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★Xbox 360ファーストインプレッション★

現実と幻想が交差する闇の世界
妻の姿を求め、作家は戦う

「Alan Wake」

  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • 開発元:Remedy Entertainment
  • 発売元:マイクロソフト
  • 価格:7,140円(通常版)/8,190円(限定版)
  • プラットフォーム:Xbox 360
  • 発売日:5月27日発売
  • プレイ人数:1人
  • CEROレーティング:B(12歳以上対象)

 マイクロソフトはXbox 360向けアクションアドベンチャー「Alan Wake」を5月27日に発売する。価格は通常版が7,140円、さらに特典を同梱した限定版「Alan Wake リミテッド エディション」を9,999本限定で同時発売する。こちらは8,190円。

 今回はファーストインプレッションとして、エピソード1の展開を詳細に説明し、ゲームの雰囲気を紹介したい。弊誌ではエピソード1の全体的な流れなどは先行体験会レポートで1度紹介しているが、今回はスクリーンショットと共により細かくレポートしていきたいと思う。



■ 疲れ果てた作家が訪れた田舎町、しかしそこには闇と恐怖が待ち受けていた

主人公のベストセラー作家、アラン ウェイク。ブライトフォールズで現実とも悪夢ともつかない世界に引きずり込まれてしまう
アランの妻アリス。ブライトフォールズへ行くのは彼女の提案だった。しかし、彼女はプロローグで行方不明になり、アランは彼女を捜すことに

 「Alan Wake」は主人公アラン ウェイクが遭遇する現実が歪んでいく恐怖を描くアクションアドベンチャーである。アランはスリルとサスペンスが売りの小説を書くベストセラー作家だったが、2年前から物語の書けない大きなスランプに陥ってしまう。

 心を休めるためにアランが妻アリスと共に訪れたのはアメリカ北東部の小さな街「ブライトフォールズ」。入り組んだ湾をフェリーで進み訪れることができる静かな田舎町だ。鹿をモチーフとしたお祭り「ディアフェスト」を2週間後に控えて準備が進められている。

 街の周囲には、雪を頭に乗せた山々に囲まれ雄大な景色が楽しめる。森林には伐採場もある。シーフードが食べられる店や、コーヒーの美味しいレストランもある。パットメインという老人がDJを務めるラジオ番組は街の交流の場になっている。アメリカのどこにでもある落ち着いた町だ。

 アランはこの美しく静かな町へ向かうフェリーの中で恐ろしい悪夢にうなされる。「Alan Wake」は闇に包まれた悪夢からゲームスタートとなるのだ。悪夢の中、アランは車で急いでいた。トンネルの中で、アランは人をはねてしまう。倒れた人の前で膝をつくアラン、しかし次の瞬間その死体は消え失せていた。

 混乱の中、夢ならではの不条理さか、「灯台へ行かなくてはいけない」という強い意識に背中を押されて、アランは動かなくなった車を捨て先に向かう。ふと気配を感じたアランが後ろを向くと、さっき消え失せた男が、いつの間にか車のそばに立っている。次の瞬間、男はテレポートしたように目の前に現われる。電灯のすぐそばにいるのに男の周りには黒い闇に覆われている。男は斧を持ち、アランに向かって振り下ろす。

 「俺が誰かもわからんだろう。俺を見ろ、おまえが書いたんだぜ!」。

 闇をまとった男は、アランの小説の登場人物だと名乗り、アランを追いかけ回す。絶体絶命と思われたそのとき「光」が現われ、アランにフラッシュライトとリボルバーを渡す。闇の男にライトを浴びせかけ、闇をはぎ取ると拳銃で倒せるようになるという。その戦い方を学んだアランは闇の男を倒す。しかし敵は1人ではなかった。複数の闇の男から追われ、さらに黒い竜巻が彼を追う。

 闇から逃亡する夢は、妻のアリスに揺り起こされて終わる。目が覚めた時はフェリーがブライトフォールズの港に着くところだ。悪夢の余韻を感じながらも、アランは美しい情景に目を奪われる。ブライトフォールズにつくと、アランがレストランでコテージの鍵を受け取っている間、アリスは買い物に行ってくるという。アランはレストランでファンだというウエイトレスに辟易としながら、電気の切れた暗い通路で喪服をまとった不気味な老婆から鍵を受け取る。

 ところが、アランとアリスがレストランを後にしてから、男があわてて追いかけてくる。「ウェイクさん、鍵は?」。アラン達は気がつかない。老婆が渡した鍵はアラン達が借りようとしていたものとは違うものだったのだ。老婆から教えてもらったコテージは非常に古かった。それでも周りの景色の雄大さに、アランは満足感を覚える。しばらく仕事を忘れて、ゆっくりすごせそうだ。

