1人でもみんなでも楽しめるリゾート体験ゲーム
- ジャンル:
- リゾートツアー
- 発売元:
- 開発元:
- プラットフォーム:
- Wii
- 価格:
- 5,800円
- 発売日:
- 2011年10月20日
- プレイ人数:
- 1~4人
- レーティング:
- CERO:A(全年齢対象)
株式会社バンダイナムコゲームスは10月20日、Wii用リゾートツアー体験「GO VACATION」(以下、本作)を発売した。
同社からはこれまでにも、リゾートをモチーフにしたタイトルとして、2008年1月にWii用「ファミリースキー」、同年11月に「ファミリースキー ワールドスキー&スノーボード」の2作を発売しているが、本作では雪山のみならず、海・山・街の3つのエリアが追加されたカワウィー島が舞台となっており、ウィンタースポーツ以外にもさまざまなスポーツやレジャーが楽しめる内容となっている。
本稿では、これら新たなリゾートエリアとそこで遊べるスポーツ&レジャーの内容を中心に、本作がどのようなリゾートツアー体験ゲームになっているかについて、その内容と魅力を紹介していこう。
■ まずはマリンリゾートからスタート
楽しみながらスタンプラリーを進めていこう
アバターは“おとこのこ”、“おんなのこ”から“おじいさん”、“おばあさん”まで8タイプ合計224種類の中から選択できる。また、Miiをプレーヤーとして登録することも可能だ |
カワウィー島でプレーヤーのサポートをしてくれるリリー。彼女はカワウィー島のおすすめイベントを紹介してくれるほか、今いるリゾート地の宝箱の残数や記念撮影をしたスポットの数など、さまざまな情報を教えてくれる |
ゲームを開始すると、まずはプレーヤーの登録からスタート。プレーヤーの登録をする際には、多くのアバターの中から選んでいくほかに、“ぼうし”や“めがね”の着替えができなくなるものの、Miiを登録することも可能だ。
最初に訪れることができるのは、カワウィー島の中にある4つのリゾートエリアの1つ、マリンリゾートのみ。ここで、プレーヤーのサポート役であるリリーより、簡単な操作説明を受けるとともに、さまざまなスポーツ&レジャーのイベントを巡る「カワウィー★スタンプラリー」が行なわれていることを知らされる。
「カワウィー★スタンプラリー」は、リリーがおすすめするイベントのある位置に目印がつけられるようになっており、プレイするだけで勝っても負けてもスタンプがもらえる簡単なものになっている。このスタンプを集めることで、ほかのリゾートエリアに移動できるようにもなるので、まずはこのスタンプラリーを進めながら、リゾートの乗り物や地形に慣れ親しんでいこう。
実際にプレイしてみた感想としては、スタンプラリーを進めていく中で、自然に今いるリゾートの地形や道のつながりなどを理解できるほか、行ってみたい場所がどんどん増えていき、それにあわせて新たなリゾートに移動できるようになるため、少しずつできることが広がっていく楽しさを感じることができた。
最初はマリンリゾートのみということを残念に思う人がいるかも知れないが、非常に広大なカワウィー島だけに、ある程度の道しるべとしてこのスタンプラリーは有効に働いているな、と感じられる。また、スタンプはイベントで失敗してももらえるので、すぐに集めることができる上に、リリーのおすすめ以外のイベントからもスタンプをもらえるため、ゲームがあまり得意でないという人や、自由に遊びたいという人も安心して遊ぶことができる。
リゾートの中は乗り物を利用しながら自由に移動可能。リリーのおすすめイベントには、画面左下のマップに目印がつくため、場所がわかりやすい | イベントの場所についたら迷わず参加しよう。勝っても負けてもスタンプはもらえるので、まずは難しいことを考えず、気軽に楽しんで大丈夫だ | イベント終了後にスタンプをゲット!これまでに参加していないイベントならば、リリーのおすすめイベント以外を選んでもスタンプをもらえる |
最初は20個のスタンプを集めることが目標。スタンプを集めていくと、ほかのリゾートに行けるようになるなどの特典があるので、まずはスタンプを集めながらゲームに慣れていくのがおすすめだ |
■ 4つのリゾートには50種類以上のスポーツ&レジャーを用意
好成績を収めてシルバーキーをゲットせよ!!
