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PS3/Xbox360ゲームレビュー

欧州生まれのオープンワールドARPGが登場!
野心的な武器強化システムで最強を目指せ

「トゥーワールド2」

  • ジャンル:アクションRPG
  • 発売元:ユービーアイソフト
  • 開発元:Reality Pump
  • プラットフォーム:プレイステーション3 / Xbox 360
  • 価格:7,980円
  • 発売日:2月17日(発売中)
  • CEROレーティング:Z(18歳以上対象)
  • プレイ人数:1〜8人


 人間とオーク、2つの主要種族が作る「2つの世界」。古代神の復活秘話を巡って冒険を織りなすアクションRPGが本作「Two Worlds II(トゥーワールド2)」だ。ポーランドのデベロッパーであるReality Pumpが開発した本作は、既存のRPGが持つ常識的なゲームシステムに反旗を翻し、個性的なゲームメカニクスでプレーヤーを刺激する。

 本作は万人向けと言い切れる作品ではなく、どちらかというとハードコアなゲームファンに向けた内容であり、外連味たっぷりの作風が貫かれていることが特徴だ。これはプレイする者の受け止め方によって評価が大いに分かれるということでもあり、本稿ではそのあたりの特徴をお伝えしてみたい。



■ 独特のシステムを備えたオープンワールド・アクションRPG

広大なアンタルアの大地が冒険の舞台だ
戦闘はアクション。如何に的確に攻撃を当て、かわすかがポイント
NPCとの会話によってクエストを進行する
ギャンブルでお金稼ぎ、なんて要素もある

 2007年に発売されたPC用アクションRPG「Two Worlds」の成功により、晴れてコンシューマーゲーム機向けの作品として生まれ変わった本作「Two Worlds II」。まずは概要を見てみよう。

 

 前作は武器のリーチによって戦い方が大幅に変わるといったアクション性の高さや、事実上無制限に武器をエンチャントできる強化システム、あるいは魔法のカードを集めることでいくらでも強化可能な魔法の仕組みといったシステムで、他のRPGとは全く違ったプレイ感覚を提供することに成功していた。本作はそのテイストを引き継ぎつつ、コンシューマーゲーム機向けということでシステムの様々な面がリファインされている。

 冒険の舞台となるのは、人間とオークによる「2つの世界」が広がるアンタルアと呼ばれる世界。ゲーム世界は広大なオープンフィールドワールドとして表現されており、目の前に広がる世界を気の赴くままに冒険することが可能だ。ストーリーはクエスト進行を基本にして展開していくが、膨大な数のサブクエストが用意されていることもあり、プレーヤーがゲームを進める道筋とスタイルに大幅な自由度が確保されていることが特徴のひとつだ。

 モンスターとの戦闘は非常にアクション性が高い。戦闘は常にリアルタイムに進行し、攻撃ボタンを押せば様々な近接戦闘のアクションが飛び出す。命中判定は見た目通りに処理されるため、間合いを詰めて確実に攻撃を命中させたり、距離をとって敵の攻撃をかわすといったアクションゲーム的なプレイが基本だ。敵の種類に応じて戦い方も変化し、キャラクターや装備の強さに頼ったゴリ押しだけでは攻略できないこともある。

 また、プレーヤーは剣などの近接武器による戦士スタイル、弓によるアーチャースタイル、魔法によるメイジスタイルの3系統の装備・戦闘方法が取れるようになっており、自分自身の戦闘スタイルを見つけ、強化することが冒険の中で大きなテーマとなる。それを支える個性的な武器強化システム、魔法作成システムは実に頭をつかうところで、プレイ時間の大部分をキャラクタービルドに費やすことになるだろう。

 冒険の舞台となるアンタルアにはいくつもの都市や、探索するべき広大なフィールドと無数のダンジョンが存在する。クエストを受けて何かの目的を果たすために冒険するもよし、ただ世界の姿を明らかにするために放浪するもよし。最近の「至れり尽くせり」なゲームに比べると決して親切とはいえない世界だが、この潔い突き放しぶりは、それをよしとするプレーヤーに十分のめり込む価値を与えてくれる。


本作の世界はオープンワールドで自由に行き来し、冒険を楽しむことができる。行く先々で様々な土地に出会い、クエストを得て、キャラクターを成長させていく。自由度を重視する海外RPGらしい作りと言えるだろう



