ゲーミングPCレビュー

「NEXTGEAR-NOTE i421」

2,560×1,440ドットのIGZO液晶搭載13.3型ゲーミングノートPCが登場!
超高解像度のゲームプレイはどこまで可能なのか?

ジャンル:
ゲーミングPC
発売元:
マウスコンピューター
開発元:
マウスコンピューター
プラットフォーム:
Windows PC
価格:
99,800円〜
発売日:
6月27日

 民生用テレビでは4Kがトレンドになりつつある中、PCもフルHD(1,920×1,080ドット)を超える解像度を持つモニターが登場し始めている。4Kモニターは7万円前後、2,560×1,440ドットなら5万円前後で購入できるものもあり、一般向けにも現実的な製品になってきた。とはいえ、フルHDのモニターが1万円前後から購入できるだけに、まだまだ割高な製品ではある。

 今回紹介するのは、2,560×1,440ドットのモニター……ではなく、2,560×1,440ドットのモニターを搭載したゲーミングノートPC「NEXTGEAR-NOTE i421」シリーズだ。マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」の製品で、BTOも可能。今回は最上位の構成となる「NEXTGEAR-NOTE i421PA1」のレビューをお届けする。

13.3型にフルスペックを詰め込める1台

超高解像度IGZOパネルが目を引くが、それ以外も充実したスペックになっている

 「NEXTGEAR-NOTE i421」シリーズは、13.3型で2,560×1,440ドットのIGZOパネルを搭載したゲーミングノートPC。13.3型と言うと、最近はフルHDを搭載する製品も増えてきたが、一昔前なら1,280×720ドットや1,366×768ドットといった解像度が一般的だった大きさ。それから見れば、およそ4倍の作業スペースを実現したことになる。

 GPUはNVIDIAのGeForce GTX 860M(ビデオメモリ2GB)を搭載。スペック的に見ると、デスクトップ用なら1万円強で購入できるミドルロークラス程度といったところだ。その他の主なスペックは下記のとおり。

【NEXTGEAR-NOTE i421PA1】
構成 スペック
CPU Core i7-4910MQ
チップセット HM87 Express
メインメモリ 16GB PC3-12800(8GB×2/デュアルチャネル)
GPU GeForce GTX 860M(2GB)
SSD 512GB mSATA(Raid0 256GB×2)
HDD 1TB
ディスプレイ 13.3型 2,560×1,440ノングレアIGZO液晶
無線 IEEE 802.11 b/g/n、BluetoothR V4.0 + LE 準拠モジュール
バッテリー駆動時間 約6.5時間
OS Windows 8.1 Update 64ビット
重量 約2.1kg

 最上位の「NEXTGEAR-NOTE i421PA1」は、mSATA SSDを2基搭載してRaid0構成で搭載した上、1TB HDDも別途内蔵。CPUもターボブースト時最大3.9GHzのCore i7-4910MQ、メインメモリも16GBと、スペック的には並のデスクトップPCをしのぐ構成になっている。価格は229,800円(税別)。

 ちなみにもっとも安価な構成となる「NEXTGEAR-NOTE i421BA1」では、CPUがCore i3-4100M、SSDなし、HDDは320GB、メインメモリ4GBと、かなり絞った構成になる。ただIGZOパネルのモニターとGPUは変更なし。これで99,800円(税別)。高解像度モニターの価値を考えれば、十分割安と言えるだろう。もちろんこの2モデル以外にも、CPUやストレージを細かくBTOして好みの構成にできる。

超高解像度ゲーミングPCのメリットとデメリットを考える

超高解像度は、ゲームに限ってはメリットとデメリットが共存する

 本機において最も注目すべき点は、2,560×1,440ドットという超高解像度モニターで、どこまで快適にゲームをプレイできるのか、という点だ。

 PCのモニターの解像度が上がることには、PCゲームにとって明確なメリットとデメリットがある。メリットはもちろん、画面が精細になることだ。ゲームの新旧に関わらず、ゲーム世界が一段とクリアに描かれ、キャラクターのリアリティや背景の透明感が増す。FPSプレーヤーなら、精密なスナイプのために、より高い解像度を求める人もいるだろう。

 デメリットは、描画の負荷が上がること。特に3Dゲームにおいては、解像度が上がるとその分だけ3D描画にかかる計算量が増える。簡単に言うと、解像度が高くなればなるほど、フレームレートが低下する。いくら画面が精細に描かれても、動きがコマ送りになってしまっては、ゲームの快適性が失われてしまう。

