本作から追加された航海。海という新たな舞台がプレーヤーを待ち受ける |
4月1日、株式会社アトラスから3DダンジョンRPG「世界樹の迷宮III 星海の来訪者」が発売された。
本作はマッピングがなんとも印象的な「世界樹の迷宮」シリーズの第3弾。全職業が一新され、新要素として、新たな舞台となる海での航海、異なる職業を習得できるサブクラスなどが追加された。何周もプレイして楽しめる遊びもふんだんに盛り込まれており、長く遊べるタイトルに仕上がっている。
DSワイヤレス通信による2~5人での協力マルチプレイやギルドカードやアイテムの交換といった要素もある。なお、ニンテンドーWi-Fiコネクションを使った要素はない。
早速本作の魅力を紹介していきたい。
■ 本作から追加された「航海」
いざ、波間に浮かぶ海都へ―― 世界樹の迷宮への挑戦ははじまった それは太古の蒼き深遠の底への旅 闇夜の影の虚空を極めん道のり その意味すら知らぬまま 君たちはアーモロードへ向かう 待ちいたるは、死すら死す長き刻の果て 夜見の館に横たわりし夢見るもの 測り知れざる永劫の闇を払うため 海都に光をもたらさんがため 波乱に満ちた冒険が幕を開ける―― |
海都とある通り、今回は通常のダンジョン「樹海」に、「海」の舞台が追加された。
基本的に物語はロード元老院という施設で受けたミッションをこなしていくことで進んでいく。航海はサブ的な要素であり、メインとなる物語との関連はあまりない。なお、航海では戦闘は発生しないため、レベルを問わず気軽に挑戦できるが、航海を進めるためにはミッションの進捗状況などが影響するため、航海を進めたければ、樹海探索は必須だ。
なお、隠し職業である「ショーグン」、「アンドロ」は、ストーリーを進めていくと仲間にできるようになる新職業。この職業を仲間にするためには、ストーリー中の重大な決断が関わってくるらしい。詳細は、プレイを進めて自ら確かめて欲しい。クリア後はキャラクターのレベルや装備などを引き継いだまま、新たにゲームをプレイできるので2周目以降はサクサクと進められる。
樹海や航海では様々な出会いや出来事が。時には重要な選択を迫られる場面も |
■ 難易度に大きく影響するパーティ構成
ゲームを始めてまずすることは、ギルド名やギルドに所属する冒険者の登録だ。1パーティは5人までなので、どういう職業でパーティを構成するかが重要になる。構成次第で難易度は大きく変化するため、構成は慎重に検討してほしい。
「世界樹の迷宮」から同「II」では、新職業が3つ追加されたが、「II」から本作では全職業が一新されており、これまでのシリーズで登場した職業は存在しない。初期に選択できる職業は10種。物語を進めることで最大2種の職業が追加され、計12種の職業が選択できるようになる。
冒険者の登録は冒険者ギルドで行なう。登録できるのは30名までとかなり余裕がある。まず名前を入力し、次に職業、外見を選択する。外見は、男女各2タイプ、2カラーバリエーションの計8タイプから選択できる。なお、名前は冒険者ギルドでお金を払えばいつでも変更できる。
冒険者の名前をタッチペンで入力。ひらがな・カタカナ・英数字・記号が使用できる | 次に職業を選択。30名まで登録できるので全職業登録しておくといいだろう | 最後に外見を選択。男女各2タイプ、2カラーバリエーションの計8タイプから選択する |
以下が12種の全職業になる。
職業 | ||
名称 | 適正位置 | タイプ |
プリンセス(プリンス) | 中衛 | 支援特化型 |
ウォリアー | 前衛 | 攻撃特化型 |
ファランクス | 中衛 | 防御特化型 |
パイレーツ | 前衛 | 特殊追撃型 |
シノビ | 中衛 | 特殊攻撃型 |
モンク | 中衛 | 回復特化型 |
ゾディアック | 後衛 | 属性攻撃型 |
ビーストキング | 後衛 | 特殊召喚型 |
バリスタ | 後衛 | 攻撃特化型 |
ファーマー | 後衛 | 探索特化型 |
