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FPS+MOBAの新しい感覚、「バトルボーン」をプレイ!
アタッカー、ヒーラー、多彩なキャラクターで3つのモードを体験
(2016/3/24 00:00)
- 5月19日発売予定
- 価格:
- パッケージ版 7,700円(税別、PS4/Xbox One)
- ダウンロード版 6,930円(税別、PS4/Xbox One)
- ダウンロード版 7,485円(税別、Windows)
- CEROレーティング:C(15歳以上対象)
- プレイ人数:1~10人(オンライン専用)
2Kは、プレイステーション 4/Xbox One/Windows用FPS「バトルボーン」を、5月19日に発売する。本作は、「ボーダーランズ」のGearbox Softwareが開発を手がけているヒーローシューターで、アイス ゴーレム、空飛ぶサイボーグ、サムライ・ヴァンパイアなど、個性豊かな25名のキャラクターを操り、宇宙の希望を守るべく戦う。ユニークなキャラクターと世界観が魅力の作品だ。
本作の大きな特徴はPvPの楽しさも強く、様々な仕掛けをマップに盛り込んだMOBA要素を持っているところだ。ここに各々固有の武器とスキルが用意されたキャラクターが参加することでゲーム性が大きく膨らんでいる。今回、そんな濃い味満点の「バトルボーン」を一足先にプレイすることができたので、ゲームの概要と、実際に触ってみた感想をレポートしていきたい。
キノコに天使、マッチョに蜘蛛に髑髏……個性的すぎる25人のキャラクター
「バトルボーン」の最大の魅力はキャラクターにある。本作は、25名のキャラクターが登場する。キャラクターは大別するとタンク(前衛)、ヒーラー(回復)、接近型など、特化したバトルスタイルが用意されている。しかしそれぞれのキャラクターは外見のみならずスキルもかなり個性豊かになっており、25人それぞれが際立ったヒーローとなっている。
キャラクターたちは5つの勢力に属しており、各々が個別にバックストーリーを持っている。たとえば、女性キャラクターの「フィービー」が属しているLLC(ラスト・ライト・コンソーティアム)は、近代的な文明に影響を受けている勢力のため、彼女自身も、科学的な武器を駆使して戦うことを得意とする。一方、ミコが所属しているエルドリッドは自然派の勢力なので、自然治癒といったヒーリング系の特殊能力を得意とする。このように、キャラクターたちの能力は、勢力の方針やカラーが色濃く反映されているのだ。
物語の舞台は、ソーラスと呼ばれる宇宙最後の星。プレーヤーは、闇の敵からこの星を守るべく、戦いに身を投じる。それぞれ立場や考え方は違えど、ソーラスを守るという命題は変わらない。ストーリーでは、ミッションごとに異なる、中身の濃い物語が用意されており、種族の垣根を超えた壮大なドラマが楽しめるのだ。アクション部分だけではなく、ストーリーにも大きく力を入れているのが本作のウリのひとつであることは間違いないだろう。
筆者としては、やはり独特過ぎるキャラクターデザインが目に止まった。フィービーやクリース、メルカやソーンなど、いわゆる人間タイプだけではなく、ISICやカルダリアスのようなロボットタイプ、アティカス、ケルビン、オレンディなど、明らかに人類を超越したようなデザインの者も存在するので、キャラクターを眺めているだけでも飽きなかった。
キャラクターデザインはアメコミチックな印象も強いが、日本のアニメチックなかわいらしさや、格好良さ、ユニークなキャラまで盛りだくさんだ。筆者はこういうぶっ飛んだキャラクターが大好きなので、前情報を見た段階からワクワクが止まらなかったというのが正直な感想だ。ちなみに筆者の推しキャラは、ミコ。まんまキノコなこのデザインは反則でしょう。これは、笑った。
レベルアップでよりユニークなキャラに育てられるヘリックス・システム
続いては、ゲームシステムについて触れていこう。システム面において注目すべきはキャラクターの成長要素「へリックス・システム」という特殊な成長システムである。
