3DSゲームレビュー

レイトン教授VS逆転裁判

総評
“スペシャル”であり“本物”な魅力がある良作

総評 ~“スペシャル”であり“本物”な魅力がある良作

レイトン教授と逆転裁判という両作品が、1つの世界を舞台に上手く融合している。レイトン、ルーク、成歩堂、真宵というそれぞれに個性が異なるキャラが、互いの魅力を引き出しているのも見所

 現代とは全く異なる異世界で繰り広げられるストーリーであり、「レイトン教授」シリーズと「逆転裁判」シリーズがコラボレーションしているというところもあり、スペシャル感づくしな本作ではあるが、両作品の良さがしっかりと出ていて、まさに“本編級”の魅力やクオリティが感じられた。特に巧舟氏による力は大きく、キャラクターの魅力やユーモアのセンスなど、随所に“これぞ”という魅力が感じられた。

 ストーリーはと言うと、これだけ特殊な世界感の中で、プレイしていて「えぇっ」と声が出てしまうような大胆な展開もありつつ、しっかりとまとめ上げているところもさすが。若干、特に序盤のシーンではクリア後でも不思議に思ったところがあるが、全体を通しての満足度は充分なものがある。

 株式会社ボンズが手がけるアニメーションシーン満載で、プレイシーンの会話でもボイスが豊富にあるなど、見せ方の面でも豪華な作品。また、音楽面でも本作のオーケストラアレンジは非常に魅力だ。「逆転裁判」シリーズで言えば、おなじみ「追求」のアレンジなどファンなら必ず聴いて欲しいものがある。

 全体を通して満足度は高く、丁寧で、じっくりと楽しめる作品。配信による「スペシャルエピソード+ナゾトキ」も巧舟氏描き下ろし&演出で、こちらはスペシャルというだけにシリーズ作をいじるようなネタや、メタ(作品側から現実に触れるようなアプローチ)的なネタもありとサービス精神たっぷり。また「スペシャルギャラリー」も配信される。それらも含め、両シリーズのファンは見逃せない1本だ。

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(山村智美)