【連載第277回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


来たぞ! PlayStation Vita! 貼るぞ! 画面保護フィルター!
PS Vita用フィルターは種類豊富で大量! タイプ別に製品をチェック!


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 いよいよ発売されたPlayStation Vita。新しい携帯ゲーム機が登場したとなれば、当然、画面保護シートが欲しくなってくるわけだが、PS Vitaは“大きな有機ELディスプレイ”、“前画面タッチ機能”、“背面タッチ機能”を搭載しているため、保護フィルターに要求したいものもおのずと増えてくる。

 単に「画面の保護」だけでなく、「タッチ操作を阻害しない」、できれば「指紋跡が目立たない」、「映りこみを軽減」といった、多種多様なニーズをどう各ゲームグッズメーカーが受け止め、どのような保護フィルターをリリースしたのか? 当研究所ではいつものように順次、使って試していく。

 最初となる今回は、まずSCE公式周辺機器の純正「保護フィルム」から、“映りの美しさ”がポイントとなる各社の最高グレード製品、続いて貼りやすさに最重視されている「ピタ貼り」と、合計7枚を試してみた。

【今週のおしながき】

PS Vita用の画面保護フィルターは種類がたくさん! どんな種類があるのか、自分はどんなタイプが欲しいのかチェックしよう!

SCE純正の保護シートの実力は?
とにかく画面が綺麗に映る保護フィルターが欲しい!
うまく貼れなきゃ意味がない! 貼りやすい保護フィルター

 




● PS Vita用の画面保護フィルターは種類がたくさん! どんな種類があるのか、自分はどんなタイプが欲しいのかチェックしよう!

本当にたくさんの数の保護フィルターが発売されている。こちらは発売日当日までに揃えたものだ。これだけあると、どれを買えば良いのか迷うのも当然

 PS Vitaの保護シートは本当にたくさんの製品が本体と同時発売されていて、どれがどういうものなのか分からないと言う方もいるのではないかと思う。そこでまずは、どんな種類があるのか、PS Vitaでの保護フィルター選びはどんなところがポイントになるのかを、まとめてみよう。

 そもそも「PS Vitaには画面保護フィルターが必要なのか?」というところから入るが、PS Vitaでは特に保護フィルターが欲しくなる理由がある。タッチ操作だ。画面を直接指で触って操作をすることが多いので、当然、画面には指紋が付く。そして、指紋がたくさん付いたなら、それを拭き取ることになる。だがそこで“拭き取りの際に細かな傷をつけてしまう”という事態が起こりやすい。その傷から守るためにも、保護シートは欲しいところだ。

 次に「どんな保護シートがあるのか」だが、今回発売されている保護シートをタイプ別にわけてみると、以下のようになる。

・「スクリーンタイプ」か「全面タイプ」
・「光沢タイプ」か「指紋軽減タイプ(マット含む)」

 まず「スクリーンタイプ」というのは、有機ELディスプレイの画面だけに貼り付ける保護フィルターのこと。それに対して「全面タイプ」というのは、PS Vitaの前側全体に貼る保護シートで、画面だけでなくその左右にある方向キーやボタン周辺にもフィルターを貼っていくタイプのものだ。PS Vitaは前側にクリアパネルがつけられていて継ぎ目や溝のようなものがないため、全体に貼るタイプも扱いやすい。

 次に、「光沢タイプ」か「指紋軽減タイプ(マット含む)」という選択だが、こちらは“ディスプレイのそのままな美しさ”を取るか、“多少見た目に変化があっても指紋がつきづらい”ことを取るかという選択と言える。

 光沢タイプは透明度が高くてグレアなパネルをそのままに見せてくれる。有機ELディスプレイの美しさをそのままに楽しみたいなら、こちらのタイプになるが、タッチ操作で指紋が付くのは避けられないので、細かに拭き取ることが必要になる。

 「指紋軽減タイプ(マット含む)」は、製品によって特徴が異なるものがあるが、多いのは“ノングレア”で反射しない表面加工をしたフィルターだ。映り込みが減り、触った感触もツヤツヤとしていたものからサラサラとしたものに変わって、指紋がつきにくくなる。その代わりにグレア特有のツヤのある輝度が抑えられ、画面の印象はだいぶ変わる。

 こうしたところから、自分がどういうところを1番重視するのかを考えて頂いて、そこから製品を絞り、試してみて実際どうだったのかをお読み頂ければ幸いだ。




● SCE純正の保護シートの実力は?