キャラクターがレベルアップするとこのヘリックスシステムを使用できるようになる。ヘリックスシステムでは1レベルに付き2つの選択肢が提示される。選択は「スキルの威力を増やす」か、「持続時間を増やす」というものや、特性を付与したり、与えたダメージ分自分が回復したりする。同じキャラクターでも選択により大きく特性が異なっていく。本作のキャラクターは最大10レベルまで成長する。プレーヤーの選択により、多彩なキャラクタービルドが可能なのだ。
たとえば射撃の得意なアタッカーである「ウィスキー」ではスティッキーボムを付けられた敵がスロー状態になる「ウェイドダウン」や、スクラップキャノンの攻撃が敵をブッシュバックする様になる「とフラックオフ」といった特性を付与できる。
ヒーラーの「ミコ」なら敵に与えたダメージの一部がライフとしてミコに還元される「トキシック注入」や、毒効果が近くの敵にも広がる「パンデミック」といった特性を獲得できる。アタッカーでも援護能力を強化できたり、ヒーラーでも攻撃重視にできるなど、成長のさせかた次第で強みが大きく異なってくる。自分のプレイスタイルに合わせたやり方で、選択することができるのだ。
個性的なキャラクターでどうチームを組むのかも大きなテーマだ。本作ではプレーヤーは5人1組のチームで行動する。特にオンラインではチームのバランスを考えた構成が重要となる。例えば接近戦を得意とする「ガリレア」は、遠距離戦に弱い。そんな時は遠距離でも戦える「オスカー・マイク」や「ベネディクト」などにサポートしてもらうのがいい。
体験会ではスタッフからチームに各1人ずつはヒーラーとタンクが必要だと教わった。確かにヒーラーとタンクを入れることによって、安定感が全然違ったので、これはぜひ覚えておくべき部分だと感じた。アサシンの「カルダリアス」、ヒーラーの「ミコ」、タンクの「モンタナ」という感じにキャラクターにはある程度役割が設定されている。1キャラにこだわるのも楽しいが、周りのメンバーを考えて使用キャラを変える、という柔軟性も、持ちたいところだ。
チームワークが攻略のカギを握る協力ミッション「レネゲード」
今回は5人で協力してストーリーミッションを2つ体験した。最初にプレイしたのは、「レネゲード」。「カルダリアス」というキャラクターを救い出し、防衛コアを敵のウェーブから守りぬくミッションだ。
今回は他の人がヒーラーとタンクをプレイしてくれたので、まずは自分の好みに寄せて、「ウィスキー」をセレクトした。接近戦も中距離戦もこなす、比較的バランスの良いキャラクターだ。
本作をプレイして最初に感じたのは「普通のFPSとは違うな」という印象だ。チームメンバーがどんなキャラクターを使っているかによって、戦況が大きく異なってくるからだ。難易度に関しては、どちらかというと骨太。油断していると、即死亡という事態も珍しくない。
そのため、キャラクターがそれぞれの強みを活かしたプレイを心がけないと、はっきり言ってミッションクリアは難しい。特にこの時は、ウェーブごとに膨大な数の敵が押し寄せてきたので、死亡した数は、軽く10回を超えていたと記憶している。ヒーラーの「アンブラ」に何回お世話になったんだと……。
しかし、プレイを重ねてメンバー達が要領をつかんでくると、目に見えて戦局が変化した。筆者もウィスキーの特性をつかみ、攻撃力の高い敵には中距離から、それ以外は接近戦で一気に倒すといったように、持ち味を活かすことができるようになった。もちろん、ヒーラーに回復してもらうことや、タンクに壁になってもらうといった、チームワークは忘れない。レネゲードは、ゲームの中身をわかってきたところで終了。残念ながらコアを破壊されてしまい、ミッション達成とはならなかったが、本作のゲーム性をつかんだと感じた。
蜘蛛ロボットを守る「虚無の果て」に、ヒーラーで挑戦
