ヱヴァの世界にシンクロできるアンノウン・シンクロアクション
- ジャンル:
- アンノウン・シンクロアクション
- 発売元:
- 開発元:
- プラットフォーム:
- PSP
- 価格:
- 6,280円
- 発売日:
- 2011年9月29日
- プレイ人数:
- 1人
- レーティング:
- CERO:C(15才以上対象)
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」を題材にしたアンノウン・シンクロアクション |
初回封入特典のプロダクトコードでは、4種類のカスタムテーマがダウンロードできる |
9月29日、株式会社バンダイナムコゲームスからアンノウン・シンクロアクション「ヱヴァンゲリヲン新劇場版-サウンドインパクト-」が発売。開発は「ノーモア★ヒーローズ」、「killer7」などで知られる株式会社グラスホッパー・マニファクチュアが担当している。
パッケージは、通常版(6,280円)、ゲームにサウンドトラックCDと特別スリーブケースが同梱された12月末日までの期間限定生産版(8,380円)、ゲームにサウンドトラックCD・特製Tシャツ・特製イヤフォン(オーディオテクニカ製)・特装収納BOXが同梱された初回限定生産版(11,530円)の3種類。また、パッケージを問わず、初回封入特典として、4種類の特製カスタムテーマがダウンロードできるプロダクトコードも同梱されている。なお、PS Storeで購入できるダウンロード版も発売されており、こちらは通常版と同様の6,280円となっている。
データインストールには対応していないが、ロードはゲーム開始時に数秒入る程度。待たされてイライラするということにはならないだろう。
早速、本作の魅力を紹介していきたい。
■ ヱヴァンゲリオン新劇版の挿入歌を中心とした30曲以上を収録!さらに名シーンも多数収録!
本作は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を題材にしたリズムアクションゲーム。名シーンが大量収録されてはいるものの、アニメーションのゲーム化ではメジャーな追体験を主軸にしているタイプではないため、テキストによるアドベンチャーパートなどはなく、リズムアクションを中心にゲームが構成されている。
Trackを選択し、ゲームをプレイするという、シンプルな作りになっている。ゲーム開始前に任意で閲覧できる説明書は文章やスクリーンショットだけでなく、アニメーションに登場するキャラクターの音声ガイドも付いている |
楽曲は新劇場版の挿入曲など全30曲以上を収録。アレンジの加えられた本作専用のバージョンとなっている。
収録楽曲 | |
Track | 曲名 |
01 | EM01#070720(S.I.EDIT) |
02 | 無伴奏チェロのための組曲 第1番ト長調 BWV.1007 |
03 | EM11#070720(S.I.EDIT) |
04 | 翼をください |
05 | EM20#070720(S.I.EDIT 1) |
06 | EM13#070720(S.I.EDIT) |
07 | EM20#070720(S.I.EDIT 2) |
08 | 心と口と行いと生活で BWV.147 主よ、人の望みの喜びよ |
09 | EM21_Premix#070705(S.I.EDIT) |
10 | At The Very Beginning(S.I.EDIT 1) |
11 | At The Very Beginning(S.I.EDIT 2) |
12 | At The Very Beginning(S.I.EDIT 3) |
13 | J.Q.H. |
14 | L'Agresseur(S.I.EDIT) |
15 | Ambassadrice Rouge(S.I.EDIT) |
16 | 今日の日はさようなら |
17 | EM20#070720(S.I.EDIT 3) |
18 | Destiny(S.I.EDIT 1) |
19 | Destiny(S.I.EDIT 2) |
20 | Destiny(S.I.EDIT 3) |
21 | 無伴奏ヴァイオリンのためのバルティータ 第3番ホ長調 BWV.1006 |
22 | Fate(S.I.EDIT) |
23 | 3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調 |
24 | Les Bêtes(S.I.EDIT 1) |
25 | Les Bêtes(S.I.EDIT 2) |
26 | 管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068 ~第2曲 アリア |
27 | In My Spirit(S.I.EDIT) |
28 | Keep Your Head Above The Mayhem(S.I.EDIT 1) |
29 | Keep Your Head Above The Mayhem(S.I.EDIT 2) The Final Decision We All Must Take(S.I.EDIT) |
30 | Carnage(S.I.EDIT) Sin From Genesis(S.I.EDIT) |
Trackはステージナンバーと考えてもらいたい。Trackをクリアしていくと新たなTrackがプレイできる仕組みになっている。本作には6タイプのリズムゲームが収録されており、それぞれのTrackは6タイプのいずれかでプレイする。次に収録された6タイプのリズムゲームについて紹介したい。
■ 全く異なる6タイプのリズムゲームを収録!