ショーグン | 前衛 | 攻撃兼支援型 |
アンドロ | 前衛 | 汎用攻撃型 |
※ショーグン、アンドロは初期状態では選択できない |
冒険者を登録したら、登録したメンバーから最大5人をFRONTとBACK各3枠計6枠に配置する。ファーストインプレッションでもお伝えした通り、初期に選択できる職業で適正位置が前衛なのはウォリアーとパイレーツのみなので、FRONT2 / BACK3のパーティ構成がベストと考えてしまいそうだが、中衛はFRONT、BACKどちらに配置しても活躍できる職業という捉え方で問題ない。
本作ではゲーム中にオススメのパーティ構成を教えてくれるNPCはいない。それぞれの職業の特性を自分で理解してパーティを組もう。2周目以降は高レベルで挑戦できるため、ある程度自由な構成で進むこともできるが、最初のプレイではそうもいかない。特に回復特化型のモンクは入れておいてほしい。回復をアイテムのみに頼るのは、所持できるアイテムには制限があること、資金面で厳しいからだ。また、探索特化型のファーマーはゲーム中にある職業の説明に「戦力としては全く役にたたない」とあるような職業なため、初回プレイでは外しておくのが無難だ。
本作では「封じ」という特定の部位を封じることで行動を制限するスキルがあり、ボス戦でも効果を発揮するため非常に強力。そのため、どの部位を縛れるかを考慮に入れるのもアリだろう。
筆者の場合、構成を考えるのにも時間を費やしたが、後でパーティ構成を変えることを考慮して、全職業を登録後、初期スキルポイント3を全職業共通のコモンスキル「聞きかじりの経験」(迷宮に入った仲間たちの体験を聞いてその一部を自分の経験値へと還元する)に振った。どの程度プレイしたかにもよるが、こうしておくことで後で別の職業に変更するときにレベル1からプレイしなくてもよくなるわけだ。時折、冒険者ギルドを覗いて、レベルが上がっていたらさらに「聞きかじりの経験」にポイントを振り、還元される経験値を増やした。
登録後、最大5人までをパーティとして編成する。1人でも冒険に出られるがメリットはないので5人で編成しよう | 最初に持っているスキルポイントをどう振るかも重要。よく考えてスキルポイントを振ろう | 最初のパーティから漏れたメンバーに「聞きかじりの経験」を習得させておくとパーティ入れ替え時にレベル1からプレイせずに済む |
さて、ここからは各職業について簡単に紹介していきたい。あくまで筆者の所感であることをご了承願いたい。
・ プリンス(プリンセス)
中衛、支援特化型のプリンセス(プリンス)は、補助、特殊な回復を持つバランスのとれた職業。
補助スキルの「攻撃の号令」(3ターンの間、味方1列の物理攻撃力を上昇)、「防御の号令」(3ターンの間、味方1列の物理防御力を上昇)、「予防の号令」(3ターンの間、味方1列に1度だけ状態異常を防ぐ強化を付与)などは戦闘でとても役に立ってくれる。
直接的な回復はできないものの、「ロイヤルベール」(ターン終了時、HPがMAXの場合 味方全体のHPを回復)、「キングスマーチ」(歩く度、HPが回復)、「庇護の号令」(3ターンの間、味方1列のHPをターン終了時に回復)などがあるため、持久戦に強く、長期探索に役立ってくれる。
「王家の血統」(自分に強化がかかるとTPが回復)もあり、TPも切れにくい点も見逃せない。補助系に強力なスキルが多いため、サブクラスとしてでも、最低1人は入れておきたい職業だ。
・ ウォリアー
物理攻撃を得意とするアタッカー。常在戦場(物理攻撃力が上昇)など物理攻撃に特化したスキルを多く持つ。スキルには剣を使うもの、鎚を使うものの2種類があり、それぞれのスキルは該当する武器を装備していなければ使用できない。
スキルポイントには限りがあるため、剣か鎚スキルどちらかに絞っていくのがいいだろう。筆者は鎚スキル特化型をオススメする。鎚スキルには「アームブレイカー」(鎚:敵1体の腕を狙った壊攻撃 一定確率で腕封じ効果が発動)、「フリーズンブロー」(鎚:冷気をまとった鎚で敵1体を殴打 壊/氷攻撃を併せ持つ)と封じや属性効果を持つものがあるからだ。
