山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第28回
東京ゲームショウ2016直前、3DCG女子「Saya」の話題も加わって”未来が変わる”的な話
2016年9月14日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
今週はいよいよ東京ゲームショウ 2016ですが、今回はまずこちらの話題。
ご夫婦で活動されているフリーランスのCG制作ユニット“TELYUKA(テルユカ)”さんによる、フルCGの女子高生キャラクター「Saya」の2016年版が公開されました。
それがこちらッ!
これは驚きますよね。
この「Saya」は、昨年に初めて公開されたときにも“すごい、実写にしか見えない!”、“不気味の谷を越えてる!”など、かなりの話題になったのですが、それからも寄せられた意見をもとにコツコツと改良を重ねられてきたそうです。(「不気味の谷」は、精巧に人間に似せたCGキャラクターやロボットでも、見た時に違和感や不気味さを感じさせてしまう現象のこと)
そうして公開された今回の2016年版ですが……、これは昨年のものをさらに越える衝撃といいますか、“ひとつの壁を越えた感”のようなものがありますよね。
ちなみに昨年に公開されたバージョンはこちらでした。
昨年のものと最新のものを比べると、光や色調などの見せ方の違いも大きいと思いますが、堅さや無機質さがかなり薄れてますし、柔らかな雰囲気と活発さも感じられますよね。
なんといいますか……喋っている様子や、喜怒哀楽への感情の移り変わり、広がりが想像できるような。まさに今にも動き出しそうな感覚が、最新Verには加わったような印象です。
さてさて、こうなってくると僕らゲーム好きといたしましては、
「いずれはこのレベルのリアルなキャラクターがゲームに出てくるのかッ!?」
っとテンションが上がるわけですが。
CGの女子高生キャラクターと言えば、PlayStation VRの象徴的な存在として知られる「サマーレッスン」が思い浮かぶところ。
タイミングよく、今週の9月15日~18日に東京ゲームショウ2016が開催され、ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントのブースでは、10月13日にいよいよ発売となる「PlayStation VR」のタイトルが多数出展されますし、
「サマーレッスン」もローンチの10月13日発売なので、いよいよご家庭で楽しめる日が近づいてきました。
もちろん今の「サマーレッスン」もとても楽しみなのですが、これが始まりに過ぎず、これからさらに発展していき、いつかVRの世界で「Saya」のようなキャラクターとリアルタイムに会話できるようになったら……。
何かが変わっていくかもしれませんね。
これ別に女性キャラだけでなく、イケメンVer.ももちろん考えられるというか。モノによっては女子の方がハマる人はハマりそうというか。
例えばイケメンVer.とかが登場したら、家に帰るなりVRデバイスを被り、VR空間でイケメンに癒やされるのを毎日の楽しみにしているOLさんとかが出てきてもおかしくはない……かもしれません。
ひと昔前だと未来を描いたマンガなんかにありそうだった話ですけど、それももはや現実のものになりつつあるというか。今年前半に話題となった「AI(人工知能)の学習を失敗すると人類を攻撃するかもしれない」っていう話題と同様に、以前よりは冗談に聞こえないものになってきたように思います。
とはいえ、VRコミュニケーションだってまだまだ“新しい体験が増える”だけで、現実に取って代わるものにはならないと思います。あくまで別物の楽しみという位置づけで。
……でもこんな風に言ってても、10年、20年経ったら、どうなっているのか……もうわからないですね。
約2年前に「サマーレッスン」の体験プレイ&鉄拳チームの原田さんにインタビューをさせて頂いた時に、「未来はこんな風になるかも」とか、「きっと、楽しい事が待っている」というような、楽しい話をたくさんさせて頂いたのですが、
あれからもう2年が経ったことに驚きつつ、
ついに来月にはPlayStation VRと「サマーレッスン」が発売されるところまで来たことに感慨深いものもありつつ。
同時に、2年前に想像していたよりも取り巻く状況はずっと加速しているなというのも感じます。
「Saya」を見れば、「これだけのモデリングのキャラなら、フルHDぐらいのディスプレイじゃあリアルさが損なわれる。4Kや8Kといった解像度が必要だ!」とも思えますし、
リアルタイムレンダリングにそれらを楽しむには、特にVRで実現するのなら、もっともっと猛烈なマシンスペックが必要なのも当然。
そうして環境がユーザーさんの手元に整っていくと、それを活かした驚きのコンテンツが現われます。このサイクルが僕らゲーム好き、新しもの好きの心を掴んで離しません、ホント。
さてさて、というわけでこのコラム掲載の翌日から東京ゲームショウ2016です。
東京ゲームショウ2016のキャッチコピーは
「エンターテインメントが変わる。未来が変わる。」
いやいや、ほんと。2016年はまさにこのコピーのとおり、何かが変わっていく直前。誕生の前の静けさのような印象です。そのぶんPlayStation VR以外の従来のゲームタイトルやラインナップ数そのものはちょっと控えめかなという印象もあるにはあるのですが。
僕も例年通り、ビジネスデイ&一般公開の4日間、フルタイムでGAME Watchにて情報をお伝え致しますので、幕張メッセに来られる人も、そうでないという人も、ぜひ記事もご覧頂きつつお楽しみください。
ではでは、今回はこのへんで。また来週。