iOSゲームレビュー
アイドルマスター シャイニーフェスタ
高解像度で楽しむ「アイマスミュージック」!
- ジャンル:
- アイマスリズムゲーム
- 発売元:
- 開発元:
- プラットフォーム:
- iPhone/iPod touch
- 価格:
- 4,800円
- 発売日:
- 2013年4月22日
- プレイ人数:
- 1人
(2013/5/8 00:00)
2012年10月にPSPで登場したアイマスリズムゲーム「アイドルマスター シャイニーフェスタ」が、iOSアプリで登場した。iPhone/iPad両対応のユニバーサルアプリとなっており、両機種に合わせて高解像度化がなされているのがポイントで、さらに美しい画面でアニメ、リズムゲームを楽しめる。
本作においては、基本的に同内容となっているPSP版のレビューがあるので、詳しいゲーム内容はそちらをご覧頂くとして、本稿ではiOSアプリ版での違いや、タッチでの操作感、高解像度の魅力などを中心にお伝えしていこう。
高解像度で「シャイニーフェスタ」! iPhoneで手軽に、iPadなら大画面で
「アイドルマスター シャイニーフェスタ」は、南国リゾートで開催される音楽祭(フェスタ)に、765プロの面々が3つのユニットに分かれて参加するというオリジナルストーリーで展開されるリズムゲームだ。
PSP版の大きな特徴だった約23分(1話分)のアニメはもちろんiOS版にも収録されていて、各アプリごとに異なる物語が楽しめる。このアニメはプレイ開始直後にまず再生され、オリジナルストーリーとともにアニメ「アイマス」の魅力をがっつり楽しんでから、本編のリズムゲームへと入っていくという流れになっている(アニメはスキップして後からでも視聴可能)。
まずこのアニメを観てみると、パッと見て高解像化されているのがすぐわかる。全体的によりくっきりとした画質で楽しめる。本作はこのアニメだけでなく、リズムゲーム中のミュージッククリップもより魅力的にアイドルを魅せてくれる。画面サイズがほぼPSPと同様のiPhoneでもその違いは充分に感じられるが、HDMIケーブルでテレビ画面に画面出力したり、iPad/iPad miniで楽しむと、さらにその良さがハッキリと感じられる。
画面構成については、iPhone 5は画面比率がPSPと同じ16:9ということもあり、PSP版とほぼ同様。iPad/iPad miniは画面比率が4:3なので、アニメシーンでは上下に黒帯、リズムゲーム中は画面の上下に余白が入れられている(この余白が操作には結構重要)。メニュー画面等はきちんと4:3比率になっている。
当然ながらiOS版での操作は全てタッチ操作で行なう。メニュー画面の操作だと、フリックで上下左右にスクロールさせ、タッチで決定する。直感的な操作で違和感もほとんどない。ただし、画面構成がPSP版とほぼ同様なので、例えばアイテム使用のオン・オフ等の枠が小さなところをタッチするのには多少慣れが必要と感じたが、最初だけ少し戸惑う程度で、慣れれば気にならなかった。
リズムゲームの基本的なルールは、左右から出現するアイコンがターゲットに重なった時にタイミングよくボタンを押すというもの。これを左アイコンなら画面の左半分を、右アイコンなら画面の右半分をタッチするという操作でシンプルに楽しめる。
この操作は、元々のPSP版でも左から流れてくるアイコンは「方向キー・Lボタン」のどれか、右からのアイコンは「○/△/□/×・Rボタン」のどれかで操作するというものだったので、それをそのまま画面タップで実現している。タッチだけでなく、ホールド、同時押しなどもあるが、タッチ操作で自然にできる操作だ。シンプルで手軽にプレイできる良さは、iOS版にも受け継がれている。
ただ、最初はタッチ操作のために画面上に指を置くため、左右から出てくるアイコンが指で隠れてしまって見づらくなったのが気になった。特に画面が小さいiPhoneで困ったが、画面の左下、右下をタッチするように意識することでだいぶ快適にプレイできるようになった。この方が「シャイニーフェスタ」の特徴でもあるリズムゲーム中の映像も観やすいのでオススメだ。
なお、iPad/iPad miniでは、リズムゲーム中の映像の上下に余白があるため、下側の余白に指を置けばよく、プレイの邪魔にならない。また、スタンドなどを使って置いてプレイすれば、親指以外の指も使ってタップできる。こうした工夫をするとプレイ感もだいぶ変わり、スコアやメーターの表示類も上の余白にレイアウトされているので、ゲーム中の映像をより広く見られる。
