使って試してみました! ゲームグッズ研究所

ついに登場、PS4用の「マルチリモコン」!!

PS4のtorneや動画配信アプリなど、映像視聴をより快適する待望のアイテム

 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。

 プレイステーション 4でTVアプリケーション「torne」や、ブルーレイ/DVD、さらには各種の動画サービスなど映像コンテンツを楽しんでいると、「片手で楽に操作できる“リモコン”が欲しい!!」と1度は思ったことがあるのではないだろうか? 特に、PS3でリモコンを使っていた人だと尚更だ。

 そんな気持ちとは裏腹になかなかPS4用リモコンは発売されず……。だがついに、オフィシャルライセンス取得の「BD/TV マルチリモコン for PlayStation4」が、ゲーム周辺機器メーカーの老舗ホリより発売された。待望のPS4で使えるリモコンをチェックしてみた。


ホリから待望のPS4用リモコン発売! PS3用リモコンを踏襲し、純正品レベルの機能と使い勝手を実現

メーカー:HORI
価格:4,298円(税込)

 「BD/TV マルチリモコン for PlayStation4」は、PS4、テレビ、AVアンプの操作をこれひとつで行なえるマルチリモコンだ。動作には単4形乾電池を2本使用する。

 デザインはストレートバータイプのデザインとなっており、表面にはザラつきをつける梨地加工が施されている。ボタンは全てラバー素材。操作機器を切り替えるボタン(PS4、AMP、TV)のみ半透明になっていて、押下時に赤く点滅する。

 そうした全体的なデザインやボタンのレイアウトなど基本的な作りは、プレイステーション 3用として発売されていた「BDリモートコントローラ」を踏襲しているところがポイント。ボタンの並びは、上部にテレビチャンネル切り替え用のボタン、中央付近に方向キー的な操作のできる上下左右キーやPSボタン、下部には動画視聴時の再生/早送り/巻き戻しなどのボタンが並んでいる。

ストレートなバータイプのリモコン。ボタンはPS3用リモコンだと一部にクリアパーツが使われていたのだが、このPS4用では全てラバー素材となったのが、少々寂しいところ。基本的なデザインやボタンレイアウトはPS3用を踏襲している

 PS4では、TVアプリケーション「torne」をはじめ、ブルーレイ/DVDの映像ディスク視聴時の操作、そしてYouTubeやAmazoonビデオなどの動画配信サービスのPS4用アプリに対応。現状だと動画アプリの中では「Hulu」が非対応となっているのが目立ってしまっているのだが、PS4のシステムソフトウェアやアプリ側の対応によって変わってくるかもしれない。

 対応しているアプリや、リモコン操作できるテレビ/AVアンプのメーカーは以下の画像のようになっている。

公式サイトより。PS4用動画視聴アプリ等の対応や、対応するテレビのメーカーやAVアンプのメーカー

 実際にPS4で使用してみた。初期セットアップとして、PS4本体には「設定>周辺機器>Bluetooth機器」で登録を行なう。PS4とリモコン間の通信はBluetoothで行なわれる。テレビやAVアンプとは、メーカーごとに指定されている番号を入力してペアリングを行なう方式だ。

 PS4へのBluetoothペアリングが済むと「BD Remote Controller」という名称で登録される。PS4側にもリモコン用のプロファイルが用意されているようで、PSボタンを押したときなど画面左上の通知領域にリモコンのアイコンとバッテリー残量も表示される。

 リモコン単体で操作を完結できるようになっていて、スタンバイ状態からの起動はもちろん、電源オフ状態からの起動も可能。リモコンの上下左右キーがDUALSHOCK4で言うところの方向キーの割り当てになっており、各種ボタンも揃っている。PS4のホームメニューの操作などメニュー操作レベルのことなら一通りこなせるところがポイントだ。

 torneやAmazonビデオなど、このリモコンにフル対応しているアプリのコントロールは、早送り/巻き戻し系のスキップをはじめ、欲しい機能が一通り揃っている。機能面での使い勝手は、PS3用「BDリモートコントローラ」に近く、馴染みやすく、不満も少ない。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントではなくホリ製の製品ではあるが、擬似的にリモコン操作を実現しているようなものではなく、純正の周辺機器レベルにしっかりと対応されているのが好印象だ。