難点は命中率が低めなことだろうか。サブクラスで命中率を補うのもいいだろう。通常攻撃も強く、使い勝手のいいアタッカーだ。
・ ファランクス
防御に特化し、槍を得意武器とする壁役。攻撃に関しては序盤では通用するが、後半ではダメージソースとしてはいまひとつになってしまう。防御に特化させてスキルを習得させるといいだろう。
防御系スキルには「ガーディアン」(自分に対する物理攻撃を軽減する)、「ラインガード」(盾:味方1列の物理ダメージを軽減 自分が同じ列にいれば更に軽減)などがあり、自分だけでなく列ごとまとめてダメージを軽減してくれる。中でも「パリィ」(物理攻撃を受けた際に、一定確率でダメージを無効化)、「マテリアルパリィ」(属性攻撃を受けた際に、一定確率でダメージを無効化)のパッシブスキルは強力。発動さえしてくれればダメージを完全に無効化してくれる。各種属性に対する防御スキルや自分に付着した封じ・状態異常を回復するスキルを持っているのも心強い。さらに「挑発」(3ターンの間、敵の攻撃を引き付けパーティの盾となる)があることで、壁役としての要素は万全といえるだろう。
TPが少ないという弱点はあるが、その防御性能に関しては折り紙つきで、ボスなど強力な攻撃を持つ相手と戦う場合には特に頼りになる。
・ パイレーツ
銃や突剣を得意とする特殊追撃型のアタッカー。味方の攻撃に併せて追撃するタイプのスキルが豊富。ウォリアー同様、それぞれのスキルは該当する武器を装備していなければ使用できず、銃か突剣どちらかに特化させて強化させるといいだろう。
突剣での追撃は「チェイスセーバー」(突剣:味方の斬攻撃にあわせて突剣で追撃)、「チェイススラスト」(突剣:味方の突攻撃にあわせて突剣で追撃)など味方の物理攻撃に、銃での追撃は「チェイスフレイム」(銃:味方の炎攻撃にあわせて銃で追撃)、「チェイスアイス」(銃:味方の氷攻撃にあわせて銃で追撃)など味方の属性攻撃にあわせて行なうため、突剣と銃どちらに特化させるかはパーティメンバーにあわせるといい。封じができるのは突剣の「ハンギング」(突剣:敵1体の頭を狙った突攻撃 一定確率で頭封じ効果が発動)のみ。頭封じが欲しければ、突剣に特化させ、物理攻撃を用いる他のメンバーを入れよう。
ウォリアーに比べると特殊な攻撃が多いが、「トリックスター」(戦闘中、攻撃スキルを使うとTPが回復)があり、ウォリアーよりもTP切れになりにくい。
・ シノビ
特殊な攻撃を多く持ち、短剣を得意とする職業。短剣ながら「煙りの末」(消費TPが減少し、後列でも攻撃力が低下しなくなる)があるので、後列でもそれなりの威力を持った通常攻撃が可能。
対雑魚戦ではパッシブスキルの「首切」(通常攻撃時、一定確率で敵を即死させる)が強力。多くのスキルポイントを振れば、結構な確率で即死効果が発動する。他にも石化や状態異常を伝染させるスキルなど特殊なものが多い。封じは脚に対応したスキルを持つ。
シノビのスキルで忘れてはならないのが「分身」(自分のHPとTPを半減し空いている場所に分身を出す)。本作は5人パーティながら、「分身」タイプのスキルを使うことで、FRONTかBACKの空いている位置に6人目を出すことができるため、6人目の枠を無駄にしないよう、このタイプのスキルを持つ職業は必ず1人は入れておきたい。これはサブクラスであっても問題ない。サブクラスをシノビにして「分身」を習得させれば、どの職業でも「分身」ができるようになるわけだ。逆に「分身」タイプのスキルを2人以上が持っていても7人目は出せないことに注意しておきたい。「分身」したキャラクターは個別に操作が可能で、それぞれに対して異なった行動をさせることもできる。
・ モンク
回復特化型のモンクは前述の通り、パーティに欠かせない重要な職業。素手や鎚による攻撃が可能で、スキルは主に回復か拳による攻撃のタイプに分かれる。スキルポイントに限りがあることや、攻撃は他クラスでもできるので、モンクにしかできない回復に特化させるのがオススメだ。
