山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第2回
2DSを買って気に入るもスーファミVCは非対応で……でもまぁ、しょうがないかと納得した話
(2016/3/16 12:00)
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
今回のメイン話に入る前に。
前回の連載第1回目に「Life is Strange」のことを書いたんだけど。
僕は知り合いなり友人に「Life is Strangeってどんなゲーム?」って聞かれることがちょいちょいあって。
そこで、「主人公の時間を巻き戻す力を使って、いろんな選択を選び直せるっていうゲームだよ」って説明すると、けっこうな確率で
「あぁ、『僕だけがいない街』みたいな?」
ってリアクションされたんだよね。
(「僕だけがいない街」は三部けいさん作者によるマンガ。原作コミックのほか、TVアニメが放送中、実写映画も3月19日より公開予定)
まぁ、気持ちはわかる。わかります、わかります。パッと連想するよね。僕としても「近い発想を持った作品が、同じ時代に偶然生まれることはよくある」みたいなことを思ったりするんだけど。当然、この2つの作品は全然違うんですよ。実際に両方を知ると「何もかも違う」ぐらいの勢いがあるんだけど。
1番違いを感じるのは“作り手の感性の違い”。国が違えば文化も違うわけで。それらから、その人に根付く考え方や価値観すらも違ってくる。
ざっくり言えば、日本と海外はすげー違うってことで、近い発想からスタートしてても、そこからの広げ方や結末に「これだけの違いが出ますか!」ってなる。逆に両作品からはそれがすごく感じられて、面白いぐらい。
「Life is Strange」の開発会社であるDONTNOD Entertainmentはフランスはパリが拠点の会社であり、おそらくいろんな国からのスタッフさんがいそうなんだけど。僕からすれば、いかにもフランス的な価値観を感じさせた作品だったりする。
なのでむしろ、「Life is Strange」か「僕だけがいない街」のどちらかを知っていて好きだという人は、もう片方にも手を出してみるのをオススメしたいのです。
(どっちも知らないという人は、知らない作品の話に長々と付き合わせてしまって申し訳ないんですけど、どちらも大変に面白いのでオススメです)
両方に触れると「いろんな価値観や文化の違いがあって、地球って面白いもんがたくさんあるぜ」的になれます。多分。
さてさて。ここから今回のメインの話。今回は、
「ニンテンドー2DSを買って気に入るも、スーパーファミコンのバーチャルコンソールはノーマル3DS&2DSは非対応であり……。でも、まぁしょうがないかと納得した」
っていうお話(長い)。
まず、先月ニンテンドー2DSを買った。ピカチュウパックのクリアイエロー。
2DSというのは、3DSの折りたたみ機構をなくしてストレート型にしつつ、3D立体視機能をなくしステレオスピーカーをモノラルにもした、廉価版モデル。
これ、すげーカワイイですよ。1枚の板のような筐体に並んだディスプレイ。スケルトンイエローのなかに透けて見える内部基板。「こりゃたまらん!全色欲しい……!」ってなったんです。
手に持っているだけでニヤニヤしちゃうゲームハードなんて、
「ゲームボーイミクロ」や「PSP go」以来かもしれない。
(こう並べちゃうと、いろいろアレなんだけど)
僕の古い友人には、“ゲームボーイのカラーバリエーションを全て集めているマニア”がいて、「よくあんなに種類あるものを集めようと思うよなー」なんて思っていたんだけど(ゲームボーイの本体バリエーションは店舗カラー限定などを含めるとかなりの種類があった)。今はその人の気持ちがちょっとだけわかる。2DSは久々に全カラバリを集めたくなるハード。
ただ、2DSは初代「ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ」のバーチャルコンソール(ダウンロード配信で懐かしいタイトルを遊べるようにしているもの)とセットで、いわば“ポケットモンスター20周年の記念品”みたいな形で日本では“限定販売”されたもの。なので、このコラムが載っている頃にはもう、ちょっとプレミア価格が載ったものを無理矢理買うしか入手方法がないんだよね。
