【連載第292回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。 |
前回に引き続き、発売されたばかりの3DS LL用グッズを試していく。今回は、本体に装着するハードカバーであるサイバーガジェット「CYBER・プロテクトケース」や、各メーカーのスタンダードタイプの液晶保護フィルターを試してみた。
【今週のおしながき】 |
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・3DS LL向けハードカバーグッズをチェック ・様々な特徴を併せ持った“複合”タイプな液晶保護フィルター ・“スタンダード”なハードコート光沢タイプの液晶保護フィルター |
- メーカー:サイバーガジェット
価格:オープン価格(購入価格:1,029円)
本体と同時発売されたクリアハードカバー。薄型設計が特徴だ |
本体に装着して保護するハードカバーグッズに関しては、3DS LL向けの本体同時発売のグッズを見てみると、液晶保護フィルターやケース類はある程度揃っているものの、本体に装着するカバー系のグッズがほとんどないのが現状。サイバーガジェットの「CYBER・プロテクトケース」を入手できたので、今回はこれを取り上げることにした。
ポリカーボネート素材を使った標準的なクリアカバーで、透明度が高くツヤも強め。ツルツルとした手触りのカバーだ。
装着したまま全ての端子やスイッチ類にアクセス可能。L/Rボタン周りが大きく開いており、操作の邪魔にならないよう配慮されていたり、タッチペンホルダーの開口部も傾斜がついていて取り出しやすくなっている。
カバー自体の厚みは約2mmとなっている。3DS LL用ということでサイズが大きくなり、剛性感を保つにはこれぐらいの厚みは必須になるのだろう。バランスを考慮するとかなり薄いと言っていい。
3DS LLは、本体上画面を閉じたとき、ボタン周囲に隙間ができるのも気になるところ。このカバーを装着すると、厚みの分、閉じたときに横の隙間が減るため、横からのホコリに対しても多少ガードできるかもしれない。
カバーを装着した状態で各種の端子・スイッチ類にアクセスできるようになっていて、一体感も十分高い。スリムな3DS LLの特徴をスポイルすることなく、装着後も薄さを保っているのが嬉しい |
実際に装着してゲームをプレイしてみた。スリムな3DS LLにこのカバーを装着した後も、その印象が保たれるのが嬉しいところ。本体との一体感も高く、嫌なガタつきもない。
こうしたハードカバーグッズでは、L/Rボタンの操作性に影響が出ないかがポイントになるが、このカバーはL/Rボタン周りの開口部が大きく、指にほとんど影響せず押しやすい。
ポリカーボネートゆえか、表面に指紋跡はつくが、これもあまり目立たず拭き取りやすい。全体的に作りがよく、不満点のない、安定したクオリティが発揮されているハードカバーだ。
L/Rボタン周りを大きく開口しており、操作の邪魔にならないようにしてあるほか、タッチペンを取り出しやすいように傾斜をつけたりと、しっかり配慮されている |
● 様々な特徴を併せ持った“複合”タイプの液晶保護フィルター
- メーカー:デイテルジャパン
価格:880円
傷修復、抗菌、気泡除去と複数の機能を併せ持った、あまりこれまでに無かったタイプの液晶保護フィルターだ。パッケージには簡易なクリーニングクロスも付属している |
デイテルジャパンからは3DS LL用のフィルターグッズは2種類発売されており、ひとつはスタンダードなハードコートモデル、もうひとつはこの「極」だ。プレミアムモデル的な位置づけだが、こちらは傷修復、抗菌、気泡除去と、3種類の特徴を併せ持った特殊タイプとなっている。
パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っているほか、ちょっとしたクリーニングクロスが付属している。
フィルターの構造は表面から、傷修復+抗菌層、PET層、シリコン層の3層構造。抗菌層は雑菌の繁殖を防いで清潔に保つというもの。また、密着面のシリコン層は目に見えないほどの小さな穴が無数にあいているということで、気泡ができても除去しやすくなっている。
貼り付け方式は、密着面のフィルムを剥がしながら貼り付けていく従来方式。貼り付け自体はスムーズで、吸い付きがよく貼りやすい。気泡除去の構造がされているということだが、そもそも丁寧に貼れば気泡があまりできないフィルターだ。わざと気泡を作ってそれを押し出してみたが、確かに気泡を抜きやすいと感じられる。
だが、フィルターが上下ともにだいぶ小さいというのは気になる。上下共に約1.5mmほど画面枠よりも小さく、そのぶんフィルターの貼り付け位置を中心よりに心がけ、バランスよく貼り付けるよう考慮しないといけない。
