使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第380回
マウス操作でPS4/PS3のFPSタイトルをプレイ! ホリ「タクティカルアサルトコマンダー」G1、K1、M1の3製品を試してみた
2017年1月12日 14:13
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
新年明けましておめでとうございます。お久しぶりですゲームグッズ研究所です! 今年もポツポツとですが、“これはっ!”と思う周辺機器などを使って試してお伝えしていきますので、本年もよろしくお願い致します。
今回は、プレイステーション 4/3用のFPS・TPSジャンルのゲームで、PCのようにマウスやキーボードでの操作を可能にする、ホリの「タクティカルアサルトコマンダー」3製品を試してみた。
【今週のおしながき】
グリップタイプ、キーボード、メカニカルキーボードタイプの3タイプ、マウスは交換可能
FPS/TPSジャンルのPS4/PS3用ゲームをマウス&キーボード操作でプレイ可能にする特殊コントローラー「タクティカルアサルトコマンダー」シリーズ。最新版では、アナログスティック移動操作&マウス操作の「G1」、キーボードのWASD操作&マウス操作の「K1」、メカニカルキー搭載のキーボード&マウス操作の「M1」と、3種類の製品が販売されている。いずれも、PS4、PS3、PCで利用可能だ。
3製品ともに400dpi~3,200dpiに8段階の調節ができるUSB接続の光学式ゲーミングマウスがセットになっており、このマウスは3製品のどれも共通のものが付属している。また、3製品ともにこの付属マウスではなくUSB接続のPC用マウス(HID準拠)が使用可能で、PC用のゲーミングマウスを使えば、より精度の高い操作でも楽しめるという作りになっている。
各種の便利な機能やカスタマイズ機能もいずれの製品でも充実しており、「マウス感度調整機能」や「マウス加速度調整機能」、マウス感度を一時的に緩やかにする「スナイプボタン」、マウス感度を一時的に最大にする「クイックボタン」、移動速度を一時的に遅くする「ウォークボタン」を搭載。
さらに、ボタンレイアウトを入れ替える「キーアサイン」や、マウス入力の最小有効範囲を調整する「デッドゾーン」の調整等も可能で、自分の感覚に合わせて細部まで調整できるようになっている。タッチパッドをはじめ、PS4/PS3の操作を行なう基本的なボタン類や、ヘッドセット用の端子なども、もちろん備えている。
今回試している3製品ともに、自分好みの感覚になるように調整を詰めていくことが快適にプレイするうえで重要になってくるのだが、PC上で各種の調整が可能な「TACゲーミングソフトウェア」が用意されているほか、ゲームタイトル別に調整したプロファイルも公開されている。
このプロファイルがかなりうまい具合に調整されているし、導入することでカスタマイズ次第でどれぐらい操作感が変わるかといったことも理解しやすい。本製品を購入したら、まずは「TACゲーミングソフトウェア」と、このプロファイルを使ってみるのをオススメしたいところだ。
なお、プロファイルは「バトルフィールド1」、「レインボーシックス シージ」、「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」、「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」、「オーバーウォッチ」と、タイトル別のプロファイルが公開されている。
・「TACゲーミングソフトウェア」ダウンロードページ
・「グリップコントローラータイプ G1」用プロファイル ダウンロードページ
・「キーパッドタイプ K1」用プロファイル ダウンロードページ
・「メカニカルキーパッドタイプ M1」用プロファイル ダウンロードページ
「G1」、「K1」、「M1」3つの製品をそれぞれ使って試してみた
グリップコントローラータイプの「G1」は、従来のDUALSHOCKでのアナログスティック移動の感覚はそのままに、エイムだけをマウスで行ないたいという人向けのデバイスだ。左手は、左半分だけになったようなゲームパッドを持ち、右手はマウスというスタイルになる。
コントローラーには左アナログスティックと方向キー、シェアボタンやオプションボタン、キーアサイン入れ替え用のボタンなどがあり、タッチパッドも搭載している。
大きな特徴として、左上のLボタン付近に5個のボタンを搭載。親指でアナログスティック操作をしつつ、残りの指で5個のボタンを同時に扱えるようにしている。
そうした作りなだけに左手のみでホールドしつつ操作するというのがちょっと大変なのだが、そこは“付属のハンドストラップで左手をコントローラーに固定する”という工夫でカバーしている。
付属の光学式マウスを使って「バトルフィールド1」や「オーバーウォッチ」をプレイしてみた。こうした家庭用ゲーム機向けのキーボード&マウス接続機器をこれまでもいくつか試してみた当研究所だが、このジャンルの製品もだいぶ進化して扱いやすくなっている。
さすがに右アナログスティックの操作をマウスに置き換えているという入力方式の違いからも、PCでのマウス操作そのものとはどうしても言えないのだが、それでも、かなり自然に操作できるものになっている。
