ニュース

PS4向けMMORPG「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」インプレッション

手軽でド派手! パーティプレイも楽しい、宇早紀かわいい!

3月25日正式サービス開始

 「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」(以下「WOM」)は3月25日よりライオンズフィルムがサービスを開始したPS4向けのMMORPGだ。基本無料のアイテム課金型ビジネスモデルのため、PS Storeから無料でダウンロードして遊び始めることができる。ユーザー登録なども特に必要はないため、ダウンロードが完了したらすぐに遊べる手軽さが大きな魅力だ。

 「WOM」の世界観は基本的にはヨーロッパ中世風のファンタジーだが、アジアンテイストが随所に感じられ、独特の雰囲気がある。“PS4でオーソドックスなMMORPGが遊べる”というところも大きな魅力だ。今回はパーティプレイも含め、序盤をプレイした感触をレポートしたい。

かわいらしい宇早紀が「話しかけてくれる」チュートリアルは癒しの効果バツグン!

 「WOM」でプレイ可能なキャラクターには、「ウォーリア」、「プリースト」、「メイジ」、「アサシン」、「アーチャー」の5種類の職業が用意されている。それぞれの職業ごとに異なる装備やスキルが設定されている。

職業はウォーリア、メイジ、プリースト、アサシン、アーチャーの5種類から選択できる。どの職業を選んだ場合も、服装が変わるだけで、体格などに違いはない
髪型や顔の種類、肌のバリエーションなどは豊富だが、いずれも美男美女揃い。美男美女は3日で飽きるというので、今後はより奇抜なキャラクターにもできるのようにして欲しい。少なくともスキンヘッドは絶対入れて欲しい
ツインテールに緑の髪が予想以上にミクさんでした。本当にありがとうございます。ということで今回は「ミクダヨー」さんで冒険に参加した

 「WOM」ではさらに職業に依存しない特殊アイテム「レリック」という大きな目玉がある。スタート時には「神封の剣」というレリックが最初から用意されている。レリックは装備することで特殊なスキルが使えるようになる。「神封の剣」は前方への範囲攻撃「十字斬龍撃」と、敵の防御力を低下させる「断龍斬」が使える。これは序盤ではかなり役立つスキルだった。

 レリックは敵ドロップや、クエストで入手できるほか、商店でも買える。筆者が購入した「羅刹の帯」は範囲内の4体の敵に対して火属性魔法ダメージを与える「フレイムダスト」が使えるほか、1ターゲットに対してダメージ+金縛り効果を一定確率で与える「フレイムウィップ」が使えるようになる。

 そしてレリックは“育てること”が可能なのだ。不要な装備アイテムを変換した際に手に入る「ダークソウル」を使うと、レリックのレベルを上げることができる。レベルを上げたレリックはスキルや追加のダメージが増加する。初期に手に入れたレリックであってもその後も使い続けたくなる。「WOM」は良いレリックと出会い、それを育てるというのも大きな魅力だ。レリックは基本、プレーヤーキャラクターの後ろに常に浮かんでおり、独特の雰囲気を演出している。性能はイマイチでも外見がお気に入り、というレリックも出てきそうだ。

 プレーヤーが選べるキャラクターの顔パターンは美男美女の美形揃いだ。さらに髪型や髪の色、肌の色などが選択できるので、個性を出すには申し分ない。ただ、体格が変更できなかったり、目鼻などの細かいカスタムがしたいとも思った。今後さらに増えて欲しい。

 筆者は今回、「アサシン」を選択した。キャラクターの外見としては、ツインテールに緑色のカラーを合わせてみたら、ヴォーカロイドの「初音ミク」っぽい雰囲気になったので、これでいくことにした。プレイしてみると特に走ったときにツインテールのふわふわ動く感じとか、いかにも女の子らしい走るモーションがすごく“ミクさんっぽく”感じられ、かなりお気に入りになった。しかも黒いミニスカートタイプの服を着ていたのでミクさんそのままだ。

 ゲームはチュートリアルが始まる。チュートリアルには案内係のキャラクター「宇早紀(ウサギ)」が登場し、文章をただ表示するだけでなく、フルボイスでしゃべって説明してくれるので、画面操作に集中しながらチュートリアルが学べる。チュートリアルの宇早紀のセリフは声優がしゃべってくれるフルボイスになっていて、本作の目玉となるコンテンツなのだ。