保護フィルム

    メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
    価格:800円
    プレイステーションライセンス商品 スクリーンタイプ


シンプルなパッケージに封入されているフィルター。貼り付け時に固定するガイドがあるのが特徴だ

 ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売された公式周辺機器の保護フィルター。画面だけに貼り付けるスクリーンタイプのフィルター1枚が入ったパッケージになっている。

 フィルターの構造や特徴等についてはあまり記載がなく、傷に強いハードコーティング仕様とのみシルされている。基本的にシンプルな作りをしたクセのないフィルターとなっている。

 ただ、ひとつ大きな特徴があって、剥離フィルムに○/△/□/×ボタンや右アナログスティックにひっかけられる穴がついていて、それで位置を固定しながら貼り付けると位置をピッタリに合わせられるという工夫がされている。

 実際に貼り付けてみると、○/△/□/×ボタンや右アナログスティックにフィルムの穴を引っかけた状態で密着面側のフィルムを剥がすという時に少し苦戦したものの(固定が外れそうになる)、1度フィルムを剥がしながら貼り付けていくところまで進むと、キレイに貼ることができた。あとは、ボタン穴がある表面側のフィルムを剥がせば完成だ。

 貼り終えて外観を見てみると、バランスの良い位置に貼りつけができていた。画面への吸い付きもよく、気泡もあまりできないしすぐに押し出せる。剥離フィルムを剥がしつつ素早く貼り付けていけるので、貼り付け途中にホコリが入ってしまうようなこともない。貼り方を把握するまでに少し戸惑ったものの、かなり貼りやすいフィルターだ。

 画面の印象としては、無難な仕上がりというところで、多少反射を低減してくれるところがあるように見えるが、そちらもそこそこに留めている。逆に、反射色の変化が強かったり、色味が大きく変わったりというところもないので、クセがないという印象だ。フィルター自体は約1.5mm程度画面より大きめになっているのだが、フチの処理もキレイでそんなには目立たない。

 タッチしてみた感触だが、何も貼っていない状態の画面と比べると、少しビニール質の抵抗が強いところがあった。指紋の付きやすさや拭き取りやすさの点も、何も貼っていない状態の画面と大きな差はない。


剥離フィルムについているガイドにボタンとアナログスティックを通して固定し、その状態で密着面のフィルムを剥がして貼り付ける。簡単な方法だが、丁寧に貼ればしっかりとバランスの良い位置に貼れる
左の写真は画面全体に保護フィルターを貼ったところ、右は画面の右半分にだけ保護フィルターを貼っている写真だ




● とにかく画面が綺麗に映る保護フィルターが欲しい!

「スクリーン保護用フィルター“極上”」

    メーカー:HORI
    価格:1,980円
    プレイステーションライセンス商品
    スクリーンタイプ


HORIが放つ最上級モデルの保護フィルター。小さいながらも布製のクリーニングクロスが付属している

 HORIが放つ最上級モデルの保護フィルターがこの「極上」だ。ハイエンドモデルのテレビで使用されているという特殊加工のスパッタリングAR(反射防止)という素材を採用して、極限まで反射を抑えたという製品で、反射防止率99.7%、透過率96.8%、ヘイズ(曇り)0.2%という驚異的な数値がズラッとパッケージに並ぶ。

 パッケージには画面用のフィルターが1枚と、小さいながらも布製のクリーニングクロスが同梱されている。貼り付け方式はスタンダードな剥離フィルムを剥がして貼り付けるというもので、貼り付けを失敗しない「ピタ貼り」シリーズもあるHORIのフィルターと考えると、少し寂しいところ。

