【連載第227回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。 |
PS3で地上波デジタルのテレビ放送が視聴できる! 録画できる! ゲームプレイ中でも同時録画できる! PSPに転送して視聴もできる! そんな快適テレビライフを実現してくれるPS3用地上波デジタルレコーダー「torne」がついに発売された。
ゲームグッズ研究所でも周辺機器として「torne」を早速チェック。セッティングから、各種機能を試してみた。導入は簡単か?使用感はどうか?特に、ゲームプレイ中の録画は快適にできるのか?といった点をまとめてみた。
なお、「torne」についてはAV Watchでも詳細なレポートが既に掲載されているので、そちらも合わせてご覧頂きたい。当研究所では、導入からゲームプレイとの併用に重点を置いてみた。
【今週のおしながき】 |
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・PS3 ソニー・コンピュータエンタテインメント 「torne」 |
● PS3で地デジ放送を視る、録る、楽しむ!「torne」で録るね!!
- メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
価格:
「torne (トルネ)」:9,980円
「プレイステーション 3」地デジレコーダーパック:42,800円
同梱物:
PS3専用地上デジタル視聴・録画アプリケーション(BD-ROM)
PS3専用地上デジタルチューナー
アンテナケーブル(1.5m)
USBケーブル(1m)
B-CASカード
パッケージには専用チューナー、アンテナケーブル、USBケーブル、B-CASカードが入っている |
「torne」はPS3で地上波デジタル放送のテレビ番組が、視聴・録画できるようになる周辺機器。放送中の番組の視聴はもちろん、放送中の番組の録画や録画予約してPS3内蔵のHDDや外付けHDDへ保存できる。番組表や番組の検索機能なども充実しており、PSPへ録画した番組を書き出すという連携も可能だ。
まずは、“「torne」でできること”と、“「torne」でできないこと”、あと“導入時の注意点”をまとめておこう。AV機器に詳しい方なら既にご存じのことも多いかと思うが、「torne」は一般的な地デジレコーダー機器とは異なる部分も多い。それらを簡単に把握してもらえればと思う。
「torne」でできること
- ・地上波デジタル放送の視聴・録画が可能
・番組表からの録画予約ができる
・録画の保存先には外付けのHDDも使用できる
・外付けHDDの接続にはUSBハブも利用できる
(ただし「torne」チューナー本体はPS3に繋ぐのが推奨される)
・録画した番組はPSPへ書き出して視聴することもできる
・オンライン機能に対応
(視聴中のWeb検索、「トルミル情報」、オンラインアップデート、トロフィー機能)
・PSPでPS3を遠隔操作するリモートコントロールに対応
(ただし、インターネット経由は不可)
「torne」ではできないこと
- ・地上波デジタル放送のデータ放送は扱えない
・衛星放送、BS/CS放送は視聴できない
・録画した番組を書き込み用ブルーレイディスクへ書き出して保存することはできない
・シングルチューナーなので録画中に他局の番組視聴はできない
・初期型の20GB、60GBモデルにおいて、プレイステーション 2のプレイ中に同時に番組録画を行なうことはできない
・PlayStation HOMEをプレイ中に同時に番組録画はできない
「torne」導入時の注意点
- ・チューナーはPS3本体のUSBポートに接続するため、USBポートの空き数には注意が必要
・外付けHDDを併用する場合、USBポートをチューナーでひとつ、外付けHDDでもうひとつ使用するため、USBポート数が2個のPS3ではUSBハブの併用がほぼ必須と言っていい
・まずはセッティング。アンテナケーブルの分配が不要なスルー機能が嬉しい
動作中のチューナーは写真のようにLEDが緑色に光る |
録画中はこの写真のようにLEDの色が赤に変わる |
まずは導入から。パッケージは比較的小さめな印象で、Blu-rayディスクのパッケージ2個分もない横幅で、厚みはちょうどBlu-rayディスクのパッケージ2個分といったところ。
パッケージ内にはPS3専用地上デジタルチューナー、ソフトウェア「torne」を収録したBlu-rayディスクパッケージ、アンテナケーブル、USBケーブル、B-CASカードと取扱説明書が入っている。アプリケーションソフトのマニュアルは取扱説明書とはまた別にBlu-rayディスクのパッケージ内に入っている。