 では、本機ではどのくらいのゲームが、どのくらい快適に遊べるのか。そして2,560×1,440ドットという超高解像度が、どの程度パフォーマンスに影響するのか。フルHD以上の解像度に対応したゲームのベンチマークソフトを使い、解像度を1,280×720ドット、1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドットの3段階に変更してスコアを取ってみた。

 まずは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」。グラフィックス設定は高品質(ノートPC)で固定している。1,280×720ドットではスコア1万オーバーで「非常に快適」の評価。1,920×1,080ドットでも7,000台で「非常に快適」の評価だ。2,560×1,440ドットになるとスコアは4,000台となり、評価は「快適」に落ちた。キャラクターが多いシーンではフレームレートの低下が感じられたが、まだ十分に動きが感じられ、これでプレイしてもさほど問題は感じないだろう。

【ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編】
1,280×720ドット
1,920×1,080ドット
2,560×1,440ドット

 次は「バイオハザード6 ベンチマーク」。1,280×720ドットではスコア9,000台でS評価。1,920×1,080ドットでは5,000台でA評価。2,560×1,440ドットでは3,000台でB評価となった。ゾンビが多いシーンではフレームレートが30を割り込むこともあったが、実際のゲームではこれほど負荷の高いシーンはないそうなので、概ね30fpsは保てるのではないだろうか。

【バイオハザード6 ベンチマーク】
1,280×720ドット
1,920×1,080ドット
2,560×1,440ドット

 最後は「モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク【大討伐】」。1,280×720ドットでは15,000オーバー、1,920×1,080ドットでは7,000台、2,560×1,440ドットでは4,000台となった。筆者の経験上、4,000台ならば実際のゲームで負荷が気になるようなことはまずないので、最大解像度でも快適にプレイできるはずだ。

【モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク【大討伐】】
1,280×720ドット
1,920×1,080ドット
2,560×1,440ドット

 今回試した3つの解像度をドット数で比較すると、1,280×720は約100万、1,920×1,080は約200万、2,560×1,440は約370万となる。スコアもドット数の比率とほぼ比例して変化し、概ねその通りに出ている。

 つまり、グラフィックス設定を変えずに1,920×1,080から2,560×1,440に解像度を上げると、フレームレートはおよそ6割程度に落ちる。実際には、ビデオメモリの量やCPUの負荷など他の要因もあるので、必ずしもこの割合になるとは言えないが、概ねこれに近いデータになると思っていいだろう。

超高解像度でもかなりパワフル。スケーリングも実用レベル

1,920×1,080ドットのスケーリング表示は綺麗で、よほど気をつけて見ないと気づかない

 ベンチマーク結果を踏まえて、本機のパフォーマンスも考察したい。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のような新しいゲームでは、最高のグラフィックス設定と最高解像度でプレイするのは、本機では少々荷が重い。ただグラフィックス設定をいくぶん下げれば、現実的なラインに落ち着く。

 また「モンスターハンター フロンティア オンライン(現在はモンスターハンター フロンティアG)」のような一昔前からあるゲームなら、解像度を上げても問題なくプレイできるはずだ。GeForce GTX 860Mのパワーを考えれば順当な結果と言える。

 もっともこれは、ゲームの負荷次第なので、古いゲームなら大丈夫と一概には言えない。それに描画能力についても、30fpsで許せる人と60fpsを割り込むのは許せない人がいるので、感じ方は人それぞれだ。

 ただ本機では、ゲームの描画設定を変更する以外に、解像度を下げるという手もある。本機でフルスクリーンゲームの解像度を2,560×1,440ドット未満に下げると、ドットを引き延ばしてスケーリング(補間)表示される。例えば1,920×1,080ドットにすると、解像度は縦横3/4になるため、その分だけ拡大表示となる。

 液晶モニターでスケーリング表示をすると、どうしても文字のにじみが気になるものだが、本機で1,920×1,080ドットにした場合、文字のにじみや潰れはごくわずか。スケーリング表示していると言われなければ気づかない人も多いと思われる。補間処理が適切に行なわれているのに加えて、元々の解像度が高いだけに、粗が目立たないのだと思われる。

 また解像度を1,280×720ドットに落とせば、パネル解像度と比べて縦横ちょうど半分となるため、スケーリングによるにじみが問題にならずシャープな映像になる。13.3型というサイズを考えれば、多くのゲームで十分実用的な精細さが得られる。超高解像度液晶は、ゲームの解像度を落とすというアプローチに対しても強みがあるのだ。

