【連載第240回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


Wiiモーションプラスの機能を一体化!
Wiiリモコン互換コントローラーとXbox 360用連射コントローラーを試してみた


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 今回はコントローラーを2種類ピックアップ。“Wiiリモコン互換コントローラ”の「コントローラプラス」は、Wiiモーションプラスの機能を一体化させたオールインワンなコントローラーだ。他にあまりないWiiリモコンコントローラということもあって、Wiiリモコンと同じように快適に扱えるのか等を試してみた。もう1つは、Xbox360用のコントローラーから「コントローラターボファイア」を試してみた。

【今週のおしながき】
Wii デイテルジャパン 「コントローラプラス+」
Xbox360 デイテルジャパン 「コントローラターボファイア」

 




● Wiiモーションプラスの機能を一体化!Wiiリモコン互換コントローラー「コントローラプラス」

・「コントローラプラス」

    メーカー:デイテルジャパン
    価格:4,500円


パッケージには、「コントローラプラス」本体、アルカリ単三乾電池、ストラップがセットになっている
Wiiリモコン(Wiiモーションプラス装着)と「コントローラプラス」並べてみた。機能は同等だが、WiiリモコンはWiiモーションプラスとシリコンジャケットのぶん、サイズが大きく、長くなる

 家庭用ゲーム機用のコントローラーと言えば、様々な製品が周辺機器メーカーから発売されてきた。だが、ありそうで無かったというか、「周辺機器メーカーが同じ機能の物を出せるの?」という疑問があったのが、「Wiiリモコン互換のコントローラ」だ。

 今回試すデイテルジャパンの「コントローラプラス」は、Wiiリモコン互換のコントローラーながらWiiモーションプラスの機能も内蔵しているという、オールインワンな互換コントローラーだ。純正のWiiリモコンだと、別売のWiiモーションプラスとWiiリモコンとを組み合わせて使う作りになっていて、縦に長くなって重さも増す。だが、この「コントローラプラス」は純正Wiiリモコン単体とほぼ同サイズ、同重量の中にWiiモーションプラスの機能も収めている。

 純正Wiiリモコン用のシリコンジャケットが利用できるほか、スピーカーや振動機能も搭載していて、機能面の遜色はない。製品にはコントローラー1個のほか、単三型乾電池2個とストラップが付属している。

 「コントローラプラス」はWiiリモコンと比べると、前面が少しだけ膨らんだようにゆるくカーブした形になっているが、それ以外はサイズも形状もほぼ同じ。重量はWiiリモコンと同じ約87gだ。だが、「コントローラプラス」にはWiiモーションプラスの機能も加わっていることも考えると、純正Wiiリモコンよりもコンパクトで軽いと言える。

 各種ボタンの数や機能はWiiリモコンと同等で、レイアウトも同じ。ただ各ボタンの形状や素材感には違いがある。電源ボタンや+/-ボタン、ホームボタンは薄く平べったい突起のないボタンになっていて、ホームボタンや方向キー、1/2ボタンはクリアパーツになっている。ホームボタンは上下に分割したような2個のボタンになっているが、どちらも機能は同じ。また、Aボタン、Bボタン、1/2ボタンは、いずれもWiiリモコンの同ボタンよりほんの少し大きめ。

 背面を見ると、電池収納部のフタが滑り止めのラバーグリップになっているのが嬉しいポイント。より安全にWiiリモコン用シリコンジャケットを装着して使ってもいいが、単体でも滑りにくい。また、電池収納部にも電池を取り出しやすくするためのテープが付いていたりと細かな工夫がされている。単三型乾電池2本で動作する点や収納部の作り、電池収納部近くにWii本体に登録するためのSYNCボタンが搭載されているところなどは基本的にWiiリモコンと同じ作りをしている。

 底面にはもちろん拡張コントローラ端子も備えている。その他、ストラップホールから側面の溝に至るまで、Wiiリモコンと同様の作り。コントローラー筐体の前半分のパーツがツルツルとしたツヤありで、後ろ半分はツヤ無しになっているところも再現している。



各種ボタンの素材やデザインの違い、背面の電池フタに搭載されている滑り止めなどの違いはあるが、基本的にWiiリモコンと作りが揃えてある。下段の写真はWiiリモコン単体と並べてみた写真だが、サイズはほぼ同等なのがわかる

Wii本体への登録からポインターの感度調整など、扱い方はWiiリモコンと全く同じ。動作中はコントローラ番号を示すランプが点灯する
ヌンチャクやクラシックコントローラ等の拡張端子に接続する機器も問題なく利用できた
Wiiリモコンと比べると各種ボタンが大きい。押下する感触も堅さがあり、特に方向キーの堅さは気になった