 実際に貼り付けていったのだが、このフィルターは有機ELディスプレイの範囲だけに貼り付ける「スクリーンタイプ」。フィルターのサイズはディスプレイよりも縦横ともに約2mmずつほど大きい。そのため不自然に余白が出ないようディスプレイの中央にバランスよく貼るのがポイントになるのだが、PS Vitaはディスプレイ枠がなく継ぎ目もないので、スクリーンタイプのフィルターは画面の中心との位置合わせが少し難しいところがある。

 貼り付ける前にフィルターを画面に載せてバランスを見た方がいい。また、電源オフの状態だと画面の境目がわかりづらくなるので、貼り付け時には電源を入れていたほうがやりやすいだろう。

 貼り付けてみると、吸い付きがよく気泡もできにくい扱いやすいフィルターだ。硬さもほどよくて、ホコリの混入にさえ気をつければキレイに貼れるフィルターだと思える。

圧倒的な反射防止率の高さは、正直戸惑うほど。写真は画面の右半分にだけフィルターを貼っているのだが、ここまで色味が変わる

 貼り付け後の画面の見栄えは、かなり元の画面と変わってくる。反射防止率の高さがすごくて、何も貼っていない画面と比べると色味がはっきりと変わってくるからだ。これが室内光の影響をできる限りカットしたディスプレイの色なのだと思うと、その効果の高さに驚かされる。画面がより精細に見えるようになるところがあり、特に黒色(例えばロック画面など)では、はっきりと色味がストレートに見えるのが感じられる。

 一方で、その変化の大きさには少し戸惑うかもしれない。画面への印象の変化が大きく、光の反射が青く映るところもある。また、画面から少しはみ出した余白の部分は筐体の黒色と明らかに変わった見え方になるのでフチが目立つ。こうしたところは、“自然な色味”という表現はちょっと合わない。フィルターの特徴への理解と慣れが必要かもしれない。なんにせよ、かなり特殊なフィルターだ。

 タッチの感触は何も貼っていない画面に近くて、適度な滑りと抵抗があるバランスのいい感触。指紋は何も貼っていない画面と同程度につきやすい。拭き取りやすさも何も貼っていない画面と同じぐらいの印象だ。


左の写真は画面全体に保護フィルターを貼ったところ、右は画面の右半分にだけ保護フィルターを貼っている写真だ




「プレミアムフィルム 艶」

    メーカー:アイレックス
    価格:924円
    プレイステーションライセンス商品 スクリーンタイプ


パナソニック電工製のフィルター「ファインティアラ」を使用している「艶」。他機種版ではかなりのクオリティを見せてくれた。PS Vitaとの相性も抜群にいい

 パナソニック電工製のフィルター「ファインティアラ」を使用しトップレベルの低反射率、耐摩耗性能を実現した保護フィルター。汚れ防止層があって、指紋汚れなどがつきにくく、拭き取りやすいという特徴もある。

 パッケージには、画面用のフィルターが1枚入っている。貼り付け方式はスタンダードな剥離フィルムを剥がしながら貼り付けていくタイプのものだ。

 実際に貼り付けていくと、やはり位置合わせが非常に難しい。フィルター自体は画面サイズよりも縦横ともに約1.8mmずつほど大きく、密着面の剥離フィルムがフィルターよりも大きいところがあり、一段と位置合わせを難しくしている。1mmちょいほど余白を出すようにして角を貼っていけば、残りも上手く貼れる。

 まるで画面に自分から貼り付いていくようにスーッと密着していく。もちろん気泡もなく、細かいものが端にできてもすぐに押し出せる。位置合わせこそガイド等のないスクリーンタイプなので難しいのだが、それ以外は驚くほど貼りやすいフィルターだ。

 貼り付け後の画面を見ると、やはり驚くほど良い。滑らかなツヤがあり色味もくっきりとする。「画面が美しくなった」と貼り終えてすぐに直感的に思えるという、数少ないフィルターだ。フチもキレイに処理されていて目立たない。ただ、画面外の余白の部分だけは筐体の黒色と少し色が変わるところがあるので、フィルターが貼られている事は見て分かるという具合だ。

 タッチの感触は、何も貼っていない画面とほぼ同じと言っていい。滑り具合、適度な抵抗、質感、どれも非常に近い。指紋の付きやすさは何も貼っていない画面と同程度だが、拭き取りやすくてスッと指紋跡が消えてくれる。ここは嬉しいポイントだ。