ゲーミングPCとしてだけでなく、総合的な用途に適した1台

「G-Tune」らしい、黒を基調にした硬質なデザイン

 最後はスペックシートだけでは見えない、使用感についてお伝えしたい。まず筐体は「G-Tune」ブランドらしい黒を基調に、キートップやサイドにシルバーに近いグレーを配色している。筐体の角は丸みがない直線的なフォルムで、ロボットのような格好よさを持つシルエットになっている。

 天板は滑りにくいマット加工になっており、持ち運びも考慮したデザイン。筐体そのものは約2.1kgと、13.3型というサイズにしては重めだが、Core i7-4910MQやGeForce GTX 860M、SSD Raid0+HDDといった構成のゲーミングPCとして考えれば、かなり軽量の部類に入る。このスペックなら、15インチクラスで2.5kg超というのが一般的だ。

 拡張端子は、USB端子が左側に1つ、右側に3つで計4つも設けられているのが特徴的。他にHDMI、D-Sub15ピン、Gigabit Ethernetも右側に備えている。ヘッドフォンとマイク端子は左側。気になるのはUSB端子の位置だ。いずれも筐体手前側にあるのだが、マウスを繋げる前提ならば、ケーブルの取り回しを考えて筐体奥にある方が使いやすい。極端に言えば背面にあってもいいくらいだが、本機の背面はバッテリー搭載部となっている。

左側面はUSB端子とヘッドフォン、マイク端子。排熱ファンもここにある
右側面はUSB端子が3つ、HDMI、D-Sub15ピン、Gigabit Ethernet、電源コネクタ
背面はバッテリー搭載部となっており、拡張端子はない
前面にはSDカードスロットを備える

 キーボードはアイソレーションタイプ。キーの背面にはLEDが仕込まれており、暗所でもキーがよく見える。キーのストロークはこのタイプとしては標準的で、軽いクリック感があり、感触は良好。配置的には、方向キーが右下に大き目に取られているのは気が利いている。

アイソレーションタイプのキーボードは十分な大きさ。右側のキーの一部が長いのが気になるが、それ以外はオーソドックスな配置
タッチパッドも本体色に合わせたコーティング。指の滑りもよく使いやすい

 排熱処理については、左側に排熱ファンが搭載されている。ゲームプレイなどで負荷が上がると、このファンが勢いよく回り出す。かなり甲高い音がするので、ヘッドフォンをしていないと気になる人もいそうだ。ただ低負荷の時にはファンが停止するのでほぼ無音になる。

 ただゲーム中はファンが回っていても、リストレスト部やキートップに熱が伝わってくる。いずれもほんのり温かいという程度ではあるが、長時間プレイしていると、手とPCの間に熱が貯まっていくのが感じられる。これをストレスと感じる人は、リストレスト部に薄いジェルパッドを置くなどして対処するのがいいだろう。

底面左側にはファンがある。排熱処理は概ね本体左側で行なわれている
リストレストの熱が気になる時は、ジェルパッドを置くなどして対応するといい

 スペック的には満足できるものの、排熱系と端子の配置にはやや難があると感じる。13.3型という小さなサイズにこのスペックを収めると、この辺りにしわ寄せが来てしまのは仕方ないところではある(もっとも、より大型のゲーミングノートPCでも排熱の問題はしばしばあるが)。ヘッドフォンとジェルパッドを用意し、マウスは左側に挿してケーブルを背面に回して持ってくるという対応もできるので、購入後に気になったらそういった方法も試していただきたい。

 あえてゲーミングPCであることを無視して考えれば、デスクトップを広く使ったり、動画や写真を精細に表示できるといった明確なメリットがある。出張などで荷物に入れるのも楽なサイズだし、パフォーマンスも申し分ない。低負荷であれば、騒音や発熱もほとんど気になることはないだろう。

 他にも、バッテリーが標準で6.5時間持つというのも、ゲーミングPCとしては貴重な存在だ。高解像度なだけでなく低消費電力であるというIGZOパネルの強みが、この部分でもよい効果を与えている。「G-Tune」ブランドの製品ではあるが、ゲーム以外にも用途があり、超高解像度モニターに総合的なよさを感じる人には、本機はかなりお買い得な1台だ。

(石田賀津男)