回復は「ヒーリング」(味方1人のHPを回復)、「パーティヒール」(味方全員のHPを回復)などがあり、スキルポイントを振るほど回復量と消費TPが増加する。状態異常回復系の「リフレッシュ」(味方に付着した状態異常を回復)、「バインドリカバリ」(味方に付着した封じを回復)はポイントを振っていくと回復対象が増える。どちらも全体が回復できるLv:7までポイントを振っておくと便利だ。もちろん、味方を蘇生させるスキルも習得できる。
・ ゾディアック
一般的なRPGでいうところの魔法使いに該当するのが属性攻撃型のゾディアック。炎・氷・雷の属性攻撃を得意とし、「特異点定理」(敵の弱点属性へ攻撃した時ダメージが上昇)を習得した状態で、弱点を突けば大ダメージが見込める。装備への依存が少ないため、使い勝手の良さも魅力だ。ただし、TPがなくなると全く役に立たなくなるため、TPの管理は忘れずに。
ゾディアックで注目すべきは属性攻撃だけではない。炎・氷・雷といった敵の属性攻撃を阻止し、その属性攻撃で反撃するスキルも持っている。反撃はともかく、属性攻撃を無効化できるのは心強い。敵によっては封じを使わずともファランクスとゾディアックでほとんどのダメージを抑えられるほどだ。
属性攻撃以外に「メテオ」(敵全体ランダムに強力な壊攻撃を行なう)がある。消費TPが高く、習得条件に多少難はあるが、それに見合った威力を持っている。壊攻撃なため、物理攻撃アップ系の効果の恩恵も得られる。
・ ビーストキング
ビーストキングはビーストを召喚して攻撃する特殊な職業。召喚できるビーストは全10種。それぞれのビーストに対応したスキルを習得することで召喚できるようになる。シノビの「分身」と同様に6人目の位置にビーストを召喚する。
ビーストの持つ特性は様々で、毒/催眠/腐敗/麻痺など状態異常の付与だけに止まらず、頭/腕/脚の封じまでもが可能。「獣王マスタリー」(ビーストによる状態異常付着率が上昇)により、状態異常付着率を高めれば、安定度が増す。さらにパッシブスキルの「捨身の心得I」(ビーストが同列の味方の物理ダメージを一定確率で身代わりする)、「捨身の心得II」(ビーストが同列の味方の属性ダメージを一定確率で身代わりする)を習得すれば防御面でも活躍する。
・ バリスタ
バリスタは弩を得意とし、単体、全体、属性攻撃スキルを持つ万能なアタッカー。「ジャイアントキル」(HPが大幅に高い相手への攻撃力が上昇)や「ファイアバラージ」(弩:敵全体を攻撃。突/炎攻撃を併せ持つ)などの属性攻撃もあり、どんな相手でも活躍してくれる。
状態異常系の攻撃を用いるパーティ構成なら、「スナイプI」(弩:ターン最後に状態異常の敵を狙撃する突攻撃)、「スナイプII」(弩:ターン最後に封じ状態の敵を狙撃する突攻撃)も強力。
味方全体の命中を補える「照明弾」(3ターンの間味方全体の命中率を上昇)があるため、ウォリアーなど命中率の低い職業との相性もいい。
・ ファーマー
ファーマーは「大自然の恵み」(自分が生存状態だと全員の取得経験値が上昇)、「解体マスター」(戦闘終了時のアイテムドロップ率が上昇)、「二毛作」(伐採・採掘・採取の実行回数を回復)といった経験値やアイテム獲得の手助けとなるスキルを持つ職業。ダメージソースとしてはからきしなため、初回プレイで使うのはオススメできない。
なお、戦闘に全く役に立たないわけではなく、「子守唄」(敵全体と自分に睡眠効果を付与)、「不思議な種」(ターン終了時 敵全体の頭か腕か脚を封じる)、「弱り目に祟り目」(4ターンの間、敵全体の攻撃力を低下 敵が状態異常中だと効果が大きい)といった戦闘で使えるスキルもある。
・ ショーグン
初期状態で選択できない職業の1つであるショーグンは、刀を得意とし、「弐の太刀」(2本の武器を装備しレベル毎に威力が上がる連撃を放つ)の通り、武器を2本装備できる。