 しかしアリスはアランの前にタイプライターを見せる。「ここならば落ち着いて書けるんじゃない?」。妻の言葉が書けない自分の焦りを思い出させ、衝動的にアランは外に出てしまう。苛立ちながら家の外に出た彼は、次の瞬間妻の悲鳴を聞く。「アリス!」妻の名を呼びコテージの中に入った彼は折れた手すりと、その先の暗い水面を見る。妻が落ちてしまった! そう思った彼はためらわず暗い水面にダイブする。


チュートリアルはアランの悪夢という形になっている。作品世界の登場人物に追いかけられるアラン。光の導きで、闇と戦う方法を学ぶ
美しく落ち着いた雰囲気のあるブライトフォールズ。アランは黒衣の女からコテージの鍵を受け取る
湖の中にある島に建つコテージ。妻が悲鳴と共に姿を消したとき、彼女の姿を求めアランはためらわず湖に飛びこむ


■ いなくなった妻を見つけるため、作家は光と銃を手に戦う

湖に飛びこんだかと思ったが、次の瞬間事故車の中に。混乱したまま、アランは妻の姿を探す
闇に包まれた人間との戦い。敵が来るとカメラが引き、敵の位置がわかる

 ……水に飛び込んだはずのアランは自分が自動車の中にいることを知る。ガードレールを突き破り、木に激突した車内。頭から血が流れていて、意識がもうろうとしている。妻を取り戻さなくてはならない。その意識だけはあるが、自分の状況がわからない。アランは何とか車から出て、助けを呼ぶため遠くに見えるガソリンスタンドへ向かう。その時、夢の中と同じ光が現われ、原稿に変わる。

 原稿には「ディパーチャー:アラン ウェイク著」と書いてある。次に使うつもりだったタイトルだが、書いた覚えがない原稿だ。原稿はアランの行く先々に落ちており、そこに書かれたことが現実に展開していく。しかも妻がいなくなったあの日から1週間という期間が経過しているのだ。1週間の記憶はアランには何もない。これは夢なのか、それとも自分は小説世界に飲み込まれてしまったのか、謎は解けないまま、それでもアランは前進を決意する。妻、アリスを取り戻すために。

 ここからが本当の意味での「Alan Wake」の始まりである。妻アリスはどこへ消えたのか、消えた1週間は、そして闇と光とは何なのか、何よりもこれは現実なのか。プレーヤーはアランと共にこの謎に挑戦していくことになる。闇はどんどん力を増していく。アランは悪夢で教えられた光と銃を使った戦い方でこの難局に立ち向かっていくのだ。

 最初の原稿を手に入れてから、「Alan Wake」はグッとゲーム性が強くなる。アランの前には伐採場があり、ここを抜けなくてはドライブインにはたどり着けない。闇に包まれた人間はどこからともなくアランを取り囲むように現われ、斧やナイフで襲いかかってくる。

 闇の人間達との戦いは、アランが夢の中で光に学んだ通りのものだ。まず闇の人間を倒すには、ライトを当て、“闇”をはぎ取らなくてはならない。ライトは左トリガーを引くと強い光が浴びせられ、素早く“闇”をはぎ取る事ができる。はぎ取られた人間には銃弾が効くようになり、右トリガーで銃弾をたたき込むと闇の人間達は光を放って消滅する。敵は後ろに突然現われることもある。不意に敵が出てくる場合、敵が出現する時、スローモーションになり、どの方向から敵が来るかを知らせる演出が入る。

 LBボタンを押しながら移動することで攻撃を紙一重でかわせる。慣れてくるとうまく敵と距離を取り、ライトを浴びせ闇をはがして撃つ、というリズムが身体になじんでくる。濃く深いストーリーと共に、「戦う」というゲーム性も本作の大きなセールスポイントだ。本作には「ノーマル」、「ハード」、「ナイトメア」という3つの難易度設定があるが、さらに戦闘が苦手なプレーヤーにはやさしく、うまいプレーヤーには難しく変化する機能があるという。

 ライトはトリガーを引かない状態でもスピードは遅いが闇をはがすことができる。強い光を使うと急速にバッテリーを消費してしまうが、時間が立てばバッテリーゲージは回復する。予備のバッテリーを持っていればすぐにゲージを回復させることも可能だ。バッテリーの使い方、リロードのタイミングも重要だ。また発煙筒を持っていれば周囲の敵に継続的に光を浴びせることもできる。この他にも設置してあるライトをつけ敵をその光の元におびき寄せることも可能だ。

 エピソード1では姿の見えない敵も襲いかかってくる。プレーヤーを攪乱するかのように素早く動く強敵だ。闇に囚われ正気を失っているようで、コテージのセールスや、車修理のコツ、ホットドッグの売り文句など状況と全く合わない明るいセリフを不気味な声で繰り返しながら迫って来るのが怖い。光を当てると動きを止め、闇をはぎ取ることで倒せるのだが、こいつと対峙するときは、プレーヤーはライトを敵に当てるためその場でぐるぐる回ることになる。パニックを起こした人の動きそのもので、情景そのものが面白い。