リゾートを移動中、+ボタンを押して表示されるポーズメニューのマップでは、リゾート内の主な場所への移動と、その付近にあるイベントの確認ができる |
スタンプラリーを進めていくことで、マリンリゾートだけでなく、シティリゾート、マウンテンリゾート、スノーリゾートへ移動できるようになる。各エリアには、その場所にあったスポーツ&レジャーのイベントが用意され、その総数は50種類、遊び方は100種類以上にも及ぶ。
これらのイベントは、4人までのプレーヤーで楽しむことができ、操作を覚えなければいけない一部のものを除き、複雑な操作が必要なく簡単なルールのものばかり。プレイ中には操作ガイドも表示されるため、ほとんどのイベントで操作説明を読まずにプレイしても問題ない、わかりやすい内容となっている。
また、ほとんどのイベントで、好成績を収めるとシルバーキーを取得できるモードが用意されている。シルバーキーは、後述する別荘地で使用することで、アイテムを取得できるもので、別荘を自分好みにリフォームしたい人は、イベントで好成績を収めてシルバーキーを集めていくことをおすすめしたい。
ここからは、リゾートに散りばめられたイベントの中から、特徴的なものや筆者が気に入ったものを抜粋して紹介していこう。いずれも楽しくやり応えのあるものばかりなので、プレイする際に見かけたら、ぜひ遊んでみてほしい。
ほとんどのイベントは、目標を達成して好成績を収めると、シルバーキーをゲットできる。目標を達成したモードのチェックボックスにはチェックが入るほか、ポーズメニューの記録で取得していないシルバーキーを調べることもできるので、どのイベントがまだ目標を達成していないかもわかりやすい |
・マリンリゾート
マリンの名の通り、海に関連するイベントが多いマリンリゾート。海での移動はマリンバイク、陸はバギーと動力つきの乗り物が2つ用意されており、移動や探索がしやすいエリアとなっている。この2つの乗り物を使ったイベントのほかにも、空を落下中にフォーメーションを完成させるスカイダイビングや、いかに波や風に乗れるかがカギのサーフィン・ウィンドサーフィンなど、多様なイベントがプレーヤーを楽しませてくれる。
【トライアスロン】 | ||
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水泳の代わりにマリンバイク、自転車の代わりにバギーと、実在のトライアスロンとの違いはあるものの、途中のランを含めて3つの種目すべての総合力が問われることに変わりはない。マリンバイクから降りる際に、いかにギリギリ奥で降りることができるかがタイム短縮のポイントとなる |
【サーフィン】 | ||
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波に乗りながらココナッツを集める“ココナッツチャレンジ”と、制限時間内の得点を競う“ビッグウェーブライド”、“スコアトライアル”が楽しめるサーフィン。いかに波に乗って動きをコントロールするかということのほかに、スコアトライアルではパドリングで波を越えながらどの場所から波に乗るかも、重要な要素となる |
【スキューバダイビング】 | ||
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指定された魚をさがす“魚をさがそう”がシルバーキーを手に入れるモードだが、“フリーダイビング”で特定の魚の写真を撮らないと、行けない海域がある。全部で4つの海域があることもあり、ある意味もう1つのエリアといえるほどの広さとボリュームがあるイベントとなっている |
・シティリゾート
街が舞台となるシティリゾートでは、インラインスケートとスケートボードがプレーヤーの移動手段となる。多少Wiiリモコンを振って加速する必要はあるものの、街のあらゆる場所にレールスライドできるレールが配置されているため、移動で苦労することはあまりない。
シティリゾートにあるイベントは、数々のモータースポーツが楽しめるモーターフェスタ、もぐらたたきやパンチングマシーンなどのミニゲーム的なもの、またダンスやグラスハープなどの文化的なものなど、バラエティに富んでいる。
街全体を見下ろせるような高い場所にいくには、レールなどに飛び移っていかないといけないため、探索の難易度は高めだが、高い場所につながっているレールにどこから乗れるかを早めに探しておくと、立体的に移動できるようになり、このリゾートでの移動や探索が楽しくなってくるはずだ。
【モーターフェスタ】 | ||
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ドリフトや急加速など、同社の人気レースゲーム「リッジレーサー」シリーズさながらのストリートカーとバイク、サーキットカーの3つの乗り物で遊ぶことが可能なモーターフェスタ。乗り物の特長とルールを把握することが最速タイムのカギだ |
【グラスハープ】 | ||