チューナーはサイズが100×24×112mm(幅×高さ×奥行き)、重量が約130g。薄く平べったい形状で、非常にコンパクトだ。縦横の幅はBlu-rayディスクよりも小さい程度。天面と底面にはザラつきがついているが、側面はツルツルとしていてPS3本体に近い外観にされている。
チューナーには前面にPS3本体と接続するためのUSB端子、背面にはアンテナケーブルの入力と出力の端子が1個ずつある。底面にはB-CASカードを挿入するためのスロットがあって、ここに付属のB-CASカードを入れる。
また前面には動作状態を示すLEDが搭載されている。動作中は緑、録画中は赤に光るLEDで、側面に横ライン状に光が漏れるようになっている。
セッティングは非常に簡単だ。まず部屋の壁にあるアンテナ端子からアンテナケーブルを伸ばし(このアンテナケーブルは「torne」には含まれない)、それを「torne」チューナーの入力に繋ぐ。次に、お使いのテレビがある場合は「torne」チューナーの出力に付属のアンテナケーブルを繋いで、それをテレビのアンテナ入力端子に繋ぐ。
チューナーはアンテナ入力のスルー出力機能をもっているので、アンテナケーブルを分配したりする必要がない。つまり、「壁のアンテナ端子」>「torneのチューナー」>「テレビ」といった順にアンテナケーブルで繋いでいけば、「torne」とテレビの両方で放送が視られるようになる。「torne」チューナーやPS3の電源は入っていなくても、テレビ側で放送を受信できるようになっているので、何も制限されない。
アンテナケーブルを繋いだら、次にチューナーとPS3をUSBケーブルで接続する。最後は、B-CASカードをチューナーの底面にあるスロットに挿入する。B-CASカードはカードの表面(青い方)が下向きになる。このスロットは見た目よりも奥行きがあるので、奥までしっかりと押し込もう。かまぼこ型になっているラインまで押し込める。
写真左ではPSPgoやコントローラを並べてみた。チューナーは非常にコンパクト。底面にB-CASカードのスロットがあり、背面にはアンテナケーブルの入力、出力がある |
「torne」自体のファイルサイズは114MBだが、録画したファイル等が「torne」のゲームデータとして収録されるので、ファイルサイズは大きくなっていく |
東京地区のチャンネルスキャンで検出されたチャンネル。代表チャンネル以外に予備のチャンネルも割り当てられるので、不要なら無効に設定してもいい |
これで接続のセッティングは完了だ。続いてはPS3側の準備になる。ソフトウェア「torne」を収録したBlu-rayディスクをPS3に入れて、ソフトのインストールを行なう。インストール後はBlu-rayディスクは使用しない。ソフトのインストールを開始しようとすると先にPS3のシステムソフトウェアのアップデートを促される。バージョンは3.16で、従来のアップデート同様の手順で完了する。
アップデート後に「torne」のインストールを行なう。「torne」のファイルサイズは114MB。これが完了すると、XMBのゲームの左に「テレビ」という枠が追加され、そこに「torne」のアイコンが出現する。今後はテレビ視聴や録画に関して、ここの「torne」アイコンから起動して行なっていく。
なお、「torne」に関連するデータ(録画した番組等)は全て「torne」のゲームデータとしてひとまとめになる。番組のデータを削除するなど個別に行なうには、「torne」内で行なうことになる。
いよいよ「torne」のセッティング。初回起動時には自動的にセッティングのガイドが始まる。最初は「セーフエリア設定」という、画面の表示サイズの設定を行なう。青い表示枠が画面にフィットするように調節しよう。
次にチャンネル設定。地域設定から自動的にチャンネルが割り当てられる方式だ。住んでいる地域の設定後に、チャンネルスキャンが行なわれる(この時にB-CASカードがしっかり刺さっていないとガイドが表示される)。チャンネルスキャンが完了すると、認識されたチャンネルの一覧が表示される。
このときに同じ放送局のチャンネルが複数でてくる地域があると思うが、これは簡単に言うとメインのチャンネルと予備のチャンネルが割り当てられている状態だ。全部が有効になっていると、その数の分だけ番組表等にも重複した内容が表示される。代表チャンネルだけで特に問題なければ、サブの割り当てを無効に設定しよう(「torne」の番組表には代表チャンネルだけに表示を絞る機能もある)。
チャンネル設定の後は、「ゲーム中の同時録画機能」の有効/無効、「トルミル情報の表示機能」の有効/無効を設定すればセッティングは全て完了だ。初期設定では、ゲームプレイ中の録画(同時録画機能)はできない設定になっているので、ゲームプレイ中に録画時間が入る場合は変更しておこう。なお、PS2互換機能のあるPS3(60GBモデルおよび20GBモデル)でのPS2ソフトプレイ中と、全PS3でPlayStation Homeをプレイする場合は同時録画ができないので注意。