武器を2本装備することで、攻撃回数が増えるスキルや、敵・味方のHPが低下すると一定の確率で即死させる「介錯」といったスキルも持っている。
・ アンドロ
ショーグン同様、序盤には選択できないアンドロは、所持スキルは使用後自らを封じにするものなど、特殊なものが多い。
シノビの「分身」と同様に空いている場所にパーティの6人目として設置するスキルとして、「レッドボット」(味方の炎攻撃に追撃する炎ボットを空いている場所に設置)などがある。ボットはただ追撃するだけでなく、「一斉攻撃」(自分と、配置したボットで敵1体に一斉に攻撃をしかける)などで攻撃することも可能。
自分が封じ状態になる「ロケットパンチ」(敵1体に2回壊攻撃 使用後、腕封じ状態になる)、「省エネ」(自分が封じ状態だとTPが回復する 封じ数が多い程、回復量が上昇)を習得しておけばTPを回復できるメリットがある。
■ 限られたスキルポイントを割り振って強化するスキルと別職業のスキルが習得できるサブクラス
スキルポイントはレベルアップと共に獲得できるポイントで、このポイントを各種スキルに割り振ることでスキルを習得・強化していく。レベルには上限があるため、スキルポイントは有限。よく考えてポイントを使おう。適当に振ると後々後悔することになるだろう。
通常レベル上限は70だが、条件を満たすことで80、90、99と上限を上げることができる。本作ではどんなスキルでも無条件にポイントを振って習得できるわけではない。大抵のスキルには習得条件があるのだ。例えばプリンスであれば、「王者の凱歌」(自分が生存状態で戦闘勝利時 味方全体のHPを回復)を習得したければ、「ロイヤルベール」(ターン終了時、HPがMAXの場合 味方全体のHPを回復)をレベル5以上にしなければならない。全スキルと習得条件は最初から全て開示されているため、事前に計画を立てられる。
スキルには職業固有スキルとコモンスキルの2種類がある。コモンスキルには「HPブースト」(自分のHP最大値を上昇)、「TPブースト」(自分のTP最大値を上昇)、「伐採」(伐採ポイントで木材などを伐採できる)などがある。これまでのシリーズにあったHPとTP以外のパラメーターブーストは存在しない。
スキルポイントは有限なため、全てのスキルのレベルをMAXにすることはできない。よく考えてポイントを振ろう | 習得条件が設定されたスキルは多い。計画的にスキルポイントを使って無駄なく目的のスキルを習得していきたい | コモンスキルの伐採・採掘・採取でしか取れないアイテムをクエストで要求されるなんてことも |
さらにゲームを進めるとサブクラスとして別職業のスキルが習得できるようになる。メインの職業に無いタイプのスキルを持つ職業にするか、メインの職業を強化するような職業にするか悩みどころだ。サブクラスには「同職業選択不可」といった制限があるので注意してほしい。どの職業の組み合わせで、どのようにスキルを習得していくかを考えるのは悩ましくも楽しい。様々な組み合わせを試して、最高の組み合わせを見つけてほしい。
冒険者ギルドで休養すれば、サブクラスやスキルポイントがリセットできる。ただし、休養にはレベル5ダウンという大きなデメリットがあるため、なるべくならリセットせずに済むように設定するといいだろう。実際に試したいなら、事前にセーブしておき、試した後にリセットしてデータをロードするといいだろう。
本作ではサブクラスやスキルによって性能が一変し、レベルを上げなくても組み合わせを変えることで、これまで勝てなかった敵に勝ててしまうこともある。職業やスキル組み合わせを変えてプレイするのはとても楽しいため、レベルが下がるという制限ではなく、お金を支払うなど、もう少し軽い条件でリセットが可能だったら……と思うことが多々あった。もったいないと思うのは筆者だけだろうか。