 実際にWiiモーションプラス専用のタイトルをプレイして、純正のWiiモーションプラス付きWiiリモコンと使い比べてみた。まずは準備段階から。SYNCボタンを押してWii本体へコントローラーを登録し、オプションから感度調整も行なってみた。このあたりの使用準備や設定周りは、純正のWiiリモコンとなんら違いはない。

 Wiiモーションプラス専用タイトルは、ゲーム起動時にWiiモーションプラスの調整が行なわれる(Wiiリモコンを下向きにして水平なところに置く)のだが、「コントローラプラス」はこの調整で失敗することがあった。何度か再試行すれば調整は完了するのだが、純正のWiiリモコンと比べるとすんなりいかないことがあった。

 ゲームプレイを始めて、振ったり突いたりといったモーションコントロールをしてみると、純正のWiiリモコンと同じようにプレイできた。ただ、ポインターの動きがほんの少しだけ過敏なのか、微細な感覚の違いを感じたところもあったのだが、これは本当に微細なものでほぼWiiリモコンと同様と言って構わないと思う。ヌンチャクやクラシックコントローラ等の拡張コントローラ端子に接続する周辺機器も、純正Wiiリモコンと同様に問題なく利用できた。

 「コントローラプラス」に搭載されているスピーカーの音質と振動の質には、Wiiリモコンとは若干の違いを感じた。「コントローラプラス」のスピーカーは少し割れたような音質をしていて、無音の時でも耳を澄ますとジリジリとしたノイズが聞こえてくる(純正のWiiリモコンも同様のノイズ音はするのだが、ノイズの質が少し違うし純正のノイズ音は小さい)。振動機能は動作音が少し大きくて、振動の強さも少し強めに感じられた。

 根本的なところで純正Wiiリモコンと違っているのは“重量”だ。純正のWiiモーションプラス付きWiiリモコンはシリコンジャケットを装着しての利用が前提のため、「コントローラプラス」単体と比べると約70gほど重量に差がある。それに比べると「コントローラプラス」は、シリコンジャケットなしのWiiリモコン単体でプレイしている感触だ。Wiiモーションプラスの機能が一体化しているのは大きな魅力で、それに加えて背面にラバーグリップの滑り止めがあるのも嬉しい。

 続いて「コントローラプラス」を横に持つスタイルで、方向キーやAボタン、1/2ボタンの感触を確認してみた。いずれのボタンも総じてWiiリモコンと比べると感触が堅め。Aボタンと1/2ボタンはWiiリモコンの同ボタンと比べると直径が大きくなっているところもあって、より押下感の堅さを感じる面がある。また、方向キーはWiiリモコンの十字ボタンと同等のサイズではあるが、各方向に入力するキーだけにこちらも感触の堅さを感じることが多かった。カチカチとしたクリック感が強く、好みが別れる感触だ。ここはいっそWiiリモコンと差別化して方向キーを大きくして欲しかったように思う。

 最後に単三型乾電池2本、または充電式バッテリーの利用について。「コントローラプラス」の電池収納部はWiiリモコンと形状が同じなので、Wiiリモコン用の充電式バッテリーグッズ等も装着することはできる。だが、「コントローラプラス」は取扱説明書に「アルカリ乾電池以外の電池は使用しないでください。」と注意書きがあり、それ以外の電池を使うのはサポート外だ。

 実際にサンヨーエネループの「Wiiリモコン専用AC充電専用無接点充電セット」を試してみたところ、バッテリーの装着はできるのだが、動作はしなかった。アルカリ乾電池以外の単三型乾電池は、一応使えたのだが、おそらく電圧等の違いから誤作動を生む可能性があると思われ、先の注意書きの通り推奨されるものではないだろう。この電池周りの仕様はバッテリーグッズを流用できるようWiiリモコンとまったく同じであったら、より魅力的だったと思う。

 Wiiリモコン+Wiiモーションプラスを一体化し、Wiiリモコン単体サイズにまとめた互換コントローラー。滑り止め等も追加し、ある意味理想を形にした製品だ。使用感は純正とほとんど違いがなく、問題なく利用できた。唯一残念に感じたのはバッテリー周りで、アルカリ乾電池以外の利用をWiiリモコン同等にサポートしてくれていればと感じた。そうした点はあるものの、Wiiモーションプラス専用タイトルを、よりコンパクトで軽量なコントローラーで遊びたい方にオススメだ。