外付けHDDを録画の領域として使う場合は、セッティングの録画設定から、ハードディスク情報を開き、ハードディスク登録を行なう。なお、HDDはFAT/FAT32でフォーマットしたもので、先頭パーティションが使用可能となっている。
また、外付けHDDの接続にはUSBハブも利用できるが、「torne」チューナーの接続はUSBハブを介さずにPS3本体へ直接行なうようにと記載されている。旧型を除けばPS3のUSBポートは2個なので、「torne」チューナーでひとつ、外付けHDDでひとつ使えば埋まってしまう。その構成でPSPを繋いで書き出すにはもうポートが不足している。USBハブの併用は必須と言ってもいいかもしれないが、USBハブを使うと電力が不足する場合もあるので、できれば外付けHDD用に電源供給が可能なUSBハブを使うか、本体のUSBボートにつなげるようにしたい。
チャンネル設定は一般的なレコーダー機器等と比べるとシンプルで、ケーブルテレビ等の受信方法を指定する設定がない。また、冒頭の設定では、チャンネル検出の設定が終わらない限り、次へと進むことができないような作りになっている。一部のケーブルテレビの環境ではオートスキャンでチャンネルが検出できない問題が指摘されており、アップデートで対応された。ネットワークに接続した状態でtorneを起動するとバージョンアップが行なわれ、Ver.1.1となる。 |
・地デジ放送を視る!録る!「torne」利用者の視聴、録画傾向がわかる「トルミル情報」がユニーク
ここからは実際の利用についてまとめていこう。まずXMBから「torne」を起動すると、起動からロゴが出て操作が可能になるまでで約20秒程度かかる。だいたい従来のPS3用ゲーム等の起動と大差のない印象だ。
メインメニューではリング型にメニューアイコンが並ぶ。メニューの一覧や主な機能は以下のようになっている。
メインメニューの画面。リング状に配置されたアイコンから各種機能にアクセスできる。画面デザインは全体的に清涼感のあるイメージだ |
「torne」メニューの一覧
- ・TV(テレビ)
放送中の番組視聴、録画を行なう
・GUIDE(バングミヒョウ)
番組表の確認、録画予約を行なう
・VIDEO(ビデオ)
録画したビデオの確認、再生、別HDDへの移動やPSPへの書き出しを行なう
・SEARCH(バングミケンサク)
ジャンルやキーワードの条件で番組を探し、番組の選択、録画予約を行なう
・CHART(チャート)
「torne」での視聴傾向を確認できる
・SCHEDULE(ヨヤクカクニン)
録画予約している番組の一覧を確認や予約内容の変更ができる
・SETTINGS(セッテイ)
録画やテレビ設定の確認や変更を行なう
・CONTROLS(ソウサホウホウ)
PS3用コントローラ、BDリモコン、PSP(リモートプレイ時)の操作方法を表示
これらのメニューは独立したものではなく、ちゃんと連携している。例えば放送視聴中に番組表を呼び出してそのまま録画予約に入ったり、逆に番組表から放送中の番組視聴を開始したり、といったことはできる。必要な機能同士はちゃんと繋がっていて、メニューに毎回戻らずともいい配慮がされている。ただし全部が繋がっているということではなく、例えば録画したビデオなどメニューからでないと呼び出せないものもある。
特筆すべきはその動作の軽快さ。どの操作を行なっても非常にサクサクとスピーディーに表示してくれる。
番組視聴に便利な機能がしっかりと抑えられていて、サクサクと呼び出せるのが嬉しい。番組放送時間の横にある人型のアイコンが、視聴数を表している |
テレビの視聴では、最初に放送中の番組名と放送時間が1秒弱表示される。チャンネル切替は2秒弱かかるが、その切替中には次のチャンネルの番組情報が表示されているので、待たされているという感覚はしない。実際に切替の動作もスピーディーな部類だ。
視聴時には、番組情報の表示、音声切替、字幕切替、視聴中の番組の録画といった基本的な機能が使える。だが、データ放送には対応していないのがちょっと残念に感じたところだ。
それをカバーするのに十分な独自の機能もある。現在放送中の番組表だけを下部に横並びで表示すると、ここには「トルミル情報」のひとつ「ミル情報」が表示される。「トルミル情報」はオンライン経由で視聴数や録画予約数を集計する機能で、ミル情報は現在放送されている番組を視ている人の量をアイコンで表示してくれる。「torne」利用者によるオンタイムの人気番組がひと目でわかるわけだ。
放送を視聴しながらWebブラウザを右に呼び出して検索がすぐ行なえるのも嬉しい機能のひとつ。気になった語句や話題、紹介されていたショップの検索などをその場ですぐにできる。
