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「NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ」開催
「ニーア」の美しさが全てを包みこんだ一夜。最新作の情報はどよめき連発に!
(2016/4/17 14:14)
2010年に発売され好評を博した「ニーア レプリカント/ゲシュタルト」。ディレクターであるヨコオタロウ氏ならではの退廃的で美しい世界観、悲しく残酷な物語の魅力に加え、MONACAの岡部啓一氏による楽曲の美しさは、多くのファンを生んだ。
その6周年も間近(4月22日で6周年となる)というこの日、シリーズ最新作「NieR:Automata」の制作を記念したコンサート&トークライブ「NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ」が開催された。
会場となったのは、東京は六本木のEXシアター六本木。900人が入る会場ながら、そのチケットはものの数分で完売になったというのだから、人気と期待の高さが伺える。なお、来場された観客のなかには、「ファイナルファンタジー」シリーズの生みの親、坂口博信氏の姿も見受けられた。
開演前の場内ではオフィシャルグッズが販売されて来場者が列を成したほか、多数の「ニーア」関連の展示を写真に収めようという列もできあがっていた。
コンサート開演直前のホールでは、スクリーンに次々と最新作「NieR:Automata」のPVや、「ニーア レプリカント/ゲシュタルト」の映像が上映されていく。
「ニーア レプリカント/ゲシュタルト」の映像が流れているときには「懐かしい」や「このシーン覚えてる!」といった声がそこかしこから聞こえてきた。
映像で記憶を蘇らせる。その映像のクライマックスとも言えるシーンの途中で、忍び寄るように場内の照明が暗くなっていき、コンサートはそのままの流れで自然と開演となった。心憎い演出だ。
演奏は、ピアノ、ヴァイオリンがお2人、ビオラ、チェロ。曲によってボーカルやギターが加わるという構成。弦楽器を中心にした「夏ノ雪」、ギターとピアノを中心にアレンジされた「光ノ風吹ク丘」ではエミ・エヴァンスさんのボーカルが加わっていく。場内に漂っていた、どこか張り詰めたような緊張感を透明感のある歌声が溶かしていく。
そして3曲目は「カイネ / 救済」。エミ・エヴァンスさんのこの日の歌声は、掛け値無しに素晴らしいものだった。目の前にいるこの1人の女性から発せられている歌声なのか、はたまた、これは人間の歌声なのか、とすらも思えてしまう。心にスッと入り込んで全てのものを溶かすような、神秘的な力を得た歌声だった。会場で生で聴けた人は本当に幸運だと思う。
3曲の演奏に続いては、この日のMCを務めた門脇舞以さん、「ニーア」シリーズの楽曲を手がけるMONACAの岡部啓一氏、この日のピアノ演奏も務めたMONACAの帆足圭吾氏が登場してのトークへ。
前作制作時の思い出として、「ニーア」の楽曲制作は通常のゲーム楽曲制作とは違い、ゲームの試作にあわせて曲を作り、試作に手が入ると曲も調整し……その繰り返しを1年半ほど続けて作っていったと、岡部氏は当時を振り返る。
一方、帆足氏はまだ入社して間もない頃だったということで、岡部氏から厳しいダメ出しをもらいつつ苦心したそうだ。
トーク後半には、ボーカルのエミ・エヴァンスさんも加わった。エミさんは、「すごく嬉しい。5年前に『ニーア』のサウンドトラックが発売されたときから、ライブで歌うのを夢見ていた」と喜びを語る。ご自身も「ニーア」の楽曲のファンだということで、「歌えば歌うほど好きになっていく」と、その想いを表現した。
岡部氏からは、「エミさんはすごくアーティスティックな人で歌うとエミさんの世界になる。それだけに歌ってもらう作品を選ぶ必要があり、それを活かせる作品が『ニーア』だった。」と、エミさんの印象を語られていたが、この日のコンサートは、まさにその意味を実感できるものだった。
