PC/MACゲームレビュー

The Elder Scrolls Online

声をかけずに共闘、ソロプレイ感覚で進められるゲーム性

声をかけずに共闘、ソロプレイ感覚で進められるゲーム性

居合わせた人と共闘することで、戦闘はグッと楽に
鍛冶のスキルがレベル1でも重鎧の各部位が作れる
世界中にあるスカイシャード。3つ発見するとスキルポイントが1増える

 次に“MMO”という側面から「TESO」を語っていきたい。まず、“他の人がいる”ということ自体が、「Skyrim」や「Oblivion」と大きく異なっている点だ。フィールドにも街にも筆者と同じような冒険者が溢れている。プレーヤーは“特別な存在”ではなく、1人の冒険者であることが実感できる。高レベル冒険者は自分の憧れやプレイの参考になり、低レベル冒険者には「俺もああだったなあ」と自分の過去と重ね合わせてしまう。

 βレポートでも書いたのだが、「TESO」はフィールドもダンジョンもMMO空間であり、いつも周りにはほかのプレーヤーがいる。彼らはプレイの邪魔にはならず、むしろ助けてくれる頼りになる仲間である。本作は“横殴り大歓迎”のMMORGなのだ。

 レベル的にちょっときつそうなダンジョンは運良く同じように冒険している人がいればぐっと楽になる。パーティを組む事もなく何となしに連携ができる。現在、筆者のキャラクターはレベル12だが、盾役、回復役の連携が絶対必要、という状況はない。レベルが上のクエストもその場の同行者で何とかなったということがたくさんあった。

 正式サービスで追加されたのが“外見用アイテム”。敵がドロップし、例えば装備はそのまま盗賊風に姿を変えたりできる。盗賊のアジトにこの格好で行くと攻撃されなくなったりと、クエストで役に立つ。実は最初、外見が変えられるのはわかったのだが、なにに使うかわからず、ある館にどうしても潜入できず困っていたのだが、目の前でプレーヤーが姿を変えたのを見て潜入方法に気がついた。他のプレーヤーがヒントになってくれるのはMMOならではだ。

 「TESO」はかなりソロ指向を強くしているMORPGではないか、というのが現在の感想だ。チャットにパーティ募集の声はほとんど無いし、ダンジョンの多くも昨今多くのMMORPGで採用されているインスタンスではなく、MMOになっている。また適性レベルならソロでも何とかできる難易度になっている。βが始まる前、筆者は「英語でパーティ組むのは難しそうだな」と思っていたが、今でもそういう必要性がある状況はない。

 今後どうなるかはもっとプレイして確認してみなければわからないが、かなりのところまで「各クラスが動きを覚えないと即死」というバランスにはならないんじゃないかと思う。このバランスはとても心地良いし、「Skyrim」や「Oblivion」といったソロプレイのRPGと同じような感覚で自分のペースでプレイできるのが楽しい。それでいながら気まぐれで目の前のプレーヤーに手助けするのも楽しいのだ。

 また、1人である程度の強さを追求できるのも本作の大きな魅力だと思う。「TESO」の序盤は敵がほとんど兜や肩当てをドロップせず、全身をアーマーで覆うことは難しいのだが、材料さえ集めれば初期のスキルで粗末な金属鎧が全身分作れるのだ。回復薬を調合したり、エンチャントで装備の底上げもできる。ソロプレイでも、初期のスキルでも、ちょっと挑戦するだけでそこそこのアイテムが入手できる。

 時間さえかければ1人である程度何でもできるキャラクターにできそうなのである。実際、筆者はレベル7くらいから足りない部分の鎧を自作している。これからエンチャントと調合も手を出すつもりだ。ただ、スキルを上げるにはかなりの資材と資金が必要になる感じで、今後冒険者達が裕福になるにつれやり込みの生産プレーヤーが重要になってくると思う。

 次項で取り上げる「戦争」でも同様だが、本作は世界中の人がサーバーやシャードの制限を受けない“メガサーバー”だからこそ、どの時間でも多くの人が場を共有し、賑わいがあるというところが面白い。日本の深夜でも、早朝でも冒険者がフィールドにいて、彼等と何とはなしに共闘をしていくのだ。MMO経験者ならば「人との繋がり方にこんな方法があったのか」とびっくりするのではないだろうか。この繋がり方は、ぜひ体験してもらいたい。

【共闘や生産など】
様々な場所で色々な人と協力プレイ。その後別々の方向に去っていくのが常
エンチャントや料理など生産要素も多彩だ
古代のドワーフの遺跡を探索する
クエストは非常に多彩だ。現在のところ、パーティ限定クエストは存在しない
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(勝田哲也)