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Wiiゲームレビュー

抜群の爽快感とアクションゲームの醍醐味を凝縮
オンライン協力プレイで大軍勢に立ち向かえ!

「斬撃のREGINLEIV」

  • ジャンル:斬撃アクション
  • 発売元:任天堂株式会社
  • 開発元:株式会社サンドロット
  • 価格:6,800円
  • プラットフォーム:Wii
  • 発売日:発売中(2月11日発売)
  • プレイ人数:1人(オンライン:1〜4人)
  • CEROレーティング:D(17歳以上推奨)


 巨大な敵を、Wiiリモコンで片っ端から斬り倒す。インパクト抜群のTVCMでおなじみの「斬撃のREGINLEIV」が、先日ついに発売された。Wiiタイトルには珍しい黒で統一されたパッケージやスリーブデザインは量販店やゲームショップの店頭で異彩を放っており、発売日にいくつかのゲームショップを訪れた筆者は、パッケージを手にとってマジマジと見入るお客さんの姿を少なからず目にした。全国のTSUTAYAで体験版の無料レンタルを行なうなど事前の宣伝が奏効したのか、認知度はなかなか高いようだ。

 本作の開発元は、株式会社サンドロット。「リモート・コントロール・ダンディ」や「地球防衛軍」シリーズなど、数々の名作を世に送り出したメーカーで、アクションゲームが好きなコアゲーマーで知らない人はほとんどいないだろう。かくいう筆者も、「地球防衛軍」シリーズには文字どおり寝食を忘れるほど楽しませていただいたクチで、当然ながら本作にも相当な期待を寄せていた。色々といいたいことはあるが、まずはゲームの基本となる操作系から順次ご紹介していこう。


【世界観】
北欧神話をモチーフにした作品。世界の始まりから、互いを憎悪しあっていた“神々”と“巨神族”。やがて戦いとなり、勝利した神々は巨神を海の彼方「ヨトゥンヘイム」に追放する。巨神族がいなくなった大地は「ミズガルド(人の大地)」と呼ばれるようになり、そこには神々を信仰する“人”が栄えるようになった。平穏な時間は長く続くかに見えた。だが、巨神族もまたヨトゥンヘイムで繁栄をとげており、その数は百万を超えて世界の大半を占めるまでに至った。互いを隔てていた物理的な壁は薄くなり、やがて接点を得る。再び燃え上がる憎悪の炎と戦いの予兆。巨神の憎しみは、神々を信仰する“人”に向けられた。雪崩のごとくミズガルドを侵食する巨神たちの群れ。プレーヤーは、それぞれ装備可能な武器や数が異なるキャラクター「フレイ」と「フレイヤ」を操作。人々を守るべく、絶望的な戦いへと身を投じることとなる


【フレイ】 【フレイヤ】
端正な青年の姿をした、若き武神。神々のなかでも秀でた才能を持ち、剣技においてはアスガルドでも有数の腕前を誇る。責任感が強く、生真面目な性格 フレイの妹にして、アスガルドで最も美しいといわれる女神。魔術と剣をともに扱える魔法戦士でもある。フレイをとても慕っている



■ 操作系 〜Wiiリモコンでダイナミックに攻撃するのが基本スタイル〜

 操作系は、Wiiリモコンとヌンチャクが基本。オプションとして、Wiiモーションプラス、クラシックコントローラPROにも対応するが、個人的には細かい調整がきくWiiモーションプラスの装着を絶対的にオススメしたい。剣はともかく、槍や弓の使い勝手が飛躍的に向上する。クラシックコントローラPROは、ボタンコンフィグが効かないため、正直オススメしづらい。Wiiリモコンに比べると動きがないぶん楽は楽なのだが、主に攻撃と防御の面でストレスを感じることになる。

 本作最大の特徴は、TVCMなどでもおなじみの“ポインターの軌跡通り”に攻撃が行なわれるところにある。たとえば、剣を横にふれば、文字どおり横になぎ払うように軌跡にそって攻撃が行なわれる。本当の武器のように強く振る必要はなく、軽くコンパクトに「ヒョイ」っとやればオーケー。各武器は、攻撃が届く間合いに入ると緑色のターゲットカーソルが表示される。あとは、そこを狙って攻撃すればいい。武器には剣、大剣、弓、槍、ハンマー、杖といった系統があり、伸ばすごとに新たな武器が出現する。