番組表との連携もうまくできていて、非常に視聴しやすいという印象を受けた。番組を視聴していると、これがPS3だということを忘れる瞬間が多々あって、それだけ自然に地上波デジタル放送を楽しめていたということになる。前述のように動作も軽快で、画質、音質についても不足はない。今回は詳しくは確認していないが、こちらの記事によれば映像にはノイズリダクションやアップスケーリング表示する処理が、音声についてもリニアPCMのステレオ/5.1chへの変換が行なわれているとのこと。普通のテレビ機器以上のリッチな環境で楽しめる。
実際に視聴した印象としては、それらは環境によって左右されるところもあるので研究所員宅の環境だと劇的にクオリティが高まったという印象には至らなかった。ただ、テレビでの視聴時よりも滑らかに表示されているという印象があって、発色に関しても各種補正効果が搭載されているテレビ機器とはちょっと異なってくる。
こちらは番組検索の画面。番組名の横にある「トル」という単位の数字が「トルミル情報」の録画予約数だ |
番組表には約7日分の番組情報が表示される。拡大・縮小が4段階に可能で、スクロールも非常にスムーズで、細かな字も解像度の高さから視認性が良い。拡大縮小をL/Rボタンで簡単にコントロールできるのもPS3ならではの使い勝手だ。番組表からは番組検索にも移動できる。
番組検索ではジャンル別チャンネル別、キーワードによる番組検索が行なえるが、なんと言っても面白いのは「トルミル情報」のトルでのソート機能だ。トルというのは録画しているユーザーの数を表す単位で、トルで番組検索をソートすれば録画予約数の多い番組がランキングのようにずらっと並ぶ。どんな番組が人気なのかを眺めているだけでも従来のテレビに無かった面白さがある。もちろん、ジャンル別等のフィルターもかけられる。
録画した番組の再生では、シーンサーチ機能(15秒、30秒、1分、2分、5分)や、1.5倍速の音声付き再生、さらに10倍速、30倍速、120倍速の早送りといった再生機能がある。特にシーンサーチはサムネイルの表示、場面の切替が非常にスムーズで速い。このスピーディーさには驚かされる。
番組表やシーンサーチ機能など、いずれの機能もサクサクと快適に動作する。シーンサーチのサムネイル作成もスピーディーで目当てのシーンへの切替えも非常に速い |
・ゲームをプレイしながら同時に番組録画も可能。予想外に影響の少ないプレイができる
フレンドやダウンロードの通知のように、右上に録画の通知が表示される。ゲームプレイ中も同様だ |
「torne」が動作している間は、ダウンロードが待機状態になる |
実際に番組の録画も試してみた。番組予約の時間になると、右上に録画を開始したという通知が表示される。録画中はHDDアクセスが絶えず行なわれるが、「torne」を起動しているかどうかは関係がなく、バックグラウンドで処理される。XMBからゲームを起動することも可能だ。実際にそこからゲームプレイを開始してみた。
試してみたのはSCEの「MAG」や「アンチャーテッド2」、「ヘビーレイン」などで、いずれもなかなかに本体への負荷が高く、HDDアクセス、ディスクアクセスも頻繁なタイトルだ。
実際の同時録画中にゲームをプレイしてみたところ、裏で録画処理がされているということを強く意識させられる場面は少なかった。想像していたよりもいつも通りのゲームプレイができていて、録画の影響を感じさせないという印象だ。
はっきりと影響を感じたのは、ゲーム側からのディスクアクセス、HDDアクセスがあった時で、通常時よりも長めにカクツキを感じる瞬間があった。通常のゲームプレイでもロードのタイミングに「ピタッ」と一瞬だけ画面の動きが止まってすぐに動きはじめる瞬間というのがあって、「あ、今ロードしたんだな」とわかる時があるのだが、トルネで同時録画をしているとその「ピタッ」という時間が少し(1、2秒程度)長くなる感じだった。単純にHDDアクセスへの量が増えているのだから、当然と言えば当然だが、アクセス時以外にはあまり違いを感じさせなかったところに驚かされた。
逆に、ゲームをプレイしながら録画された番組を視聴してみたが、こちらも特にコマ落ちなどはしておらず、問題や特別な違いはみられなかった。ただし、これらは遊ぶソフトによっても変わってくるだろうし、録画する番組やHDDの状態など、関連するあらゆる要素によって変わってくることは間違いない。ゲームプレイと録画の双方でより安定した結果を求めるなら、同時録画は避けるのが無難と言えば無難になる。
そうした可能性はあるけれども、手軽にゲームも録画も両方同時にできるという点では、同時録画機能は嬉しいし、十分に実用できるという印象を受けた結果になった。