冒険者ギルドでは冒険者を引退させ、ステータスが最初から高い優秀な新人を迎えることができる。引退させると、名前入力、職業選択と冒険者登録時と同じ手順で登録を行なう。引退で得られるボーナスは引退させた冒険者のレベルに応じて決まるようだ。
サブクラスを習得するとタブが1つ増え、異なる職業のスキルが習得できるようになる | 休養はサブクラスとスキルポイントをリセットできるがレベルが5も下がってしまう | 引退させるとハイスペックな新人がやってくる。職業も新たに設定しなおせる |
■ リミットゲージをためることで発動できるリミットスキル
リミットスキルは、リミットゲージMAX時にのみ発動可能で、攻撃だけでなく、防御や回復といったものなど性能は多岐に渡る。また、それぞれのキャラクターの行動とは別に発動できるため、リミットスキルを使用しても、リミットスキルとは別に通常通りに行動が設定できる。
それぞれのリミットスキルには1~5人の人数が設定されており、必要人数分装備しなければならない。5人パーティのため、2人用+3人用、1人用+1人用+3人用など、組み合わせ方次第で複数のリミットスキルを装備することも可能だ。
習得条件は通常のスキルと異なり、スキルポイントにより習得するものではない。スキル内容が記された書を入手することで習得できる。一部だがリミットスキルを紹介したい。
リミットスキル | |||
名称 | 人数 | タイプ | 説明 |
無明剣 | 3人技 | 突攻撃スキル | ターン開始時に敵全体ランダムに突攻撃を3回放つ |
業火 | 2人技 | 炎攻撃スキル | ターン終了時に敵全体ランダムに強力な炎攻撃を放つ |
必殺陣形 | 2人技 | 攻撃補助スキル | ターン開始時に5ターンの間味方全体が必ずクリティカルになる強化を付与 |
イージスの護り | 3人技 | 防御スキル | ターン開始時にそのターン中物理攻撃を無効化する効果を味方全体に付与 |
武息 | 1人技 | 回復スキル | ターン終了時に自分のHPを完全回復させる |
リミットスキルはメニューからいつでも変更できるので、必要に応じて切り替えよう | リミットスキルはリミットゲージをためなければ発動できない分、強力な効果を持っている。見た目も派手なものが多い。ボス戦など強敵と戦うなら相手に合わせたリミットスキルを装備すると戦闘が有利に進められる |
■ 主人公達の拠点となる海都アーモロードと深都
主人公達の拠点となる海都アーモロードには、冒険に欠かせない施設が多くある。ファーストインプレッションでもお伝えしたが、改めて紹介したい。
■ 海都アーモロード
・ アーマンの宿
HPとTPが全回復する宿泊(AM7時かPM7時までの2種類が選択可能)、状態異常の治療、アイテムの預け入れ・引き出し、セーブが可能。街に戻ったらまず回復するのをお忘れなく。
・ ネイピア商会
アイテムの売買、鍛冶、装備変更が行なえる。店の品揃えは各種素材を販売することで増えていく。貴重なアイテムは1度条件を満たせば無限に購入できるわけではないため、再度購入したければ必要数の素材を改めて売却しなければならない。
鍛冶では、必要な素材とお金を支払って、武器を強化することが可能。強化できるのは強化可能なスロットを持つ武器のみ。付与できる効果は、攻撃力アップ、AGIアップ、催眠効果付与、炎属性効果付与など全24種で、それぞれの効果に該当するハンマーを入手しなければ付与できない。全ハンマーを集めるのにはかなり骨が折れた。
異なる属性を付与すると、これまで付与してあった効果が上書きされてしまう点には注意してほしい。例えば、3スロット全て炎属性効果を付与した武器に氷属性効果を付与すると1スロットだけ氷属性効果になってしまうわけだ。
アーマンの宿では荷物を99個まで預けられる。1つ預ける毎に50エン必要になる | 樹海探索に挑むなら、使用すると一瞬で海都に戻れるアリアドネの糸は忘れずに | 目的にあった効果を武器に付与しよう。素材やお金が足りずに付与できないなんてことも |
・ 羽ばたく蝶亭
