PSPゲームレビュー

あの“なりきりダンジョン”がPSPで登場!
「TOP クロスエディション」も同時収録!

「テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX(クロス)」



アクション性、爽快感の高いバトルが特徴的な「テイルズ オブ」シリーズ。本作ならではのシステムが組み込まれ、これまでとは違った感覚のバトルが堪能できる

 8月15日、株式会社バンダイナムコゲームスからPSP「テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX(クロス)」(以下、なりダンX)が発売された。

 本作は「テイルズ オブ ファンタジア」(以下、TOP)の続編で、「TOP」のクレスたちがいた時代の約100年後を舞台に、主人公であるディオとメルの2人が様々なコスチュームに着替えることでその職業の能力を手に入れられる「なりきり士」となり、困っている人々を助けながら、彼ら自身の出生の謎を解いていくRPG。

 ゲームボーイカラー向けにリリースされた「TOP なりきりダンジョン」をベースに、本家ナムコ・テイルズスタジオにより、シナリオ、バトル、サブイベントなど、あらゆる面で手が加えられており、もはや“新作”と言っても過言ではないだろう。プレイせずとも、これから紹介していく内容やスクリーンショットを見てもらえれば、その変貌ぶりがわかってもらえるはずだ。

 さらに新キャラクター追加や各種調整が施された新たなる「TOP」である「TOP クロスエディション」も収録されている。過去に「TOP」をプレイしたことのある方であっても新たな気持ちでプレイできるだろう。

フィールドを歩いて移動することはなく、ワールドマップから目的地を選択すれば瞬時に移動できる。ダンジョンや町での移動速度も速めなので、移動に関してストレスを感じることはないだろう戦闘ランクはEASY / NORMAL / HARDの3つがいつでも切り替えられる。アクションの得手不得手で切り替えるといい。条件を満たすとさらなるランクが!?ダンジョンを探索しつつ戦闘しているだけでレベルはどんどん上がっていく。難易度NORMAL以下であればレベル上げなどすることなくサクサクとゲームが進められる


■ 「なりきり士」となり、困っている人々を助けながら、自身の出生の謎を解く感動のストーリー

仲間を探して世界をさまよい、
遂に行き倒れになった妖精エトスは
ノルンという謎の女性に救われました。
双子の赤ん坊“ディオ”と“メル”の
親代わりになることをお願いされたエトスは、
2人のこどもを育てながら過ごすうちに、
いつしか孤独な心が癒されていくのでした。

それから13年後のアセリア暦4408年。

突如、エトスと双子の前にノルンの遣いが現われ、
ディオとメルが「なりきり士」であることを告げます。

「なりきり士」――それは、服を着たら
その服の職業になりきることができる能力を持つ者。
「なりきり士」の能力で困っている人を救うため、
ディオとメルはまだ見ぬ外の世界へと旅立つのでした。


 「なりきり士」という服を着ることでその職業の能力を得ることができる不思議な力を持つディオとメル。彼らは困っている人々を助けながら、自身の出生の謎を解いていく。彼らとクレスやミントといった時空戦士たちがどのような関わりを持つのか、一体ディオとメルは何者なのか、物語を進めることで明らかになっていく。

 是非ともクリアまでプレイしてほしい。筆者はラストシーンで感動のあまり涙してしまった。また、これでもかと追加されているサブストーリーや本作初登場となる双子の親代わりのエトスにも注目してほしい。