■ 火の神アザラル、そして主人公と皇帝ガンドハルの因縁を巡る物語

囚われの主人公と妹のカイラ
皇帝ガンダハル

 本作のメインストーリーの主軸をなすのは、この世界における古代神のひとつ「火の神アザラル」を巡る野望と因縁だ。前作「Two Worlds」にて、流浪の冒険者であった主人公は、その妹カイラが古代神復活の器となる特性を備えていたために、邪悪な陰謀を抱く魔術師ガンドハルとの因縁に巻き込まれてしまった。最終的にガンドハルとの対決に臨んだ主人公であったが、奮戦むなしく敗北し、妹共々虜囚の身となってしまった。

 

 本作のストーリーは、主人公がガンドハルの居城に囚えられているシーンから始まる。ガンドハルの儀式により苦しみを受ける主人公と妹カイラ。そこに突如現われたのは、前作で絶滅寸前までに追い詰められたオーク族の一派だ。ダーファと名乗る女性オークの導きによって囚われの身から開放された主人公は、カッサラと名乗る予言者に出会い、ガンドハルの野望を砕くため、その導きに従うことになる。

 冒頭でなぜ主人公は囚われていたのか? 主人公を捕らえていた黒い王冠を被った人物は誰なのか? 主人公のとなりで一緒に苦しんでいた若い女性は誰なのか? なぜオーク族が助けにきたのか? オーク族の一派を従えている予言者カッサラとは何者なのか? 結局主人公は何をすればいいのか? などなど、序盤の展開は謎が謎を呼ぶというよりは、全部が謎である。

 正直なところ、本作の冒頭のストーリーは説明不足が目立ち、すべてがあまりに唐突に展開していくためにすべてを理解することはなかなか難しい。前作をプレイしていることを前提にしているのはまだしも、背景が全く紹介されないままメインストーリーへと突入していくため、序盤の数時間は強い「やらされ感」に耐えながらプレイすることになる。

 こういったシナリオの不透明さ、意味不明感は前作でも弱点となっていたポイントだが、本作でもあまり改善が見られていないのはちょっと残念なところ。ヨーロッパ生まれのRPGというのはみんなこうなのだろうか、などと思ってしまうが、個人的なアドバイスとしては、ストーリーを全部理解しようと思わずに気楽にゲームを進めていくことをオススメしておきたい。


主人公はオーク族の一行により囚われの身を脱する。果たしてその真意とは?

予言者カッサラの導きに従い、ガンダハルの野望を打ち砕くことを誓う主人公。妹を救い出すためにも、戦いの技を思い出さなければ



■ 武器強化、魔法作成のユニークなシステム。時間を忘れてしまうキャラクタービルド

近接攻撃は基本となるスキル。これに遠隔攻撃と魔法を組み合わせればより有利に戦える
素材を消費して武器をアップグレード。より高位のアップグレードでは大量の素材が必要となる
カードを組み合わせて魔法を作成。組み合わせ次第で意外な効果が現われることも

 ストーリーはひとまず置いておいて、本作の最も面白い部分を紹介しよう。そのひとつが、ユニークなシステムを採用した武器強化システムと、魔法作成を通じたキャラクタービルドの部分だ。

 本作では敵を倒したりクエストをクリアして得る経験値でレベルアップし、ステータスとスキルのポイントを得て割り振るという、オーソドックスなレベルベースの成長システムが採用されている。キャラクターの基本ステータスは「筋力」、「精度」、「精神力」の3つで、それぞれ近接攻撃力、遠距離攻撃力、魔法攻撃力という本作における3つの戦闘方法に対応している。

 これに並行して重要な成長要素となっているのが武器強化と魔法作成という2系統の強化システムだ。武器強化は、要らない装備類を破壊することで得られる「鉄」、「鋼鉄」、「木」、「布」、「革」といった素材を使って、既存の武器や防具をエンチャントするというシステム。1段階強化するたびに武器なら攻撃力、防具なら防御力がアップし、最大で20段階の強化を行なう事が可能だ。

 また数段階強化した武器には、様々な能力を付加する「水晶」をはめ込める強化スロットが出現する。水晶には基本ステータスにプラス効果を与える物や、スキルを向上させるもの、あるいは攻撃力や耐性を付加など多数の種類がある。例えば武器を強化して2つのスロットを得て、攻撃力を付加する水晶と、筋力を増強させる水晶を付加すれば、大幅な追加攻撃力を得られるのだ。

 こうして本作の装備類は本来の能力から大幅にアップグレードすることが可能で、これが装備の選択に大きな戦略性をもたらすことに成功している。ひたすら強化した武器を使うか、それともベースレベルの高い武器に持ち替えるか。大幅な強化には大量の素材が必要であるため、手に入れた武器をバラして素材にしてしまうかどうかも悩ましいところ。大いに好奇心を刺激してくれることだろう。

