山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第30回

「ペルソナ」シリーズだけが持つ色、「ペルソナ5」も期待以上に面白くてとにかく嬉しい話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

みなさん、怪盗になってますか? 現実にファミレスに行ったとき「このメニューなら魅力が上がりそう」とか思ってますか? そう、今週は「ペルソナ5」の話です。

いやぁ、「ペルソナ5」面白いですね。

先週のこのコラムでもほんの少しだけ触れましたけど、
なにしろ発売が9月15日と東京ゲームショウ2016の初日だったもので、
発売日の朝に30分だけプレイしたら、

「ずっと『ペルソナ5』やってたい、幕張メッセ行きたくない」

なんて言い出す始末。
まぁ、さすがにちゃんとお仕事はして、みなさまにいろいろ記事をお届けしたのですが。

で。東京ゲームショウ関連の仕事もやっとこさ一段落いたしまして、
今週やっと「ペルソナ5」を本腰でプレイしはじめたというわけで。

発売からガッツリプレイしてる人より1週間遅れぐらいで遊びはじめた感じですね。
なのでまだクリアはしてなくて、ゲーム内でもちょうど9月ぐらいです。

もう毎晩、睡眠時間を削ってプレイし続けてますよ。
止め時が見つからない、
面白くてしょうがない、

っていう感じです。

スタイリッシュなデザイン&グラフィックス、楽曲の良さ、引き込まれるストーリーと描かれているテーマ、ゲームとしてのテンポの良さや遊びやすさ。

どこを書くにしても“絶賛しかない”という感じなんですけど、
(あ、個人的にカバー移動操作の挙動だけはちょっと気になりますかね?)

なかでも魅力を感じるのは「ペルソナ」シリーズならではの現実と非現実のミックスのうまさ。

舞台は日本、現実を色濃く連想させる現代の大都会。

高校生活を送る主人公目線に描かれる世界は、現実への風刺もところどころに効いていたり、表だって語られない青春の裏側といいますか、都会の闇といいますか。そういうえぐいところに入っていくところもちょいちょいあり。

コミカルかつポップな本作ですけど、描かれている目線と現実の切り出し方にはときに真に迫ったものがあります。

そこがまた強い魅力で、「ペルソナ5」の物語には生の高校生感があり、キャラクターへの親近感も沸いてくるというわけで。

誰しも高校生ぐらいのときには、「現実に起きていることにどこか納得できない」、「現実があまりにも汚く見えてしまう」、「ここではない別の世界に行きたい」といったようなことを感じたり、思うのかもしれません。

それは僕は繊細さゆえの現実への怯えも混じりつつの、でも“前に進むためにとても大切な感性”だと思うのですが、

「ペルソナ」シリーズはそれが描かれている、とっても響く物語です。

それはもう独特な味わいと色合いをしていて、
この色を描けているゲームは世界中を探しても見当たりません。

閉塞感のある現実。それに通じるものを感じさせる世界観のなか、ペルソナ(心の仮面)を使役して、コミカル&ポップに活躍する主人公と仲間たち。

彼らのコミュニケーションのライブ感ある自然さ、非現実な世界との融合、どの要素を見てもひとつのキーワードに結びつくモノを感じさせつつ、それでいてバラエティ感もあって楽しいという、まとまりの良さ。

どこを見ても本当にお見事。

それを1番身近に楽しめるのは日本に暮らすゲーム好きであり、
日本に生まれて良かったとすら思えるほどです。

日本ならではのRPG作品として、世界中のゲームファンからも高く評価されること間違いなし。すでにされている感すらありますが。

やっぱり良いゲームが遊べること、それがなにより嬉しいですよ。

「ペルソナ5」ではシリーズ作同様にBGMの楽曲も楽しみにしていましたが、そちらも期待を裏切らないですね。

「Life Will Change」はもう最高として、「Beneath the Mask」もしっとりとしてて良いです。ずっと聴いていたい。

(でも、「ペルソナ5 20thアニバーサリー・エディション」の「ペルソナ20thアニバーサリー・オールタイムベストアルバム」には「Beneath the Mask」のインスト版しか収録されていないんですよね。フル収録のサントラの発売、お早めにお願いします)

「ペルソナ」シリーズでは「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ 」の「NOW I KNOW」が最も好きな僕ですが、今作にもあれに匹敵するような楽曲があったらいいなと。そんな期待もしつつプレイを進めています。
ちなみに東京ゲームショウ2016で行なわれた「ペルソナ」スペシャルステージのライブは、以下の「セガブース 3日目」配信で見られますので、見ていないという人はそちらも要チェックです

(3日目のステージイベントが全て収録されている動画なので、「ペルソナ」スペシャルステージをご覧になる方は動画内の6時間36分頃からになります)

ではでは、今回はこのへんで。また来週。