貼り付け後の外観は、上画面用のフィルターのみ独特なビニール質のツヤがあった。おそらくこれは傷修復層があるためだと思うのだが、下画面用フィルターにはそれがない。特にパッケージの説明には記述がないが、特殊層があるのは上画面用フィルターだけなのかもしれない。このため上下の反射加減や色味がちょっと違っているところも気になる。
タッチペンを滑らせた感触だが、これは何も貼っていない状態にだいぶ近い。適度なザラつき感と抵抗があり、素直な感触だ。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
傷修復機能を試してみるべく、10円玉を使ってフィルターに擦り傷をつけてみた。上下両方のフィルターに傷をつけたのだが、やはり上下のフィルターで感触が異なっていて、上画面側は傷そのものがつきづらいが、下画面側は普通のフィルターの感触で、表面が削れてしまった。傷つきやすさという点ではちょっと心許ないところがあるだろうか。
約24時間経過してからその傷を確認してみたのだが、傷跡が少し薄くなったかな? とは感じるものの、ほとんどそのままに残っているものが目立った。傷が深くついてしまったためかもしれないが、修復機能以前に傷のつきやすさがやはり気になるところだ。
フィルターを10円玉のフチで擦って傷をつけ、翌日にチェックしたもの。上がキズをつけた直後、下が翌日にチェックした写真だ。写真では光の加減で翌日のほうが傷が目立ってしまっているが、実際のところ傷の程度はほとんど変わらなかった。修復効果よりも、傷のつきやすさのほうがネックかもしれない |
● “スタンダード”なハードコート光沢タイプの液晶保護フィルター
・「液晶保護フィルター for ニンテンドー3DS LL 」
- メーカー:HORI
価格:580円
任天堂ライセンス商品
HORIのスタンダードモデルな液晶保護フィルター。貼りピタではないぶん、価格はこちらのほうが安い |
HORIからは「ピタ貼り」版とそうでないノーマルのものが2種類発売されているのだが、こちらは密着面のフィルムを剥がしながら貼り付けていく従来タイプのもの。そのぶん価格はピタ貼り版よりも多少下がっているので、貼り付け慣れている人ならこちらで十分というわけだ。
パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつで、クリーニングクロスは付属しない。フィルターの構造はハードコート層とシリコン層の2層と、かなりシンプルな作りだ。
貼り付けてみると、吸い付きがよく扱いやすいが、やはり「ピタ貼り for ニンテンドー3DS LL」同様に気泡が少し入りやすく感じる。貼り付け方式の違い以外は基本的に「ピタ貼り for ニンテンドー3DS LL」に近いと思ってよさそうだ。
貼り付け後の外観は透明度も高く自然な仕上がり。「ピタ貼り for ニンテンドー3DS LL」と違ってAR層(反射防止層)がないので、上下の色味に違いが出るようなこともない。こちらのほうがより素直でクセがない。
タッチペンを滑らせた感触は、何も貼っていない画面と比べるとツルツルとしていて滑りが強いところがあった。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
- メーカー:タカラトミーアーツ
価格:630円
任天堂ライセンス商品
写真だとちょっとわかりにくいが、メッシュ状の簡易クリーニングクロスが付属している |
フィルター構造の表面に防汚、防指紋層があり、汚れや指紋がつきづらいフィルターだ。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っているほか、簡易のクリーニングクロスが付属している。
フィルターの構造は防汚・防指紋層、ハードコート層、粘着層の3層構造。上下ともにこの構造となっている。貼り付け方式はフィルムを剥がしながら貼っていく、従来の方式だ。
貼り付けてみると、画面への吸い付きがよく、気泡もできない。かなり貼りやすいフィルターだ。ただ、このフィルターは大きめで、サイズ的には画面枠に近く、位置合わせをきっちり合わせないといけない。特に画面枠に段差のある下画面では、角度がずれると段差に浮いてしまうので気をつけたい。そのぶん、きっちり貼れるとキレイに仕上がるフィルターだ。
貼り付け後の外観だが、防汚・防指紋層があるためか、画面が一段暗くなるところがあった。ギラツキが抑えられて目に優しいとも言えるが、ここは好みが分かれるところだろう。防汚・防指紋の効果だが、指紋跡が白く光るのが抑えられて、目立たなくなっていた。また、拭き取りやすくてすぐにキレイにできるところも好印象だ。
タッチペンを滑らせる感触については、これは何も貼っていない画面の感触にかなり近い。ペン先が適度に止まる抵抗感があり、自然な感触だ。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
- メーカー:サイバーガジェット