クエストの受注・報告、情報収集に立ち寄る施設。クエストを達成すると報酬として、経験値、アイテム、お金などがもらえる。報酬のアイテムはクエストにより、消耗品、装備品、ハンマーなど様々。
・ 冒険者ギルド
冒険者の登録、管理(引退/休養/抹消/名前変更)、編成と並び替えができる。詳しいことはこれまでの項目で紹介した通りなので割愛させていただく。
・ インバーの港
航海、大航海クエスト、交易、航海図鑑への登録が行なえる。詳細は後述。
クエストの受注・報告や情報収集ができる羽ばたく蝶亭。主人の話し方がとても特徴的だ | パーティメンバーの入れ替えなど、冒険者ギルドには何度も立ち寄ることになるだろう | 航海や大航海クエストが楽しめるインバーの港。ワイヤレス通信関連の機能もここから利用する |
・ ロード元老院
物語の進行に関わるミッション受注・報告や樹海で発見したモンスターや発見物を報告し海都の資料とする海都図鑑への登録を行なう。
・ 樹海入り口
樹海探索の開始や深都へ行くのに活用する。樹海探索は進捗に応じて、行き先が追加され、指定層から探索が始められるようになる。
ミッションの受注・報告や海都図鑑への登録ができるロード元老院。物語の進行に関わる重要な施設だ | 海都図鑑へ登録すると詳細な情報が閲覧できるようになる。特にモンスターの情報は冒険に役立つ | 樹海入り口からスタートできる場所は物語を進めると増え、各階層の最上階からスタートできるようになる |
■ 本シリーズで最も特徴的といえるマッピングとお馴染みの強敵F.O.E
御馴染みの強敵F.O.E。行動パターンを掴めば回避できるため、無理に倒す必要はないが、倒すことで重要な素材をドロップすることも |
通り抜けが可能なポイントは見逃さないように。今後の探索効率がアップする |
樹海探索、航海で欠かせないのが本シリーズを特徴づけるマッピング。タッチペンを用いて線を引いたり、アイコンを配置したりして、プレーヤー独自のマップを作っていく。自分が歩いた道はオートマッピングされるため、やることは主に壁がわかるように線を引くこと、抜け道やトラップなどを示すアイコンの配置だ。全25Fある樹海に加え、海もあるので、思う存分マッピングを楽しんでほしい。なお、オプションでオートマッピングをOFFにすることも可能。
新機能のオートパイロットでは、マップに進行方向を示すアイコンを設置し、再生ボタンをタッチすることでアイコンの配置された場所を自動で歩いてくれる。設置しておけば自動で移動してくれるため、戦闘以外操作せずに目的地まで辿りつくなんてことも可能。また、レベル上げなどにも役立つ。
シリーズでお馴染みの強敵F.O.Eは、その階層で出てくる通常のモンスターとは一線を画す強さを秘めている。時にはF.O.Eを避けたい場面もあるだろう。F.O.Eには行動パターンがあるので、行動をよく観察して対応しよう。また、F.O.Eは他の敵と戦っている時でも戦闘に介入してくる。戦闘中マップを見れば近寄ってくるF.O.Eがわかるので、介入される前に戦闘を切り上げよう。
■ 航海、ワイヤレス通信を使った大航海クエストと交易
航海、大航海クエスト、交易などを利用するなら海都にあるインバーの港へ行こう |
本作から加わった新たなる舞台の海に関する遊びをプレイするには海都アーモロードにあるインバーの港を利用する。
航海では出港する前に、食料と船の装備を決定する。食料には航海での行動可能マス数が設定されており、基本的に行動可能マス数が大きな食料ほど、必要な金額が高くなる。
行動可能限界まで航海するとインバーの港に戻るしかなくなるが、戻るには港に帰る選択肢を選ぶだけでよいため、帰りの分の行動可能マス数は気にしなくていい。なお、航海中は樹海探索のような戦闘が発生しないため、レベルに関わらず安心してプレイできる。
行動可能マス数の大きい食料は航海を進めていくと入手できる。最初にもらえる食料と後半に入手できる食料には圧倒的な差がある。これら食料を一部ながら紹介したい。
