カプコン、合同タイトルプレゼンテーションを都内で開催
DS「ゴースト トリック」、PSP「ラストランカー」、PS3/Xbox 360「ロスト プラネット 2」


5月12日 開催


荻原良輔氏

 株式会社カプコンは、DS「ゴースト トリック」、PSP「ラストランカー」、PS3/Xbox 360「ロスト プラネット 2」の合同タイトルプレゼンテーションを都内にて開催した。

 パブリシティ企画推進室 室長の荻原良輔氏は、冒頭の挨拶で「急きょ、こういう形で発表会をさせていただくことになりました。今回の趣旨は、5月20日発売『ロスト プラネット 2』、6月24日発売『ゴースト トリック』、7月15日発売『ラストランカー』の3タイトル(のプレゼンテーション)。今、この作品をどう皆様に伝えていけばいいのか、色々考えまして。開発者たちの気持ち、パッケージのなかに入っている以上の“想い”を伝えたい」とコメント。プレゼンテーションは、DS「ゴースト トリック」からスタートした。




■ DS「ゴースト トリック」

 登壇者は、プロデューサーの竹下博信氏とディレクターの巧舟氏。巧氏によれば、企画を考え始めたのは約5年前。当時手がけた「逆転裁判」が一段落し、「『逆転裁判』とは違ったスタイルのミステリーを作りたいと思ったのがキッカケ」と説明。その後ニンテンドーDSが発売され、DS「逆転裁判」シリーズの開発に着手。今回、ようやくその企画を実現でき、発売の運びとなったという。

 主人公の死から始まる、奇抜な設定。巧氏は「自分がその世界におらず、その外から舞台演劇を観ているようなイメージのミステリーを作ってみたいと考えた。そのとき“自分はゴーストだ”という設定が生まれて、だったら自分の死を追っていくような物語も面白いかなと。のっけから死んでいるというストーリーにしてみた」と説明。主人公が命を奪われたところからゲームが始まるが、魂(ゴースト)として蘇るものの、記憶は失われており、魂の運命として次の日の朝には消えてしまう。その間に、自分の身に何が起こったのか。自分は誰だったのか、犯人は誰かを追いかけていく物語りにしようと決めたという。

 続いて、本作のポイントについてそれぞれ詳しい説明が行なわれた。ひとつめは「トリツク&アヤツル」。魂は生きている人に直接働きかけることはできないため、物にとりつき、それを動かす(あやつる)ことで生きている人に影響を与える。やり方は簡単で、タッチペンでゴーストをタッチし、とりつかせたい物にスライドさせるだけ。傘にとりついてヒロインの目前に落としたり、自転車にとりついて殺し屋の注意を引くなど、物をあやつることで現実世界に干渉し、連鎖的に物事が起こっていく。

 魂は、物だけでなく“死者”にとりつくことも可能。死者にとりついた場合、死の4分前まで時間が巻き戻り、殺された状況や原因などがわかる。あとは、巻き戻った4分間の間に現実世界に干渉し、クリティカルな状況をどうにかして変えていく。デモプレイでは、ヒロインが殺し屋に撃たれて死ぬはずのシーンで、自転車にとりつきベルを鳴らすことで回避する例が披露された。成功すると「運命更新」と表示され、そのまま次のシーンへと移行する。

 生きている人とは会話できない魂だが、死んだ人同士となれば話は別。死んだ人から情報を得たり、あるいは死んでいる間に頼みごとをして、生き返った後に助けてもらうといったことが可能だという。死者同士のコミュニケーションは、テレパシーのような意思の伝達により行なわれるため、動物とのコミュニケーションもオーケー。ただし、死んだ人は命を落としたショックで記憶が混乱しているため、そのあたりで齟齬が生じないようゲームを進めていかなければならないようだ。

 グラフィックスとサウンドに関しては「かなりの自信がある。極上!」という巧氏。グラフィックスは「冒頭でも言いましたが『逆転裁判』と違った見せ方にしたいということで、引いた視点で作りたいと思った。舞台を最初から最後まで見るような……キャラクターの動きで、どれだけ面白さを引き出せるか」とコメント。実機を使って披露されたデモンストレーションでは、各キャラクターがそれぞれ個性的かつダイナミックな動きを披露。いちシーンだけでなく、ゲーム全編を通して動きまくるというから驚きだ。

 サウンドを担当したのは、巧氏とともに初代「逆転裁判」を手がけたクリエイターの杉森雅和氏。巧氏と一緒に仕事をするのは10年ぶりといい「『逆転裁判』を作ったとき、彼の“オリジナルの世界を生み出す力”が印象に残っていた。今回も完全新作ということで、新しい世界が欲しいと思った」とコメント。会場で流されていたのは、タイトルチューンの「GHOST TRICK」。公式ホームページでも聴けるので、気になる人は今すぐチェックしていただきたい。