続いての3曲は、「イニシエノウタ/デボル」、「休息」、「愚カシイ機械」。「愚カシイ機械」ではエミさんのボーカルに中川奈美さんがコーラスに加わったのだが、お2人の歌声は共鳴を起こし、圧倒されるほどの響きを生んでいた。
中盤折り返しとなるトークコーナー前には、最新作「NieR:Automata」の映像が上映され、主人公の「2B(トゥービー、正式名称:ヨルハ二号B型)」のほか、新たなキャラクターとして「9S(ナインエス、正式名称:ヨルハ九号S型)」、「A2(エートゥー、正式名称:ヨルハA型二号)」が公開された。同時にそれぞれのキャラクターボイスを担当する声優も公開されている。詳しくはこちらをご覧頂きたい。
映像後に、「ニーア」シリーズプロデューサーの齊藤陽介氏、ディレクターのヨコオタロウ氏(エミールヘッドを被って登場)、そして「2B」のCVを務める石川由依さんがステージに。最新作「NieR:Automata」について語っていく。
前作「ニーア レプリカント/ゲシュタルト」の遥か未来の物語であり、侵略してきた異星人と、彼らの兵器である「機会生命体」、それに対抗するアンドロイドの戦闘用歩兵「ヨルハ」部隊の物語だという。
現在も開発およびアフレコは進行中で、「2B」役の石川由依さんは、「2Bはアンドロイドなのに人間っぽいところもあるんです。他のキャラと行動する内に心を開いていく。その成長の様子を見てもらいたい」と、2Bというキャラクターの注目ポイントを語った。
ここから「9S」役の花江夏樹さん、「A2」役の諏訪彩花さんからのビデオレターが上映されたのだが、「9S」役の花江夏樹さんはヨコオタロウ氏が同じくディレクターを務めた「ドラッグオンドラグーン」をプレイし、語りぐさとなっている「赤ちゃんEND」を母親の前でプレイし、ゲーム機のコンセントを引っこ抜かれた思い出があるという。場内からは「それも無理はない」という笑いが起きていた。
また、その流れで最新作「NieR:Automata」のエンディングの話題も。エンディングのシナリオはすでに上がっているということなのだが、「赤ちゃんEND」に匹敵するのだとか。開発中のゲームのエンディングについての話を聞くという異例なことに、場内からはどよめきもあったのだが、どうやら制作に携わる人のなかでは、ヨコオタロウ氏から出されたエンディングが賛否両論であり話題の的のようだ。
ヨコオ氏はエンディングについて「ハッピーエンドです」と語るも、周囲からは同意してもらえない模様。プロデューサーの齊藤氏は、「前作のエンディングをハッピーエンドだと思っている人いますか?……3人ぐらい手をあげてくれたね。私も前作はハッピーエンドだと思うんだけど、今度のエンディングは、そんな私が、『ハッピーエンドなの……かな?』と思う感じです。」とニュアンスを伝えていた。
ちなみにヨコオ氏からは、「(NieR:Automataの)エンディングは有料ガチャを引いて変わるようにしましょう!」と真面目に提案されたこともあったのだとか。……どうやら「NieR:Automata」もまた、恐ろしいものになっていそうだ。
続いては「NieR:Automata」の曲について。そのトークでは今作の主題歌を歌うJ'Nique Nicoleさん、そして中川奈美さんが登場した。「『NieR:Automata』で歌って頂く、エミさん、J'Niqueさん、中川さん、それぞれに歌声が異なっていて、それがオートマタの世界で融合するのが面白い」とのこと。
J'Niqueさんは、これまではゴスペルやR&Bを歌ってきたという。今回のゲーム用楽曲を歌うということについて、「これまでにない体験で、とても楽しんでいます」と、笑顔で語っていた。そこから、「NieR:Automata」の主題歌(ただし、まだ曲名はついていない)をパワフルに歌いあげた。
続いては、中川奈美さんが、「Paris Games Week 2015」にて公開されたPV中に使われていた曲を歌っていく。こちらは驚くほど低い歌声から、一転して高い歌声へ、さらには民族音楽的な歌声までを駆使する、とてつもない曲。その歌には恐ろしさも感じるほどで、ある意味では「ニーア」シリーズに欠かせない“狂気”をその圧倒的に幅広い声域を活かして再現しているかのようでもあった。
