2017年9月4日 19:43
10月19日の発売に向けて盛り上がる「サイコブレイク2」。本稿では「2」の発売を前に、「サイコブレイク」の3つのDLC「ザ・アサインメント」、「ザ・コンセクエンス」、「ザ・エクセキューショナー」の3本を取り上げていきたい。
「ザ・アサインメント」と、「ザ・コンセクエンス」は主人公であるセバスチャンの部下・キッドマンを主人公にした物語である。2つで1本のコンテンツで、「ザ・コンセクエンス」は“後編”にあたる。セバスチャンが危機に立ち向かっているその裏でキッドマンがどのような目に遭っていたか、それを体験でき、物語のもう1つの真実を見ることができる。
「ザ・エクセキューショナー」は、クリーチャーのうちの1体、「キーパー」になることができるコンテンツである。肉屋の格好をしたこのクリーチャーは、ハンマーとずた袋で強力な攻撃を繰り出し、他のクリーチャーをボコボコにできる。「サイコブレイク」では敵は基本的には避ける存在で、数少ないチャンスを活かして反撃し、コツコツ戦うのだが、「ザ・エクセキューショナー」は違う。思う存分敵を吹っ飛ばせる、爽快感のあるコンテンツだ。
レビューでは、コンテンツの魅力を語っていきたい。なお、本稿は「サイコブレイク」のネタバレを付近でいる。これらの知識は「サイコブレイク2」をプレイする上ではあらかじめ提示される要素ではあるが、ネタバレを嫌う人は注意して欲しい。
「ザ・アサインメント」、「ザ・コンセクエンス」本編の裏で進行するキッドマンの物語
「ザ・アサインメント」
2015年3月11日配信
価格:1,000円(税別)
「ザ・コンセクエンス」
2015年4月22日配信
価格:1,000円(税別)
「サイコブレイク2」では、主人公セバスチャンは物語の鍵を握る装置STEMと、それを動かす組織メビウスの存在を知っている。セバスチャンは火事で娘を失っているが、それが“ある陰謀”であることを知り、娘を取り戻すために、再びSTEMの世界へ踏み込んでいく……。
「サイコブレイク2」の物語へ続く鍵を握るのがキッドマンである。DLC「ザ・アサインメント」、「ザ・コンセクエンス」をプレイすることで彼女が謎の組織メビウスの一員であること、ある目的を持ってセバスチャン達と行動を共にしていることがわかる。……そしてこのDLCのストーリーが「サイコブレイク2」への大きな橋渡しとなるのだ。
この物語は4つのチャプターで構成されており、前半2つが「ザ・アサインメント」、後半2つが「ザ・コンセクエンス」である。手に入る“破れたメモ”のデータも共有しており、2つをプレイすることでキッドマンの物語は一応の決着を見る。その後の彼女がどう動くかは、「サイコブレイク2」のトレーラーで語られている。
メビウスという言わば“敵側の1人”であるキッドマンであるが、だからといって彼女も安全ではない。彼女もセバスチャン同様いつの間にかSTEMの世界に取り込まれてしまい、恐怖と狂気の世界の中で、生き残るための戦いを繰り広げていくこととなる。
キッドマンはメビウスの命令で刑事としてセバスチャン達と行動を共に、精神病院での殺人事件の捜査に参加した……メビウスの命令は別にあった。「レスリー」という少年の確保を命じられていたのだ。少年は正気を失っており、恐怖の世界を逃げ惑う。夢とも現実ともつかない世界をさまよいながら、キッドマンはレスリーを追っていく。
そして、キッドマンの前に頻繁に現われ、キッドマンにプレッシャーを与え続ける謎の“上司”。彼も現実の存在とは思えない。キッドマンの前に予測不可能のタイミングで現われ、レスリーを確保することをこちらを脅すように命令してくる男。キッドマンは彼を信用できない。男の思惑は何なのか、レスリーとはどのような意味を持つのか……。
キッドマンの行く手には様々な怪物が現われる。特にしつこいのが「ライトウーマン」。頭がサーチライトになっている女性型のクリーチャーで、辺りに鋭い光を当てながら進んでくる。キッドマンはライトウーマンの光を当てられると動きが鈍くなってしまう。そして近づかれると体部分の巨大な口に食われてしまうのだ。彼女に見つからないようにやり過ごさなくてはならない。
DLCでは基本的にキッドマンは反撃の手段すら持たない。基本的には物陰に隠れ、ある時は敵をおびき寄せ、ある時は敵の裏をかいて進んでいくこととなる。成長要素などもなくゲームルール的にはシンプルだ。だからこそ敵の動きやマップの構造を理解する必要があり、トライ&エラーを繰り返して進んでいくゲーム性となっている。本編で解き明かせなかった謎と、クリーチャーとの駆け引きを楽しめるコンテンツだ。
圧倒的な恐怖の存在に立ち向かえ! キッドマンを待つ恐怖の数々
「ザ・アサインメント」、「ザ・コンセクエンス」はゲームルールもほぼ共有で、1つのゲームとして楽しめるコンテンツだ。キッドマンの能力で特徴的なのが「フラッシュライト」である。マップの所々にはメビウスの組織を示す、マークがあり、これにフラッシュを当てることでドアや抜け道が現われるなど先に進むことができる。
時には敵クリーチャーに追われてとてもライトを当てている場合がないときなどもある。こういうときは敵クリーチャーを別な方向におびき寄せるのが回避方法だ。キッドマンは隠れながらわざと声を出すことで敵をおびき寄せることができる。敵がくる方向と逆方向に隠れながら向かい、マークにライトを浴びせて次に進んだりする。スニークアクションをたっぷり楽しめる場面だろう。
スニークアクションを重視したところがエレベーターのシーン。ここではライトウーマンに追われる。エレベーターのタッチパネルは時間のかかる手のひらの認識方式な上、エレベーターが来るのにも時間がかかる。つまりその時間だけライトウーマンの追跡をかわさなければならないのだ。
ライトウーマンは時にはびっくりするほど素早く動く上、光が消えるとどこにいるか全然わからなくなる。こんなやっかいな敵を至近距離で隠れてやり過ごし、死角に回っていかなくてはならない。突然立ち止まって周りを見回すこともしょっちゅうで、本当に厳しい駆け引きを強いられる。エレベーターが来るまでの時間が本当に長く感じる。本DLCらしさを最も感じられるシーンと言えるかもしれない。
「ザ・コンセクエンス」では頼りになるフラッシュライトが失われてしまう場面がある。この時は光量がほとんどない「ケミカルライト」を頼りに進む。周りが全く見えない中でクリーチャーの恐ろしい息づかいが聞こえていて本当に怖い。このケミカルライトは投げることで周囲を照らすことができる。いくらでも投げられるので使い方によっては周囲をうまく照らすことも可能だ。
「ザ・コンセクエンス」では武器を使って戦うシーンも出てくるが、基本的に敵は強く、いかにうまく逃げるかの手段でしかない。どう戦うかではなく、どう逃げるか、どうやり過ごすかに楽しさを集中させている。本編とは別の面白さに特化したコンテンツだ。
コレクション要素としては“破れた手紙”がある。金庫型の箱に入っていて、開けるためのヒントが隠されている。ここに書かれた真実は……。「サイコブレイク2」への期待も大いに高まる要素である。物語のラストも、「サイコブレイク2」への伏線となっている。断片的ながらキッドマンの過去や、意外な事実も語られており、注目のDLCであることは間違いない。
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