 伐採場ではリフトを動かし足場を作るパズルもある。闇の人間の攻撃を撃退しながら進んでいくことでアランはようやくガソリンスタンドに到着し、保安官に助けを呼ぶことができる。駆けつけた保安官サラはアランに衝撃の事実を告げる。アランとアリスがいったコテージは存在しないというのだ。パトカーで向かった湖には朽ちた橋があるだけで、島そのものがなかった。ずっと昔の火山活動で沈んでしまっているという。これは一体どういうことなのか、大きな謎を問いかけて、エピソード1は終了する。


光の元に行けばダメージは回復する。中央はまとめて敵が倒せるフレアガン、右は周囲の敵にまとめて光を浴びせられる発煙筒だ

姿がはっきり見えない強敵との戦い。強い光を浴びせることで動きが止められる。弾数は少ないがショットガンは至近距離で大ダメージを与えられる
ガソリンスタンドに到着し、保安官に助けてもらうことができるが、保安官のサラから島がないことを知らされる。確かめるために向かったアランとサラの前には黒い湖面が広がっているだけだった


■ リアリティーとこだわりを感じるブライトフォールズ、やり込み要素にも注目

様々な場所に落ちている原稿。アランの視点だけでなく、他の人物の心情を語るものも
テレビ番組、ナイトスプリングス。様々なストーリーが用意されていて、ステージ探索の楽しみの1つだ

 「Alan Wake」は開発に5年をかけたという作品である。作品中にその長い開発期間にふさわしいスタッフのこだわりが随所に見て取れる。その最たるものはグラフィックスと、ブライトフォールズの描写だろう。雄大な自然と、風景、ドライブインやコテージなどの細部の描写、美しく細かいグラフィックスでリアルな田舎町を再現している。チェックするほどスタッフの熱意が感じられる。

 ほのぼのとした暖かな景色が闇に染まっていく、不気味でリアリティー溢れる描写は必見である。筆者は本作を夢中になってプレイした後、夜寝る時に闇の中を進むアランの情景が不意に蘇って怖くなってしまった。没入感と、プレーヤーの心さえ闇に包み込んでいくグラフィックスと演出は、「Halo」シリーズや、「Gears of War」シリーズの様な派手さはないものの、プレーヤーの心に響く確かな力を持っている。

 グラフィックスの描写だけでなく、様々な演出も光る。その中で、細部という部分では「テレビ」と「ラジオ」を特にアピールしたい。「Alan Wake」ではアランがどこにいるか、が最大の謎となる。これはアランの夢なのか、小説の中の世界なのか、それとも現実なのか、この混乱をさらに深めるのがテレビだ。エピソード中に映るテレビに、小説を執筆するアランが現われるのだ。テレビの中のアランは妻を取り戻すための物語を必死になって書いている。あれがひょっとしたら現実なのでは、と思わせる。

 この他、テレビには「ナイトスプリングス」という番組が放映される。「トワイライトゾーン」や「アメイジングストーリーズ」、日本では「世にも奇妙な物語」の様な番組で、実写で作られている。5〜6分ほどのショートストーリーだが、良くできていて、正直、アランの置かれている状況を考えれば見ている場合ではないのだが、終了まで見たくなってしまう。また、ラジオはパットメイン氏を司会に街の人が出てくるのんびりとしたものだが、ブライトフォールズに詳しくなる上に、ストーリーの補足にもなり、こちらもチェックすることでゲームが一層楽しめるようになっている。

 そしてなにより「小説」だ。原稿の中にはマップのメインルートから外れたところに落ちているものもあり、コンプリートするのはかなり難しそうだが、アラン以外の登場人物の心理なども書かれていて興味深い。ナイトメアでしか拾えない原稿もあり、この小説が完成したときにはどのような物語になるかも興味が惹かれるところだ。この他、マップから外れたところに誰が置いたか武器が置かれていたりもする。様々な場所に置かれている「コーヒーポット」といったアイテムもあり、やりこみ要素もたくさんだ。

 「Alan Wake」は謎めいたストーリー、エキサイティングなゲーム性、たっぷりのやり込み要素と魅力の詰まったゲームである。何よりもアランの焦燥感が画面からにじみ出してきて、プレーヤーの心まで駆り立てるゲームのテンポ、展開が楽しい。1度はじめると止まらない、ジェットコースターに乗っているようなスリリングな体験ができる1作だ。多くの人に触れてもらいたい作品である。


光を当てると輝く特別な塗料で描かれているたいまつのマーク。アランを助ける武器を提供してくれる。中央は様々な場所にあるコーヒーポット。右は小説を書くアランの姿。彼が本当の姿なのか、今のアランはその小説の登場人物なのか、プレーヤーの認識を激しく揺さぶる映像だ
美しいブライトフォールズ、ほのぼのとした田舎町が、闇に包まれ全く別な顔を見せる。リアルなグラフィックスが生む臨場感が楽しい

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(2010年 5月 20日)

[Reported by 勝田哲也 ]