(2014/7/29 00:00)
マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」から、オリジナルマウスパッド「G-Tune Accurate Mouse Pad(ジー・チューン アキュレート マウスパッド)」が登場した。
「G-Tune」はゲーミングPCブランドとしては高い知名度を誇るが、あくまでPCを売っているブランドだった。ところが今回、自社オリジナルのマウスパッドを開発。PC本体とのセット販売のみならず、単体での通販も行なっている。つまり、誰でも気軽に入手できるゲーミングマウスパッドなのである。
ゲーミングマウスパッドは、マウスの動きを考える上では、マウス本体よりも重要な存在だ。そのため既に多くの他社製品が存在するが、本製品はそれらの中でもかなりユニークな仕上がりになっている。実際の使用感を含めてレポートしたい。
凹凸のある特殊繊維で抜群の滑りを実現
「G-Tune Accurate Mouse Pad」は2サイズでの展開で、Mサイズは370×230mmの長方形、Lサイズは450×400mmで、右側に50mmの突起部がある。ゲーミングではないマウスパッドと比べると、かなり大型の製品となる。主に肘を支点にマウスを動かす、動きの大きなプレーヤー向けのサイズだ。
表面素材は、「特殊な繊維素材を用いて立体構造に成形」と説明されている。分類としては布系マウスパッドということになるのだが、実際の使用感は他の布系マウスパッドとはかなり違う。またMサイズとLサイズでも表面の加工が異なる。
Mサイズは表面にはっきりした凹凸があり、ザラザラした手触りになっている。繊維というよりシリコン製のマウスパッドの感触に近い。Lサイズは凹凸のキメが細かく、比較的布らしい手触りになるが、こちらも一般的な布系マウスパッドとしてはかなり硬質だ。
使用感は、布系マウスパッドとは思えないほどの滑りのよさが特徴。特にMサイズは滑りがよく、シリコン製や金属製の滑り重視なマウスパッドに近い感覚がある。Lサイズも布系マウスパッドとしてはかなり滑りがいい方だが、Mサイズほどは滑らない。両者を使い比べてみると、はっきりした違いがある。
厚さは約3mmで、裏面はシリコン製の滑り止めになっている。机に接着する感じではなく、ゴムのような感触で極めて動きにくいというタイプ。裏面全てがこのシリコンになっているため、使用中のマウスパッドのズレはほとんど感じられない。
本製品を手で持つと、繊維とシリコンだけあって、グニャグニャと曲がる。しかし広げてみると表面的なクッション性はほとんどなく、マウスの沈み込みは全く感じられない。指でぐっと押さえても、ほんのわずかにへこむかな、という程度だ。表面はかなり硬質な感触で、筆者が初めてMサイズを触ったときは、表面も全てシリコン製かと思ってしまったほどだ。
説明に繊維素材とあるので、製品情報だけを見るとどうしても布系マウスパッドをイメージしてしまう。しかし滑りのよさと表面の硬質な感触は、既存の布系マウスパッドとは全く異なる。マウスパッド初挑戦とは思えない、面白いものに仕上げてきたなと感じた。
布系の快適性と硬質素材の滑りのよさを取り込む
使用感についてもう少しお伝えしたい。本製品の表面は、繊維素材ながら撥水性がある。汚れも簡単に拭き取れるというのが売りの1つだ。
となると逆に気になるのが手汗の問題。シリコン製や金属製のマウスパッドでは、手から出る湿気がマウスパッド表面にジワジワ付いていくのが気になる人もいるだろう。筆者はさほど酷い方ではないが、夏場に長時間プレイしていると気になることが多く、それゆえに最近は通気性・吸湿性のある布系マウスパッドを好んで使っている。
本製品はというと、撥水性があると言っても、通気性・吸湿性が全くないわけではないようだ。試しに数時間の連続使用をしてみたが、手汗が気になったり、マウスパッドに湿気が付いたりする様子はなかった。絶対ないとは言わないが、シリコンや金属よりは有利であろうと思う。
また金属製は手汗だけでなく、触れた時のヒヤッとする感触が苦手な人もいるだろう。本製品は繊維素材だけあって、触れた時の温度差はほとんど感じない。季節を問わず快適に使用できるだろう。滑り重視で金属製が好みだけれど、手汗や冷感などネガティブな面が気になるという人は、本製品、特にMサイズを試してみることをお薦めする。
可搬性については、丸めて持ち運ぶのも可能だが、裏面のシリコンがあるため、一般的な布系マウスパッドほど丸めやすくはない。できれば平面のまま持ち運ぶ方がいいだろう。ただ、しっかりした重量のあるシリコンのおかげで、丸めた後も丸まり癖があまり気にならないという利点はある。
耐久性については、短時間の試用なので確かなことは言えないが、表面が硬質なので、一般的な布系マウスパッドほど早く痛みはしないだろうと思う。また水がかかっても大丈夫だとしている点も、耐久性の面でポジティブな要素だ。
布系の感触のよさと、金属やシリコンなど硬質素材の滑りのよさを、両方合わせ持った面白い製品に仕上がっている。惜しいのはサイズが大型2種類に限られていることだ。マウス操作は、熱心なFPSプレーヤーを除けば、手首を支点にして動かすスタイルが圧倒的多数だろう。滑り重視のマウスパッドを求める人には強くオススメできる製品だけに、Mサイズをさらに半分程度の大きさにしたSサイズがあれば……と思ってしまう。
しかしゲーミングPCブランドから、オリジナルのマウスパッドが発売されるということ自体が珍しいことなのに、製品としてもかなりユニークなものがいきなり出てきたことは、大いに評価できる。価格もサイズの割にはかなり手頃なので、滑り重視の布系マウスパッドを好む人はぜひ1度試してみていただきたい。