ディオ (CV:斎賀みつき)
エトスに育てられたメルの双子の兄(弟)。天真爛漫で元気いっぱいの少年。エトスの過保護ぶりの反動から、外の世界への興味を募らせて、たびたび「エトスハウス」を脱走して周りの森を冒険している
メル (CV:阿澄佳奈 )
エトスに育てられたディオの双子の姉(妹)。現実的でしっかり者のまじめな少女。ディオの天真爛漫さ、楽天さを呆れたり、なだめたりする抑え役。状況を冷静に見ることができる。無軌道な弟を自分がちゃんとしなければ、という使命感を持っている
エトス (CV:田村ゆかり)
自分を、古代生きていた妖精の生き残りだと信じている。行き倒れだったところをノルンに助けられ、双子の親代わりとなる。超過保護で、外の世界は危険だと、2人を家から出さなかった
クルール (CV:???)
正体不明の小さな生物。魔物に襲われていたところを助けたことがきっかけで、ディオ、メルたちと一緒に旅をすることになった
ロンドリーネ (CV:喜多村 英梨)
旅の途中に突然、空から降ってきた謎の女性。さばさばした性格で明るく前向きだが、その心の内にはさまざまな憂いを秘めている
ダオス (CV:森川智之)
かつて魔物を率いてアセリアを滅ぼそうとした魔王。クレスたちによって倒されたはずだが、突如としてディオ、メルたちの前に姿を現わした
クレス・アルベイン (CV:草尾 毅)
「ダオス戦役」という戦いで魔王・ダオスを倒し、世界に平和をもたらした6人の「時空戦士」の1人。戦役後は英雄ともてはやされ、忙しい日々を送っている
ミント・アドネード (CV:岩男潤子)
時空戦士の1人で癒しの力を操る法術師。戦役後はトーティス村の神子と崇められ、聖レニオス教会で人々の病を癒す仕事をしている
アーチェ・クライン (CV:かないみか)
時空戦士の1人で魔術を扱う。戦役後は、とある塔に住み着き、悪さをする魔女として人々の噂になっている


■ リニアモーションバトルに感情を組み込んだ!?新戦闘システム「XAR-LMBS」

 本作の戦闘システムには「X ARTS AERIAL-LMBS(XAR-LMBS)」(クロスアーツエアーリアル-リニアモーションバトルシステム)という名称が付けられている。「XAR-LMBS」は「テイルズ オブ デスティニー」、「テイルズ オブ ハーツ」から正統進化した戦闘システムで、感情の変化によるゲージ「エモーショナルブレイブゲージ」(EBG)を採用し、スピーディーで爽快な空中戦を楽しめるように開発されている。

 「TP」の概念がない本作では、感情の変化によるゲージ「EBG」を消費して術技を繰り出す。術技をヒットさせれば「EBG」は回復するため、ヒットさえさせれば「EBG」を切らすことなく連続して攻撃することが可能で、術技やヒットのさせ方によっては「EBG」が増えていくことすらある。ヒットにより、「EBG」が増え、さらに術技を繰り出せるため、多くのヒット数やダメージが稼げる爽快なバトルに仕上がっている。

 強力な術技ほど、消費「EBG」が多くなるため、術技の性能だけでなく、「EBG」に与える影響を知ることでより戦闘が有利に進められる。いかに「EBG」を管理するかが戦闘の鍵を握るわけだ。また、「EBG」は術技を出すためのエネルギー源でありつつ、ゲージの量が多ければ攻撃力がアップ&防御力がダウンし、少なければ攻撃力がダウン&防御力がアップするという特性も持っている。

「EBG」がなければ術技を出せない。そんな時は消費「EBG」が0の技をヒットさせたり、アイテムを使用して回復したい。1番痛いのが強力な術技の空振り。強力な分、消費「EBG」が大きいため、空振りすると一気に「EBG」がなくなってしまう

 ゲームを進めると100%までしかためられなかった「EBG」が120%までためられるようになり、100~120%の時にLボタンを入力することで「オーバーブレイブ」が発動できるようになる。発動中はキャラクターの移動速度が上がり、アクションにより「EBG」が消費されなくなる。術技をヒットさせれば「EBG」の上限が120%を越えて増えていくため、上限を増やせば増やすほど、高ダメージが狙える。ただし、「オーバーブレイブ」中は、時間経過により急速に「EBG」が減り、LIMITと記載されたポイントまで「EBG」が減ると「オーバーブレイブ」が終了してしまう。「オーバーブレイブ」状態をなるべく長く維持できるよう術技をヒットさせつつ、大ダメージを狙いたい。

「EBG」が100%を越えた状態でLボタンを押すと「オーバーブレイブ」発動!術技を繰り出し、大ダメージを与えてやろう。「オーバーブレイブ」中はコンボ中に敵のHPが0になってもさらにコンボが決められる「オーバーキル」が適用されるため、状況によっては3桁のコンボ数や5~6桁のダメージを叩き出すなんてことも可能だ

 さらに「オーバーブレイブ」発動中には秘奥義を繰り出すことが可能。秘奥義は残り「EBG」量に関わらず、「オーバーブレイブ」状態であればいつでも発動できるが、発動すると「オーバーブレイブ」は終了してしまうため、「EBG」が無くなるギリギリまで術技を決め、締めとして秘奥義を使うのが良さそうだ。なお、複数秘奥義を習得している場合は、「EBG」の残量によって使用する秘奥義が変化する。

