「SPACE INVADERS ゲーム筐体型バンク」

  • ジャンル:ゲーム筐体型バンク
  • 価格:5,775円
  • 対象年齢:15歳以上
  • 発売日:発売中(2009年3月)

[ おもちゃソムリエ ]
田渕健康[Kenkou Tabuchi]

 GAME Watchをご覧頂いている紳士淑女の皆様、はじめまして。私、エレトイ──電池や電源を用いて駆動する玩具──のご紹介をさせていただく、「おもちゃソムリエ」の田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、エレトイの魅力を伝えるお手伝いをさせていただきます。



■ 往年の名作ビデオゲームが、貯金箱になって蘇る!

 給料日やお小遣い日を目前にして、「無計画な散財はもうやめよう。貯金しなきゃダメだ!」と意気込むものの、1ヵ月後には同じセリフを口にしてしまっている貯蓄下手な方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。そんな人にオススメしたいのが、「SPACE INVADERS ゲーム筐体型バンク」です。

 このエレトイは昔懐かしいテーブル筐体を6分の1サイズに縮小した貯金箱ですが、ただの観賞用貯金箱ではありません。なんと、実際のゲーム筐体と同じく硬貨を投入することで、往年の名作『スペースインベーダー』をプレイできるのです。貯金箱に姿を変えてやってきた、新たなる侵略者──彼らは、地球人に貯蓄の術を教えてくれるのでしょうか!?




■ 遊んで貯金! 侵略者たちが蓄財をバックアップ!

 2008年は「スペースインベーダー30周年」として、さまざまなイベントや記念グッズ、ゲーム展開などが行なわれました。今回の「SPACE INVADERS貯金箱」も、その気運をかって商品化されたメモリアルアイテムのひとつです。ギミックとしては非常にシンプルで、硬貨を貯金箱に入れるたびに、内蔵されているLSIゲームがプレイできる……という寸法になっています。

 このエレトイの特筆すべき点は、筐体の再現度と遊び応えのあるゲーム本編の出来映え。現在ではもはや絶滅危惧種といっていいテーブル筐体ですが、『スペースインベーダー』が発売された1978年はテーブル筐体こそがビデオゲーム筐体の主役でした。この貯金箱はコントロールパネルまわりのデザインはもちろんのこと、ゲームの内容を説明するインストラクションカードも当時の雰囲気をばっちり再現。インストラクションカードに描かれているタイトーロゴも、「キャッチ・ザ・ハート」時代のものよりも2世代古いものがプリントされており、当時『スペースインベーダー』にハマった世代には、たまらない仕上がりとなっています。


大きさは両手ですっぽりと覆えるほど。机の端に置いておいても邪魔にならない大きさですコントロールパネルまわり。筐体から垂直に突き出しているレバーとボタンが特徴的ですインストラクションカードも再現。インベーダーごとの点数表とルールが書いてあります



■ 気になる貯金箱、さっそく起動させてみましょう!

 「SPACE INVADERS ゲーム筐体型バンク」を動かすには、単三電池3本(別売り)が必要になります。加えて、筐体下部にある電池ボックス部を開くためにプラスドライバーも必要となるので、事前に用意しておくといいでしょう。電池をセットしたら、誤動作を防ぐためにコントロールパネルにあるリセットボタンを押す必要があります。リセットボタンの穴は小さいので、爪楊枝のような細い棒をプラスドライバーと一緒に用意しておくと便利です。

 準備が整ったら、あとは硬貨を用意するだけ。実は5円玉、10円玉、50円玉でもゲームは起動しますが、ここはやはり雰囲気にこだわって100円玉を投入したいところ。貯金額の促進にもつながりますし。


貯金箱下部に電池ボックスがあります。カバーを開けるにはプラスドライバーが必要となりますお金を貯めておくコインボックス。ビス留めを外してスライドさせればコインを取り出せますが、ボックス一杯に溜まるまでガマンしたいところ電池を入れたあとは、誤動作を防ぐためにリセットボタンを押す必要があります。先端部分が尖った工具があると便利です



■ 貯金の名目とともにゲームスタート! その熱中度は?

 硬貨をコインシューターに投入すると、クレジット音とともにゲームが起動します。オプション設定で効果音のON/OFFの切り替えできるので、貯金箱を設置する環境に合わせて選択しましょう。ちなみにSEの再現度はかなり高く、1度は効果音付きでプレイするのがオススメです。

 ゲームが開始されると、おなじみのインベーダーたちが出現。左右に移動を繰り返しながら、画面上部からだんだんと迫ってきます。自機である砲台を左右に操作し、迫り来る侵略者をせん滅しましょう。残機がゼロになるか、インベーダーに最下部まで侵略されるとゲームオーバー。さすがに6分の1のサイズゆえ、実機と同じ操作感覚を求めるのは難しいですが、小さいながらも「避けて撃つ」というシューティングゲームのおもしろさは十二分に楽しめます。


コインを入れてゲームスタート。コインひとつで1回プレイできます。もちろん、コンティニューなどという軟弱な救済措置はついておりません付属のカラーフィルムを貼ることで、擬似的に画面をカラーにすることが可能です。貯金箱とフィルムの間に空気を入れないようにして、慎重に貼りましょうこれがカラーフィルムを貼らないモノクロ状態。初期の「SPACE INVADERS」は白黒のモノクロ画面でした。当時をしのぶならモノクロ画面も一興です



■ 原作バージョンとの違いあれこれ

 貯金箱に搭載されているLSIゲームは、1978年に発売されたアーケード「SPACE INVADERS」がベースになっていますが、本商品ではさまざまなアレンジが加えられております。例えば、インベーダーの配列数が、モニターの大きさに合わせて少なめになっていたり、ショットボタンを押しっぱなしにすると、続けて弾を発射する「オートショット」になっています。特に、レバーを同方向に入力し続けると、自機が高速移動をするというアクションは、これまでにないシステムといえましょう。アーケード版『SPACE INVADERS』はあくまでも「原作」として、本機はライトアレンジされた別物と割り切ったほうがいいかもしれません。

インベーダーが迫ってくる最下層は6段目に設定されています。アーケード版と違って、インベーダーが自機と接触することはありません敵弾を10発まで受け止めてくれるトーチカは三基存在。もちろん、自機のショットでも壊れます1,500点ごとに砲台がエクステンドしますが、インベーダーが画面の右下に到達してしまうと地球は終わりです

 「遊べば遊ぶほど貯金が増える」という、一石二鳥なこの商品。コントロールパネルがやや小さめなので、指が大きい方は操作しづらいとは思いますが、ついつい夢中になってしまう「SPACE INVADERS」の中毒性をうまく再現した貯金箱になっています。

 実際に「SPACE INVADERS」が流行した当時、あまりの人気に筐体にコインが収まりきらず、1日に何度もコインを回収したという逸話も残っております。「SPACE INVADERS ゲーム筐体型バンク」も貴方の硬貨で溢れさせてみてはいかが?

【テイスティング】
■ 熱中度:☆☆☆☆
中毒性が高く、ついついお金をつぎ込んでしまいます

■操作性:☆☆
微妙な操作にやや難があり、長時間遊ぶには不向きです

■家計貢献度:☆☆☆
遊べば遊ぶほど貯金が貯まるというのは幸せですね

(C)TAITO CORP.1978,2008
(C) TOMY

(2009年 6月 24日)

[Reported by 田渕健康(トリスター)]