 秀逸なのは、それぞれの武器の特徴が明確に打ち出されていること。剣は素早い連続攻撃が可能で、左手に盾を装備しているため堅実な戦いかたに向いている。大剣は両手持ちで重量があるため攻撃速度は片手剣に劣るが、その威力は絶大。槍は射程が長く敵を貫通するが、面ではなく“点”で攻撃するため剣よりも若干操作が難しく、特に大軍を相手にするときは立ち回りが重要になる。弓は、敵にポインターをあわせたままAボタンとBボタンを同時押しでホールド。そのまま弦を引き絞るかのごとくWiiリモコンを手前にひき、十分タメをつくったところでAとBをパッと離せば矢が放たれていく。

 剣、大剣、弓、槍は、両キャラクターの共通武器。このほか、フレイとフレイヤそれぞれに専用武器が用意されている。ハンマーはフレイ専用の武器で、上から下へと振り下ろす際の攻撃力が魅力。振りかぶっているときに受けたダメージは、他武器の予備動作に比べると低減されるといった利点もある。杖はフレイヤの専用武器で、魔力ゲージを消費しつつ様々な攻撃を敵に加える。属性攻撃など、ステージに合わせて使いわければ凄まじい効果を発揮する。

 各武器とキャラクターの鎧(耐久力)は、ゲーム中に獲得できる“結晶”を消費して強化できる。結晶にはマナ、水、土、霜といった種類があり、必要とされる数や種類は武器ごとに異なる。武器の作成はツリーチャートのような仕組みになっており、ひとつ武器を作ると、その下に新たな派生ルートが出現。青色はフレイ、桃色はフレイヤの専用武器。複数の派生ルートがある武器は、元のルートにあたる武器を作っておく必要がある。その総数は300種類以上といい、筆者もいまだ終端が見えてこない状況。上位武器は万単位以上の結晶が必要になるため、少々やりこんだ程度では作れない。コンプリートを目指すなら、相当な根気が必要とされそうだ。


ゲーム中に獲得した結晶を使い、さまざまな武器を獲得していく。それぞれ特徴が大きく異なるため、武器を使いわけるのがとても楽しい。ただし、全部で300種類以上あるため、コンプリートへの道は果てしなく遠い


 キャラクターの移動はヌンチャク側の役割。スティック前後で前身と後進、左右で方向転換。Cボタンでジャンプ。Cボタンを押したままスティック入力で平行移動になる。敵の攻撃を盾でガードしたいときはZボタン。ただし、盾でガードできるのは剣、大剣、ハンマーのみ。他の武器はガード操作そのものが行なえない。

 神速移動は、ヌンチャクを降った方向に素早く移動するというもの。敵の出現ポイントに駆けつけたり、敵の攻撃をかわしたいとき、態勢を立て直したいときなどに役立つ……というか、ほぼマストテクニックといっていい。これを使いこなせないと、大軍勢にまとわりつかれてアッという間にボッコボコのタコ殴りにされる。慣れないうちは、あらぬ方向に暴発してしまうこともしばしば。コツとしては、移動したい方向にスティックを倒したまま、軽くシンプルにヌンチャクを振るといい。

 個人的には、重要性をあまり感じなかったジャンプボタンとスティックだけで神速移動ができればなおベターだっただろう。冷静にやればそこまで失敗しない神速移動だが、プレイ中は熱くなってしまうことが多く、特に筆者のように頭に血が昇りやすいタイプは「なんでそこでそっちに動くんだよ!」となってしまいがち。Wiiだから……というのは本当によくわかるが、クラシックコントローラPROのボタンコンフィグも含め、もう少し“遊ぶ側の心情”もくみとって欲しいと思う。「そうしたほうが楽しい」のならわかるが、正直この仕様はそうはなっていないように感じることが多々あった。


前後左右に瞬時に移動できる「神速移動」。暴発しがちだが、スティックを移動したい方向に倒したまま、軽くクイッとヌンチャクを振るといい



■ ストーリーモード 〜雲霞のごとき軍勢を相手に大立ち回り〜

 シングルプレイ用のストーリーモードは、出現するステージを選んで少しずつゲームを進めていくというもの。ステージを始める前に「戦仕度をする」、「鎧を鍛える」、「武器を生み出す」でそれぞれ装備武器の強化や変更などが行なえる。はじめてプレイするときは、トレーニングモードのムービーをひと通り見ておくことをオススメする。

 準備が整ったら「戦場に降り立つ」を選択。各ステージの下にある青と赤のゲージと星は、そのステージをクリアしたキャラクター(フレイなら青、フレイヤなら赤)と“難易度”を表示している。難易度はイージー、ノーマル、ハード、ハーデスト、インフェルノの5段階があり、最初はイージーとノーマルしか選べない。上位難易度は、その直下の難易度をクリアすることで選択可能になる。このあたりは「地球防衛軍」シリーズをプレイした経験がある人にはおなじみのシステムだ。