エミ・エヴァンスさんの歌声からは“儚さ”、J'Nique Nicoleさんの歌声には“強さ”、中川奈美さんの歌声には“狂気”と、それぞれに「ニーア」シリーズに欠かせない色を感じた。
最後のトークパートでは、プラチナゲームズの田浦貴久氏が登場し、「NieR:Automata」の実機デモプレイを初披露!画面には2Bと9Sがいて、9Sはお供のように主人公である2Bの後ろをついていく。ゲーム中の場面はイメージボードの展示にあった「工場廃墟」と思われる。朽ちた様子、独特な空気感、そしてシックな雰囲気が出るように、遠景はあえてディテールを出さず、絵のように見えるよう工夫しているという。
ショットで頭上の鉄橋を落とし、道を作り奥へと進んでいく。敵に連続した剣戟を浴びせ、打ち上げてからの空中コンボ、ダッシュ中に左右へと曲げられるという独特なスライド感のある動きを交えつつ、今作のアクションが披露されていく。その滑らかさ、動きの華やかさに場内からはどよめきが、ヨコオ氏からは「前回のしょっぱいニーアと違って今回はアクションすごいんですよ!」と、自虐的な言葉も。田浦氏はそうした華麗なアクションをできる限り手軽に楽しめるよう調整しているという言葉もあった。
このほかにも、「9S」への操作キャラ変更が可能なこと、「ニーア」と言えばの敵が放つ丸い弾と大量の弾による弾幕、マップを進むなかでサイドビューになる様子なども披露された。「ニーア」シリーズのテイストをしっかりと持ちつつも、プラチナゲームズならではアクションの作り込みと手触りを期待できる作品になりそうだ。
コンサート&トークライブはここからクライマックス。「エミール/犠牲」、「魔王」、「Ashes of Dreams」と、それぞれの曲にあわせた映像とともに演奏された。エミさんの歌う「Ashes of Dreams」ではすすり泣く声が聞こえてくる。筆者も気がついたら涙が頬を伝っていた。正直に言えば、感情が高ぶったり、こみ上げたりしたわけではなく、気がついたら涙が出ていて。そんな自分の体に、反応に驚いたぐらいだ。ごく個人的なことなのかもしれないが、エミさんの歌声には何か他にないものを感じてしまう(もちろん、J’Niqueさん、中川さんの歌も素晴らしかった)。
アンコールでは、「オバアチャン」と「イニシエノウタ/運命」を披露。「オバアチャン」のしっとりと美しい旋律から、「イニシエノウタ/運命」ではデボルとポポルのように、エミさんと中川さんがお互いを向き合い、歌っていく。その共鳴が余韻を残しつつ、「ニーア」らしい切なさを伝えつつ。コンサートパートの最後を飾っていく。
最後の挨拶では出演陣から喜びや嬉しさ、「ニーア」への想いが語られた。岡部氏からは「発売後、6年も経ってからコンサート開催してもらえたのは応援してくれている皆様のおかげ」という感謝が伝えられた。
ヨコオ氏は「僕のシナリオにはあまり期待せず、いつものように膝を抱えながら新作をお待ちください」と、6年前から変わらずの、自虐とブラックジョーク混じりの言葉となった。
そして齊藤氏は、「『NieR:Automata』の発表はE3からPGWと、日本が後手になってしまっていたのですが、コンサートを実現することができました。まずは『NieR:Automata』をしっかりと作りあげて。またコンサートをやりましょう」と、最新作とともに、またこうした日を迎えたいという気持ちを語り、この日のコンサート&トークライブを締めくくった。
【セットリスト】
夏ノ雪
光ノ風吹ク丘
カイネ/救済
-Talk Live Part1-
イニシエノウタ/デボル
休息
愚カシイ機械
-Talk Live Part2-
NieR:Automata New BGM #1
NieR:Automata New BGM #2 PGW
-Talk Live Part3-
エミール/犠牲
魔王
Ashes of Dreams
・アンコール
オバアチャン
イニシエノウタ/運命
コンサート&トークライブ直後の出演陣にインタビュー!
