「チョロQハイブリッド」

  • 商品名:チョロQハイブリッド リモコンタイプ
  • 発売元:株式会社タカラトミー
  • 価格:2,100円
  • 対象年齢:6歳以上
  • 発売日:発売中(2009年10月)
  • 商品名:チョロQハイブリッド ゼンマイタイプ
  • 発売元:同上
  • 価格:525円
  • 対象年齢:6歳以上
  • 発売日:発売中(2009年10月)
  • 商品名:チョロQミニサーキット
  • 発売元:同上
  • 価格:2,625円
  • 対象年齢:6歳以上
  • 発売日:発売中(2009年10月)

[ おもちゃソムリエ ]
田渕健康[Kenkou Tabuchi]

木枯らし吹きすさぶ季節の到来を肌で感じる頃、ご機嫌いかがでしょうか。私、エレトイ──電池、電源を用いて駆動する玩具のご紹介をさせていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。それでは皆様、しばしの間、心を童心に帰してお付き合いください。



■ 手のひらサイズのレーサー魂!進化形チョロQが疾走する!

 1980年に登場し、ライトホビーの代表格として歴史を重ねてきた「チョロQ」。当初はロールバック式ゼンマイを動力にしたシンプルなおもちゃでしたが、1990年代初頭からレース用にチューンされたハイテクゼンマイを搭載したタイプも登場。とりわけ「パーフェクトチョロQ」はカートリッジでギアを交換できるというマニアックな進化を遂げました。

 そんなチョロQシリーズですが、今年の2月に旧来のシリーズにひとまず終止符を打ち、今年10月から新シリーズが立ち上がることに。今回ご紹介する「チョロQハイブリッド」は、往年のロールバック方式ゼンマイ搭載型に加え、リモートコントロールで操作できるモータータイプがラインナップ。ゼンマイタイプもリモコンタイプも共通のシャーシサイズとなっており、2タイプの間で自由にボディを付け替えできるところがハイブリッドの由来となっている。今回は、モーターを搭載したエレトイであるリモコンタイプに注目してレビューをお届けしましょう。




■ 「チョロQハイブリッド リモコンタイプ」の中身を徹底チェック!

 まずは恒例の内容物の確認です。今回手に入れた製品は「チョロQハイブリッド リモコンタイプ HONDA INSIGHT」。パッケージには、クルマ本体と専用リモコン、片輪走行用オプションパーツが同梱されています。クルマ本体は充電式のリチウム電池で動作しますが、リモコンには単四電池が4本必要です。事前にコントローラーの電池ケースを開けるためのプラスドライバーを用意しておきましょう。

 クルマに内蔵されたリチウム電池は購入した時点では未充電の状態。充電はクルマをリモコンに接続して行ないます。フル充電までにかかる時間は5分ほどで、充電後はおよそ5分間の走行が楽しめます。最大駆動時間が5分というのは短いような気もしますが、手軽かつ短時間で充電が済むので遊び足りないという印象はありません。


これが「チョロQハイブリッド リモコンタイプ HONDA INSIGHT」の同梱物。本体とコントローラー、オプションパーツが入っています。オプションパーツは基本的にはそれぞれの車種ごとに違ったものが付いてきますが、もちろんどの車種にも使い回しができます大きさは「チョロQハイブリッド ゼンマイタイプ」とまったく同じ。赤外線コントロールカーでありながら、いわゆるチョロQサイズですゼンマイタイプ、リモコンタイプともにボディが換装可能。11月現在では前者には3種、後者には7種のボディが発売されています
リモコンタイプのボディの密度は圧巻。小型サーボや受光器、小型リチウムイオン電池といったパーツがところ狭しと詰め込まれていますリモコンもチョロQサイズ! AからDまでの4種類のバンド(周波帯)が選べるので、複数台購入時はバンドが被らないようにしましょう「チョロQハイブリッド リモコンタイプ」は5分間の充電で、同じ時間だけ走れます。充電はコントローラーに接続して充電を行ないます



■ ナリは小さいがレスポンスは良好! チョロQを自由自在に操る爽快感!

 充電が終わったところで、さっそくクルマを走らせてみます。リモコンタイプのクルマの走行速度は時速10kmと、人が歩くスピードのおよそ2倍程度に過ぎず、ゼンマイタイプに比べるとかなりノロノロとした印象を受けます。机の上で遊ぶにはちょうどいいスピードだけどなんだか拍子抜け……というのがソムリエの第一印象です。

 しかし、そんな印象を吹き飛ばしてくれるのが、リモコンに搭載されている「ダッシュボタン」。このボタンを押すや否や猛烈な勢いでクルマが加速します。最高速度は通常走行のおよそ3倍ほどでしょうか。このダッシュこそがリモコンタイプの真骨頂で、猛烈な加速の爽快感は1度味わうとヤミツキになることを請け合いです。