 公式ホームページでは、現在WEB体験版を配信中。ユーザーから1,000通以上の感想が届けられるなど、好評を博しているという。また、巧氏がTwitterで“つぶやく”「GHOST Tweet(ゴースト ツイート)」が本日より開始された。巧氏は、企画意図について「魂のコンセプトが、人の人生を垣間見る、つながっていくというイメージ。Twitterも、発信したところから一瞬にして広がっていく。見知らぬ人の一言や、人生を垣間見るイメージが近い、面白いかなと思った」と説明。毎週金曜18時頃に巧氏がユーザーの質問に答えていく企画が予定されているほか、公式ホームページではTwitterのメッセージを反映させたり、Twitter用背景の配信、BGMサンプルなど、さまざまな記念コンテンツが用意されている。

    【GHOST Tweet】
  • アカウント:takumi_gt
  • ハッシュタグ:#takumi_gt

 「チーム一同、非常にがんばって作っております。これまで『逆転裁判』が代表作になっていたと思いますが、『ゴースト トリック』が新しい代表作になると確信しております(竹下氏)」、「予想よりも時間がかかったかな? という感じもしますが、そのぶん密度の濃い、というか純度の高いミステリーの新しい形ができたんじゃないかな、と思います(巧氏)」と、それぞれコメントして本作のプレゼンは終了。6月24日発売予定で、価格は5,040円。カプコンオフィシャルショップ「e-CAPCOM(イーカプコン)」では、イーカプコン限定版が発売される。ゲームソフトのほか、ゲーム中の全楽曲(37曲)が収録されたサウンドトラックCD2枚、フルカラーブックレットを同梱。価格は5,555円。


竹下博信氏巧舟氏

公式サイトTwitter用背景会場から初“つぶやき”を試みる巧氏、実はコレがTwitter初体験

通常版パッケージ限定版パッケージ




■ PSP「ラストランカー」

松川美苗氏

 壇上に登場したのは、プロデューサーの松川美苗氏。同社久々のRPGということで注目を集めている本作だが、今回はゲームシステムの詳細について実機を用いたプレゼンテーションが行なわれた。

 ゲームは、平穏な生活に嫌気がさした主人公の青年ジグが、辺境の村カンタレラを飛び出すところからスタート。引き止めようとする親友のファズと、最初の戦闘(チュートリアル)が勃発。親友の制止を振り切ったジグは、戦侯機構バザルタが本部を置く「首都ガンドア」を目指す。本作はメディアインストールに対応しており、戦闘やフィールドの画面切り替えで待ち時間がほとんど発生しない。携帯ゲーム機向けの作品らしく、快適なプレイ環境が実現されている。

 本作の面白いところは、常に画面左上に現時点の「ランク」が表示されていること。武力を持って世界を維持する「戦候機構バザルタ」においては、力こそすべて。ゲーム中には約100名のランカーが登場し、それぞれ個性的な戦い方を披露。松川氏によれば「ひとりとして同じ戦闘はない」というから驚きだ。ランクは、ランカー同士の戦いに勝つ、もしくは機構からランカーたちに課せられた「修練」をクリアすれば、それぞれランクが上昇。ランクが上昇することで行動範囲が広がり、よりディープに冒険の世界に足を突っ込むといった流れになっている。

 発売に先駆け、株式会社ドワンゴが運営するアニメ・ゲーム専門携帯サイト「超! アニメロ」とタイアップ。同サイト内に「ラストランカー」特設サイトを開設。豪華声優陣によるオリジナル着ボイス、待ち受け画像など、多数の限定コンテンツが配信される。また、6月6日に「ラストランカー」完成披露会が開催される。プロデューサーの松川氏、シナリオライターの野島一成氏、作曲家の下村陽子さんのほか、ゲストにジグ役の神谷浩史さん、ファズ役の中村悠一さんが登場。会員限定コンテンツ「ラストランカー公式メールマガジン」、「超! アニメロ」内「ラストランカー特設サイト」からそれぞれ応募が可能。開催場所は東京都中央区、12時開場、12時30分開演。

 7月15日発売で、価格は5,990円。先着得点は、本作の楽曲を手がけた下村陽子さんプロデュースによるサウンドトラックCD「ラストランカー リミテッド サウンドトラック -Piano Trio Arrange-」。厳選された収録曲にアレンジを加え、ピアノ、チェロ、ヴァイオリンの三重奏にて収録。レーベルはジグ・ファズ、レンの全3種類がランダムで封入される。数に限りがあるため、なくなり次第配布終了となる。また、カプコンオフィシャルショップ「e-CAPCOM(イーカプコン)」にて、キャラクターデザインを担当したた吉川達哉氏が描く設定画などが収録された特製書籍「LAST RANKER Production Note」が付属する限定版「LAST RANKER Extended edition」も発売される。価格は6,300円。