● 三段階の連射速度切替機能を搭載した、Xbox 360用の有線コントローラ

「コントローラターボファイア」

    メーカー:デイテルジャパン
    価格:3,500円


コントローラー筐体の基本的な形状は、純正の有線コントローラーを踏襲している
純正の有線コントローラーと並べてみた。デザインの違いはあるが、サイズや形状は基本的に近い

 三段階の連射機能を搭載したXbox 360用のコントローラー。振動機能やヘッドセット等の周辺機器を接続する拡張端子も備えており、基本的な作りは純正の有線コントローラーに近い。有線接続のケーブルは約3mと余裕のある長さになっている。

 コントローラーの形状は純正の有線コントローラーに近いが、前面が平らでグリップ部分がかなり大きめになっている。前面と側面の境が角張っており、全体にゴツゴツとした印象を受ける形だ。表面は粗めにザラつきがついた加工になっている。コントローラーの重量は約200gで、純正の有線コントローラーの約220gと比べると、約20g軽いのだが、手に持った感触としてはサイズやホールド感の違いから、むしろ純正より重い印象を受ける。

 連射機能では連射速度を「低速」「中速」「高速」の三段階に切り替え可能。方向キーの左横に連射設定用のTURBOボタンが搭載されていて、連射設定したいボタンを押しながらTURBOボタンを押して設定する。連射設定できるボタンはAボタン/Bボタン/Xボタン/Yボタン/左トリガー/右トリガー/LBボタン/RBボタン。

 左右のグリップ部分にライン状に緑色のLEDが搭載されていて、このランプで連射設定の状態がわかるようになっている。両方点灯で、左グリップのみ点灯、右グリップのみ点灯という順に切り替わる。連射は速度切替のみで連射ホールド設定はない。

 各ボタン類は、レイアウトは純正の有線コントローラーと同じ。左右のアナログスティックは感触が柔らかくて軽めだが、スティックの反動は純正のコントローラーに近い。方向キーは十字型だが、押下感が堅く、パコパコとしたもったりとした感触になっている。

 A/B/X/Yボタンは直径が純正のボタンよりも少し小さめ。ボタンの頭も平らで高さも少し低い。そのためクリック感が弱く、グニグニとした感触になっている。L/Rボタンは押し込む深さがほとんどないスイッチタイプで、押すとカチカチとしたクリック感がある。L/Rトリガーはトリガーの幅が広めで先端が三角形になっている。押し込みの深さは純正コントローラのそれより少し浅めで、押し込んだ感触は純正のトリガーよりほんの少し堅めだ。



グリップ部分に連射機能の状態を示すランプを、方向キーの左横にも連射機能のTURBOボタンを備えている。L/Rトリガーは幅の広いボタンになっている

連射機能を使うとグリップ部分のランプが点灯するのだが、ちょっと暗め
純正の有線コントローラーと並べて横から撮影。筐体のラインは非常に近いが、グリップ部分の高さが相当に増している

 実際にゲームプレイを試してみた。コントローラーを手に持ってみるとまずグリップの大きさに驚かされる。純正コントローラーの1.3倍ほどは太さがあるだろうか。成人男性の中でも手が大きめの人なら、グッと握りしめてしっかりとホールドできるのだが、そうでない方は持てあましてしまう大きさと感じる。コントローラー全体のサイズや素材感等の印象から、海外グッズのOEM製品なのではと思える。

 アナログスティックの操作感は純正コントローラーに近くて大きな違いはないのだが、方向キーは上下左右にしっかり入力できるものの、押下したあと少しキーの枠にひっかかって埋まるようなところがあって、感触はあまり良くなかった。他のボタンについても前述で触れているように、クセのある感触のものが多い。

 連射機能は切替も素早くできるので使い勝手は悪くないのだが、1個のボタンにしか設定できないところがネック。ひとつのボタンに設定後、他のボタンにも連射設定をすると、最初に設定したボタンは設定が解除されてしまっている。グリップ部分にあるLEDランプは連射設定している状態だと常に点灯し続けるので、どのボタンが連射設定されているかなどの情報を掴みづらい。ここもなんらかの工夫が欲しかったところだ。

 振動機能の感触は純正の有線コントローラーとはだいぶ異なる。グリップ内部でモーターが揺れてブレているような感触があった。そのため振動中の音も内部で揺れているような音が聞こえる。振動の強さは純正の有線コントローラーよりも、少し強めだった。

 全体のまとめとしては、連射機能を追加したシンプルな有線コントローラーだが、全体に各ボタン類の押下感の悪さやバランスの悪さを感じてしまった。連射機能についても、複数ボタンに設定できないところや設定状態の表示に難を感じた。





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(2010年 9月1日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]