 ただ、ダッシュはその速さゆえに、下手にステアリングを操作するとクルマが横転することもしばしば。また、発進時にステアリングを切ったままダッシュすると、その場でスピンして前進できません。要は使いどころということで、狭いスペースで遊ぶときは通常走行で、広いスペースならダッシュと使い分けると小気味よくクルマを操作できます。


ほかの赤外線コントロールカーに比べて、とにかく操作レスポンスが快適。ステアリングもクイックなのでイメージどおりの走りができます「チョロQハイブリッド リモコンタイプ HONDA INSIGHT」には、片輪走行パーツが付いており、片輪走行や体当たりアクションなども楽しめますチョロQといえばウィリー走行! 往年の関連製品「秘技チャレンジコース」付属の星型コインをお持ちの方はぜひセットしてみましょう
別売の「チョロQ ミニサーキット」を使って、ゼンマイタイプとリモコンタイプの速度の違いを調べてみましょう。スタート!通常走行時のリモコンタイプはかなり遅めのスピード。スタート直後、ゼンマイタイプにこれだけの差を付けられてしまいます……しかし、リモコンのダッシュボタンを押すと一気に大逆転! リモコンタイプのダッシュ時の加速と最高速はまさに圧巻です



■ 「チョロQ ミニサーキット」で家庭内レースを楽しもう!

 机や床で気ままにクルマを走らせるのも楽しいですが、サーキットで最高の走りにチャレンジするのもまたロマン。そこで、ぜひセットでの購入をオススメしたいのが、別売の「チョロQ ミニサーキット」です。この製品は「チョロQハイブリッド」専用のサーキットで、コースとガイドピンが同梱されています。ガイドピンはゼンマイタイプとリモコンタイプのどちらにも装着でき、これによりコース上をスムーズにクルマが走ります。

 また、ガイドピンにはリモコンタイプ専用のドリフトガイドピンも用意されています。こちらをリモコンタイプのクルマに装着して、コーナーにさしかかったところでダッシュボタンを押すとドリフト走行が楽しめるという寸法です。ただし、スピードを出し過ぎるとスピンしたりコースアウトしたりするため、キレのいいドリフトを決めるにはアクセルコントロールが不可欠。うまい具合にドリフトしてコーナーを曲がりきったときのおもしろさは格別で、ついつい理想のドリフトを決めるために長時間遊んでしまいました。

「チョロQ ミニサーキット」は全部で8枚のコースパーツから構成されており、自由に組み替えることが可能となっています看板やスタートゲートなどはペーパークラフト製となっています。台紙からハサミやカッターなどで丁寧に切り離してあげましょうこれがコースを走るためのガイドピン。リモコンタイプならあえてガイドピンを外して走ってみることで、スリリングな走りが楽しめます
ゼンマイタイプにガイドピンを装着するとロールバックができないので、写真のように片輪だけを使ってゼンマイを巻くのがオススメですコースに付属するドリフトガイドピンを使ってのコーナーリング。クルマの後輪部分が横滑りして本格的なドリフト走行を味わえます調子に乗ってドリフト中にスピードを上げすぎるとスピンしてしまいます。ドリフトを決めるには絶妙なアクセルワークが必要です



■ 手軽さはそのままに、チョロQ新時代はここから始まる!

 赤外線コントロールカータイプのチョロQは、これまでも2001年発売の「MICRO IR デジQ」シリーズや2006年発売の「Qステア」シリーズがありましたが、従来の製品はコーナーリングの安定性が今ひとつで、自由自在にクルマを操作することが難しかったと記憶しています。しかし、この「チョロQハイブリッド リモコンタイプ」は従来とは比較にならない安定性のおかげで、誰もがイメージどおりの走りを楽しめます。実際、遊んだあとの満足度はほかの赤外線コントロールカーにまったく引けを取らず、2,000円前後の価格でここまで高い次元の走りが楽しめるとはまさに驚きです。

 幼少時、月刊コロコロコミック(小学館)に連載されていた「ゼロヨンQ太」で、自由自在に愛車のマグナム号を操るQ太の姿に心をときめかせた世代には、チョロQを自在に操る興奮を実体験できる、またとない機会だと思います。私も、さっそく2台目を買って熱いレースを楽しんでみる所存です。

【テイスティング】
■ お手軽さ:☆☆☆☆
ハイブリッドというたいそうな名前が付いていても、そこはチョロQ。誰にでも手軽に扱うことが可能です

■熱中度:☆☆☆☆
単純に“走らせる”ことに加え、数々のオプションパーツでアクション性の高い走行も楽しめます

■先進性:☆☆☆
これまでのリモコンタイプチョロQの技術が活きた快作。操作性の快適さは二重丸!

(C) TOMY

(2009年 11月 21日)

[Reported by 田渕健康(トリスター)]