左の写真は画面全体に保護フィルターを貼ったところ、右は画面の右半分にだけ保護フィルターを貼っている写真だ




「CYBER・保護フィルム Premium」

    メーカー:サイバーガジェット
    価格:オープンプライス(オンラインストア販売価格:648円)


「CYBER・フルフェイスシート Premium」

    メーカー:サイバーガジェット
    価格:オープンプライス(オンラインストア販売価格:839円)


サイバーガジェットの最上位モデル「Premium」の、こちらはスクリーンタイプ。簡易のクリーニングクロスが付属する

 サイバーガジェットの最上位モデル「Premium」は、画面のみのスクリーンタイプと、前面の全体に貼り付ける全体保護タイプの両方を用意している。2つの製品はどちらも透過率95.7%のプレミアム仕様フィルムと構成する層も同じなので、形状だけが異なっているのだろう。

 まずはスクリーンタイプの方から。パッケージにはフィルターが1枚と簡易のクリーニングクロスが入っていて、貼り付け方式はスタンダードな剥離フィルムを剥がしながらのものだ。

 貼り付けだが、このフィルター最大のポイントは“画面サイズとほぼ同サイズ”というところにある。他のスクリーンタイプのフィルターは多少の余裕を持たせて余白があるわけだが、そのぶん余白部分の見た目が目立つという弱点もある。このフィルターはそれがなく、完全に画面と同じサイズだ。

 そのため、貼り付け時の位置合わせはぴったりと画面の角やラインにフィルターを合わせていけばいい。ただしそれでも角度がずれたりしてしまうと、逆側はズレが大きくなって目立ってしまう。何度か調整をすることにはなるだろう。アバウトさが許されないかわりに、うまく貼れれば完璧な外観に仕上がるというフィルターだ。

 位置合わせ以外の貼り付けの感想では、画面への吸い付きがとてもよくて貼りやすい。剥離フィルムが柔らかくて、剥がしつつ折りつつ貼っていくという方法がしやすいのがポイント。ホコリを吸い寄せるようなところもなく、キレイに貼り付けできるフィルターだ。

 貼り付け後の画面は、ツヤが強い分、透明感を感じさせるところがある。見栄えの良いフィルターだ。ただ、反射防止層によって反射色が少し青紫っぽくなる傾向があるので、気になるかもしれない。

 タッチの感触では、何も貼っていない状態よりも、ほんの少し滑りが良くなったようなイメージ。違和感が出るほどではないし、元の画面は少し抵抗が強いか? という印象もあるので、このフィルターで滑りが少し良くなった方が好みという人も多いのではと思える。

 気になったのは指紋がつきやすいところと落ちにくいところで、ツヤがある分、指紋跡が目立つ傾向があった。また、拭き取っても油脂汚れなどは跡が伸び、うっすらと残ってしまうところがあり、完全に跡が消えるまでには少し手間がかかる。


左の写真は画面全体に保護フィルターを貼ったところ、右は画面の右半分にだけ保護フィルターを貼っている写真だ


こちらは「Premium」の全面タイプ
ボタン周りの隅までフィルターがあり、これを左右の端までピッタリと位置を合わせるのは、正直かなり難しい

 続いては、フルフェイスタイプ。こちらは基本的なところはスクリーンタイプと同じなので、貼り付け模様の違いだけ書いていこう。ちなみにこちらも貼り付け方式は剥離フィルムから剥がしつつ貼っていくスタンダードなもの。スクリーンタイプとは違い、台紙がフィルターよりも大きいものになっている。

 さて貼り付けだが、これは非常に難しい。位置合わせはPS Vitaの横幅の端から端までがピッタリと合わせなければならない。方向キーや○/△/□/×ボタン、デュアルアナログスティック、PSボタンやスタート/セレクトボタン、さらに内側カメラを囲うようにして前面の端までフィルターがあるのだが、それ片方だけでも合わせるのが難しい。

 片方がうまくできたと思って逆側まで貼っていっても、微細な角度のズレが影響して逆側では大きなズレになるということも起きた。その場合、もう1度最初の側から調整するのは大変。