6タイプのリズムアクションが楽しめる。クリアするとプレイ内容に応じたランクマーク、スコア、MAX COMBOなどのRESULTが表示される |
前述の通り、本作には6タイプのリズムゲームが収録されている。それぞれ全く異なるゲーム性だが、共通するルールが設けられている。
・クリア、ゲームオーバーの条件
正しくボタンを入力するとシンクロ率が上昇、タイミングが悪かったり、ボタンの押し間違いなどをしてしまうとシンクロ率が下がってしまう。シンクロ率が0%になるとゲームオーバー。最後まで演奏できればクリアとなる。
・入力時の判定とカラー
ボタン入力時の判定はCOOL、GOOD、BADの3種類。COOL判定は緑、GOOD判定は青、BAD判定は赤のエフェクトで表示される。
・スコアとスコアボーナス
COOL、GOODだとスコアが獲得でき、入力を成功させてシンクロ率が100%を越えると暴走モードに突入。さらにシンクロ率が最大値になると覚醒モードに。それぞれモード突入時にはボーナススコアが加算される。暴走モード、覚醒モード中に1度でもミスをすると通常モードに戻ってしまう。また、各モード突入時には少ない時間ながら画面の外枠が白く光り、その間は無敵状態となり、ミスしてもシンクロ率は下がらない。
クリアするにはとにかくシンクロ率が0%にならないように入力を成功させる必要がある。多少ミスしても、シンクロ率さえ0%にならなければOKなので、連続してミスしなければ大丈夫だ。高得点を目指すならミスなく連続して成功し続ければいい。リズムゲームではお馴染みのルールといえるだろう。なお、暴走モードや覚醒モードになっても特にやることに変化はない。
■ サークルを周回するアイコンと同じボタンを入力していく使徒セッション
使徒セッションでは、サークルを周回する△・○・×・□のアイコンに合わせてボタン(方向キーでも代用可)を入力していく。入力はアイコンが中央の照準に来たタイミングで行なう。使徒がアイコンを出す→プレーヤーが入力するという形式になっている。
最後まで演奏できれば、国連軍の一斉攻撃フェイズへと移行。リズムに関係なく入力するフリープレイモードで、△・○・×・□ボタンで兵器を使用し、画面上部の使徒のダメージゲージを0にするとボーナススコアが得られる。
最初の使徒セッションフェイズは、使徒による入力ボタン、タイミングのお手本があり、それと同じように入力すればいいため、とてもわかりやすい。特に前半のTrackでは入力ボタンの種類、1ターンでの入力数が少なく簡単だ。次の国連軍一斉攻撃フェイズで重要になるのが連打。入力できる時間には制限があるので、各ボタンを連打し、使徒にダメージを与えてやろう。ただし、各兵器には弾数に制限がある(使い切ると自動でリロードされる)点にだけ注意しておきたい。
■ 流れる波形がターゲットと重なるタイミングでボタンを入力するCall of Fourteen
Call of Fourteenでは、画面左から流れる波形をアナログパッドの上下で動かし、ターゲットと重なるタイミングで○ボタンを入力して鼓動を打つ。曲に合わせてというより、目で確認して入力するゲームだ。入力に成功するとキャラクターのセリフ(音声付)が表示・再生される。ターゲットの中心で入力するほど高得点が得られる。
波形は何も入力しない状態だと水平方向に進む。ターゲットの中心の高さに合わせるには微調整が必要。操作ボタンを押すだけでいい他のゲームとは異なり、波形の移動操作が絡んでくる、少し癖の強いゲームといえるだろう。
■ 内側から広がるA.T.フィールドと外枠が重なるタイミングでボタンを入力するAT
ATには、使徒セッションと同様に2つのフェイズがある。最初のフェイズでは、内側から広がるA.T.フィールドと外枠が重なるタイミングでボタンを入力。そして最後まで演奏が終わると、ボタンを連打して使徒のコアを破壊するフェイズへと移行する。
最初のフェイズで登場するA.T.フィールドは、方向キー左に対応した紫、○ボタンに対応した黄色、方向キー左+○ボタンに対応した大きいものの3種類がある。A.T.フィールドの色、大きさに合わせて入力するボタンが異なるわけだ。背景には劇場版アニメーションのシーンが流れ、入力に成功すると背景のシーンにあったカットインが入る大きなA.T.フィールドが時折登場する。ファンなら盛り上がること間違いないだろう。
最後のA.T.フィールドを破壊するとコア破壊フェイズへと移行。ここでは方向キー左と○ボタンを連打する。連打を繰り返し、制限時間内にコアを破壊するとボーナススコアが得られる。
背景に劇場版アニメーションのシーンが流れ、カットインが挿入される見応えのあるATだが、シーンやカットインばかりを見ているわけにはいかない。後半のTrackともなると、連続して多数のA.T.フィールドが登場するため、気を抜くとあっという間にゲームオーバーになってしまう。
■ 光がターゲットに重なるタイミングでボタンを押してパネルをめくるHEX