コンサート&トークライブの終了後、プロデューサーの齊藤陽介氏、ディレクターのヨコオタロウ氏、楽曲を手がけるMONACAの岡部啓一氏、プラチナゲームズの田浦貴久氏、MCを務めエミール役の声優も務めた門脇舞以さん、「2B」役の石川由依さんにインタビューをさせて頂いた。
――コンサートを終えて、感想をお聞かせください。
岡部氏:本当に無事に終わって良かったなぁと思って。パンフレットにも書かせて頂いたんですけど、今まで「ニーア」単独できちんとお金を頂くようなこと(イベント)がなかったので。満足して頂けるかなというプレッシャーがありました。とりあえず今は、満足して頂けたのではと。良かったなと思います。
齊藤氏:私は客観的に見ていて。「私がお客さんとして来たなら絶対泣くだろうな!」というものができたなと思います。どれぐらいのお客さんが泣いたのかが興味深いです。パッと見た感じではウルウルしている人はいたなと思うのですが。感動して頂けたということで、やって良かったなと思います。
石川さん:私は「NieR:Automata」から参加させて頂くので、「ニーア」のファンの方々とは今日初めてお会いしたんですけど、本当に「ニーア」のことを大切に想ってくださっていたり、愛してくださっている方がたくさんいるんだな、というのを感じました。音楽もすごい楽しませて頂いたので。これからまだ収録が残っているのですが、みんなが力を出し合って素敵な作品を作っているので、私も負けてられないと思いました。
門脇さん:私にとって「ニーア」という作品は、ずっと忘れられない、ずっと色あせない、大切な作品だったので。同じような気持ちでずっと待っていてくださった皆さんと、大好きな曲を一緒に聴くことが出来て。本当に幸せな時間でした。ニーアさんといつか会えるまで、ずっとずっと、一生懸命、エミールを務めさせて頂きたいと思います。これからもよろしくお願い致します。ありがとうございました。
ヨコオ氏:……このしんみりとした空気!あのー、石川さんが「これから収録がんばります」と言われている台本が、まだ書けていないですし、門脇さんのセリフに至っては、まだ8割方書けていないので。「がんばらないと俺は死ぬな!」っていう気持ちです。今日のコンサート自体は素晴らしい内容で。僕は今年46歳で、岡部さんは47歳でしたっけ。良い冥土の土産ができて良かったなと、晩年を迎える気持ちでいっぱいでした。皆さん、本当にありがとうございました。
田浦氏:本当に純粋に「いいな」という気持ちでいっぱいで。新作「NieR:Automata」でも同じようにイベントができればいいなとすごく思います。一段とがんばろうという気持ちになりました。
――前作から6年経ちますが、当時に楽曲が話題になりました。前作をリリースする際に、5年、10年と語り継がれるような手応えはあったのでしょうか?
岡部氏:全く感じなかったです(笑)。
齊藤氏:みんな同じだと思うんですけど、開発中ずっと「青イ鳥」を聴き続けていたんです。
ヨコオ氏:聴き飽きた感が。
齊藤氏:なので、良いのか悪いのか、分からなかったんですよ。
ヨコオ氏:「ニーア」ってギリギリまで全然(内容が)繋がらなくて。話も音楽もよく分からないまま、グシャグシャとデータだけ詰まっているような状態で。そこから「あぁ、繋がった!発売!!」ってなって。発売されたら「もう見たくない!!」っとなって。どんなゲームになったか、正直よく分からなくて。後から楽しかったという声を頂いて。それで「あ、良かったんだな」と再確認しました。
齊藤氏:去年のE3で、あまりにも「良い、良い」と言われて、ドッキリなんじゃないかと二人で話したぐらい。今日改めてコンサートをやってファンの方がたくさん来てくれて、確信に変わりました。
ヨコオ氏:岡部さんの曲って、当時に海外メディアさんに「ゲーム史に残る名曲だ」って言われてて。でも、「それはないな」って。「そこまでじゃあ、ないっすわ」って返しをしてましたね(笑)。
岡部氏:ヨコオさんの評価が一番低いんですよ!
――「NieR:Automata」の楽曲についてですが、前作が高く評価されたからこそのプレッシャーがあると思います。そのあたりはいかがでしょうか?
岡部氏:ヨコオさんもそうなのですが、前作が評価されたから同じようなものを……というのは好まないですよね。新しい要素を入れていきたいですが、受け手側にある「ニーアはこうなんだ」というのもあると思います。最初は「えっ!?」と思うかもしれないけど、ゲームを進めて行くと、そこの意味や新しい要素を気に入ってもらえるのでは……気に入ってもらえるようにがんばりたいです。プレッシャーはめっちゃ感じてますね(笑)。
齊藤氏:岡部さんはこの6年の間に「ニーアみたいな曲を作ってください」っていうオーダーが増えたんだよね?