 プレイ中は、画面右上にあるレーダーに注意。中心部分がプレーヤーキャラクターで、味方は緑、敵は赤で表示される。本作はとにかく多数の敵が「これでもかっ!」というほど大量かつ怒涛のごとく出現するため、序盤ステージはともかく、中盤以降は気を抜いているとすぐに背後に回られてしまう。超巨大な敵との戦いはついつい集中してしまいがちだが、それでもレーダーを見て周囲の状況には常に気を配っておかないと、冗談抜きにすぐ大変なことになる。

 巨大な敵、山盛りでおかわりし放題の大軍勢をバッサバッサと斬り倒していく爽快感。だが、それは本当に最初のうちで、難易度を上げると途端に“本性”があらわになる。「気持いいけど、もう少し手ごたえが欲しいなぁ」と難易度をあげると、そこには良質なアクションゲームならではの“魅惑の果実”が横たわる。敵の動きをよくみて、どういうふうに立ち回れば安全が確保されるのか。どのタイミングで攻撃すれば、1番効率がいいのか。敵のタイプ、ステージの状況にあわせて、それぞれ考え抜いてキャラクターを動かし、攻撃を繰り出していく。過程とクリアのカタルシス。これらを併せもったアクションゲームは、実はそれほど多くない。本作は、ライトにやりたい人はイージーで気持ちよく、ガッツリやりこみたい人はインフェルノまでどうぞご自由にといった具合に、それぞれの欲求を適度に満たしてくれるのがいい。


難易度によってゲーム性がどんどん変わっていく。インフェルノはアクションゲームの手練たちも相当てこずるはず



■ オンライン協力プレイモード 〜最大4人の仲間と一緒に大暴れ!〜

 本作は、インターネット接続環境があればWi-Fiコネクション経由で最大4人までのオンライン協力プレイが可能だ。セーブデータはオンライン専用に作成する必要があり、オフラインで育てたデータは持ち込めない。

 遊び方は極めて簡単で、プレーヤーネームを入力したらロビーに移動。ルーム一覧が表示されるため、好きなルームを選んでポインタで選択すればいい。自分でルームを作るときは、ルーム名、戦場、難易度、耐久力上限、方針などをそれぞれ設定。迷惑なプレーヤーは「プレイヤーリスト」でブラックリストに載せれば、互いの部屋にそれぞれ入れなくなる。

 ルーム選択で重要なのが、オフラインのゲーム進行度と方針。もしプレイする貴方が「データが共用できないなら、まず先にオンラインからプレイしよう!」としたとする。だが、オンラインで選択可能な戦場(ステージ)には、ストーリーモードの「ネタバレ」が含まれていることがある。「そういうのは全然気にしない」という人なら話は別だが、もしネタバレが嫌なら、まずはオフラインのストーリーモードをクリアしておいたほうがいいだろう。

 方針は、耐久力、腕前、人数、条件、戦場、目的、方針、時間、結晶の収集方針などを3つ明示するもの。ひらたくいえば「初心者用」、「特定の結晶集め」、「ガチプレイ」、「寝る前にちょっとだけやりましょう」などなど、プレーヤーの嗜好によるミスマッチを避けるための機能で、特に“結晶の収集方針”は重要だったりもする。なぜかといえば、本作のキャラクター成長は“武器と鎧”に完全依存しており、そのためには結晶の収集が不可欠だからだ。結晶収集の方針は「早い者勝ち」、「譲り合い仲良く」、「なるべく公平に」、「拾える人が拾う」、「ルールなし」があり、とにかく欲しいのであれば「早い者勝ち」、ギスギスしたくなければ「仲良く」や「公平」に設定されているルームを選ぶ、もしくは作るといい。個人的には「集めた結晶をクリア後に自動で均等配分してくれるシステムがあればなぁ」と思ったが、これは贅沢な望みといったところか。

 プレイ中のコミュニケーションは、すべて定型文から選択する。ソフトキーボードなど、自由文はロビー名称のみ。ボイスチャット機能もない。ただし、返事、挨拶、喜怒哀楽、ルーム関連、伝達、乾燥や抱負、要望など、必要最低限と思われる定型文が多数用意されており、それぞれ系統別にわけられているためコミュニケーションに支障をきたすことはほとんどない。プレイ中は非常に忙しいゲームのため、十字ボタンだけで必要な定型分がすぐに選べる仕様は「むしろこのほうが有難い」ともいえる。