まぁでも“記念品的な存在”だから。それもしょうがないかなーって思う。
そんな2DSが発売されたのが2月27日のことだったんだけど、その翌週の3月4日には、
「スーパーファミコンのバーチャルコンソールタイトル配信開始」が発表された。
ただし、スーファミVCは“New”ニンテンドー3DSだけでプレイ可能というものだったので、ノーマル3DSを愛用している人にとっては悩ましいところだよね。
もちろん、ノーマル3DSをベースにしている2DSも非対応だったので、前週に2DSを手に入れて気に入っていた僕としては、より悩ましいものがあったわけで。
でも、それもやっぱり「……まぁ、しょうがないかー」っと、納得した。
というのも、かねてから「3DSでスーパーファミコンのVCを動かすのは相当に厳しいはず」と、各方面のゲーム開発者さんから伺っていたから。
特に僕は、昨年末に「セガ 3D復刻アーカイブス2」インタビューをやらせてもらったり(実は2012年の3Dスペハリのインタビューにも同席させてもらっていたり)で、バーチャルコンソールタイトルも多く手がけている「エムツーの堀井さん」から、これに近い話を伺っていたんだよね。
(GAME Watchのセガ 3D復刻プロジェクトインタビューシリーズを読んで頂いている人なら、そのあたりのニュアンスはもう伝わっているよね、きっと)
じゃあ、「なんでNew 3DSだとスーファミVCを動かせるのか?」と言えば。
New 3DSはノーマル3DSよりも性能がかなり上だから。
これまた、エムツーの堀井さんのTwitterでのつぶやきを引用させて頂くと、
「3DSがザク(名機)だとするとNew 3DSは余裕でシャアザククラス。最終的にはゲルググクラスまでいけると思われる。ヤツは出来る子。」
ということらしく。New 3DSはシャアザク、もしくはゲルググだったのだ。
やっぱりNewって名前のつくものは伊達じゃないんだなぁ。
(ガンダムネタが分からない人はすみませんが、お近くのガンダムヲタクの人に聞いてください)
ちなみにこの堀井さんのツイートは、堀井さんが“New 3DS専用ソフトのゼノブレイドを見た上での印象”からの例えだそうで。そう感じさせるほどにNew 3DSは文字通りのニュータイプであり、出来る子というわけだ。
任天堂さんだって、ノーマル3DSでもスーファミVCを遊べるようにしたかったのは当然の話なわけで。試行錯誤するも、やっぱりノーマル3DSの性能だと厳しいという結論になっていく。そうなると、「じゃあNewのみ対応で出す?」ということ自体も、おそらく悩みどころだったのではないでしょうか。ノーマル3DSを持っている人が残念がるのも当然、想像されるわけで。「じゃあ、無理にNewのみ対応のものを出さなくてもいいんじゃない?」的な考えだって、もしかしたらあったかもしれない。
でも、そうしたらユーザーである僕らの回答は決まっていて、「じゃあ、New 3DSのみ対応でもいいですから、遊べるようにリリースしてください」になるよね。
だいたいこんなような事を考えて、僕は納得した。
君は納得した?刻の涙を見た?
逆に、早くにNew 3DSを購入した人からしたら「New 3DS専用タイトルって思っていたより全然発売されないよね」って思っていたかもしれない。でも、もしかしたら今回のスーファミVCをきっかけに「New 3DS専用」的なものが、いよいよ増えていくのかもしれない。それで、より遊べるものが増えるのなら……ウェルカムだよね。
そんなわけで今回の流れで最終的に思ったのは、
「手頃な価格でカラバリたくさんの“New 2DS”も販売してくれないかなぁ……。」
ってこと。2DSのフォルムやカラーがすごく気に入ったので。
やっぱり、スケルトンカラーが欲しいよね!
ではでは、今回はこのへんで。また来週。
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