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プレーヤーそれぞれが、4つのパートの中から1つのパートを受け持って、おなじみの曲を奏でるグラスハープ。BボタンとZボタンを押すだけの簡単操作で合奏している気分を味わうことができる。リモコンを振ることでビブラートをかけることができるので、単に演奏するだけではなく自分なりのアレンジを加えることも可能だ |
【グラインドマスター】 | ||
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制限時間内に目標距離までレールから落ちずにすべり続けることが目標。いかに次のレールにジャンプして飛び移るかの予測と、カーブではうまくバランスをとることが大事となる。最後にはジェットコースターさながらに高所からすべり降りるスリルとスピード感が楽しめる |
・マウンテンリゾート
高原が舞台のマウンテンリゾートでは、陸はオフロードカーと馬、河や湖はカヤックに乗って移動できる。動力のあるオフロードカーが1番楽に移動できるが、ジャンプできる馬でしか移動できないルートなどもあるため、臨機応変に乗り物を変更していこう。
ふもとの湖そばのシューティングパークには射撃系のイベントが多く用意されているほか、川下りを行なえるカヤックやラフティング、のんびりと空中散歩が楽しめるパラグライダーなど、トリック系の操作が必要ない比較的簡単なルールや操作のイベントが多いので、はじめての人と一緒に遊ぶ際にはこのリゾートがおすすめだ。
【クイック射撃】 | ||
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Wiiリモコンを構え、合図があったら制限時間内に目標を撃つだけの簡単ルール。Wiiリモコンならではの操作性を生かしたイベントになっているが、目標を撃つまでの時間で勝負が決まるうえ、フライングや撃ち損じが許されないので、ドキドキの緊張感が味わえる |
【パラグライダー】 | ||
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上空に浮いている“風船をわろう”と、的の中央を通ると高得点の“ねらってフライト”が楽しめるパラグライダー。高度を犠牲にして加速するとスピードが出せるので、上昇気流をうまくつかまえて高度と速度を稼げるルートを通るのがポイントとなる |
【ラフティング】 | ||
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4人で協力しながら川を下っていくラフティング。Wiiリモコンを振ることでオールを漕ぐことができるほか、十字ボタンでNPCの仲間にどの方向に進みたいかの指示を出すことができる。仲間に的確な指示を出しつつ、ときには自分自身で漕ぐ必要もあるという、チームプレイが大事なイベントだ |
・スノーリゾート
スノーリゾートの移動はスキーやスノーボードに加えて、滑り降りるスノーチューブとスノーモービルが追加。特に、スノーモービルでは簡単に雪山を登ることができるため、移動や探索が大幅に楽になっている。
イベントとしては、スキーやスノーボードのものはもちろん、新たな乗り物であるスノーチューブやスノーモービルを使ったもの、雪だるま作りや雪合戦、アイスフィッシングなども追加され、「ファミリースキー」シリーズと比べても豊富な種類のイベントが楽しめるようになった。
【スキージャンプ】 | ||
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スキージャンプは、向かい風がくるタイミングまでじっと待つところからスタート。ジャンプ台でタイミングよく踏み切ったら、あとは体のバランスをとっていこう。うまくこの3つがかみ合えば、K点越えの大ジャンプをすることができる |
【スノートリック】 | ||
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スノートリックでは、ハーフパイプでトリックを次々と決める“ハーフパイプトリック”、自分なりのルートを進みながらレールスライドやトリックを決める“スロープスタイル”が楽しめる。同じ高難度の技を決め続けるよりも、いろいろな技を混ぜたほうが得点が高くなるので、トリックの構成を考えながら決めていきたい |
【スノーチュービング】 | ||
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浮き輪のような形のそりに乗って滑り降りるスノーチュービング。ブレーキが効かないため、いかにコースどりを行なうかが大事となる。スノーチューブに乗って雪だるまを倒す“チューブボウリング”でも、いかに1番ピンをねらうかが大事だ |
■ イベント以外にも島には遊べる仕掛けが盛りだくさん
家族や友達・バディや愛犬と共に島中を駆けめぐろう!