価格:オープン価格(購入価格:572円)
スタンダードなハードコートモデルの液晶保護フィルター。布製の小さなクリーニングクロスが付属している |
サイバーガジェットの3DS LL用液晶保護フィルターのなかでスタンダードモデル的な製品の「ハードコートタイプ」。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつのほか、布製のクリーニングクロスが付属している。
フィルターの構造は、ハードコート層、PET層、シリコン層の3層構造で、構造としても標準的な作り。貼り付け方式は密着面のフィルムを剥がしながら貼っていく、従来の方式だ。
実際に貼り付けてみると、吸い付きがよく気泡もできにくい。「CYBER・液晶保護フィルム Premium」と同様にとても貼りやすいフィルターだ。
貼り付け後の外観は、若干画面が一段暗くなるところが感じられた。最上位モデルの「CYBER・液晶保護フィルム Premium」との差は透明度にはっきりと感じられるところがある。せっかく貼るならとこだわるなら、やはり「CYBER・液晶保護フィルム Premium」や「CYBER・超硬度液晶保護フィルム・激硬 -大-」ということになるだろう。
タッチペンを滑らせる感触については、「CYBER・液晶保護フィルム Premium」に近く、サラサラとした適度な抵抗感があり、何も貼っていない画面にかなり近い。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
- メーカー:デイテルジャパン
価格:500円
上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っている |
角の成形があっていなくてはみだしてしまうのが厳しい |
デイテルジャパンの3DS LL用液晶保護フィルター製品のスタンダードモデルだ。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っている。クリーニングクロスは付属していない。
デイテルジャパンの「液晶画面フィルム極」は傷修復や抗菌など複数の特殊層を併せ持ったフィルターだったが、こちらはシンプルにハードコート層、PET層、シリコン層の3層構造となっている。
実際に貼り付けてみたのだが、パッケージには赤色のタブがついたフィルムを剥がして貼り付けると記述されているものの、実際の密着面は青色タブの側であったり、気になる点がある。
また、上画面用フィルターの角の丸みが小さく、3DS LL側の画面枠からはみ出してしまう。そのため、角がしっかり貼り付かずに浮いてしまった。「液晶画面フィルム極」は角の成形があっていたのだが、こちらはちょっと厳しい印象だ。
タッチペンを滑らせた感触だが、これは何も貼っていない状態にだいぶ近い。適度なザラつき感と抵抗があり、素直な感触だ。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
- メーカー:ゲームテック
価格:オープン価格(購入価格:630円)
反射防止と指紋防止の層を持ち、さらに下画面用は硬度3Hのハードコートになっている |
反射防止層でギラツキを抑えて、目への負担を軽減する「目にラクシート3DLL」。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っている。クリーニングクロスは付属しない。
フィルターの構造は、上画面用がAR+防指紋+ハードコート層、PET層、シリコン層。下画面用は防指紋+ハードコート、PET層、シリコン層の、どちらも3層構造となっている。防指紋層がどちらにもあって指紋跡が目立たないようになっていることや、下画面用のハードコートは硬度3Hの傷がつきにくい硬さになっているのが特徴だ。
実際に貼り付けてみると、このフィルターは結構薄めで柔らかいところがあり、密着面の台紙を完全に剥がしてしまうと扱いにくくなるところがある。少しずつ台紙から剥がしつつ貼っていくのがポイントだ。貼り付き自体は吸い付きが良く気泡もできない。貼り付けやすいフィルターだ。
貼り付け後の外観は上画面用のみ反射防止層があるためか、ギラツキが落ち着くが、上画面のみ少し画面が暗くなるとも言えるので、機能を取るか、明るさを取るか、それぞれのニーズで判断していただきたいところ。また、上画面の反射防止は光が反射すると反射光がほんの少し青っぽくなるところがあり、上下の画面に色味の差ができるところがある。防指紋の効果は指紋跡がつきづらくなるほか、その指紋跡が拭き取りやすくなるところもあり、特に下画面側では嬉しい効果。
タッチペンを滑らせた感触は、少しツルツルとした滑りやすさがある。このフィルター自体、表面が見た目からもツルツルスベスベとしているところもあり、その感触がそのまま出ているというところだ。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