 彼女はこの先も「初めて」の操作や機能が出るたびに登場し、話しかけて説明してくれる。テキストの説明がちょっと堅めの文章なので、気さくな口調で「話しかけられてる」感じは味気ないテキストによるチュートリアルと違って、どこか暖かく、癒し効果が感じられる。声優好きの筆者にはたまらない魅力だった。ゲームを始めてすぐに彼女に出会えるのでオススメである。

【楽しいチュートリアル】
チュートリアルは「宇早紀(ウサギ)」ちゃんがフルボイスで操作方法を教えてくれる。こういうのを声で案内してくれるというのはうれしいポイント。テキストで書かれた文字と違う言い回しになることも多く、語りかけることを重視した演技をしているんだと思うとテンションが上がる

テンポよく進むメインクエストでらくらくレベルアップ

 「WOM」のクエストにはメインクエストとしてストーリーが進行する「ドラマ」と、ストーリーとは関係なく受けられる「サブクエスト」の2種類がある。メインクエストは指定されたアイテムを回収したり、モンスターを退治するなど、オーソドックスな物が多く、次のクエストの場所も細かく表示されるので、迷う心配はない。

メインクエストはアイテムの回収から特定の敵キャラクターを倒すものまでさまざま。次から次へと色んな敵キャラが登場するし、割と序盤のうちから巨大ボスとの戦闘が待っている
タイトルによってはもっとおどろおどろしく描かれることの多い狐の妖怪「妖狐」も本作ではかわいい顔した狐にデザインされている
移動中のモンスターはほとんどがこちらと接触しても攻撃してこない大人しい奴らが多い。ただ、後半になってくると、こちらに近付いたら問答無用で追いかけまわしてくる厄介な敵も増えてくるから要注意だ

 メインクエストをクリアするとかなりの経験値が入るので、これでレベルを上げていき、ストーリーを進行していくのが序盤の展開となる。クエスト受注後は、受注したクエストの項目をクリックすることで、その目的地まで自動で移動してくれる。レベル30まで、6時間くらいで進められた。このリズムはとても心地よく、かなり快適にプレイできた。

 移動中などにもモンスターを多く見かけるが、その多くは攻撃してこないノンアクティブなモンスターのため、素通りできて気楽だった。ただ、レベル20くらいになるとアクティブモンスターが増えてきた。ただし本作ではメインクエストを進めていけばレベルはドンドン上がっていくので、道中の雑魚については基本逃げの一手で問題はないと感じた。
 「WOM」戦闘操作はシンプルで直感的にできる「コントローラーに最適化されたインターフェイス」が「WOM」の魅力だ。敵を見かけたら、〇ボタンでターゲッティング、後は〇ボタンで通常攻撃が可能なほか、ショートカットに登録したスキルやアイテムを使うことができる。

 ショートカットは、「FINAL FANTASY XIV」の“クロスホットバー”のようになっており、R2かL2ボタンを押しながら、〇、×、△、□ボタン、十字キーで発動できる。スキルやアイテムはクールタイムが必要になるので、登録できるスキルは全部登録しておき、ドンドンスキルを使っていくのがオススメだ。

 スキルの演出は全体的に派手目なので見ていて楽しい。範囲系のスキルを使用した場合には、周囲の敵にもダメージを与えられるので見応えもある。ただ敵を攻撃した時のリアクションが乏しいのが気になった。全体的に敵を斬ったり、燃やしたりするときの“感触”が薄く、戦闘は単調に感じてしまう部分もあった。敵のリアクションや、攻撃時のモーションなど、もっともっとこだわって欲しいと感じた。

 レベルが上がると、ステータスが上がるほか、手持ちのスキルを強化したり、新たなスキルが習得可能になる。スキルの強化や新たに習得する場合にはゲーム内通貨が必要になるので自動では上がらない点には注意が必要だ。しかもスキル強化や習得については、ゲーム内通貨(金貨)以外に必要な物は特にないため、余裕がある場合には、あまり気にせずガンガン上げた方がいい。

 というのも筆者は当初、レベルが上がってもスキルにはほとんど手を付けずに進めていた。通常、MMORPGではスキルはどれかを取ると他のが取れない。ある程度様子を見てから、強化したいスキルを決めて1点集中して増強するつもりだったのだ。しかし、レベル15~16になった辺りのメインクエスト「水竜の陰謀」で登場する巨大ボス「水神の分身」との対決で大苦戦することになってしまった。敵にダメージがあまり通らないため、全然倒せないのだ。