通常版パッケージ限定版パッケージ




■ PS3/Xbox 360「ロスト プラネット 2」

 最後に登場したのは、プロデューサーの竹内潤氏とディレクターの大黒健二氏。発売間近ということで、キャラクターのカスタマイズについて詳しい説明が行なわれた。

 キャラクター外観のカスタマイズは、「MY PAGE」内メニューの「MY CHARACTER」にて行なわれる。ゲーム中で入手した雪族のコスチュームは、画面左側にある「PRESET」にストックされていく。ゲーム後半では「前回、非常に要望が強かった(竹内氏)」という女性型のパーツが入手できるといい、このほかにもフランク(デッドライジング)、マーカスとドミニク(ギアーズ・オブ・ウォー:Xbox 360版のみ)といったボーナスキャラクターがPRESETされている。コスチュームは「HEAD」、「BODY」、「LEG」、「BACK PACK」といった4つのパーツにわかれており、それぞれ自由に組み合わせることが可能。カラーもその場ですぐ変更できる。

 武器に関しても、自由度の高いカスタマイズが可能。ゲーム中、所々で「マシンガン」、「ショットガン」などの武器を拾えるが、そのとき「どんなマシンガンを拾えるのか」を、項目ごとに決めておける。シリアスなゲームだが、パーティ用のクラッカー風、ハート型のビームなどコミカルな武器も用意されている。銃弾を防ぐシールド、見えない位置にいる敵も把握できるレーダーなど、新アイテムも当然カスタマイズ可能。手裏剣のように飛んで爆発せずともヒットしただけでダメージを与えるグレネード「ニンジャスライサー」、マシンガンで攻撃するダミーグレネードなど、その多彩さは「まさに『ロストプラネット』ならでは!」といったところか。

 プレーヤー個別の能力「アビリティ」は「ユーザーの要望にお応えして(竹内氏)」スロットがふたつに拡張された。攻撃力や防御力だけでなく、T-ENG入手量の増減、データポスト作動スピードの向上など、サポートアビリティを多数用意。リアクションは100種類以上あり、うち8種類を好きなように選んでセットできる。前作でおなじみの「おしりペンペン」ポーズはもちろん「複数メンバーがそろわないとダメ」という、「右メンバーBポーズ」、「同Cポーズ」など、集団用リアクションもふんだんに用意されている模様。映画「マトリックス」のようなのけぞりポーズは見た目どおりのアタリ判定があり、うまくいけば(?)ロケット弾を避けることも可能だという。

 会場では、陸・海・空の“空=宇宙”での戦闘シーンが公開された。使用されたのは、直前にカスタマイズされたキャラクター。デモシーンでも、当然カスタマイズされた外観でキャラクターが表示される。シャトルの船内は重力が低いため、ジャンプすると相当高く舞い上がってしまう。宇宙空間に放り出されたシーンでは、ジェットパックで移動しつつ再び船に取り付くなど、これまでにない刺激的なアクションが堪能できる。

 5月20日発売予定で、価格は7,990円。カプコンオフィシャルショップ「e-CAPCOM(イーカプコン)」にて、1/35スケールPVC製アクションフィギュア「PTX-140 ハードボーラー<前期型>」、「GTF-11SRドライオSR」が同梱された限定版が発売される。価格は9,975円。また、プラネックスコミュニケーションズ株式会社より、「LOST PLANET 2」をデザインしたミニヘッドセット「BT-06HS-TLP2」が5月20日に発売される。オープン価格で、店頭予想小売価格は約4,000円。


竹内潤氏大黒健二氏

外観だけでなく、武器、リアクションなど豊富なカスタマイズ機能を搭載。オリジナリティを追求するだけでもガッツリ遊びこめそう
陸、海、空……って宇宙までいってしまうんかい! と思わずつっこまざるをえない。こうした大胆かつダイナミックなシチュエーション設定こそ「ロスト プラネット」シリーズの真骨頂かもしれない

【パッケージデザイン】
PS3版Xbox 360版イーカプコン限定版

会場に展示されていたイーカプコン限定版に同梱されるフィギュア。海洋堂製Bluetooth Ver.2.1+EDR対応ミニヘッドセット「BT-06HS-TLP2」。PS3と接続してボイスチャットが楽しめる




(C)CAPCOM CO.,LTD. 2010 ALL RIGHTS RESEREVED.

(2010年 5月 13日)

[Reported by 豊臣孝和]