 打開策としては、ひとつは左右のどちらかからではなく、上下のどちらかからラインを合わせて貼っていくという方法。それでもキーのあたりをフィットさせるのはなかなかに難しいが……。最難関となるのは、方向キー、○/△/□/×ボタン、デュアルアナログスティック周辺のフチにある溝と盛り上がり。ここにフィルターが掛かってしまうと、大きな浮きが出て目立ってしまう。

 なんとか貼り付けを終え、手で持ってボタン操作をしてみたのだが、親指がスピーカー穴の開口に引っかかり、かなり気になってしまう。長期間使用しているとこのあたりからめくれてしまうのでは? という予感もする。このあたりは、全面タイプにはどうしてもついてまわる悩みだ。好みが分かれるところでもあると思う。

 また、スクリーンタイプ同様に指紋跡も目立つが、全面タイプではさらに、ボタン周辺のフィルターにも指が触れることも多くなり、両端の指紋跡がかなり目立ってしまった。拭き取りづらいところも共通しており、印象としてはかなり厳しい。


研究所員がかなりがんばって挑んでなんとかこの形になったが、左側には浮いてしまっている。何か貼り付けに対して工夫がないと全面タイプを貼るのは難しい、と感じてしまった




● うまく貼れなきゃ意味がない! 貼りやすい保護フィルター

「ピタ貼り for PlayStation Vita 光沢タイプ」

    メーカー:HORI
    価格:680円
    プレイステーションライセンス商品 全面タイプ


「ピタ貼り for PlayStation Vita マットタイプ」

    メーカー:HORI
    価格:680円
    プレイステーションライセンス商品 全面タイプ


独自手法で誰でも簡単に貼り付けできる「貼りピタ」。フィルターがいかにもゴテゴテしているが、仕組みを理解すれば簡単だ
全面タイプでもこんなに綺麗な位置に貼り付けできた! 貼りピタの威力はかなりのもの

 “貼りやすさ”を最重要に考え、独自の貼り付け方式によって「誰でもキレイに貼れる」を実現した「ピタ貼り」シリーズ。PS Vita用では、全面タイプのフィルターで、光沢タイプとマットタイプの2種類が発売されている。

 まずは光沢タイプから見ていこう。パッケージには貼りピタギミックのために色々とシートが貼られている全面タイプのフィルターが1枚と、簡易のクリーニングクロスが付属している。

 実際に貼ってみた。これまでの貼りピタシリーズでは、ゲーム機本体の左で固定して右に引き抜くというような手法になっていたが、PS Vitaではアナログスティック等があって横には引き抜けないし、左右のボタン周りのフィルターが細かにあるため難しい。

 そこで、今回は「本体の上部にフィルターを固定して剥離フィルムを下に引き抜く」という方式になっている。まずはフィルターをボタン位置の開口に合わせてPS Vita本体の上に乗せる。次に、フィルターの上にあるクリーム色の紙を剥がし、シールをPS Vitaの上面に貼り付けて固定する。

 そこから、フィルター全体の中央を抑えつつ、白いスライドシートを下へと引っ張っていく。すると密着面の剥離フィルムが引っ張られて剥がれるので、フィルターの画面部分あたりが貼り付いていく。残るは左右だが、左右には別の剥離フィルムが貼られていて、こちらも上から軽く抑えつつフィルムを引き抜けばいい。そして最後に表面に貼られている青いフィルムを剥がせば完成だ。


上から順に貼りピタの貼り付け模様。要するに固定して密着面のフィルムを引き抜くだけなのだが、このPS Vita版では左右のフィルムにも工夫がされていてぬかりがない

 こうして貼り付けして外観を見てみると、位置はピッタリと合っていた。方向キー、○/△/□/×ボタン、デュアルアナログスティック周辺も囲うように細いフィルターがあるのだが、ここも均等な余白を残してうまく貼られる。この仕上がりには驚くこと間違いなしだ。取扱説明書にある手順さえきちんと守れば、誰でもほぼ同じ仕上がりになる思え、ある意味手順をよく読むことが1番のポイントとも言える。

