ゲーミングPCレビュー「G-GEAR N1560J」

G-GEAR N1560J

10万円を切る実用クラスのゲーミングPC!
GTX 765M搭載で「BF4」もバリバリ遊べる!?



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発売元:
  • TSUKUMO
開発元:
  • TSUKUMO
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発売日:

 海外ではいよいよプレイステーション 4が発売され、家庭用ゲーム機の世界に世代交代の波が押し寄せているが、PCゲーミングの世界ではもっと細かな刻みで新世代のPCが登場してきている。

 その代表例のひとつが今回紹介する、TSUKUMOが11月15日に販売を開始したゲーミングノートPC「G-GEAR N1560J」シリーズだ。

 本シリーズは8月末に発売された15.6型ゲーミングノート「G-GEAR N1580J」シリーズ(GeForce GTX 770M搭載、139,980円~)の下位シリーズという位置づけとなるが、GPUにはGeForce GTX 765Mを搭載し、ゲーム性能を重点的に確保。最下位モデルの「N1560J-500/E」ではCPUがCore i 5-4200Mとなる代わりに、価格99,800円と10万円を切るコストパフォーマンスを実現している。

 今回試用したのは本シリーズの最上位モデルとなる「G-GEAR N1560J-720/E」で、カスタマイズ前の基本価格は124,980円。構成としては上位シリーズの「N1580J」のGPUをGTX 765Mとし、新型の筐体デザインを採用したものとなる。さて、充分なゲームパフォーマンスを実現できているのか見ていこう。

GeForce 765Mが充分に快適なゲーム環境を提供する!

 まずはスペックを確認しよう。

【G-GEAR N1560J-720/E】

ディスプレイ 15.6型フルHD ノングレア液晶ディスプレイ(LEDバックライト)
CPU Core i7-4700MQ
メインメモリ PC3-12800 DDR3L SODIMM 8GB (4GB×2)
GPU NVIDIA GeForce GTX765M / インテル HD グラフィックス 4600
SSD 128GB (シリアルATA)
HDD 500GB(シリアルATA)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
サウンド HDオーディオ(Sound Blaster Cinema対応)
有線LAN 10/100/1000Base-T
無線LAN IEEE 802.11 b/g/n
その他無線 Blutooth 4.0
インターフェイス USB3.0×2 / USB 2.0×1 / eSATA×1 / HDMI×1 / D-Sub15ピン×1 / ヘッドフォン出力×1 / マイク入力×1 / SPDIF(Digital)×1 / マルチカードリーダー×1
バッテリー駆動時間 約4.5時間
外形寸法 374×250×42.7(幅×奥行き×高さ)mm
本体重量 約2.7kg
OS Windows 8.1 (64bit) または Windows 7 Home Premium SP1(64bit)

G-GEAR N1560J-720/E

 以上の通り、GPUを除くスペックは上位シリーズの「G-GEAR N1580J-710E」とよく似た構成だ。実際の購入時にはBTOでここからカスタマイズをすることも可能だが、GPUの変更は不可で、CPUやSSDの強化、Blu-rayドライブの搭載といったとGPU以外の選択肢から選ぶことになる。

 上位シリーズと搭載ソフトウェアもほぼ変わらず、搭載サウンドチップのオーディオ調整アプリ「SBX PRO STUDIO」が引き続きプリインストールされている。ただしネットワークチップが変更されたようで、上位モデルにはあったゲーム向けネットワーク最適化アプリ「Killer Network Manager」は無い。

 PCスペックだけで見ると、事実上、本モデルは、上位シリーズよりも15,000円ほど下がる代わりに、GPUがGTX 770MからGTX 765Mになることを許容するかどうかが判断の分かれ目となる。

 その辺りの検証をまずしてみたい。以下、本モデル「G-GEAR N1560J-720/E」と、上位シリーズの基本構成である「G-GEAR N1580J-710/E」とのベンチマーク比較データをご紹介していく。

 なお、本機での仕様ドライバは現時点で最新の331.65で、比較対象とする「G-GEAR N1580J-720/E」の数値は8月30日時点での最新ドライバ320.49で計測した過去記事のものに基づくこのため、ドライババージョンの差によるパフォーマンス影響もあることに留意されたい。

3DMark

 DirectX 11基準のベンチマークツールとなっている「3DMark」では3つのテストを実行できる。中でも「ICE STORM」テストは動作が軽く本機でも100fps以上で動作するが、「N1580J」に比べ25%程度のスコア低下が見られることから、GPUの持つ描画能力がこのあたりで頭打ちになっていることが推測できる。

 CPUにも多大な負荷を掛ける残り2つのテストでは、その差は1割程度に留まった。これはCPUがボトルネックになることで、GPUの能力差が覆い隠されているものと考えられる。他のゲームのベンチマークでもおおよそ同じ傾向を見ることができた。

FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編

 ゲームのベンチマークでは1,920×1,080ドットと1,280×720ドットの2つの解像度で最高品質での描画を確かめた。幅広いPCで遊べるオンラインゲームとしてはやや重めの部類に入る「FFXIV」では、1,920×1,080ドットの最高品質で、スコア4,322で“快適”の評価。「N1580J」とは2割程度の差が付いているが充分にプレイアブルだ。

 1,280×720ドット設定では常時60fps以上をほぼキープしており、7,967のスコアで楽々と“とても快適”評価をゲット。なお、最高品質から1つ下の設定となるノートPC向けの高品質設定では1,920×1,080ドットでもスコア5,581と“とても快適”ラインを突破できているため、解像度を優先してプレイしたい場合は描画品質をやや下げることで充分に対応可能だ。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト

 比較的軽量なグラフィックスで快適動作が期待できる「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」だが、本機において1,920×1,080ドット、最高品質設定ではスコア9,140、“とても快適”評価を軽々とクリア。なんと「N1580J」よりも良い数値が出ている。ドライバの更新により大幅にパフォーマンスがアップしたのか、とにかく余裕で快適に遊べることは間違いない。

 1,280×720ドットの最高品質設定ではスコア11,861と大台を越え、実フレームレートとしても常時100fps以上と完璧な環境だ。本機の液晶モニターは60Hz出力まで対応しているので、完全にオーバーパワーである。実際にプレイする際は1,920×1,080ドット、最高品質設定で贅沢に遊ぼう。

ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0

 「ファンタシースターオンライン2」では「N1580J」に比べて意外に大きな差がついた。理由として考えられるのは、ドライバの実装とゲームの相性によるものと考えられるが、パフォーマンスそのものはいずれにしても1,920×1,080ドットの最高品質設定においても常時80fps以上の結果が出ており、プレイ上は全く問題ないレベルだ。

バイオハザード6 ベンチマーク

 国産アクションゲームの中では高品質グラフィックスを誇る「バイオハザード 6」のベンチマークでは本機の限界がようやく見えてきた。いずれの解像度でも「N1580J」に比べ2割程度の差がついているのはGPUの能力差がほぼそのまま出た格好だ。その上で、1,920×1,080ドットの高品質設定では、本機では30fpsを下回るシーンが多く、スコア4657の“ランクA:快適な動作が見込めます”というまずまずの評価で、やや画質を下げたほうが無難という結果となった。

 1,280×720ドットの高画質設定ではスコア7977、フレームレートは40~60を行き来する感じとなりそれなりには快適に遊べる感じとなる。常時60越えを狙うには多少グラフィックスオプションを下げる必要はあるが、この価格帯のノートPCとしては大健闘と言えそうだ。

バトルフィールド 4 システムテスト

 最後にチェックしたのは、PCゲームの分野では今もっとも旬といっても過言ではない新作FPS「バトルフィールド4」。本タイトルにはゲーム中のパフォーマンスを計測する“システムテスト”機能がついており、これを用いて各設定での平均フレームレートを知ることができる。

 ここでは、プリセットの“高”、“中”、“低”を、それぞれの解像度でテストしてみた。結果としては、DirectX 11フィーチャーをフルに活用した“高”設定では、使用解像度に関わらずパフォーマンスが大幅に低下するというものだ。

 「BF4」が採用しているFrostbite 3エンジンは、高品質の描画を実現するためにDirectCompute機能をかなりヘビーに活用しており、GPUコアが単純な描画処理だけに使われるわけではない。CUDAコアの数がデスクトップ向けGPUに比べて大幅に少ないGeForce Mシリーズにとっては泣き所であろう。この影響が“高”設定で如実に現われた格好だ。

 一方、“中”、“低”の設定では意外と良いフレームレートが出ていることにも注目したい。1,920×1,080ドットの解像度で60fps程度が確保されており、乱戦時に多少のフレームドロップがあることに目をつぶれば快適にプレイ可能なレベルだ。

 1,920×1,080ドットの“低”設定あるいは“中”で解像度を1,280×720ドットとすれば、状況に関わらず常時60fpsのヌルヌル感で遊べる。画面の見栄えも、忙しい撃ち合いの中では気にしている余裕もないから、筆者のおすすめは解像度を下げるよりは1,920×1,080ドットで“低”設定でのプレイ。

 高中低での見え方の違いは以下の通り。高設定でのアンビエントオクルージョン効果(装甲車の下部に見られる)や、植物の葉に見られる半透過光の効果などが中設定で省略され、低設定ではソフトシャドウ効果や地面のパララックスマッピングも省略されのっぺりとした印象になる。

 余談ながら筆者はGeForce GTX 780搭載のデスクトップPCでもあえて“低”設定で遊んでいる。派手なエフェクトや植生などのオブジェクトがいい具合に省略され、敵を見つけやすくなる気がするからだ(笑)。

【バトルフィールド4】
高設定
中設定
低設定

高設定
中設定
低設定

(佐藤カフジ)