【連載第241回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


公式ライセンスグッズとなったPSP用グリップ「Falcon Black」
貼りやすく工夫されたDS用液晶保護フィルター
「TGS2010」 周辺機器メーカーブースのミニレポートを合わせてお届け!


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 あのPSP用グリップグッズの定番、MSYの「ブラックファルコン」シリーズが、ついに公式ライセンス商品として登場!「Falcon Black」と名称を改め、待望の大容量バッテリー対応や、固定パーツの改善などが行なわれている。使用感等をチェックしてみた。DS用グッズには、“貼りやすい”ことにポイントを置いた液晶保護フィルターが登場。貼り付けがしやすいことが今後のトレンドになりそうな保護フィルターグッズだけに、その工夫を試して確認してみた。

 また、今回は先日閉幕した「東京ゲームショウ 2010」に出展されていた周辺機器メーカーのブースレポートも収録した。例年に比べると新ハードの発売も久しくないためか、周辺機器メーカーの出展は少なく、特別回としてはお送りしなかったものの、TGSならではの出展は見られた。その模様をお送りしよう。

【今週のおしながき】
PSP MSY 「Falcon Black」
DSi/DSi LL キーズファクトリー 「スクリーンガードDSi/DSi LLプラス」
「東京ゲームショウ 2010」周辺機器メーカーブースレポート

 




● ついに公式ライセンス商品になったMSYのPSP用グリップ!大容量バッテリー対応で隙のないグッズに

「Falcon Black」

    メーカー:MSY
    価格:1,890円
    プレイステーション公式ライセンス商品


基本的な作りは、これまでの「ブラックファルコン」を踏襲しているが、前面下部にある固定パーツに大きなストッパーが加わった

 PSP用の定番グリップグッズ「ブラックファルコン」の最新作が、ついに「プレイステーション公式ライセンスグッズ」となった。基本的な外観や作りはこれまでのシリーズ製品を踏襲しているものの、名称が「Falcon Black」となったほか、いくつか改良も加えられている。

 前モデルからの変更点で最も大きな違いは、ついに“大容量バッテリーに対応”したこと。グリップアタッチメントのPSP装着部分にくぼみが付いていて、バッテリーパック(2200mAh)を装着したPSPを、そのままセットできるようになった。他社のグリップグッズでも大容量バッテリーに対応したグッズはあったが、バッテリーだけで専用カバーは外さないといけないものが中心だった。「Falcon Black」は大容量バッテリー専用のカバーを付けたPSPをセットできるのがポイントと言える。

 これまでのモデルは大容量バッテリーに対応していなかった点が唯一の弱点ともいえただけに、これで完璧。大容量バッテリーはPSP本体から背面右のバッテリー部分だけが出っ張ってしまうので、こうしたグリップグッズと併用することで、持った時のバランスの違いは気にしなくてもよくなったのはうれしい。

 PSP本体を固定するフロントパーツの形状も変化した。フロントパーツはネジ止め式でPSP本体を挟み込み固定する作りだったが、そのフロントパーツにPSP本体を前面から抑えるパーツが追加された。PSP本体下の中央にあるロゴマークをパーツが支えるような作りになっており、より安心感が感じられる。

 逆に、少し残念に感じる変更点としては、特徴でもあった表面加工がなくなったというところがある。これまでのモデルではアタッチメント前面をラバー加工にしてあったり、特殊なひび割れ塗装をしてあったりと個性があり、滑り止めの効果もあったのだが、今回のモデルではそうした加工はなくなり、プラスチック素材そのものな手触りになっているのはさびしい限りだ。



大容量バッテリーについに対応したのは、非常に嬉しい変化。前面下部のストッパーも改善され、より安定感のあるグッズになった。ただし、ラバー等の表面加工がなくなったのは寂しいところ

グリップが外側にふくらんだような形状をしていて、PSP本体の横幅よりもひと回りほど大きくなる

 実際に「Falcon Black」を使ってゲームプレイ等を試してみた。これまでにいくつものモデルが登場してきたPSP用の定番グリップグッズだけに、基本はしっかり抑えられている。メモリースティックDUOスロットのみグリップで塞がれてしまうものの、その他のスイッチ類には全てアクセス可能で、イヤフォンや電源ケーブル等もグリップに装着したまま扱える。

