使って試してみました! ゲームグッズ研究所

連載第370回

PS4、Xbox Oneに他機種用のコントローラーを!
「CYBER・コントローラー変換アダプター」を試したが……結果は厳しいもので改善に期待

 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。

 ゲームハードを買い続けていると、どうしても増えていくのが、旧ハードにしか使えないコントローラーたち。特にアーケードスティックはサイズが大きいだけに、最新ハードにも同じものを使えたらいいのにと1度は思うのだが……。

 というわけで、今回試したグッズ「CYBER・コントローラー変換アダプター(PS4用)」は、最新ハードであるPS4とXbox Oneに、USB接続方式のPS3、PS2、Xbox 360、PC用ゲームコントローラーを使えるようにするコントローラーコンバーターだ。ちなみに製品名にはPS4用とあるがXbox Oneにも利用可能。こちらを使って試してみた。


PS4、Xbox Oneに他機種のコントローラーを使用可能にするコントローラー変換アダプター

メーカー:サイバーガジェット
価格:オープンプライス(実売価格:8,500円)

 コンバーター本体は非常に小型で、ケーブルを含めても全長約14cm。縦長の四角い形状に、コントローラーを認証させるためのMENUボタン、連射機能設定用のTURBOボタンがあり、手前側の側面にはUSB接続方式のPS3、PS2、Xbox 360、PC用ゲームコントローラーを繋げるUSBコネクタ、左側面にはPS4用またはXbox One用のコントローラーを繋げるUSBコネクタがある。

 USBコネクタが2つあるとおり、こちらを使うにはコンバーターにPS4用のコントローラーであるDUALSHOCK 4やXbox One用コントローラーをUSBケーブルで繋ぐ必要がある。これでPS4やXbox Oneにコントローラーを認証させ、操作だけを別のコントローラーで行なえるようにするという方式だ。

長方形の本体にはPSボタン・Xboxホームボタンとして使える「MENUボタン」、連射機能の設定に使う「TURBOボタン」を備えており、側面に2つのUSBコネクタがある

 実際の利用手順では、まず「CYBER・コントローラー変換アダプター(PS4用)」をPS4またはXbox Oneに装着。するとアダプターのLEDが点滅し始め、20秒ほど経つと点灯状態になる。左側面のUSBコネクタに純正のコントローラーを繋げ、続いて手前側面のUSBコネクタに他機種のコントローラーに繋いで、最後にアダプターのMENUボタンか他機種のコントローラーのPSボタン・ホームボタンを押せば認識される。

 ちょっと文章表現すると長いが、ようするに純正コントローラーと他機種用のコントローラーを繋げたアダプターを本体に挿し、20秒ほど待ってからMENUボタンかPSボタン・ホームボタンを押せばOK。

 注意点として、PS4で使う場合の専用コントローラーDUALSHOCK 4は「ペアリング登録前の状態」にしておかないといけない。PSボタンを10秒ほど長押しすればペアリングを解除できる。

 連射機能は、アダプターのTURBOボタンを押しながら連射設定したいボタンを押す方式で、PS4に使用時は「○/×/△/□/L1/L2/R1/R2」、「A/B/X/V/LB/LT/RB/RT」に連射設定できる。Xbox Oneに使用している場合は、「○/×/△/□/L1/R1」、「A/B/X/V/LB/RB」に設定できる。

PS4に繋げているところ。左側面に純正コントローラーを繋ぎ、手前の側面には使いたいコントローラーを接続する。LEDが点灯状態になれば使用準備完了となる

 さて、では実際にいろいろなコントローラーを繋いでみて、ちゃんと使えるのか試してみた結果をご覧頂こう。このアダプターを利用する目的として「他機種の純正コントローラー」、「アーケードスティック」、「ステアリングコントローラー」あたりを使いたい人が多そうなので、それらを中心に試してみた。

PS4に各種コントローラーを繋いだ時の動作結果

PS3用コントローラー DUALSHOCK 3 正常に動作
Xbox One用コントローラー 正常に動作
Xbox 360用コントローラー無線タイプ リチャージャブルキット経由 反応せず
Xbox 360用コントローラー有線タイプ 反応せず
PS3用アーケードスティック HORI リアルアーケードPro.3 Premium VLX 反応せず
Xbox 360用アーケードスティック HORI リアルアーケードPro.EX Premium VLX 反応せず
PS3用アーケードスティック マッドキャッツソウルキャリバーVアーケード 反応せず
PS3用ステアリングコントローラー ロジクール G27 基本的な機能は動作
PS3用ステアリングコントローラー ロジクール ドライビングフォース GT 基本的な機能は動作

 PS4に繋いだ結果は上のようになったのだが、DUALSHOCK 3やXbox One用コントローラーが使えたのはいいものの、Xbox 360用になると繋いでも反応しない。また、最も需要のありそうなアーケードスティックが軒並み反応しないという結果だったのが非常に残念だ。

 逆に意外なところとして、ステアリングコントローラー2種は使用できた。タイトル側の対応によるところもあるので、機能をフル活用できるわけではないのだが、ステアリングとフットペダル、各種ボタンは動作する。なお、「DRIVE CLUB」ではフィードバックも動作していた。おそらく、変換アダプターが強引に操作可能にしてくれた状態なのではと思えるのだが……とはいえ、「The Crew」や「DRIVE CLUB」のプレイも楽しめたので、対応していないステアリングコントローラーをなんとか活用させる手段にはなる。