食料 | ||
名称 | 効果 | コスト |
ビスケット | 6マス | 10エン |
干しぶどう | 16マス | 40エン |
このように航海を進めていくと行動可能マス数の大きい食料が入手できるため、行動範囲が増えていく。ただ、いくら行動可能マス数が増えても進めない場所や辿りつけない場所が出てくる。これらを解決してくれるのが、海賊船を倒せる大砲や暗礁を踏破できる船の装備だ。最初は1つしか装備できないが、航海を進めることで最大3つまで装備できるようになる。
また、航海中にはマップに表示された魚群と重なることで漁ができる。中には、レア魚や勇魚という巨大な魚も登場する。獲得した魚は港に戻ると自動的に買い取ってもらえる。船の装備は漁に影響するものも多い。これら船の装備を一部ながら紹介したい。
船の装備 | ||
名称 | 効果 | コスト |
カルバリン砲 | 赤海賊船撃破 | 80エン |
大漁旗 | 魚群出現↑↑ | 30エン |
フォアマスト | 移動マス+1 | 30エン |
鉄板装甲 | 暗礁踏破 | 250エン |
さらに航海をしているとスカンダリア大灯台や交易都市バタビアといった建物が発見できる。これらの建物を発見すると後述の大航海クエストがプレイできるようになる。また、拠点を発見すれば、通常海都アーモロードからスタートする航海が、選択した拠点からスタートできるようになる。
食料と船の装備を設定し、出港費用を支払えば航海がスタートする | 漁も航海での楽しみの1つ。全種類の魚獲得を目指すのもいいだろう | 拠点を発見できれば、スタート地点の選択肢が増え、行動範囲が広がる |
大航海クエストでは1人、もしくはDSワイヤレス通信を使って2~5人でクエストの敵と戦う。大航海クエストで特殊なのはNPCと一緒に戦うことだ。1パーティ5人の制限には変わりがないため、5人から参加NPC分を引いた数しか自分のキャラクターを参加させられない。
交易ではすれ違い通信で、ギルド名/海図の作成率/出港回数/ダンジョンを歩いた歩 数などが記録されたギルドカードが交換できる。人の多い所に出向いてすれ違い通信 を楽しもう。また、DSワイヤレス通信を使えば友達とアイテムの交換もできる。
航海中に入手した魚などの交易品、船装備、エピックアイテムは図鑑に登録できる。登録されたものは詳細が閲覧できる。また、これら図鑑登録を行なうと、ロード元老院での図鑑登録と合わせて、ギルドカードに図鑑の登録率平均が記載される。
1人でも2~5人でも楽しめる大航海クエスト。場所、クエストを選択するとクエスト内容の説明が表示される。その後、NPCを含めたパーティ編成をしたら、バトルスタート。強敵なだけでなく、NPCの行動も考慮に入れて戦闘をしなければならない |
■ 最後に
マッピング、独特の言い回しのセリフ、ゲームバランス、特徴的なキャラクターデザインなどが好評の本シリーズ。長く楽しめるボリュームに加え、本作らしさを損なうことなく追加された海の要素と、シリーズファン納得の内容に仕上がっている。シリーズ第3弾に相応しい、正統進化といえるのではないだろうか。
タッチペンを使ったマッピングは楽しい。自由文の入力も可能なため、物忘れが激しい筆者はとても助かった。ただ、進めるのに集中するあまりマッピングを忘れてしまうこともちらほら。昨今のゲームでは珍しいほどチュートリアルが少なかったり、どこか硬質な感じのあるゲームデザインは、昔のゲームをプレイしてきた方には気持ち良く受け入れられるのだろうと予想できる。
本作はシステムが示す通りにプレイすればサクサクと物語が進められるタイプのゲームではない。あれこれと自分で考えてプレイする本格RPGを求める方にオススメしたい。
(C)ATLUS CO.,LTD. 2007,2009
http://www.atlus.co.jp/
□世界樹の迷宮|||星海の来訪のホームページ
http://sq3.atlusnet.jp/
(2010年5月14日)