 そこで、今こそスキルを強化するタイミングだと思い、改めてスキル強化メニューを見てみたら、スキルの強化や習得に金貨以外は特に必要ないことがわかった! しかもかなり安い。「WOM」はスキルに関しては、まんべんなく上げていくゲームだったのだ。今まで使わなかった金貨を注ぎ込み、レベル16の段階で取得可能なスキルを全て取得し、強化も最大まで上げてみたところ、楽勝でボスを倒すことができた。しかも金貨についても大して減らず、プレイに支障は全くなかった。

 なお、本作では前述のレリックの他、武器や防具、ポーションなどの回復アイテムが金貨で購入可能だ。武器や防具は基本的にはメインクエストをクリアした時に貰えることも多いので、序盤ではあまり必要はないかもしれない。なお、全てのアイテムに使用可能な最低レベルが設定されているため、自分のレベルと比較してアイテムを購入する必要がある点には注意が必要だ。

 お店についてはメインクエストをガンガン進めていると見落としがちだが、街など人が多く集まる場所には大抵のお店が揃っているので、ポーションが不足してきた時などは、一度辿ってきた道を戻って、街に向かってみるのもいいだろう。

【敵と戦う!】
体力は非戦闘時であれば「瞑想」のコマンド1つでちょっと時間がかかるが完全回復できる。強敵とのバトルを終えた後などはみんなして迷走しているのでちょっと面白い
レリックは街中のレリック商人から購入が可能。割と手頃なお値段で購入できるが、高性能なレリックを装備するには通常のレベルとは別に用意されている「神念」のレベルを、アイテムを使用して上げなければ使えないので要注意だ
課金アイテムには見た目に分かりやすいプレーヤーキャラクターのアバターやペット、乗り物などが用意されている
スキルのレベルを上げていない時は、まったく歯が立たなかった強敵「水神の分身」もスキルのレベルを最大まで上げたらかなり余裕で立ち回れるようになった

ド派手なバトルが展開するパーティプレイが楽しい!

 ストーリーを進めていくと、サブクエストの「毎日クエスト」が受注できるようになる。1日1回受注可能で、クリアするとアイテムや金貨、経験値などが獲得できる。

パーティ編成は、他のプレーヤーキャラクターをターゲッティングして、メニューから招待すればOKだ。ソロで遊んでる人も多いが、興味がなければ放置するだけなので、気軽に誘ってしまって問題ない
招待されるとこのように画面上にダイアログが表示される。毎日クエストは基本的にパーティプレイじゃないと厳しい相手が多いので、こういうお誘いはありがたい

 ところがこのサブクエスト上に書かれた指針となるレベル表示はどうやらパーティプレイ前提のようで、レベル30のキャラクター1人でレベル20向けのサブクエストに挑んでみたが、とてもクリアできそうな難易度ではなかった。道中に出てくる敵モンスターがいちいち強いし、その更に奥にいるボスは回復アイテムのクールタイムが間に合わないうちに強烈な通常攻撃を何度も繰り返してくるので、あっさり返り討ちにあってしまった。

 毎日クエストでは、パーティプレイをおススメしたい。この毎日クエストを受注できる場所の近辺には、他のプレーヤーキャラクターたちがたむろしていることが多い。そこでチャットを使って声かけしたり、チャットが苦手な人は、直接プレーヤーキャラクターをターゲッティングして、パーティに招待してみてもいい。こうしてプレーヤー最大5人でパーティを組んで戦闘に挑むことができる。

 今回は自分から声をかけたわけではなく、誘ってもらったパーティに参加してみた。全てのプレーヤーがレベル30だったので、レベル差などを気にすることなく気楽に挑むことができたが、これがもう最高に楽しい。1人で戦っていてもスキル演出は派手だが、これを5人のキャラクターが一斉に使用するため、とにかく次から次へと派手なスキルがさく裂しまくり、さながら祭りのような賑やかさだった。

 メンバーの中にプリーストなどの回復魔法が使えるメンバーがいると、HP残量を気にすることなく戦闘に集中できるし、道中にいる強めのモンスターも各個撃破したり、何人かで挟撃できるので、先ほどのレベル20の毎日クエストなどは全く苦しむことなく楽勝でクリアすることができた。

 その後もいくつか毎日クエストを試してみたが、レベル30の毎日クエストがパーティプレイで割とちょうどいいバランスで戦うことができたことから、やはり毎日クエストはパーティ前提の調整になっているのだろう。この辺りの説明がもう少しあると分かりやすいと感じた。後述しているが、テキストチャットが使いにくいこともあるので、ボイスチャットと組み合わせてパーティプレイできたら、さらに楽しめそうだ。