Xbox Oneに各種コントローラーを繋いだ時の動作結果

PS4用コントローラー DUALSHOCK 4 正常に動作
PS3用コントローラー DUALSHOCK 3 正常に動作
Xbox 360用コントローラー無線タイプ リチャージャブルキット経由 反応せず
Xbox 360用コントローラー有線タイプ 正常に動作
PS3用アーケードスティック HORI リアルアーケードPro.3 Premium VLX 反応せず
PS3用アーケードスティック HORI リアルアーケードPro.EX Premium VLX 反応せず
PS3用アーケードスティック マッドキャッツ ソウルキャリバーVアーケード 正常に動作
PS3用ステアリングコントローラー ロジクール G27 基本的な機能は動作
PS3用ステアリングコントローラー ロジクール ドライビングフォース GT 基本的な機能は動作

 こちらはXbox Oneに各種のコントローラーを繋いでみた結果。DUALSHOCK 4/3が動作する一方、Xbox 360用のコントローラーは有線タイプでないと動かなかった。また、PS3用アーケードスティックでは、HORIのものは動かないが、マッドキャッツのものは動作するという悩ましい結果になっている。

 PS4に使った時と同様に、PS3用のステアリングコントローラーが動作するのは嬉しい誤算。「Forza6 体験版」や「Forza Horizon 2」で試してみたのだが、フィードバックやシフターは機能せず、あくまでステアリング、フットペダル、各種ボタンの基本的な機能のみ動作する。だが、ステアリングとペダルだけでも使えるとプレイ感が大きく変わるし、PS3用ステアリングコントローラーを活用できるのはちょっとありがたい。

遅延は約1フレーム加わる

 こうした変換アダプター製品となると当然、「この変換アダプターはどれぐらい遅延が出るの?」というのが気になるところだ。

 遅延は、「コントローラーデバイスの入力遅延」→「ソフト&ハードの内部処理遅延」→「描画時のディスレイの表示遅延」といった順に、ボタンを押してから最終的にプレーヤーの目へと動きが見えるまでに遅延が入るのだが、変換アダプターを使うと、コントローラーデバイスの入力遅延の直後に「変換アダプターによる遅延」が加わって、ゲームハードへと流れていくことになる。

 というわけで、「CYBER・コントローラー変換アダプター(PS4用)」の遅延を測る方法だが、コントローラーによる違いを出さないために、まずPS4に“変換アダプター経由でDUALSHOCK 4を接続”した。そんな使い方をする人はあまりいないだろうと思うが、このアダプター経由にDUALSHOCK 4をPS4に繋ぐことができる。そして、それとは別に普通にUSBケーブルで繋いだDUALSHOCK 4を用意した。

 その2種類のDUALSHOK 4を使い、「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」で同キャラによるHS攻撃の同時ぶつけあいにて検証した。結果、当然ではあるがアダプター経由のほうが常に打ち負ける。その様子をキャプチャーし、動画にして1フレームずつ見ていくと、変換アダプター経由の方が攻撃の発生が常に1フレーム遅れていた。この変換アダプター経由では、約1フレーム以下の遅延が加わると考えてよさそうだ。

PS4「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」にて、2P側はDUALSHOCK 4を直接接続、1P側をDUALSHOCK 4を変換アダプター経由にして接続。同キャラにて同じ技を出し、その動画を1フレームずつ確認して検証した。上の2枚のように1フレームだけ変換アダプター経由側が遅延する

「正常に動作する」コントローラーであっても“認証切断”が発生する

 PS4に使っているときに見られたのだが、正常に動作するとしたコントローラーでも、認証が突然切られ、接続のし直し(アダプターごと挿しなおし)をしないといけない現象があった。こうした変換アダプター類に詳しい人たちのなかでは「8分切断」といった呼ばれ方をする現象で、これは製品によるが他の変換アダプターにも起きているという。「CYBER・コントローラー変換アダプター(PS4用)」でも、この切断現象は確認された。その際に、方向キーやボタンが誤入力される現象も見られた。

お目当てとも言えるアーケードスティックに動作しないものが多く、残念な結果に

 「CYBER・コントローラー変換アダプター(PS4用)」を使って試してみたのだが、PS3/Xbox 360用のアーケードスティックをPS4やXbox Oneでも使えるようにしたいという需要が最も多くありそうな製品なのに、当研究所で用意したアーケードスティックがほとんど扱えなかったという残念な結果となってしまった。動作においても不安定な印象が多く残る。

 価格も安いとは言えないだけに、目当てのコントローラーが安定して使えることや、色々なコントローラーに活用できるコストパフォーマンスの良さが期待されるところなのだが、どちらにおいても厳しい印象の製品となってしまっていた。

 USB接続タイプの変換アダプターなので、可能なら、PCに繋いでのファームウェアアップデートなどで動作するコントローラーを増やすなど、何らかの改善を期待したいところだ。

(ゲーム環境向上委員会)