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【スマホアプリ今日の1本】「Heaven×Inferno」天&地を破壊するバトルに注目
戦闘システムの利用が攻略の鍵。天と地のはざまで紡がれる一大叙事詩
(2016/5/2 00:00)
「Heaven×Inferno」の3大ポイント
・NTTドコモとトライエースによるタッグ作
・フィールドアバランチを利用すれば「ずっと俺のターン」も可能
・ゲーム初心者には難易度がやや高いかも?
通信事業の草分け的な存在であり、現在では携帯電話市場で50%近くを占有するNTTドコモ。スクウェア・エニックスが発売しているRPG「スターオーシャン」シリーズや「ヴァルキリープロファイル」シリーズなど、数々のコンシューマーソフトを開発してきたトライエース。業種の異なる2社のコラボレーションにより生まれたのが、今回ご紹介する「Heaven×Inferno」だ。
舞台は天使と悪魔が争った千年戦争後の世界。身体に天使や悪魔が宿り暴走した“ウォークス”に対抗すべく、人類は迎撃部隊“ネフィリム”を創設した。人為的に天使や悪魔の力を宿したネフィリムの働きにより、世界は平穏を取りもどしそうに見えたが、突如として強大な心霊力が暴走。ネフィリムたちは自らの犠牲にして世界の崩落を阻止した。そして、その10数年後……。
先に述べたように、本作は特徴的なバトルシステムを持つ作品を数多く生み出してきたトライエースがゲーム部分を担当。そのため、本作も例にもれず、スマホの機能を活かしつつも斬新なバトル性を実現している。スマホアプリのゲームのなかには、ひたすら攻撃をくり返すだけいう単調なバトルシステムの作品もあるが、本作は戦略性を高めるさまざまなシステムを導入。それらを理解し利用することでバトルがより楽しくなる。
基本的なシステムは、敵と味方が交互に行動するターン制。本作は1ターンに同じキャラクターが複数回行動でき、バトル中は画面左上にAP(アクションポイント)ゲージが表示され、キャラクターが行動するたびにAPが1つずつ減っていく。すべてのAPを消費すると敵のターンへ移行するほか、バトルメニューの「ターン終了」を選べば、残っているAPを次のターンに持ち越すことも可能だ。
肝心の攻撃方法は、画面右下に表示されているキャラクターのアイコンをタップすると、そのキャラクターが攻撃を行なうというもの。またアイコンをなぞるようにスワイプすると、連続して攻撃が発生する。
キャラクターによって攻撃を敵に当てるまでの時間が異なるほか、魔法攻撃には呪文の詠唱が必要なため、単にスワイプするだけではコンボにならない。各キャラクターが攻撃を行なう前の予備動作の時間も考え、タイミングを見計らってアイコンをタップしなければならないので注意したい。
そして本作のバトルにおいて最重要なのが、天井や地面に敵をぶつけて破壊する“フィールドアバランチ”。各キャラクターの攻撃は、「打ち上げ」、「叩きつけ」、「遠距離」といった特性を備えている。たとえば、打ち上げ効果を持つ攻撃を連続して当てると敵が上方向に吹き飛ばされていき、天井に何度もぶつければフィールドアバランチが発生するという仕組みだ。そのさいにHPが回復したりAPが増えたりすることがあるため、フィールドアバランチを多発させれば、敵側にターンをまわさず一方的に攻撃しつづけることもできる。
これを意識するかしないかで、バトルの難易度は大きく変わる。実際に筆者も、序章の最終バトルで戦うことになる女戦士に苦労していたのだが、フィールドアバランチを狙うようにしたら、味方全員のHPが満タンの状態で女戦士へ挑めるようになった。それまでは青息吐息で女戦士の前に立つのがやっとだったにもかかわらずだ。
そのほか、特定の条件下で発動できるアクティブスキルとコンボフィニッシュといった要素もある。前者は攻撃を行なうと溜まっていくスキルゲージを消費し、敵に大ダメージを与える攻撃を発動できるというもの。後者はコンボをつないだときに発生するベクトルの力を解放し、通常よりも強力な打ち上げ攻撃や叩きつけ攻撃をくり出す。とくに後者は、フィールドアバランチに大きく関わる要素なので、強敵との戦いで重要になる。
本作では特にそのバトルが多くの要素を盛り込み、斬新なものとなっている。しかし個人的には、これらの要素をうまく利用しなければ苦戦を強いられる点が少し気になった。家庭用ゲーム機で戦略性の高いバトルに慣れ親しんでいる人ならともかく、「ビジュアルがキレイ」や「なんとなくおもしろそう」といった理由で本作をプレイしたライトユーザーが、このバトルについていけるかというと、やや疑問が残る。ライトユーザーは気軽に楽しく遊べ、ヘビーユーザーはシステムを利用することでバトルの深みが増す。そのためには、もう少し敵の強さがひかえめでもよかったのかもしれない。
とはいえ、このバトルシステムに慣れれば、戦闘シーンがよく考えられたものであることがわかるだろう。ビジュアル面での質も高いので、1度プレイしてみることをオススメする。