各リゾートに7つずつ設置されている宝箱。中にはプレーヤーの着替えアイテムが入っているので、島を移動中に見かけたら忘れずに開けておきたい |
イベント以外にも特定の条件を満たすことで得られるチャレンジスターや、プレーヤーの着替えアイテムが入っている宝箱、思わぬところにある隠し通路、プレーヤーの記録やプレイに役立つちょっとしたヒントや情報が手に入るメッセージつき風船など、カワウィー島にはまだまだ遊べる仕掛けが多数用意されている。
また、プレーヤーが操作できる乗り物のほかに、自動運転で動く乗り物も多数用意されている。これらの乗り物にはピンク色の場所から乗り込むことができ、ほかのことを気にすることなく、のんびりと景色を楽しめる。また、空を飛ぶ乗り物など、リゾートを見回すのに最適な乗り物も用意されているので、宝箱などが見当たらないときなどには、ゆっくり乗り物で怪しそうな場所を探してみると、思わぬ発見があることも多い。
リゾート内での移動は4人のプレーヤーがそれぞれ思うがままに移動できるほか、バディと呼ばれるNPCや、島にいる愛犬家から愛犬を譲り受けて一緒に行動することもできる。バディや愛犬は、各リゾートで出会って合流できるほか、リゾートに行く前に登録することも可能だ。このシステムにより、1人で遊んでいる場合でもみんなで行動しているかのような気分を味わえるのは、1人でプレイすることが多いプレーヤーにとって嬉しい点といえるのではないだろうか。
■ スタンプラリーを進めていくと別荘地に行けるように
自分好みに別荘をカスタマイズすることも可能
最初の目標であるスタンプ20個を集めると、別荘がプレゼントされ別荘地に行けるようになる。別荘地には他のレジャーやスポーツはないものの、自分なりの別荘にリフォームする箱庭的な楽しさがある |
スタンプラリーでスタンプを20個集めると、別荘地に行くことができるようになり、自分だけの別荘が持てるようになる。別荘では椅子に座ってテレビを見たり、ベッドで寝たりとゆったりと過ごすことが可能だ。
さらに、シルバーキーやゴールドキーを使うことで、90種類ものアイテムセットを手に入れて、別荘の外観を変更したり、家具を設置できるほか、間取りも選択できるようになる。
1人のプレーヤーにつき4つまで別荘を登録できるので、その日の気分に合わせてすぐに別荘を建て替えることもできてしまう。長時間プレイした後などには、こだわりまくった自分なりの別荘に家族や友達を招待して、のんびりとした時間を過ごしてみてはいかがだろうか。
まずは別荘のタイプを選ぼう。このタイプによって、別荘の外観や基本的な内装などが決定される | 続いて間取りを選ぶ。間取りは、1階と2階のそれぞれについて、大部屋にするかいくつかの小部屋に分けるかを選択できる | 最後に、家具などのアイテムを設置していこう。家具や別荘のタイプなどはシルバーキーやゴールドキーを使うことで追加可能だ |
愛犬やみんなとボール遊びをしたり、ベッドでくつろいだり、時には祝勝会を開いたりと、プレーヤー次第でさまざまな過ごし方ができるのも別荘地の魅力だ |
■ 広大なカワウィー島に楽しい仕掛けがギュッと凝縮
1人でもみんなでも気軽にリゾート体験が楽しめる良作
メインメニューには、写真撮影や、音楽に合わせて写真を閲覧できるスライドショーが楽しめるアルバムメニューなども用意。地味ながら、こういったちょっとした楽しみが用意されているのも、本作の魅力の1つだ |
本作の内容と魅力について紹介してきたが、いかがだろうか。筆者の場合、スタンプラリーのすべてのスタンプを集めるのに5時間程度。多少の寄り道をしつつすべてのシルバーキーを集めるまでに30時間程度のプレイ時間となった。もちろんこのほかにも、チャレンジスターや宝箱集めなど、まだまだ遊べる要素が残っており、十分なボリュームを感じることができた。
プレイしていて気になった点としては、リゾート内での移動にヌンチャクが必須なことが挙げられる。ヌンチャクを使用しないイベントでは外すことを要求されるため、ヌンチャクの着脱をする手間が頻繁に発生してしまう。そのため、Wiiリモコンのみのイベントでも、ヌンチャクを外さなくてもよければ楽なのに……と思ってしまうことがしばしばあった。
とはいえ、それも多くのイベントが用意されていることの嬉しさに比べれば些細なもの。逆に言えば、ヌンチャクやバランスWiiボードだけではなく、WiiモーションプラスやWiiハンドル、Wiiザッパーと、多くの周辺機器に対応しているのも嬉しいポイントといえる。基本的にはWiiリモコンとヌンチャクがあればほとんどのスポーツ&レジャーが楽しめるが、これらの周辺機器があれば、より直感的にゲームを楽しめるので、可能な限り用意することをおすすめしたい。
また、ほとんどのスポーツ&レジャーが、みんなで手軽に楽しめる内容となっているのは、Wiiを多人数で遊ぶことが多い人にとって大きな魅力といえるだろう。基本的に、ほとんどのイベントのルールと操作がすぐに理解できるシンプルなものに加えて、短いものでは数秒、長いものでも数分で決着がつくものばかりとなっており、本作を初めてプレイする人でも遊びやすく、パーティゲームとしてもおすすめしやすい内容といえる。みんなで協力しあったり、競争しあう楽しさが味わいやすい本作は、友達や親戚が集まることが増える年末年始に向けて、思わぬ活躍をする機会があるかもしれない。
以上のように、本作は4つのエリアになったことで、イベントのバリエーションやボリューム、やり込み要素がパワーアップしたのはもちろん、みんなで遊べるイベントが多数存在したり、別荘のリフォームやアイテムコレクションなど、さまざまな楽しみ方が用意されたお得な内容となっている。「ファミリースキー」シリーズが好きな人はもちろん、やり込みがいのあるゲームを求めている人や、家族や友達みんなで楽しめるゲームを求めている人にも、自信を持っておすすめできる1本だ。
(2011年 10月 21日)