- メーカー:カンタービレ
購入価格:420円
光沢加工が施された液晶保護フィルター。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っている |
画面枠ではなく、画面の部分のみに貼る形状になっている |
カンタービレからは光沢、無気泡、反射防止の3種類のフィルターが発売されているが、こちらはスタンダードな光沢タイプ。パッケージには上画面用と下画面用のフィルターが各1枚ずつ入っているが、クリーニングクロスは付属していない。
フィルターの構造は、光沢加工ハードコート層、PET層、ポリマー樹脂層、シリコン層の4層構造となっている。
実際に貼り付けみたのだが、このフィルターは3DS LLの上画面に対して“液晶画面のみ”に貼り付けるタイプとなっている。3DS LLの上画面には周囲に黒枠があり、これまで試してきた全てのフィルターはこの画面枠ごと貼る形状になっていたのだが、このフィルターは異質な存在となっている。
この形状ゆえ、貼り付け方も異なる。当然、境目のない液晶画面のみに貼るよりも、境目がある画面枠に貼るほうが貼りやすいし、位置合わせがやはり少し難しいが、貼り付け後も自然な仕上がりになる。
フィルター自体は透明度も高く、色味の変化も少なくて素直な印象。タッチペンを滑らせた感触も多少ツルツルとした感触はますものの、何も貼っていない画面に近い。
上の写真は全体にフィルターを貼ったところ、下の写真は画面の右半分にだけフィルターを貼ったところだ |
・ ここまで試してみた中でオススメの画面保護フィルターは?
今回はデイテルジャパンの特殊な複合タイプと、各社のスタンダードモデルな製品を試したが、さすがに前回試したサンクレストの「プレミアムフィルム艶」やサイバーガジェットの「CYBER・液晶保護フィルム Premium」を越えるものというのは見られなかった。
今回試した中でのオススメも選びたいところだが、今回試したフィルターはスタンダードモデルだけに価格が控えめというメリットはあるものの、画面が一段暗く見えるものが多かったのが気になるところ。特に上画面の暗さが目立つフィルターが多く、せっかく3DS LLの大画面を楽しむのなら、フィルターにも透明度を求めて上位モデルを選んでいきたいところだろう。
・ 各フィルターのサイズ一覧表
最後に、スクリーンタイプの画面保護フィルターのサイズを一覧にまとめておこう。3DSLL本体の数値については、3DSLLの液晶画面は上下共に画面以外に外枠が少しあるのだが、その外枠を含んだ測定となっている。なので、フィルターが数値的に多少小さめでも液晶画面は全て覆っているという数値だ。
各フィルターのサイズ一覧 | ||
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上画面(サイズは横×縦mm) | 下画面(サイズは横×縦mm) | |
3DSLL本体の画面サイズ | 113.5×70 | 87×66 |
HORI「ピタ貼り for ニンテンドー3DSLL」 | 111.5×70 | 85×64 |
HORI「液晶保護フィルターforニンテンドー3DS LL」 | 111.5×70 | 85×64 |
カンタービレ「光沢フィルム」 | 106×63.5 (液晶画面のみのサイズ) | 84.5×63.5 |
ゲームテック「目にラクシート3DLL」 | 112×69 | 85×64 |
サイバーガジェット「CYBER・保護フィルム Premium」 | 112.5×69.5 | 84.5×64 |
サイバーガジェット「CYBER・超硬度液晶保護フィルム・激硬 -大-」 | 112.5×69.5 | 84.5×64 |
サイバーガジェット「CYBER・液晶保護フィルム[ハードコートタイプ]」 | 112.5×69.5 | 84.5×64 |
サンクレスト「プレミアムフィルム艶」 | 112×69.5 | 86×64.5 |
タカラトミーアーツ「ニンテンドー3DSLL専用 マルチフィルム」 | 112×69.5 | 85×64 |
デイテルジャパン「液晶画面フィルム極」 | 112×69.5 | 86×64.5 |
デイテルジャパン「液晶画面フィルムMG」 | 112.5×69.5 | 84×63 |
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http://home.cybergadget.co.jp/
http://www.datel-japan.co.jp/
http://www.hori.jp/
http://www.gametech.co.jp/
http://www.takaratomy-arts.co.jp/
http://www.cantabile.co.jp/
[Reported by ゲーム環境向上委員会]