 背面側はUMDスロット部分が開口されていて、その開口部に可動式のフレームが収納されている。このフレームを起こすと、スタンド機能用のついたてになる仕組み。上部には取っ手型のフレームがあるが、ワンセグチューナー等のUSBユニットにはあたらない形状になっている。先にPSP単体にUSBユニットを装着してから「Falcon Black」へ装着するという手順でないと装着しづらいのは若干ネックだが、利用自体は問題なくできる。

 独特の形状をしたウィング型のグリップは、凹凸や傾斜に指が自然にフィットするようになっていて、ホールド感が非常に良い。ただ、アタッチメント全体がPSP本体よりも外向きに広がった大型な作りをしていて、グリップ自体も大きい。そのため、手の小さい方や女性だと少し持てあましてしまうかもしれない。手が大きめの成人男性向けなサイズと言える。

 基本的にはこれまでのシリーズを踏襲した作りだが、大容量バッテリーの対応や固定パーツの改善など、魅力が増している。こうしたところもまた公式ライセンス商品となったからこそ、というところもあるのかもしれない。グリップアタッチメントに求められる機能はすべて押さえてあり、必要十分な作りは好感触。全体的にサイズが大きめなところは慣れが必要かもしれないが、不満点のないオススメグッズだ。




● フィルターの位置を十字ボタンに合わせて貼り付け! 貼りやすいことを重視したDS用液晶保護フィルター

「スクリーンガードDSi LLプラス」

    メーカー:キーズファクトリー
    価格:750円


「スクリーンガードDSiプラス」

    メーカー:キーズファクトリー
    価格:650円


上画面用フィルター、十字型の台紙がついた下画面用フィルター、さらに、ゴミを取るためのゴミ取りシートが付属している。こちらはDSi LL用の「スクリーンガードDSi LLプラス」
こちらは「スクリーンガードDSiプラス」。フィルターのサイズ以外、基本的な作りは同じだ

 液晶保護フィルターといえば、透明度であったり色の再現度であったりと製品選びのポイントがあるが、ある意味1番大事なのは“貼りやすさ”。保護フィルター製品の話題をすれば、うまく貼り付けできるかどうかが不安という声が必ず挙がるほどで、どんなにクオリティが高いフィルターであっても貼り付けに失敗してしまっては元も子もない。当研究所でもフィルターグッズを試す際は、貼りやすさに重点を置いてきた。

 こうした背景から、保護フィルターのアピールポイントは“貼りやすさ”に重点が置かれるようになってきている。今回試す「スクリーンガードDSi LLプラス」と「スクリーンガードDSiプラス」も、パッケージに「貼りやすい!」と大きく書かれ、貼りやすさに重点を置いている製品だ。DSi LL用、DSi用ともにフィルターのサイズが異なるだけで作りは共通。両方まとめて紹介していこう。

 パッケージには上画面用、下画面用の保護フィルターが各1枚ずつ入っているほか、ゴミ取りシートというちょっと変わったものが入っている。これは粘着素材がついた小さいシート状のもので、保護フィルターを貼る前の液晶画面にペタペタと貼って、ゴミを取り除くという使い方をする。

 このゴミ取りシートは嬉しい工夫で、これまでの保護フィルターグッズでは布製か紙製の簡易なクリーニングクロスが付属していることが多かった。

 クリーニングクロスもうまく画面の汚れを拭き取れれば貼り付けに役立つものの、なにぶん拭いているだけなので細かなホコリを取りきれないこともある。そこで貼り付け前の掃除にはセロハンテープを使ったりすることもあったのだが、ゴミ取りシートの考え方はそれに近い。こちらのほうが貼り付けには適切かもしれない。

 保護フィルターにも工夫がされている。上画面用のフィルターは普通の四角い形状だが、下画面用のフィルターについている台紙は左側が十字ボタンの形になっている。台紙の十字型部分を十字ボタンにあわせてフィルターの位置合わせをするというわけだ。

 貼り付け時には「位置が斜めになってしまったりして貼り直したが、その貼り直しでフィルターが汚くなってしまった」ということがよく言われる。そうならないよう、1発でキレイに位置を合わせられるようにという工夫だ。また、貼り付け時にフィルターを指で持つためのタブも、大きく扱いやすいものになっている。