「オーバーブレイブ」中であれば、ド派手な演出と敵を一掃する爽快感を同時に味わえる秘奥義を繰り出すことができる

 「EBG」や「オーバードライブ」に加え、特徴的な戦闘システムがシリーズ初となる2キャラ同時操作が可能な「チェインパートナーシステム」。これは操作キャラクターがディオかメルの時にクルールが操作キャラクターに変身して同じ行動をしてくれるシステム。2体が敵を正面に捕らえている時は時間差で、敵を挟んでいるときは同時に攻撃してくれる。1戦闘に1回限り、一定時間で終了などの制限はあるもの、「チェインパートナー」発動時ならではの2人による攻撃を繰り出せる。

「チェインパートナー」ならではの攻防が楽しめる。通常、一定時間経過、どちらかが戦闘不能、操作キャラクターが「オーバーブレイブ」を開始などで「チェインパートナー」は終了してしまう

 戦闘システムや術技やスキルの性能を把握すれば、戦闘がさらに面白くなる本作だが、普通にクリアするだけなら、それほど複雑なことは要求されないし、戦闘を全てCPUに任せることすらできる。プレイスキルを問わず楽しめる懐の深さはさすがである。



■ 着替えることで異なったプレイ感が味わえるコスチューム

 着替えることでそのコスチュームの職業になりきることができる「なりきり士」の主人公のディオとメル。職業によって、習得スキルや戦う方法が変わってくるため、そのプレイ感も異なる。各職業はバトルで得られるCPを獲得することでランクアップし、最大でランク10まで上昇する。ランクアップすると、新たな術技やスキルを習得し、職業がパワーアップしていくわけだ。

 プレイ当初からコスチューム選択画面で明らかにされているコスチュームは下記10系統。1系統には下級・中級・上級の3つがある。さらに10系統に属さないコスチュームや他タイトルからエントリーとなるスペシャルコスチュームと、計80種以上も用意されている。

 以前Twitterで大舘プロデューサーが「なりきりコスチュームのDLC販売はありません」と発表した通り、パスワード入力で獲得できるものを除けば、全てのコスチュームはゲームをプレイすることで獲得できる。

コスチュームの基本系統
ディオ
剣撃系盗術系獣操系弓術系轟斧系
槍術系銃砲系斬刀系忍術系精霊系
メル
魔術系旋槍系妖剣系法術系拳闘系
蹴撃系詩人系賢術系獣斧系騎士系

バトルを繰り返すと着ている職業のランクが上がり、術技やスキルを習得できるディオとメルにはそれぞれ異なったコスチュームが用意されている。コスチュームの数は80以上と豊富。コスチュームによってプレイ感が異なるため、着替えると新たな気持ちで戦闘に臨める

 名称から想像できるとは思うが、ディオは物理、メルは魔法タイプの職業が多い。ここからは簡単に各コスチュームの特徴を紹介していきたい。

■ ディオ

・近距離物理タイプ:剣撃系、轟斧系、槍術系、斬刀系

 相手に近寄り、武器や術技を駆使して戦うのが近距離物理タイプ。剣撃系は振り速度が早く、コンボがつなげやすいバランスのとれた職業。最初に選べる職業なだけに使いやすい術技が揃っている。斬刀系はコンボよりも一撃のダメージに特化している。轟斧系は振り速度は遅いものの、広い攻撃範囲と一撃の破壊力が魅力。槍術系は前方への攻撃範囲、突進力に長けている。操作感や戦い方は近いため、どれを選んでもそれほど違和感なく使いこなせるだろう。

前へ、前へと突き進みながら攻撃するのが楽しい剣撃系、轟斧系、槍術系、斬刀系。時には攻めるだけでなく、ガードや回避もお忘れなく

・遠距離物理タイプ:弓術系、銃砲系

 遠距離物理タイプは、遠距離からの攻撃を得意とする。間合いの調整が重要になるため、操作モードがSEMIAUTOだと扱いにくく感じるだろう。遠距離物理タイプを選択するなら、MANUALでプレイすることを推奨したい。弓術系は複数の相手に同時にダメージを与えられる技が多く、銃砲系は状態異常を与える技が多いという印象。近距離物理タイプとは全く異なるプレイ感なので最初は戸惑うかもしれないが、わかってくると間合いを調整したバトルが楽しくなってくる。

