(感圧、アナログ入力的な押し込みの深さ検知をする)。このほか、右側面に電源ボタン、正面中央に一時停止ボタン、背面にはペアリングボタンも搭載している。
これだけのボタン数を備えつつ全体はコンパクトに仕上がっている。約11×6×3.3cm(横×縦×高さ)と、iPhone 5シリーズと同程度で横幅はそれよりも小さいぐらいだ。重量も約75gと非常に軽い。
通信方式はBluetooth2.1。リチウムイオンバッテリーを内蔵していて、バッテリー容量については詳しい記述が見あたらなかったが、連続使用で10時間以上。充電時間は約2時間となっている。充電は付属のUSBケーブルを使い、コントローラー底面にあるマイクロUSB端子から行なう。
また、パッケージには専用のカバーも付属している。正面に被せることで傷やホコリから守ってくれるというものだが、ゲームプレイ時にはこれを背面に着けるとグリップにもなってくれるという、面白いアイデアのカバーだ。
実際に使って試してみた。まずホールド感だが、このサイズながらもとても良い。形状的に人差し指から手の平あたりがぴったりとコントローラー側面にくっつく。コントローラー側面にはベルト状にラバーも敷いてあって手がフィットするようになっている。グリップカバーを使えば、カバーの溝に中指が自然と収まり、よりグッと握れるようになる。
方向キーやA/B/X/Yボタンの感触は、コチコチと硬めだがそのぶんクリック感がしっかりとあり、小型な筐体ながら押下ストロークもしっかりとある。デュアルアナログスティックは位置的に少し窮屈ではあるものの、スティックを倒した時の抵抗感もほどよくあり微妙なコントロールもしやすい。全体的に精度の高さを感じさせる作りだ。
特徴的なのはL1/L2/R1/R2ボタンで、コントローラーのサイズ的に人差し指の指先は筐体の上、中心部あたりまで伸びるのだが、それに合わせてボタンも上の中心部に配置してある。独特なレイアウトだが押しやすい。ボタンはストロークは浅めでスイッチ式のような作りだが、押し込むと感度を取っているためか少しグニッとした感触がある。
ゲームプレイの方はと言うと、「Stratus」がエクステンデッドなアナログスティック搭載コントローラーなところはやはり大きい。例えば、ロックスターの「Grand Theft Auto: San Andreas」なら、アナログスティックで移動と視点操作、方向キーでしゃがんだりなどの各種操作が行なえるし、アクティビジョンの「Call of Duty: Strike Team」も、アナログスティックをメインにした、まさに家庭用ゲーム機感覚に楽しめる。スタンダードタイプの「G550」よりも対応の幅が増えているわけだ。
「G550」と比べると、方向キーの反応が素直なのも嬉しいところだ。感圧式ではなくデジタルな反応になっているし、別途アナログスティックもあるので、ゲームジャンルに合わせた使い分けができている。方向キー、アナログスティックともに感触もよく快適なプレイが楽しめた。
一方、ちょっとネックに感じたのは、アナログスティック同士の近さ。左右スティックを真ん中に倒すような操作(左スティックを右、右スティックを左の操作)をすると、さすがに指同士がぶつかってしまう。あまりしない操作なのでほとんど気にならないが、こうしたところを見ると、もう少し大きい筐体でも良かったように思える。また、どうせならスティック押し込みの操作も搭載していたら、より汎用性が高かったように感じる。
対応ゲームに関しては、昨年12月にお伝えした「G550」の段階よりも緩やかながら増えてきた。わかりやすい代表的なところを挙げると、セガは、「ソニック ザ ヘッジホッグ」シリーズでは「1」、「2」、「CD」、さらに「ジェットセットラジオ」も対応した。「G550」の発表に合わせて対応を表明したスクウェア・エニックスは、当初の予定よりも大幅に遅れている状態だが「ファイナルファンタジーIII」が対応したほか、3月6日より配信が始まった「聖剣伝説 RISE of MANA」も対応している。他にも、Dotemuの「R-TYPE」シリーズや、「ダブルドラゴントリロジー」、SNKプレイモアの「THE KING OF FIGHTERS i 2012」、「メタルスラッグ3」などもコントローラーで楽しめる。
なお、スクウェア・エニックスではスタンダードタイプに対応する方針なのか、「ファイナルファンタジーIII」、「聖剣伝説 RISE of MANA」ともに方向キーとボタン操作のみになっていて、スタンダードにはないスティックやボタンはキーアサインされていなかった(大は小を兼ねる状態になっているのでエクステンデッドな「Stratus」でも問題はない)。
iOS用ゲームコントローラーの第2弾となるが、各部スティックやボタンの作りはしっかりとしていて、アナログスティックを駆使してのゲームプレイも可能になったことで、プレイ感覚はもはや家庭用ゲーム機そのもの。ネックはやはり価格の高さで、バッテリー内蔵、Bluetooth、小型な筐体に多くのボタン数とスティック搭載したうえに大量生産によるコストダウンが厳しいなど、高価格な理由はいろいろあると思うのだが、それでもこの価格の高さは腑に落ちないぐらいのものがある。価格を抜きにすれば、iOS端末で本格的なゲームプレイを実現してくれるコントローラーの登場は喜ばしいし、オススメの製品だ。
メガドライバー必携第2弾!! こだわりのメガドライブコントローラー型iPhoneカバーついに発売!