ただし、ゲームごとに照準操作の振り幅や加速度が異なっているところもあって、それぞれのゲームに合わせた調整は必要になる。特に入力検知の最小範囲を調整するデッドゾーンの調整次第で、マウス操作の感触が大きく変わってくる。初期状態でそのまま使うのはちょっと厳しい印象があり、自分で設定を追い込める人向けというところがあった。そうしたところからも、前述のプロファイル設定をぜひ試してみてもらいたいところだ。
プロファイルを導入し、さらに自分好みの微調整もしていくと、だいぶ手に馴染むデバイスになってくれる。使い始めは左手でホールドし続けるのがちょっと大変で、左上5ボタンのうち、指の内側になる1ボタンと3ボタンが押しづらく感じたりもするのだが、そのあたりも持ち方を微調整したり、左手ごと膝の上に置いてプレイするようにしたりと、いろいろと試行錯誤すると収まりが良くなっていった。
グリップコントローラータイプ「G1」の良さはなんと言っても、DUALSHOCKとほぼ同じアナログスティック操作とマウス操作を両立できるところにあり、アナログスティック操作の方が慣れているという人にとっては良いところ取りな良さ。設定を詰めていく点も含めて、少々の慣れと使い込みが必要になるが、馴染んでからはプレイに欠かせないデバイスになってくれる。
キーパッドタイプ「K1」は、キー入力でのWASD操作とマウス操作を可能にする、よりPCでのプレイに近いスタイルを実現するコントローラーだ。キーパッドには4列に18個のキーが配置されており、右下には方向キー、左上の奥側にはタッチパッドも備えている。
PCで言うところのWASDキーを中心に、各種のキーがレイアウトされており、左シフトキーの位置にはデフォルトだとL3ボタンが、スペースキーの位置には×ボタンが割り当てられていて、WASD移動からのダッシュやジャンプといった操作をPCライクにやっていける。左下のCTRLキー部分にも○ボタンのキーもある。
キー押下の感触はというとキートップこそしっかりとした高さがあるが、ストロークは浅めでパコパコ、カタカタとした押下感。キーのガタつき感もあって、ちょっと軽めの感触だ。この感触をより良いものにするには、上位機種とも言える「メカニカルキーパッドタイプ M1」を選択することになる。
とはいえ、WASD操作をはじめとした複数の指を同時に使っての細かな入力操作は問題なくでき、アナログスティックでの移動よりも精度の高い操作が可にとなるのは大きな魅力だ。
ただし、今回3製品のどれにも共通することだが、キーアサインの変更やプロファイルの導入などによる設定の追い込みは、やはり必須。特にこの「K1」はプレイに使うキーと同じ並びでオプションボタンやシェアボタンのキーがあって誤操作してしまうかもしれないので、端のキーへとアサインし直す方がよさそうだ。こうしたキーはタッチパッドのように奥側に配置してくれていたら、より良かったように思える。
そうした設定の追い込みも済むと、WASDキーでの移動、マウスによるエイムを手軽にPS4やPS3で実現してくれるデバイスとして、使い勝手の良さを感じるようになった。
なお、付属のマウスについては今回の3製品はどれも共通のもので、基本的な挙動や、それが設定の追い込み次第でだいぶ変わる点も同じ。詳しくは前述の「G1」の記述を参考頂きたい。本製品をより活かすなら、PC用のゲーミングマウスと組み合わせたいところだ。
メカニカルキーパッドタイプ「M1」は、今回の3製品のなかの最上位機種と言っていいコントローラーだ。WASDキー操作を実現するキーパッドにはパームレストがついていて、キーにも押下感の良いメカニカルキースイッチを採用されている。キートップにも、左手を自然におけるエルゴノミクスデザインな傾斜がつけられている。
メカニカルスイッチなキーの押下感は、カシカシ、カシャカシャとした軽さのある小気味良い感触。押下ストロークは深めだが、入力検知は浅めなようで反応が速い。
方向キーが側面につけられたアナログスティックになっているのが特徴で、WASD操作をしたままに左手親指でスティック操作も行なえる。「K1」よりもさらに設定を追い込める作りになっている。
そのアナログスティックの上には×ボタンを搭載。少々×ボタンが小さめなのは気になるところではあるのだが、親指で押しやすいレイアウトになっている。
パームレストが2段階に引き出せるようにもなっていて、手に合わせての調整も可能。左手の手の平をパームレストの盛り上がっているところにくっつけつつ、各種のキーに自然と指先におけるうまい作りになっている。
キーパッドタイプ「K1」と同様にオプションボタンやシェアボタンが、プレイ中に頻繁に使うキーと同じように並んでいるところはあるのだが、こちらの「M1」だと手の置き場所がしっかりと決まってくるので、それら2つのキーを誤操作する可能性は若干下がっている。ただ、こちらも念のため、この2つのボタンは側面や奥などにレイアウトされていた方がより良かったかもしれない。
スタンダードなキーボード形状を切り出したような「K1」と比べると、若干こちらの「M1」はエルゴノミクスなデザインなこともあって、よりもう少しの慣れが必要だ。ただ、慣れた先では、より高機能かつキーの感触もいい「M1」の使用感が上回る。価格差も考えると難しいところではあるが、徹底して設定をして使い込むつもりなら、「M1」をオススメしたい。
なお、付属のマウスについては今回の3製品はどれも共通のもので、基本的な挙動や、それが設定の追い込み次第でだいぶ変わる点も同じ。詳しくは前述の「G1」の記述を参考頂きたい。