HEXでは、光がターゲットに重なるタイミングで○ボタンを入力し、赤いパネルをめくっていく。ターゲットは単体と複数(帯状)の2種類があり、単体の場合は、光がターゲットに重なる瞬間に入力し、複数の場合は、光がターゲットの先頭に重なると同時にボタンを押し始め、最後尾でボタンを離す。
使用するのは○ボタンだけと簡単そうだが、移動する光は途中で折れ曲がったりとルートは直線だけではないため、視覚、聴覚を駆使して入力タイミングを見極める必要がある。
■ 左右から流れてくるバーがガイドと重なるタイミングでボタンを入力するNumber5/Beastie Girl
Number5/Beastie Girlでは、画面左右から流れてくるバーが中央のガイドと重なるタイミングでボタンを入力する。左から流れてくるバーはLボタン、右から流れてくるバーはRボタンに対応している(方向キー左、○ボタンでも代用可)。単体で流れてくる場合にはタイミングを合わせて入力し、帯状の場合にはガイドにバーが重なっている間、ボタンを入力し続ける。
左右から次々とバーが流れてくるNumber5/Beastie Girlでは、中央のガイドが頼りになる。次に入力するバーに合わせてガイドが表示されるし、同時押しの場合はわかりやすくガイドが赤色になる。
■ ジャンプで障害物を避けながら目標落下地点を目指すTeardrop
Teardropでは、○ボタンのハイジャンプと×ボタンのロングジャンプで障害物を避けながら目標地点への到着を目指す。赤色の高さのある障害物は○ボタンで、青色の長さのある障害物は×ボタンで飛び越える(方向キー下、左でも代用可)。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」で登場した第8使徒の落下を阻止するシーンがベースとなっているため、3機のエヴァンゲリオンでゲームを行なう(Track18/19/20でそれぞれ機体が異なる)。Track(機体)によっては、障害物の配置だけでなく、カメラのアングルや画面に対する進行方向も異なる。このため、真横からのカメラではないTrackでは他より少し早い状況判断が要求される。
ゲームプレイに必須ではないが、Lボタンの視点変更を使うと難易度は急激に下がる。Lボタンを押している間、視点が変更され、通常のカメラよりも次の障害物が確認しやすくなる。常にLボタンを押しっぱなしにしていてもいいほどだ。また、Rボタンは、目標確認となっており、第8使徒の状況が確認できる。確認できたからといって、何かできるわけではないが、押してみると、徐々に落下してくる使徒が確認でき、より緊迫感のあるゲームが楽しめる。
■ ゲームの進捗に応じてイラストや予告映像が閲覧できるギャラリー
Track選択画面で△ボタンを押すと、ギャラリーメニューへと移行する。ギャラリーメニューはゲーム中に集めたイラストや予告映像が閲覧できるもので、ゲームを進めたり、各Trackクリア時に獲得できるランクマークを集めることでアンロックされていく。
ランクマークでアンロックされるイラストは、ロック状態でカーソルを合わせると、アンロックに必要なマーク数が確認できる。1Trackで獲得できるランクマークは最大5個。全30Trackあるので、150個集めることができる。さらに全Trackをクリアすれば追加される難易度HARDで獲得できるマークはNORMALとは別にカウントされるので、HARDでも150個のマークを集めることができる。NORMAL、HARD合計で最大300マーク獲得できるわけだ。
全てのイラストをアンロックするには300マーク必要だが、HARDは難易度が高く、慣れるまではクリアするだけ精一杯で、簡単にランクマーク5個を取ることはできないだろう。
ギャラリーでは、ゲームを進めてアンロックされたイラストや予告映像が閲覧できる。予告映像は、アニメーションでお馴染みの曲が流れ、葛城ミサト(CV:三石琴乃さん)のナレーションがつけられている。イラストギャラリーの中にはキャラ弁当なんてものも |
■ 最後に
アンノウン・シンクロアクションという変わった切り口でゲーム化されている本作。当然、そのゲーム性から音が鍵となる。また、音にこだわって開発されている点からもヘッドホンなどを使ってのプレイを推奨したい。
NORMAL全30Trackクリアだけであれば、それほど時間はかからない。リズムゲームに慣れた方であれば、3~4時間もあればクリアできるだろう。難易度はそれほど高くないし、入力するボタン、タイミングは固定なので、何度もプレイすれば、誰でもクリアできる。ただし、30Trackクリア後に登場する難易度HARDはなかなかの歯ごたえ。クリアするだけならまだしも、ギャラリーコンプリートには30Track×2つの難易度でランクマーク5個を獲得する必要があり、そう簡単には達成することはできないだろう。
劇場版のシナリオが詳しく語られることもなく、ファン向けに特化して作られている印象が強いため、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を閲覧した方、使われている楽曲に思い入れのある方にオススメしたい。
(2011年 10月 14日)