録画中というか「torne」起動中には別の注意点がある。それはPlayStationStoreからデータをバックグラウンドダウンロードしている時だ。「torne」起動中はダウンロード処理が自動的に待機中になるようで、「torne」を終了すれば自動で再開されるという仕組みになっている。録画中も同様だ。
そのためバックグラウンドダウンロードしつつ、それが終わるのを「torne」で放送や録画したファイルを見ながら待つ、というスタイルはできない。いくら待っていてもダウンロードが終わらないという状態になってしまう。このあたりはHDDアクセスを考慮してのことだろう。
・録画番組をPSPに書き出して持ち運ぶ!書き出しは相応の時間がかかり、全て手動なのがネック
PSPへ録画番組を書き出して、PSPで視るということもできる。ただし、書き出しには再生時間の半分程度の時間がかかり、それを手動で行なわなければいけないのがネックと感じた |
録画した番組をPSPに書き出せるのも「torne」の魅力のひとつということで、実際に試してみた。手順としてはまずPSPをUSBケーブルでPS3に接続する。次にビデオのメニューから録画した番組を選び、△ボタンのメニューから「PSPへ書き出す」を選ぶ。最後に、書き出し先、画質(高画質1Mと標準画質512Mから選択)、音声と字幕を選択し、書き出しを開始する。
PSPへの書き出し完了までには、録画した番組の再生時間の1/2~1/3ほどの時間がかかる。また、書き出し中はPS3、PSPともに書き出し中の画面から動かせない。実際に30分の番組を高画質設定で書き出してみたところ、書き出しには約14分かかり、書き出したファイルのサイズは252MBとなった。PSPで書き出されたビデオを再生してみたところ、こちらも高画質でさすがに画面サイズゆえに文字のテロップ等は少し厳しくはなるものの、しっかりと楽しめる。PS3で録画しPSPで持ち歩くというスタイルの完成だ。
難点としては、書き出しは全て手動で行なわなければならないということで、書き出しには相応の時間がかかるし、その間はPS3とPSPが使えなくなる。動画のエンコード等に慣れている人ならまぁ普通のこととしてその所用時間をうまく使えると思うものの、そうでない人がこれを小まめに日々行なうというのはなかなかに厳しいかもしれない。事前に設定しておけば自動的に書き出ししてくれる設定等、なんらかの自動書き出し機能が欲しくなるところだ。
PSPのリモートプレイで「torne」を操作することもできる。リモートプレイとは無線LANでPS3に接続し、PSP側で操作する機能のことで、リモートプレイで扱えるゲームやソフトウェアは対応している物に限られる。「torne」は対応していて、操作全般や番組の視聴、録画した番組の視聴もできる。ただし、インターネット経由でのリモートプレイ接続には対応していない。
実際にリモートプレイで「torne」を見てみたが、これはもうそのままPSPで楽しめると言っていい。特に機能が制限されることもなく、画質もリモートプレイの設定を高めれば十分なものになる。放送中の番組を家庭内の離れたところで楽しんだり、録画した番組を視たりと、「torne」を活用する幅がより広がるという印象だ。PS3とPSPをお持ちで、「torne」を使う方はぜひ試してみてもらいたい。
「torne」はトロフィーも用意されている。PS3の周辺機器ならではなユニークな要素だ |
想像以上に動作が軽快で、地上波デジタル放送をしっかりと楽しめる。なかでも「トルミル情報」の面白さは独特で、新しいテレビ番組をチェックするいい入り口にもなっている。インターフェースも洗練されていて、番組表や検索など使いたい機能にサクサクとアクセスできる。そしていざ番組を視れば、PS3だということを忘れてしまうクオリティに達している。
ひととおり触ってみて感じたのは、やはり本格的に録画を楽しむならPS3に内蔵されているよりも大容量なHDDが欲しいということ。簡単な選択肢としては外付けHDDが無難だが、そうすると、USBポートの数の関係上、USBハブも必須になってくる。本格的に楽しむならこのあたりを最初に把握しておくと楽かもしれない。
PSPに書き出すことについてはやはり相応の時間がかかり、それをその都度手動で行なわなければならないのは手間に感じてしまうところ。だが、PS3で録画して、通勤・通学途中に視聴するというスタイルにはかなりの魅力がある。オンラインアップデート等で手間を軽減するようななんらかの機能追加を期待したいところだ。
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http://www.scei.co.jp/
http://torne.jp/
[Reported by ゲーム環境向上委員会]