また、純正アクセサリの「Digital AVアダプタ」を使ってHDMIで映像を出力して、iPhone/iPadをタッチコントローラー的に使うのもあり。大画面で映像をさらに味わえるし、画面が指で隠れてしまうことも回避できる。
こうした工夫でiOS版ならではのインターフェイスの違いに慣れてくれば、本作の楽曲の多彩さ、リズムゲームのおもしろさを存分に楽しめるようになってくる。さすがにPSPでのボタン操作した時のクリック感と押下感による指先に伝わってくるダイレクト感というのはiOS端末にはないが、iPhoneならばどこでも気が向いた時にいつでも楽しめるという手軽さが嬉しく、1曲あたり数分でプレイできるリズムゲームは、そうした持ち運びの良さにもマッチしている。また、前述のように映像の魅力も大きい作品だけに、iPadでのプレイは、高解像度化による恩恵をよりダイレクトに楽しめた。
高解像度な映像以外にも、特筆すべき魅力がある。ひとつは「読み込みの速さ」で、iOS版は読み込みがかなり速い。PSPでメモリースティックDUOにデータインストールした状態と比べると、読み込み時間は半分以下だ。読み込みのタイミングによって差はあるが、特に大きいのは、リズムゲーム開始前の読み込みや、プレイからメニュー画面へと戻る時のロード。PSPでは数秒かかるところをiOS版は1秒未満で終える。圧倒的な速さで、サクサクと楽しめる。
また、「音質の良さ」も魅力だ。さすがに内蔵スピーカーではあまり感じられないが、イヤフォンやヘッドフォンで聴いてみるとその違いが出てくる。アニメ、リズムゲームともに中~低音が出ていて音に厚みがあり、わずかなノイズ感も消えている。曲中の細かな音もより聞こえるようになっていて、例えば、「MUSIC♪」なら、サビ前・サビ中のバックコーラスもより耳に入ってくる。その結果として音の分離感が良く、ライブ感も増してくる。ハードそのものの違いも大きいと思うが、収録データのエンコードレベルもクオリティアップしているのかもしれない。
リズムゲームの、ゲームとしての良さ、本格さは、PSP版のレビューでも書いたとおり。アイマスの楽曲は音楽ジャンルも多彩で豊富。曲にノって操作するリズムゲームとしての魅力においても、リズム部分の刻みをタッチで、ボーカル部分の伸びをホールドで行なうなど、楽曲の良さを上手く操作で表現している。
入力の遅延等やタイミングずれについても心配なし。動作の安定性においては、端末の機種や使用状況によるところもあると思うが、今回筆者がプレイしたiPhone 5とiPad2では特に問題は見られなかった。読み込みの速さにおいてもそうだが、高解像度の映像をドカンと読み込んでいるのにも関わらず、スムーズで安定して動作する。
プレイも手軽なものから歯ごたえのある難易度まで幅広く、難易度設定の「DEBUT」なら誰でも手軽に楽しめるレベルだが、その上の「REGULAR」や「PRO」になると、かなり高度なプレイが求められる。ライバルとのスコア勝負が繰り広げられる「STAR OF FESTA」もあり(報酬にアイドルの名刺といったコレクション要素がある)、本格的に遊びこめる要素もある。手軽にも、本格的にも、楽しめる作品だ。
初期状態では12曲、追加楽曲をダウンロードすれば全曲揃う
PSP版との大きな違いとして、「追加データ」にも対応している。メニュー画面にPSP版にはなかった「DLC STORE」の項目があり、ここから追加楽曲をダウンロードできるようになっている。
現在提供されている楽曲は全て無料。各アプリには初期状態で12曲が収録されており、この「DLC STORE」から無料提供されている曲を全てダウンロードすると、PSP同様の収録曲数になる。追加楽曲のデータは映像も込みのためかそこそこ大きく、DL完了までに時間もかかるので、事前に空き容量を確保して、Wi-Fi接続でダウンロードしておくことを勧めたい。
タッチ操作との相性もよく、手軽にアイマス楽曲を楽しめる魅力がiOS端末にマッチ
高解像度化が施され、映像の魅力をより楽しめるiOS版。iPhoneで手軽に、iPadで大きな画面で楽しめるユニバーサルアプリであることも嬉しく、端末ごとの対応もしっかりしたものになっている。ゲームアプリ単体として見てみると、やはり価格の高さが気になるというか、インパクトが大きかったところはあるが、高解像度化や読み込み速度の速さ、音質の向上というプラスアルファがあり、操作もマッチしている。アイマスファンの人でiOS端末をお持ちの人はもとより、シンプルに楽しめるリズムゲームに興味がある人にもオススメ。ぜひチェックしてみてもらいたい。
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