 フィルターの構造は、下画面用がハードコート層、PET層、シリコン粘着層の3層。上画面用はそれに加えて1番上層に反射防止のAR層が加わった4層構造になっている。

ゴミ取りシートで貼り付け前の液晶画面を掃除。簡易のクリーニングクロスよりもこのほうがホコリをキレイに取れるように思えた
最大の特徴である十字型の台紙にあわせてからの貼り付け。位置合わせが楽で貼りやすいのだが、DSの下画面は画面枠にくぼみがあるため、この作りだとフィルターを密着させづらい。もう一工夫欲しかったかもしれない

 実際に貼り付けを行なってみた。パッケージ内にはゴミ取りシートの扱い方や貼り付けの手順等が詳細に書かれていて、そのガイドの丁寧さはかなり徹底されている。キーズファクトリーのホームページ内にある製品詳細のページでは、貼り方やはがし方のムービーまで公開しているという力の入れようだ。このムービーは非常にわかりやすいので、ぜひご覧頂きたい。

 まずはDSi用のフィルターから試してみた。ゴミ取りシートを使って、液晶画面のホコリなどを取り除く。ゴミ取りシートの粘着力はほどほどだが、細かなホコリまでキレイに取れる。特にDSの下画面は画面がくぼんでいるため、クリーニングクロスだと隅にホコリがたまってしまいがち。こうした粘着素材のほうが隅までキレイにできる。シートの形状も四角形なので角を使って隅まで掃除しやすい。

 下準備が終わったところで下画面用のフィルターから貼り付けていった。下画面用のフィルターは台紙の左側が十字ボタン型になっているので、ここに合わせてから左から右へと画面に密着させていく。台紙にはこれに加えて画面枠にあわせて貼り付け位置を示すガイドもついているので、位置合わせは非常にしやすかった。

 ただ、DSの下画面はくぼみの底に液晶画面があるため、画面枠の外にでている台紙がフタのようにかぶさってしまって、フィルターを密着させづらい。左端から密着させるのではなく、中央をポンポンと軽く密着させてから、周辺を密着させていくのがポイントと感じた。他のフィルターとはまた違う、独特のコツが必要なところがあるかもしれない。できれば貼り付け前に、上記の貼り方ムービーを参考にしたいところだ。

 続いて、上画面用フィルターを貼っていく。上画面用のフィルターは特殊な工夫はなく、ごく普通のタブ付きフィルター。貼り付け前に画面の上に置き、だいたいの位置を合わせてから貼り付けていく。堅めのフィルターで吸着力は強めで、画面の上に置くとスーッと隅のほうへと貼り付いていく。変にクセがなく貼りやすかった。

 フィルターは色味や透明度におかしなクセもなく素直な映り。上画面のフィルターには反射低減層があるので、光が反射しているところを角度を変えてみると反射が紫色に見えるのだが、プレイ中に画面を正面から見る限りは気になることはなかった。

 続いてDSi LL用の貼り付け。フィルターのサイズ以外基本的な作りは同じなので、貼り付けを行なってみての製品への印象はほとんど共通している。だが、DSi LLと言えば液晶画面が大きいだけに、フィルターも大きく、貼り付け作業中の扱いかたや、キレイに貼り付けるのがDSiより難しい製品だ。

 画面サイズが大きいだけにフィルターの位置が斜めになってしまったりと、位置合わせも難しいのだが、そこに十字ボタンで位置合わせをして上からポンポンと密着させるこの工夫が活きてくる。大きなタブもフィルターを持ちやすくて扱いやすい。



「スクリーンガードDSiプラス」を貼り付けた画面。上の2枚は液晶画面全面に、下の2枚は液晶画面の右半分にだけフィルターを貼って撮影した写真だ。色味にクセはなく、透明度も十分と感じた
こちらは「スクリーンガードDSi LLプラス」を貼り付けた画面。上の2枚は液晶画面全面に、下の2枚は液晶画面の右半分にだけフィルターを貼って撮影した写真となる。サイズ以外の質感はDSi用のものと同じで、こちらも素直な映りという印象だ