PS4側には「BD Remote Controller」という名称で登録される
画像の左上に通知が出ているが、そこにもDUALSHOCK4やヘッドセットのようにリモコン使用中マークやバッテリー残量が表示される。純正周辺機器レベルに対応されている

 ただ、気になる点が2つあった。ひとつは、操作のレスポンスにわずかにラグを感じるところ。それほど大きなものではないものの、微妙に気になるぐらいの“もっさり感”がある。これは処理的な問題もあるのかもしれないが、触った限りで感じるのは“ボタンの押下ストロークの深さ”も理由と思えた。

 ボタンに高さがあり、押し込んだときの深さもある。ボタンの押下を検知する範囲もかなり底の方に感じられるものがあり、要するにボタンを“ぐにっ”と押し込むような感触になってくる。ストロークそのものが深いので、キビキビと操作できているという感覚を得づらいのかもしれない。もう少し押下ストロークも検知幅も浅かったら、スイスイと動いてくれるという印象になっていたように思えた。

 もうひとつの気になった点は、リモコンのボタンレイアウトだ。PS3用「BDリモートコントローラ」に、機能面、デザイン面ともに近い(というより機能面ではほぼ同等)な本製品なのだが、比較すると、音量とチャンネルとミュートボタンのレイアウトが変わっている。PS4用では映像コントロール周りのボタンの上に、PS3用では全てのボタンの下だった。

 実はこの違いが結構、実際の使い勝手のシーンでは大きい。このリモコンは基本的に中央の上下左右キーあたりを持って操作する。最も頻繁に使うのがその上下左右ボタンとENTERボタン(決定ボタン)だからだ。そして映像視聴時に次に使うのは、“早送り/巻き戻し系のスキップボタン”となる。だが、本製品ではその間にボリュームやチャンネルの縦長キーが置かれていて、ホームポジション的なENTERボタン周りと映像コントロール周りが遠くなってしまっている。

 このリモコンを自然に手で持つと、ENTERボタンに親指がくるような持ち方になるが、その状態から、1番下の映像コントロール周りを触るのには指が遠すぎる。わずかながら持ち替えをしないといけない。これがおっくうになってしまう。

 ボリュームは定期的に触るボタンではあるが、基本的には視聴時間の最初に調整的に触るものだと思うし、チャンネルボタンあたりはほとんど使わない人もいるのではと思える。そういうところからも、PS3用のように1番下で良かったのではと感じた。(不意の大音量にすぐ手を伸ばす的な意味でも、ボリュームをリモコンの1番手前にレイアウトするのは理に適っていたように思う)

左は今回試している「BD/TV マルチリモコン for PlayStation4」、右はPS3用の「BDリモートコントローラ」。ほとんどのボタンレイアウトは同じなのだが、ボリューム/チャンネル/ミュートの位置が上がっている。ちょっとクセのあるレイアウトと感じてしまった

 待望のPS4用リモコンの登場であり、機能面の充実や対応はほぼ満点の出来。PS3用のリモコンを愛用していた人なら、その機能や使い勝手をそのまま想像してもらっていいものになっている。

 だが、それだけに操作レスポンスに若干の鈍さを感じる点と、ボタンレイアウトの一部変更による違和感は目立ってしまった。どちらもそれほど大きな問題ではないと思いつつも、本製品の“クセのある部分”と表現する程度のものではある。

 ただ、そうしたクセを踏まえつつも、PS4でtorneをはじめとした動画視聴アプリを楽しんでいる人にとって、片手操作ができる快適さはとても大きい。PS4で各種の映像コンテンツを頻繁に楽しむのなら、ぜひ持っておきたいマストアイテムだ。