次にプレイしたストーリー・ミッションは「虚無の果て」。今回のミッションは、エスコートがメインとなる。スタッフによれば、レネゲード以上の戦略性が必要とされるということだ。エスコート対象は蜘蛛型のロボット「セントリー」。このロボットを目的地まで連れていくのだが、敵の攻撃にセントリーの体力がなくなってダウンすると、ゲームオーバーになってしまう。
今回筆者は、ヒーラーの「ミコ」を使用した。ミコは頭がキノコというなんともインパクトのでかいキャラクターだ。緑色のエフェクトを出すのは毒キノコそのままでとてもヒーラーとは思えないが、とにかくヒーラーらしい。
ミコは地面からキノコを使ってヒーリングポイントを生成する。射撃武器が中心だったウィスキーとはまるで違うプレイフィールだ。ミコは銃を持っていないので、ナイフ(手裏剣?)を投げて敵に当てるのが基本的な攻撃方法。ナイフはあまり連射が効かないうえに、攻撃力も高くない。そのため、味方のサポートがメインになってくる。
ウィスキーのようなアタッカーとは一味違った楽しみが、ミコにはある。瀕死の味方がいたらすかさず駆け寄り、ヒールポイントで回復してあげることの達成感は格別だ。アタッカーとはプレイ感覚は完全に別物。「回復お願いします!」と頼られたときは、素直に嬉しかった。そもそもFPSで援護タイプのキャラクターを使ったことがなかっため、とても斬新な気持ちでプレイできたというのが率直な意見である。このあたりは、キャラクターそれぞれが強い個性を持っている「バトルボーン」ならではの楽しみと言えるだろう。
MOBA要素の強いPvP、「侵入」モードにアタッカーで戦う
最後にプレイしたのは、マルチプレイモードの1つである「インカーションモード(侵入)」。ミニオンという小型ロボットで敵陣地へ進軍していくMOBA要素の強いモードだ。
このモードでは、ミニオンを目的地まで連れていかなければならないのだが、ミニオン自体は弱いので、守りながらゲームを進めていく必要がある。ただ、敵もミニオンを引き連れているので、お互いのミニオンを如何にして倒すかが攻略のカギとなる。
このモードでの大きな目的が、敵の陣地にいる蜘蛛型ロボット「セントリー」を壊すこと。しかしミニオンとは逆で、セントリーはかなり強い敵なので、1人で倒すことはほぼ不可能。そこで重要になってくるのが、ミニオンおよび味方との連携だ。「弱いミニオンが重要?」と思うかもしれないが、ミニオンのレーザーはセントリーのシールド破壊に役立つという特徴を持っているのだ。このほか、スロール傭兵と呼ばれる敵も登場する。倒したスロール傭兵は味方にすることもできるので、その辺りもキモになってくる。
さて、そんな「インカーションモード」だが、結果は敗退。筆者のチームにはFPSのスペシャリストもいたのだが、筆者の力不足が響いて、成果を上げることができなかった。向こうにゲームになれたスタッフが2人いたというのは言い訳だが、筆者自身がMOBAに挑戦するのが初めてだったので、動き方がわからなかったというところが大きい。
振り返ってみれば敗因は、的確な行動ができなかったことだろう。ミニオンを十分に活かせなかった。キャラクター各々が如何に戦略性を持って動くかが勝敗を大きく左右すると感じた。
このときはアタッカーの「ガリレア」を使ってみた。ターゲットにダメージを与えると同時にスタン状態にする「シールド:スロー」や、足元に呪いをかけ、効果範囲内の敵に与えるダメージを増加させる「デセクレイト」、大ダメージを与えると同時に一定時間ライフを回復させるアルティメット技など、優秀なスキルを持っているのだが、これらを有効に使いこなせなかった。
筆者はMOBAをプレイしたのは本作が初めてだったのだが、MOBAを取り入れた「バトルボーン」ならではの面白さや奥深さの一端を垣間見た気がした。ただMOBA自体は、細かい戦略の積み重ねが勝敗に直結するコアなジャンルという印象なので、まだまだ勉強不足感はいなめないし、今回のプレイも正直言って消化不良な部分が多い。
ただ「バトルボーン」自体は素直に楽しめたし、やり込み甲斐も非常にあるタイトルだったので、正式サービスが始まったら、今度こそ、本作のポテンシャルを十分に引き出した濃密なプレイを体験してみたい。