 十字ボタンに位置を合わせてフィルターを貼りやすくするという独自の工夫がされていて、位置合わせが非常にしやすい。ただ、そこからフィルターを密着させるのには、独特のコツというか慣れが必要な印象。従来のフィルターの貼り付けなどで自分なりの貼り付け方を確立した人には、少し困惑することもあるかもしれない。そこは貼り方のムービーを事前にチェックしておきたいところだ。1度コツを掴んでしまえば非常に簡単に貼り付けが行なえて、特にDSi LL用は扱いやすかった。




● 「東京ゲームショウ 2010」周辺機器メーカーブースレポート

 国内最大のゲーム関連展示会「東京ゲームショウ 2010」が閉幕した。ゲームグッズ研究所でも例年、東京ゲームショウで出展されていたゲームグッズを特集していたのだが、残念ながら今年はゲームグッズ関連の出展があまり多くなく控えめな印象だった。そうした状況ではあったものの、いくつかゲームグッズの出展はみられたので、それらを紹介しよう。

・プラネックスコミュニケーションズ

 プラネックスはルーター関連の機器を中心に展示。中でも注目を集めていたのは「ファイナルファンタジーXIV推奨無線LANルーター」だ。ソリッドなデザインに「ファイナルファンタジーXIV」のロゴがあしらわれている。

 「ファイナルファンタジーXIV」のために作られた、というキャッチフレーズが気になるところで、ファームウェアバージョンアップ機能により独自機能の追加を予定しているという。ルーター製品としては珍しいUSBポートを搭載しているあたりがポイントになるのかもしれない。10月中旬発売予定ということで、続報に期待したい。

 この他にも、PSPでインフラストラクチャー対戦を楽しめるようにする「Xlink Kai」をはじめ、アニメ「薄桜鬼」のキャラクターをあしらった無線アクセスポイントや、Xbox 360のLANポートに接続することで無線LAN接続を可能にするコンバーターなどを展示。ゲーム関連の機器も広げている印象だ。



10月中旬発売予定の「ファイナルファンタジーXIV推奨無線LANルーター」。独特なデザインも魅力的ながら、独自機能の追加が気になるところ。USBポートを備えているあたりにも何か特別な機能追加を感じさせる
「薄桜鬼」のキャラクターをあしらった無線アクセスポイントや、Xbox 360のLANポートに接続することで無線LAN接続を可能にするコンバーターを展示。ゲーム関連に特化した通信機器という、これまで少なかったジャンル展開を見せている

・ゲームテック

 ゲームテックのブースでは、昨年同様に和風デザインのケースグッズ「和彩美」を中心に展示。新製品も増えていて、来場者の注目を集めていた。海外メディアも多く訪れる東京ゲームショウだけに、海外の方の人気も非常に高いそうだ。中でも人気なのはiPhone 4用のケースということだった。

 その他、完全受注生産で製作される木製ケースグッズ「もくデジ」の実物を展示。最高級木材のマホガニー材を使って作られるハンドメイドの高級ケースで、WiiやPS3用のスタンド、DSi用のケース、iPhone/iPad用のケースなどが並べられていた。また、和彩美とコラボレーションし、木製ケースに和風デザインをあしらったものも展示されていた(「もくデジ」について詳しくはこちら)。



ゲームテックはすっかり代表作となった和風デザインのケースグッズ「和彩美」を大々的に展示。新作も展示されていて、来場者の注目を集めていた。また、ハンドメイドの高級木製ケース「もくデジ」も実物を出展。独特な木のぬくもりを感じさせるグッズだ

・三和電子

 アーケード筐体用のパーツを扱う三和電子ではアーケードパーツの展示や販売を実施。HORIの「リアルアーケードプロ」シリーズでもアーケード筐体に使われている三和電子製パーツを使っていることもあり、スティックコントローラを展示していた。またユニークなところでは、「1PLAY\100」といったようなアーケードマシン用のステッカーも販売していた。



三和電子はアーケード筐体用パーツを販売。普通のゲームファンだとなかなか目にしない物だけに、イベントならではのブースと言える。三和電子製パーツを採用しているHORIの「リアルアーケードプロ」シリーズも展示されていて、交換用パーツや業務用のステッカー等を購入できた





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(2010年 9月24日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]