岡部氏:そうなんですよ。でも「ニーアっぽさってどんなんだっけ?」とも思って。“ニーアっぽいもの”を求められても、同じことをやっても仕方ないし。“ニーアっぽいものに別の要素を組み合わせる”ということをやったりしました。そうすると、“そもそものニーアっぽさ”ってなんだっけ?ともなって。「NieR:Automata」の曲作りでは、それも踏まえた上で、前からの要素と新しい要素をブレンドしていきたいなと思っています。
――「NieR:Automata」でも今回のようなコンサートをやりたい、という言葉がありましたが、こういうことをやりたいというのはありますか?
岡部氏:前作の「ニーア」からの曲も演りつつ、「NieR:Automata」の新しい要素をライブで、ですね。J’Niqueさんの歌声も今までの「ニーア」とは全然違う流れで作って、いろんなことを思われたかもしれませんが、「新しいけどやっぱりニーアだね」と思ってもらえる形でやりたいですね。
齊藤氏:赤字にならないイベントを。今回はプロモーション込みでのイベントだったので。でも、やっぱり赤字続きじゃあ続けられないので。トントンでもいいので、みなさんに楽しんでもらえるものが作れたらと思います。
石川さん:今回は、門脇さんはいらっしゃいましたけど、キャストが私だけだったので。キャスト同士でなにかお話するチャンスとかがあったら嬉しいですね。
門脇さん:今回参加できただけで充分です(笑)。新しいチームの皆さんとも掛け合いができたりしたら、とっても嬉しいですね。次回、またひょうきんな曲とかでもいいので、新しいエミールの曲なんかができてくれたら、嬉しいです。
ヨコオ氏:僕は“舞台”がやりたいです!よろしくお願いします!……僕は舞台がやりたくてしょうがないんですけど、赤字で儲からないのでなかなかやらせてもらえなくて。でも、こうやって言っておけば実現するかなと思って!
齊藤氏:スケジュール通りにゲームを完成させれば考えます!
(ヨコオさん、隣の田浦氏をじっと見る)
田浦氏:僕ですか!えーっと、今回はゲームプレイも見て頂いたのですが、あまり多くは見せられなかったので。もっとバリエーションのあるものを見せられたらいいなと思います。
――今回の会場となったEXシアター六本木は小さかったと感じますか?それとも大きかったと感じますか?
齊藤氏:大きさ的にはこれぐらいがいいと思いました。喋ってる側や演奏している側が“お客さんの表情が見えるサイズ”というのは、これぐらいなのかなと。本当は今回も、2回、3回公演みたいな話も0ではなかったのですが。
――なるほど。でも、今回はチケットの争奪戦がすごかったようです。ファンとしてはもっと大きな会場でという気持ちもあるかもしれません。
齊藤氏:そうなんですよね。
ヨコオ氏:いやでも、久々だからこれだけ来てくださったんで。調子に乗ってすぐやったりするとガラガラということも。次はまた30人ぐらいのライブハウスで、もう一回作って、またここに来るとかがいいのでは!
――今回のセットリストや演出を考えられたのはどなただったのでしょう?「NieR:Automata」の曲を最後に持っていかなかったのは理由があったのでしょうか?
齊藤氏:「NieR:Automata」のキャストをパンフレットに載せていたので。「NieR:Automata」の曲や発表をあまり終盤にはできなかったんですよね。選曲については、岡部さんがバランスを見つつ考えたんですよね?
岡部氏:「イニシエノウタ」とかはテープ同期をしてリズムを入れたりしたんですよね。それを演ること自体がどうかというのもあるのですが。最後の「イニシエノウタ/運命」なんかはそれをしない限り無理だな、と思っていて。じゃあ、それを演るのなら……という考えがありました。
――J’Niqueさんを起用された経緯や決めてはどのようなものだったのでしょう?
岡部氏:前回の曲はエミさんのカラーがすごく強くて、儚いイメージですよね。今回は新しい要素として真逆のものを。力強くて押しのある人を、と考えてJ’Niqueさんにお願いしました。
――ヨコオさんの考えた「NieR:Automata」のエンディングが賛否両論ということですが?
齊藤氏:今のエンディングがあまりにもヒドイので(苦笑)。
ヨコオ氏:いや、意外といい!!
齊藤氏:(笑)。あれを早く皆さんに見てもらって、世の中に問いたいです。「これはありなのか、無しなのか」と!
――なるほど(笑)、楽しみにしています。ありがとうございました。
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