距離を取って戦う弓術系と銃砲系。扱う場合には操作タイプをMANUALにして間合いを調整しながら戦いたい。複数相手にした場合の弓術系の殲滅力はなかなかのもの

・特殊タイプ:盗術系、獣操系、忍術系、精霊系

 盗術系はガルドを盗む術技があり、中間距離からでもヒットさせられる短剣での攻撃を得意とする。少し離れた間合いで戦うといい。忍術系は通常の特技のほかに忍術も扱え、距離を問わず戦える技が揃っている。盗術系、忍術系はどちらもスピーディーでコンボ数が稼ぎやすいことから、「オーバーブレイブ」中に「EBG」上限が稼ぎやすく、結果大ダメージが狙いやすかった。

 獣操系は魔物を捕らえられる唯一の職業で、魔物を召喚して戦う。術技を駆使すれば、他クラスに負けない攻撃力を発揮してくれるため、戦力としても十分に機能する。捕らえた魔物はパーティーの一員として組み込むことができ、EXPを稼ぐことでレベルアップもする。

 精霊系はゲーム終盤まで扱うことができない、ディオには珍しい魔法系クラス。精霊を呼び出して戦うのだが、詠唱時間が長いため、離れた位置で詠唱を開始しなければ、攻撃を受けて詠唱が中断されてしまう。だが、そのリスクの分、威力は高い。

盗術系は中間距離での飛び道具による攻撃が強力。コンボ数も稼ぎやすい特定の魔物を捕らえられる獣操系。魔物を呼び出す術技で戦う精霊を呼び出せる精霊系。詠唱時間は長めなので妨害されないように注意しよう

・スペシャルコスチューム

 公式サイトでも紹介されているように「テイルズ オブ グレイセス」のアスベルなどのスペシャルコスチュームが用意されている。アスベルは「EBG」を消費しないアーツ技のコンボ性能が高く、扱いやすくて、多様な属性の術技があり、高レベルでバランスがとれている。

「テイルズ オブ グレイセス」よりアスベルが参戦! 扱いやすい術技、コンボ性能の高いアーツ技と高いレベルでバランスがとれている。秘奥義「獣破轟衝斬」も強力だ

・その他

 ショットランサーや降魔術士といった特殊なコスチュームも存在する。ショットランサーは槍を扱う一方、衝撃波での攻撃により遠距離攻撃も可能。降魔術士は精霊ではなく、魔界の者を呼び出して操る事ができる。


■ メル

・近距離物理タイプ:旋槍系、拳闘系、蹴撃系、獣斧系

 旋槍系と獣斧系はディオの槍術系と轟斧系に近いもので、旋槍系は共通の術技がいくつかあるほど。拳闘系は拳技に特化した職業で、上級になれば遠距離からの攻撃も可能になる。蹴撃系は蹴り技だけでなく、投げ技も得意とする。投げは「EBG」を消費しない術技にも用意されている。

魔法を絡めた職業が多いメルだが、決して物理攻撃が苦手なわけではない。なりきり士である彼らは着替えさえすれば、その性能をいかんなく発揮できるのだ

・物理/魔法複合タイプ:妖剣系、騎士系

 妖剣系は剣技と攻撃魔法の両方が使える万能アタッカー。魔法は詠唱時間がかかるため、コンボ中などに誤って出さないように注意したい。騎士系は攻撃だけでなく、防御系の術技を使うことができる。

妖剣系は剣技、攻撃魔法どちらも使える万能アタッカー。間合いや状況に応じて術技を使い分けたいディフェンシブな術技を備えた騎士系。仲間を守ったり、自らを強化したりできる

・魔法タイプ:魔術系、法術系、詩人系、賢術系

 魔術系は攻撃に、法術系は回復に特化している。賢術系は魔術系と法術系を兼ね備えた万能職だ。詩人系は他の3つと異なり、味方を強化したり、敵に状態異常を与えたりといったサポート職となっている。