【パーティプレイ】
ただでさえ派手な戦闘がさらにド派手に! これぞMMORPGの醍醐味だ。ソロで挑んだら全く歯が立たない毎日クエストの敵ボスもサクサク倒せて気持ちがいいぜ
回復やサポートをしてくれる仲間がいると、体力に気を使わずにガンガン攻められるのがありがたい。

ちょっと気になる要改善ポイント。早めの対応に期待

 最後にちょっと気になった点も書いておきたい。特に一番気になったのは、“敵との距離感”である。

この距離でいきなり「戦闘離脱」になってしまった。モンスターで距離がばらばらで、正直途方に暮れてしまう
明らかに何もないところでダメージを喰らう不思議。敵のリーチが長いなら、それを見せてもらわないと納得いかない

 手ごわいボスクラスのモンスターと戦う場合、常に接近し続けたままではなく、ある程度敵から逃げつつ戦うことになる。ところが、敵キャラクターから距離が離れすぎると、「戦闘離脱」となり、その敵キャラクターとの戦闘そのものが終了してしまう。

 もちろん、そのまま逃亡したい場合は好都合だが、倒すつもりでこれが出てしまうとガッカリする結果となる。「戦闘離脱」後は、敵が全快してしまうからだ。現在の「WOM」ではこの距離感がわかりにくい。どのくらい離れたら戦闘が終わってしまうかがわかりにくい。戦闘中は敵との範囲をサークルで表示するなど、戦闘継続可能な距離をもう少し分かりやすく明示してほしいところだ。

 ボスモンスターは、頻繁に使ってくる近接の通常攻撃と、一定時間ごとに広範囲に大ダメージを与えるスキルを使ってくる。広範囲ダメージのスキルは事前に範囲が表示されるため、わかりやすいのだが、通常攻撃の距離感がわからない。グラフィックス敵には当たってないところでも当たり判定が存在していて、理不尽な距離で大ダメージを受けてしまう。戦闘していてかなり不満なポイントだ。ぜひ改善してほしい。

 そして最大の不満点が「レベル30の壁」である。「WOM」では5~6時間のプレイでレベル30までメインクエストでレベル上げできるのだが、これが突然止まってしまうのだ。次のクエストは出ないし、戦闘しても経験値は雀の涙。これまでが快適なだけに途方に暮れてしまう。何をしたら良いかわからず、いきなりゲームのリズムが“失われて”しまう。

 かなり極端な言い方だが、レベル31にするのにソロでモンスターと戦うだけではとても上がらず、パーティで毎日クエストに挑戦しても経験値があまり入らない。周りの人もレベル30で止まってしまっている。「今までの快適さは何だったんだ?」とかなり戸惑ってしまっているのが現状だ。

 さすがに疑問を感じたので運営に問い合わせてみたのだが、このリズムは「ユーザーにパーティプレイを楽しんでもらおう」という思いのもとあえて入れたということだ。しかし、実際パーティプレイをしても以前のリズムで進められないし、現状では戸惑いが大きい。こういったユーザーの声は多いようで、運営側は経験値が入る運営イベントを予定し、さらにバランス調整を行なうアップデートを4月に実装予定とのことだ。

 個人的には「PS4で無料で遊べるMMORPG」なのだから、パーティプレイを強要したりせず、自由に遊ばせて欲しいと感じた。きついが報酬が大きいダンジョンや、対人コンテンツを用意しておけば、コアプレーヤーは運営が働きかけなくてもパーティを組み、ギルドを運営してがっつり遊んでいく。気軽に楽しみたいプレーヤーに高い壁を設定してしまったら、多くのライトプレーヤーが遊ばなくなってしまうのではないだろうか。

 とはいえ、3月30日のアップデートで序盤のクエストのバランスが調整されたりと運営側の対応も迅速なようだ。今後どのようになっていくかは期待したい。レリックによるキャラクタービルドや、オリエンタルな雰囲気が混じる世界観など「WOM」は大きな魅力がある。無料で楽しめるゲームだし、宇早紀もかわいい。ぜひ、この世界を訪れて欲しい

【レベル30で壁にぶち当たる】
レベル30に到達したところで出たクエストが、レベルを30まで上げろ…だと…? 実際にはレベル31まで上げるということだと思うが、経験値の枠を見てみると数万単位での経験値稼ぎが必要な状況で、多くのプレーヤーが詰まる場所だと思う
インターフェイスにも改善の余地がある。アイテム購入時には、いちいちソフトウェアキーボードで数字を入力しなければいけない

(池紀彦)