 さらに個性的な要素となっているのが魔法作成のシステム。本作の魔法は、冒険の先々や商店で手に入る魔法の「カード」を複数組み合わせ、デッキのようなものを作って発動する仕組みになっている。各カードには「効果」、「調整」、「形態」という3種の系統があり、例えば「火炎(効果)」、「攻撃(調整)」、「遠隔(形態)」の3枚を組み合わせれば、対象の敵に火炎弾を飛ばす「ファイヤーボール」の魔法が作られる。

 多種多様なカードを手にいれれば、この仕組を応用して様々な魔法を作成することが可能だ。例えば「電撃」、「攻撃」、「反射」、「拡散」、「誘導」、「罠」を組み合わせて、敵が接触するとチェーンライトニングを発動する罠の魔法を作成してみたり、「圧力」、「付与」、「時間」を組みわせて、プレーヤーの筋力を増強する魔法を作るなど。

 この組み合わせは、プレーヤーの魔法関連スキルによって自由度が増していくため、レベルが上がった際にどのようにスキルを割り振るかはいつも悩みどころとなる。また、同一のカードを複数重ねれば効果が増強されるという仕組みもあるので、行く先々でいかに魔法のカードを見つけて手に入れるかが魔法使いプレイではとても重要だ。これがドロップアイテムや宝箱といった、アイテム発見の機会を見逃さないようにプレイする大きな動機となる。

魔法で戦うには杖+ローブという装備で精神力を高めるのが効果的。3つの装備セットを予め作っておき、十字ボタンのショートカットで即座に切り替えることができる

弓を使えば遠距離から確実にダメージを与え、有利に戦うことができる。スキルを組み合わせれば敵の種類に合わせた属性攻撃を与えることもできる



■ オープンワールドならではの自由度と背中合わせの危うさ

ワールドマップは非常に広大。踏破した場所は詳しく地図に書き込まれる
どこに行こうと自由。冒険の道筋はプレーヤー次第だ
人型の敵なら、忍び寄って「暗殺」を実行することでレベルに関係なく一撃で倒せる

 キャラクタービルドとそれに関連したトレジャーハンティングの要素が面白い本作なので、オープンワールドで構成された世界を冒険する大きな動機のひとつは、まだ見ぬ装備類やアイテム、魔法のカードを手に入れることにあるだろう。

 その点では、本作の世界は非常に広大であり、ストーリーの進捗によってアクセスできる地域が制限されている部分があるものの、それでも本筋と関係なく世界を放浪するプレイスタイルにしっかりとしたボリュームが用意されている。大抵の場所にはそれに関連したサブクエストが用意されているので、まずは村や街のNPCと会話して、大量のサブクエストを開始してみるのもいい。

 ただ、本作におけるサブクエストは数こそ膨大であるものの、片手間で処理してしまえるものがほとんどというか、スケールが小さ過ぎて思わず笑ってしまう。曰く、「鳥が苦手なのだが、家の回りんダチョウが住み着いたので退治してほしい」、曰く、「書類が風に飛ばされて散乱してしまったので、拾い集めてきて欲しい」、曰く、「最近彼女と会えていないので、様子を見てきて欲しい」などなど。とても皇帝ガンダハルに対抗せんとする英雄に頼む内容ではない……。

 こういった膨大なサブクエストをこなすなかで気になるのが、自由度の高いオープンワールド構成であるがゆえに、行く先々で出会うモンスターの強さが、あまり整理されていない点だ。一撃で粉砕できる敵ばかりの手応えのない地域があるかと思えば、逆にこちらが一撃で倒されてしまうような強力な敵に、唐突に出会うこともある。予告なしのいきなりのゲームオーバーでやる気がそがれることも度々だ。

 対抗措置としては、「戦いの立ち回り」で強力な敵を撃破したり、敵のAIが複雑な地形に対応しきれないというクセを利用して、安全地帯を見つけ、弓による遠隔攻撃でチクチクと攻撃を続けて倒してしまう方法がある。しかしこれは、あからさまにシステムの穴を突いている感があって、ひとつのファンタジー世界と対峙している感覚が薄れてしまうのでほどほどに……。やはり正面から殴り合って勝てるほどに、キャラクターを強化するのが王道なのは言うまでもない。

 というわけで、本作はオープンワールド系ゲームとして自由度が高く、アクション性の高い戦闘システムを作用しているがために、やや危うさのあるゲームバランスも見受けられる。このあたりは、まさにプレーヤーの受け止め方によって評価が分かれるところだろう。