 フィルターの見栄えはクセのない無難な印象で、反射防止層がないのか反射色の変化も見られない。特別なポイントこそ見当たらないものの、透明度や色味の変化のなさについても不満はなく、素直なフィルターだ。

 手に持ってボタン操作をしてみたが、こちらもサイバーガジェットの「CYBER・フルフェイスシート Premium」同様に、やはりスピーカー位置のフチが指に当たるところがある。ただ、こちらの方がフチの処理が滑らかで、それほど気にならない。

 タッチしてみた感触は、何も貼っていない状態に近く、こちらもクセのない印象だ。指紋のつきやすさも、この製品には指紋軽減層があり、指紋の付着を軽減してくれる。実際に触ってみると、確かに指紋跡が強く残らず薄め。とは言え全くつかないと事はなく、指紋跡はしっかり残るので、あくまで「軽減」。拭き取りやすさは、何も貼っていない状態の画面と同程度と感じた。


左の写真は画面全体に保護フィルターを貼ったところ、右は画面の右半分にだけ保護フィルターを貼っている写真だ

「貼りピタ」のマットタイプ。基本は光沢タイプと同じだ
マット加工されているので表面はサラサラ。マット加工で外見もだいぶ変わる

 続いては「マットタイプ」。こちらはフィルターの形状やピタ貼りの方法などは全て同じなので、貼り付け後の外観やタッチした時の感触を書いていこう。

 まず貼り付け後の外観は、フィルターを貼ったところは全て半透明のシートを貼った状態になり、当然ながら大きく変わる。ただその分、映り込みが大きく軽減され、画面はかなり見やすくなった。画面からツヤがほぼなくなるが、画面の光も目に優しい。画面の印象はだいぶ変わるが好印象だ。

 手触りはサラサラで、指紋跡がほとんど残らなくなるのも大きな魅力。さすがに指が通った跡のようなものは残るものの、汚さを感じるような残り方ではない。もちろん、タッチは問題なくできた。タッチした感触はツヤツヤ感がサラサラ感に置き換わるものの、滑り具合や抵抗感は何も貼っていない状態の画面に近く、質が変わったという感じになった。

 ボタン操作をする面でも、マットタイプのメリットが活きてくる。全面タイプの保護フィルターではボタン操作付近の指紋跡がどうしても目立ってしまうが、マットタイプなら指紋跡がほとんど残らない。手触りも良い。


左の写真は画面全体に保護フィルターを貼ったところ、右は画面の右半分にだけ保護フィルターを貼っている写真だ




・ 今回試してみた画面保護シートの中でオススメは?

 今回試した中で1番にオススメするならば、アイレックス「プレミアムフィルム 艶」を推したい。透明度の良さと滑らかなツヤが、有機ELディスプレイの映像とよくマッチしていて、より美しさが増しているのでは? とも思える。指紋跡が拭き取りやすいのも嬉しいポイントだ。

 最も個性があったHORI「スクリーン保護用フィルター“極上”」も面白い。色味がガラリと変わるほどに光の反射を防ぎ、本当の色が見えるようになるというのはオンリーワンの特徴だ。

 貼り付けやすさで選ぶなら、ダントツでHORI「ピタ貼り」だろう。全面タイプのフィルターなので光沢タイプを選ぶかマットタイプを選ぶかが悩ましい選択になるが、どちらを選んでも満足度は高いと思える。貼りやすさの次点では、SCE「保護フィルム」も扱いやすくクセがなくていい。

・ 各フィルターのサイズ一覧表

 最後に、スクリーンタイプの画面保護フィルターのサイズを一覧にまとめておこう。全面タイプのフィルターは形状にバラつきがあるため今回は割愛させていただいた。

各フィルターのサイズ一覧(スクリーンタイプ)
製品名サイズ(横×縦)mm
PS Vita本体の画面サイズ(参考)109×62.5
SCE「保護フィルム」112.3×65
HORI「スクリーン保護用フィルター“極上”」112.7×65
アイレックス「プレミアムフィルム 艶」112.2×64.4
サイバーガジェット「CYBER・保護フィルム Premium」109.8×62.5





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(2011年 12月17日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]