 選べる戦場は、自分でルームを作成しクリアした場合のみ、少しずつ増えていくシステム。よって、誰かが作ったルームに遊びにいくだけでは、いざ自分がルームを作った際に選べる戦場がほとんどない、ということになってしまう。戦場を増やしたいときは、ルーム方針に「未クリア戦場を中心に」、「順番にプレイ」、「クリア重視」などを設定して仲間を募集してみるといいだろう。

 筆者はストーリーよりもオンライン協力プレイを多く遊んでいるが、元々フレームレートが高くないこともあり、ラグのようなものは発生したとしてもほとんど気にならない。巨大なボス、あるいはレーダーを真っ赤に埋める大軍勢を相手に、仲間4人と一致団結して立ち向かうといったシチュエーションは、これはもう自動的にテンションが上がらざるをえない。なかにはスタンドプレーよろしく他プレーヤーの状況を一切気にしない人もいたりするが、それはそれで「あぁ、映画やアニメで、そういうシーンあるよなぁ」と思えばなんてことはない。ただし、炎の杖など、広範囲にダメージを与える武器は、味方を巻き込んでしまうため注意が必要。1〜2回ならいいが、何度も繰り返されるとギスギスした定型文が飛び交うことになりかねない。逆に、突っ込む側もエリア攻撃を多用するプレーヤーのポジショニングには(可能であれば)一定の配慮をしてあげたほうがいい。お互いのやりかたがなんとなくわかってきたとき、あるいは伝わってきたときの独特の一体感は、オンライン協力プレイならではの醍醐味だ。


巨大な敵、大軍勢。立ち向かうために、4人で力をあわせて戦う。オンラインマルチプレイでは珍しくない光景だが、サンドロット作品でコレができる。なんと素晴らしいことか!!



■ ある意味、ついに実現した「地球防衛軍オンライン」 〜絶対的なマルチプレイの楽しさ〜

 プラットフォームが違うタイトルの名前を何度も出すのは若干抵抗があるが……思い切りぶっちゃけてしまうと、本作のフレーム部分はほぼ「地球防衛軍」シリーズそのものといっていい。北欧神話、ファンタジー、Wii独自のインターフェイスという外装を取っ払えば、そこには多くのアクションゲーマーが膨大な情熱と時間を注ぎ込んだ名作の骨子が見え隠れする。母船からふってくる敵、戦場内の配置、ナビゲーションのボイス、ストーリーモードのモブキャラの悲鳴など、ありとあらゆる部分に「地球防衛軍」要素が感じられ、それがまた嬉しくてたまらない。

 口の悪い人は「流用」、「手抜き」などというかもしれないが、筆者はこれを悪いとは思わない。むしろ諸手をあげて「よくやってくれた!」と全身全霊で叫びたい。なぜなら、当時「地球防衛軍」シリーズをプレイして「これをマルチプレイ、特にオンライン多人数でやれたら、どんなに素晴らしいだろう」と何度考えたかわからないくらいだからだ。もしボイスチャットに対応していたら、プレイ中の仲間たちを「○×隊員!」と呼んでいたはず。「地球防衛軍」シリーズのオンラインマルチプレイ対応は、本当に“夢に見るくらい”待ち焦がれていた決定的な要素だった。

 今回、北欧神話をベースにした斬撃アクション、完全新作として登場したが、筆者をはじめとするサンドロットファン、アクションゲーマーの多くは、ほぼ確実に「表皮の下にある中身」のニオイを嗅ぎつけているはずだ。1度味をしめたら絶対に忘れられない、極上の果実のニオイ。しかも、最大4人でオンライン協力プレイが可能になったとくれば、あとはもう「猫まっしぐら」状態で真っ先に飛びつくといった有様だ。ただ……「地球防衛軍」でコロコロ転がりながら戦っていた身としては、神速移動の仕様にはいまだ納得がいかない。今ではほとんどミスもなくなったが、それでも「これスティックとボタンでいいじゃん。誰も得しないよ、こんなの」としか思えないのだ。

 ちょっとだけ不満が漏れてしまったが……個人的には、神速移動の仕様をのぞけばほぼ大満足の仕上がり。画面分割でギャーギャー騒ぎながら協力プレイしていた頃からは想像もできない至高のマルチプレイ環境が実現したのだから、これはもう絶対的なプラス評価をせざるをえない。贅沢をいえば「同時プレイの人数がもっと多ければ」とも思うのだが、それは先々の楽しみとして取っておきたい。過程が楽しく、充実したカタルシスが得られる本作。アクションゲームが好きな人は、ぜひチェックしていただきたい。



(C) 2010 Nintendo / SANDLOT

(2010年3月2日)

[Reported by 豊臣和孝 ]