ディオにはない、メルらしい職業が魔術系、法術系といった魔法タイプ。特に回復は長期戦や強敵とのバトルでは重宝する詩人系は状態異常効果など特殊な術技が多い

・スペシャルコスチューム

 公式サイトやアイマス公式ブログでも紹介されているのが「THE IDOLM@STER」の天海春香。アイドルらしい術技が印象的だ。遠距離から攻撃できる「EBG」を消費しない術技が実用的。秘奥義は「THE IDOLM@STER」好きの方は必見。性能もなかなかのもの。CVは本作専用に中村繪里子さんにより収録されている。ただし、コスチュームを入手するにはかなりのやり込みが必要なので、天海春香を使いたいプロデューサーの方は気合を入れて臨んでもらいたい。

転んだり、パイを投げたりと微笑ましい術義で戦う「THE IDOLM@STER」の天海春香。実用性のある術技もちゃんとある

・その他

 メルの特殊なコスチュームにはアルケミストやチェインブレイダーなどがある。アルケミストは科学の力で無機物を召喚できる変わり種。チェインブレイダーは剣による連続攻撃を得意とする剣技専門職だ。



■ 長く、何度も遊べる!やり込み要素の数々

 各種コンプリート要素、キャラクターのレベルやコスチュームのランク上げといった成長要素、短時間クリアや最大ヒット数を狙ったチャレンジなどやり込める要素が山ほど用意されている。

 コンプリート要素は特に多く、コスチューム、料理、モンスターの情報・遭遇率・仲間率が記載されるモンスター図鑑、取得したアイテム情報や取得率が記載されるコレクター図鑑、チャット発生率、ストーリーの進捗や特定コンボ数達成などで得られる勲章などがある。全種コンプリートするには、尋常ではないやり込みが必要となる。

 シリーズで御馴染みのグレードによる引継ぎプレイも健在。限られたグレードで何を引き継ごうか悩むのも本作ならではの遊びといえるだろう。また、2周目ならではの遊びも用意されているようだ。

 サブイベントの多さも伝えておきたい。1度訪れた場所であっても、再度訪れてみるとイベントが発生なんてことが多々ある。



■ 同時収録「テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション」

 スーパーファミコンで「TOP」が発売されたのは1995年12月15日。約15年も前に発売されたタイトルであり、昨今の「テイルズ オブ」シリーズをプレイしている若いユーザーにはシリーズ第1弾である「TOP」をプレイしていない人も多いことだろう。そんな人に朗報だ。本製品には新キャラクターや各種調整が施された新たなる「TOP」である「TOP クロスエディション」が収録されている。

 「なりダンX」のように大幅な改良が施されているわけではなく、見た目などの点で古さを感じてしまうかもしれないが、プレイしてもらえればその面白さがわかる。シリーズ最高との評価する人も多く、「なりダンX」ではなく、この「TOP クロスエディション」目当てで本製品を購入している人もいるほどだ。

「テイルズ オブ」シリーズの第1弾の最新版となる「TOP クロスエディション」。過去様々なプラットフォームでリリースされた「TOP」との違いを探すのも楽しい


■ 最後に

 「TOP なりきりダンジョン」の続編として登場した「なりダンX」は、古さを全く感じさせないゲーム性、高い完成度、シリーズを重ね洗練されたインターフェイス、多くのやり込み要素などに加え、現代版「TOP」である「TOP クロスエディション」までもが収録されている。携帯機でRPGを遊びたいと考えているなら、確実に買いである。

 執筆時点で筆者のプレイ時間は45時間ほど。コスチュームは80とコンプリートしていないし、勲章に至っては半分程度という有様。モンスター図鑑も埋まっておらず、仲間にしたモンスターはごく一部と、やり込める要素が山ほど残っている。「TOP クロスエディション」はクリアまで遊べておらず、どちらを進めるか悩ましい。まだまだ楽しませてくれそうだ。

 データインストール非対応ながら、ロード時間は短く、快適にプレイできる点も忘れずに伝えておきたい。

 先日発表があったように、2010年度には本作以外にPSP「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー 3」、PS3「テイルズ オブ グレイセス エフ」、15周年記念タイトルであるPS3「Next Tales of (仮称)」と、「テイルズ オブ」シリーズが3本もリリース予定。これからリリースされるシリーズを期待しつつ、まずは本作をプレイしてもらいたい。



(C)藤島康介 (C)1994-2010 NBGI

(2010年8月17日)

[Reported by 木原卓 ]