世界にはいくつかの大都市もあり、各種のギルドに属して仕事をこなすこともできる。悪の道に手を染めるのであれば、錠前開けのスキルを鍛えて空き巣で荒稼ぎすることも可能と、非常に自由度が高い



■ オンラインで最強キャラを目指す! 多数のマルチプレイモード

マルチプレイ用キャラクターはクラス制。得意なプレイスタイルでえらぼう
まずはストーリーモードに挑戦。一気に沢山の敵が出現するので、ぜひフレンドとプレイしたい

 本作には、ソロプレイ用のメインゲームモードのほか、複数のマルチプレイモードが搭載されている。マルチプレイモードで使用するキャラクターはソロプレイモードとは別に作成する仕組みで、メインゲームモードをクリアしてもマルチプレイ用キャラクターはレベル1からスタートだ。

 マルチプレイモードでは、最大8人で協力しながらストーリーを進める「ストーリー」モード、プレーヤー同士で集団対戦する「デスマッチ」、1対1で戦う「デュエル」、CTF的なルールでチーム戦を行なう「水晶ハント」、自分の村を作って友達と共有する「ヴィレッジ」の各ゲームモードがサポートされている。

 レベル1のキャラクターでいきなりデスマッチに参入しても、高レベルプレーヤーに一撃で粉砕されてしまうのがオチなので、まずはフレンドと一緒に「ストーリー」モードをプレイしよう。このモードは全7章で構成されたステージクリアタイプのゲームで、ほぼ1本道の世界をクリア目指して戦い抜くというスタイル。シングルプレイゲームに比べると1度に沢山の的が登場するため、レベルアップのペースは格段に速いが、ひとりでクリアするのは非常に難しいというバランスだ。

 順調に進めれば1章あたり1時間〜2時間程度でクリアでき、強力なアイテムも次々に手に入るのでテンポよくプレイできる。そうして強化したキャラクターを使って、各対戦モードにデビューしよう。対戦モードでは、各プレーヤーのキャラクタービルド次第で個性的な戦い方を披露することができる。レベルを上げて、強力な装備を手に入れ、最強キャラクターを目指すというのは強烈な目標になりそうだ。


多数のマルチプレイモードが搭載されている。対戦モードではレベルの違いで実力差が歴然となるので、いかにストーリーモードで強いキャラクターを作るかがポイントだ



■ 決して完成度の高いゲームではないが、野心的なシステムを体験したいならばプレイする価値あり

 最後に本作の総評を試みてみよう。本作は前作「Two Worlds」に引き続き、ユニークなゲームシステムを引っさげて独特の世界を味合わせてくれる作品だ。武器強化や魔法作成による個性的なキャラクタービルドは特に突出しており、これまでのゲームで体験したことのないものを見せてくれる。

 また、広大なオープンワールドは変化に富み、無数のダンジョンが隠されていることで、世界の探索がひとつの楽しい要素として成立している。これは新たなアイテムを探したり、敵を見つけてレベルアップを目指すという、シナリオを無視して遊ぶプレーヤーの基本的な欲求に答えてくれるという点で重要な要素ということができるだろう。

 その一方で、本作のストーリーは全体的に印象が薄く、なんといっても登場するキャラクターの魅力が薄いのが残念だ。このため、クエストやサブクエストも、次はどのような出会いが待っているんだろうとワクワクさせられる部分が薄い。また、戦闘については、AIの経路探索があまり賢くないため、多少ストレスがたまる部分があるかもしれない。最後に、操作系統も非常に特殊であるため、プレイする際は常にマニュアルを手元に置いておきたい。

 前作に続いて、いくつかの荒削りな点が残る本作だが、そうした弱点を受け止めながら、本作が提示しようとする世界と遊びをしっかりと見いだすことができるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの分岐点になるだろう。その意味で本作はプレーヤーによって大きく評価が分かれる作品である。本作が示した様々な野心的なチャレンジをさらに洗練させることができるかどうか、開発元のReality Pumpの今後に期待したいところだ。


【スクリーンショット】

(c) 1999-2011 by Zuxxez Entertainment AG, developed by Reality Pump.
Zuxxez and Two Worlds II are trademarks of ZUXXEZ Entertainment AG, Germany. Published and distributed by UBISOFT Entertainment under license from Zuxxez Entertainment AG. UBISOFT and the UBISOFT logo are trademarks of UBISOFT Entertainment in the US and/or other countries.

□ユービーアイソフトのホームページ
http://www.ubisoft.co.jp/
□「Two Worlds II (トゥーワールド2)」の公式サイト
http://www.ubisoft.co.jp/tw2/

(2011年2月17日)

[Reported by 佐藤カフジ ]