今年1月にhttp://game.watch.impress.co.jp/docs/series/ggl/20140108_629921.htmlメガドライブ本体を再現したiPhone 5/5s用シリコンカバーを紹介したが、その後に順次発売予定だった「メガドライブコントローラー」、「ゲームギア」、「セガサターン」のカバーは、どれも大幅な延期状態になっていた。その中から、3月中旬頃に「メガドライブコントローラー」がついに発売されたので、実際に入手し試してみた(なお、現時点では「ゲームギア」は8月頃、「セガサターン」は未定のようだ)。
「メガドライブコントローラー」のカバーだが、こちらはメガドライブ本体版同様に「JP Ver.」として日本のメガドライブをモチーフにしたものになっている。海外版「Genesis」だとボタン中の赤色がなくて黒だったり、スタートボタンも灰色だったりするのだが、そこはメガドライブ版ということで、きちんとボタン中に赤色ボタン名、スタートボタンも青色だ。
パッケージにはコントローラーデザインのシリコンカバーのほかに、画面保護フィルターもセットになっている。メガドライブのロゴや本体シルエットがデザインされている、メガドライブ本体版と同じものだ。ちなみにこのフィルター、研究所員はメガドライブ本体版のものを貼ってから、今も愛用している。貼ってから約3ヶ月ほど経過しているが、目立った傷や剥がれなどはなく良好だ。
カバーは全体がシリコン素材で、方向キーとその周りにあるモールド、矢印と点のマークもある。中央にSEGAのロゴがあり、A/Bボタンとスタートボタンも、初代コントローラーそのままの位置だ。ただ、背面カメラの開口部のため、Cボタンは残念ながら排除せざるを得なかったようだ。
コントローラーの丸みもしっかりと再現されていて、中央部が高く、左右や手前側は窪んでいる。この丸みを再現するため、メガドライブ本体版よりもかなり厚みをつけてあって、比べると高さは約2倍ほどもある。裏側は格子状の支えで凹まないように補強されている。このおかげで、手に持ってみると、初代コントローラーの感触がどことなく甦ってくる。平面にプリントデザインのものでは味わえない、この存在感が嬉しい。残念ながら現物の初代コントローラーと比較ができなかったのだが、もしかすると原寸大の配置や丸みの再現にこだわった作りなのかもしれない。
電源ボタンと音量調節ボタンはカバー越しに押す作りで、サウンドオン/オフスイッチのところは開口されていて、底面もスピーカー、マイク、ヘッドフォンジャックを使えるように大きめに開口されている。このあたりはメガドライブ本体版と同様の作りだ。
気になるところとしては、当初公開されていた画像からはデザインが大分変更されたこと。画像で印象的だった黒艶感も無くなったが、ここはメガドライブ本体版のカバーに合わせての事だろう。こうしたところからは、おそらくゲームギアやセガサターンも、当初公開していた画像よりも仕様変更を重ねているのだろう。
カバーとして見ると、表面はサラサラとしていて、コントローラの丸み再現がiPhoneを手に持った時に手にフィットするところもあり、扱いやすい。ただ、厚みがかなりあるので、胸ポケットに入れたりは、ちょっとしづらくなるかもしれない(重量は約46gとメガドライブ本体版とほぼ同じ)。画面保護フィルターについては、メガドライブ本体版に付属のものと同じなので、そちらに参考にして頂きたい。
セガハードウェアシリーズ「JP Ver.」第2弾「コントローラー」の待ちに待った発売となったが、パッと見のインパクトはさすがにメガドライブ本体版よりも少ないものの、しっかりと厚みや丸みを再現し、裏側も補強してある作りは、実物を手にすると感じてもらえるはず。手に持った時の懐かしい感覚、思わず方向キーやボタンをポシポシ押してしまう(補強のおかげで押しても型崩れしない)楽しさは、やはりメガドライバー必携の製品と言える。ぜひチェックして頂きたい。